終わらない思春期 斉藤環『社会的ひきこもり』の読書録

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斉藤環『社会的ひきこもり』

単行本:222ページ 斉藤環
出版社:PHP研究所
発売日:1998年(平成10年)12月4日第1版第1刷発行

目次

はじめに

【第1部】 いま何が起こっているのか

1・・・「社会的ひきこもり」とは
無関心による悲劇
4つの事例
一過性の流行現象ではない
「社会的ひきこもり」の定義
症状と診断をめぐる問題
思春期に独特の葛藤のパターン

2・・・社会的ひきこもりの症状と経過
「社会的ひきこもり」の統計調査
無気力とひきこもり
不登校との関連
対人恐怖
強迫症状
不眠と昼夜逆転
家庭内でのひきこもり
退行
家庭内暴力
被害関係念慮
抑うつ気分
希死念慮と自殺企図
その他の症状
その他の背景
「ひきこもり」の心因は何か

3・・・さまざまな精神疾患に伴う「ひきこもり」
初期診断の重要性
スキゾフレニア
スチューデント・アパシーと退却神経症
回避性人格障害
境界性人格障害
思春期妄想症
うつ病
分裂病質人格障害
循環性気分障害

4・・・社会的ひきこもりは病気か
従来の精神医学の中での位置づけ
精神科医へのアンケート調査
治療の必要を認める見解
社会復帰への見通し
ひきこもりの国際比較

5・・・「ひきこもりシステム」という考え方
「ひきこもり」は「無気力」ではない
単なる個人の病理としては捉えきれない
対人関係における悪循環
個人・家族・社会の3つのシステム
他人の介入を受け入れられない
コミュニュケーションの欠如
家族システムと社会システムの乖離

【第2部】 「社会的ひきこもり」とどう向き合うか-実践編

1・・・正論・お説教・議論の克服
「そこにある」ことを認める
努力と激励の限界
一方的な受容の弊害
外傷の体験と回復
ひきこもりにおける他者との出会いの欠如
なぜ治療が必要か

2・・・家族の基本的な心構え
「特効薬」はない
治療における「愛」の難しさ
母と子の密室的な愛情関係
「共依存」の問題
他人という鏡の重要さ
「愛」よりも「親切」

3・・・治療の全体的な流れ
最終的に目指す状態とは
立ち直りのための2つの段階
もっとも重要な両親の関わり
「怠け」と考えない
一番不安なのは本人
家族との信頼関係の回復
恨みや非難をどう受けとめるか
本当に「受容的」であるということ
家族の中の「犯人探し」の論理
長期戦をやり遂げるために

4・・・日常の生活の中で
まず声をかけることから
会話をどう続けるか
金銭に関する三原則
「子ども返り」をどう捉えるか
「強迫」とのつきあい方
本人が単身生活をしている場合
生活の「だらしなさ」を受け入れる
基本は現状維持

5・・・家庭内暴力の悲しみ
「甘んじて受ける」対応は間違い
「暴力の拒否」という立場
苦しみを1人で背負いきれない「悲しみ」
初期の基本は刺激しないこと
他人の介在
「避難」-ある家族の場合
暴力を鎮める基本方針

6・・・治療そして社会復帰へ
治療開始の遅れ
精神科をどう選ぶか
通院への導入
重要なのは治療者との信頼関係
社会復帰のルート
意義ある「たまり場」の試み
パソコン通信・インターネットの可能性
入院治療・ハウス治療など
「30歳」という節目
「見通し」の共有
家庭の経済状況を説明する
スタートラインを引き直す

7・・・「ひきこもり」と社会病理
青少年は本当に無気力化したか
「去勢を否認させる」教育システム
性差が意味すること
受け入れても拒んでも結果は同じ

おわりに
ひきこもり対応フローチャート
あとがき
参考文献

以下読書録作成予定