公共施設は誰のため! 住田正二『お役人の無駄遣い』の読書録

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住田正二『お役人の無駄遣い』

単行本:261ページ
著者:住田正二
出版社:読売新聞社
発売日:1998年(平成10年)3月2日第1刷

目次

はじめに

第1部 こんなにある予算の無駄遣い

【第1章】 目に余る予算の無駄遣い
計画が杜撰な投資
投資効果の少ない投資
必要と思えない投資
贅沢すぎる施設
放置できない予算の無駄使い
私の苦い経験

【第2章】 公共施設の整備は進み、余裕ができている
日本は土木国家といわれているが
土木国家からの決別を
社会資本整備は一応の水準に達している

【第3章】 私が実地に見た港湾施設の利用状況
私は港湾に強い関心を持っている
百億円の釣り堀福井港
港湾利用型工場の少ない新潟港
後背地の経済力とつりあわない宮古港
もう公共埠頭は要らない大船渡港
大型船が入っていない酒田港の公共埠頭
一応合格の富山新港
大型ガントリークレーンがあくびしている川崎港
公共埠頭の利用見込みが立っていない常陸那珂港

【第4章】 余裕があるのに庬大な港湾施設を建設する
在来船用公共埠頭には余裕がある
在来船用大型公共埠頭は木材のために必要だという
貨物量が減少している港湾もある
それでも在来船用の大型公共埠頭を建設するのか
コンテナ埠頭はハードの面で余裕がある
ソフトの面の障害を除去すれば更に余裕ができる
それでも大型公共コンテナ埠頭をこんなに建設する

第2部 なぜ予算の無駄遣いがおきるのか

【第1章】 無駄遣いの元凶は長期計画
今後、日本経済の高度成長は期待できない
GDPが上昇しても貨物は増えない
日本の人口は減少する
需要は伸びないのに貨物の大交流時代は来るのか
コンテナ貨物は大幅に伸びているという神話
民間経営では需要見通しは慎重に
最期計画は予算の無駄遣いの元凶だ

【第2章】 大型公共埠頭の建設が無駄遣いの元凶
流通経費の削減が困難な公共埠頭
公共埠頭の矛盾とその解決策
大型公共埠頭の整備は例外に
専用埠頭と公共埠頭の使用料金のアンバランスをどう考えるか
今すべきことは利用度を総点検して稼働率を上げること
民間なら先ず低利用施設の活用を考える
既存の大型埠頭の稼働率を上げる努力を
思い切って専用埠頭化促進を

【第3章】 横並び整備が無駄遣いを増幅する
裏付けのない港湾長期計画作成者の考え方
港湾重点化整備の必要性
口先だけの重点的整備
整備計画は横並び
集約どころか分散するコンテナ埠頭整備
集約化するとコンテナ貨物が増え船会社も寄港する
大深度コンテナ埠頭を整備しても競争力が強化されるわけではない
海運、港湾の主役は歴史が決める
日本にハブ港湾は成立しない
総合物流施策大綱への疑問
大深度コンテナ埠頭の必要性も薄い
ハブ港湾がないと競争上不利になるのか

【第4章】 先行投資が予算の無駄遣いを招く
港湾施設は使われなければ意味がない
先行投資は危険な賭
港湾を整備しても船も工場も向こうからはやってこない
大きいことは良いことなのか
施設を新設する方が、改良するより安上がりであるという
外貿コンテナ埠頭の投資効果

【第5章】 直轄工事が無駄遣いを誘発する
規模を拡大した国の直轄工事部隊
港湾建設は地方自治に戻し国の直轄工事は縮小すべき

第3部 予算の無駄遣いをなくす処方箋

【第1章】 公務員の倫理観の再構築
国民の税金を使うという意識を強く持て
予算をとると「俺の金」に
自分の金なら無駄遣いはしないはずだ
投資マインド(姿勢)についての官民の違い
民の感覚で投資効果の重視を
国や地方の借金を減らす意欲を持て
担当者の責任を明確にせよ
思い切って予算の無駄遣いとなる事業から撤退を
上級公務員に経営感覚を持たせる教育を
企業への天下りは課長どまり
公務員の立候補を制限

【第2章】 国民の自覚
予算の使い方にもっと関心を
欲しがりません財政再建までは

【第3章】 予算の一律カットを
潤沢な予算が無駄を生む
大幅な予算の一律削減は可能か
一律削減で予算の既得権が崩壊する
各省庁に予算の一次編成権を
高率助成はやめよう
長期計画は廃止すべきだ

【第4章】 予算に関する情報公開
予算がどういう考え方で作られたか国民は知らない
公開すべき情報とは何か

【第5章】 チェック機能の強化を
国会でのチェック機能
運輸省内のチェック機能は働かないのか
大蔵省も無駄を見抜けない
国民代表訴訟制度の創設を
訴訟を意識すれば慎重になる
目安箱の設置を

【第6章】 官業は赤字製造機械
官業にもはや補完の役割はない
経営感覚のない官業
経費節約、能率向上の努力をしろ
臨海副都心の教訓
民営にできるものは民営に
市営電車を持たない市はハッピー
レジャー事業、休養施設には予算をつけるな

あとがき

以下読書録作成予定