長期保有型投信こそ財産づくりの本命だ 澤上篤人『この3年が投資信託の勝負どき』の読書録

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澤上篤人『この3年が投資信託の勝負どき』

単行本:203ページ
著者:澤上篤人
出版社:明日香出版社
発売日:2000年(平成12年)9月30日初版発行

表紙

将来のための大切なお金
あなたは何に蓄え、
何処に託しますか?
本当の投資家と運用者の姿勢が問われる時代

目覚めよ!一般投資家
このままでは捨てられる!投信業者
低金利の貯蓄にじっと我慢したまま、
それで将来を託せますか?
博打的なリターン追求で本当に成果を残せますか?
本格的な中長期「バイ・アンド・ホールド」型の投資運用こそ
サラリーマンでもできる財産づくりの本命だ

目次

はじめに

【第1章】 運用の時代が突然やってきた

[1] 人生設計に狂いがない幸せな時代が続いた
世界でも稀な長期経済成長
いい会社に入りさえすれば
定年まで勤め上げれば
60歳とか65歳ぐらいまでは安定収入が続いた
[2] 突然、運用の必要性に迫られるようになった
貯蓄はしても運用をして来なかった国
少子高齢化の進展もあり、年金問題の深刻化は仕方ない?
運用の蓄積不足
日本の年金が株式中心の運用をしていたら
[3] 預貯金しか知らない国民
貯蓄信仰は政策の一部だった
国民の資金はすべて吸い上げる
預貯金主体で利殖になっていると思えた
毎年の所得増加が利殖不足を十分に補ってくれた
[4] 運用を知らない日本の機関投資家
かつて日本には、世界最高のファンドマネジャーが存在した
下手に運用しなかったからこその長期右肩上がり相場
政策的な株式持ち合いの進展が株価を磐石に下支えした
資本の自由化が株式持ち合いを加速させた
結果的には、理想的な長期運用をしたことになる
慣れない運用をはじめた途端、あのバブル相場
我先の売り急ぎで自殺行為をしてしまった
持ち合い解消売りの被害者は法人株主自身だ
運用成績で資金を集めた経験のない運用の専門家
看板だけの機関投資家が突然、運用を迫られた
特金運用のはじまり
債券ディーリングの手法を、株式投資に持ち込んだ
含み益が消えたら機関投資家もタダの人

【第2章】 どうして日本の投信は運用成績が低いのか

[1] 販売のビジネス
投信の主役は個人投資家のはず
日本では政策的に導入された
販売サイドの論理優先
[2] 大量設定・大量解約のカラクリ
小さく生まれて大きく育ってしまうのが投信
大きくスタートして後はジリ貧となるのが日本の投信
運用を流してしまう
どうして、大量設定・大量解約となるのか?
大量解約を誘うのも商売
[3] 投信の成績が悪いのは
相場商品だから
株式投信への乗り換え
高額配当ファンド
資産管理営業はどこへ?
メガ・ファンドの登場
[4] 成績が悪くて何が問題?
証券会社の体質を問うのはおかしい
投信運用者の職業倫理
日本の投信会社には販売力がない
投信顧客も慣れたもの
投信ビジネスに関係している人たちは全員が幸せ

【第3章】 日本の投信ビジネスに新しい風

[1] 預金者が動き出した
小さな実験
直接販売主体で十分やっていける
顧客は明確な目的を持っている
申込書と一緒に激励の手紙
長期運用タイプの投信が求められている
ベンチマークなど求めていない
[2] 運用ニーズはもう待ってくれない
3年もすれば、「見える」ようになる
海外の運用プロたちには「見えて」いる
5年ぐらい先に雪崩れ現象がはじまる
10年したら日本の金融地図は一変してしまっている
真に投信の時代
[3] もし自分が地銀の頭取だったら
戦略性に欠ける投信の窓口販売
地銀は有利な立場にある
日本の運用レベルが上がる
日本には本格的な運用を求めている資金が山ほどある
[4] 既存の投信ビジネスが捨てられる日
当分は本格派の投信ファンドといえども、ひよっこ扱い
このままだと顧客に捨てられる
日本の投信業界が、販売主体から運用主体に変わる
日本の機関投資家も運用競争で鍛えられて本物になる

【第4章】 財産づくりは長期保有型の投信で

[1] 日本の投信運用
海外では長期保有型の投信が主流
預貯金では財産づくりにならない
預貯金の利子は、いわば残りカス
預貯金が利殖になる唯一の例外
MMFなら金利上昇に連動してくれるから、定期よりずっといい?
債権投資のリターンで十分だった
公社債投信の神話はもうすぐ消える
債権投資は万能ではない
公社債投信はインフレに弱い
[2] 日本の株式投資
企業の資金調達を手伝う「お神輿かつぎ」の株式市場
祭りの音頭をとったのが大手証券
株価を上昇させるプログラム
個人投資家に割を食わせてきた咎め
お祭り騒ぎの株式市場は終わった
結果オーライの相場展開
主役銘柄に群がる相場展開
投資家それぞれが前面に出た相場展開が普通になる
[3] 長期保有型の投信は運用の基本に忠実
景気および金利動向に沿って投資運用がある
金利サイクルは「お金の流れと所得の偏り」を表す
お金の流れに逆らっては商売も投資もない
「お金の流れ」に沿って、投資対象を順次シフトさせていくのが運用
アセット・アロケーションの実践
〔株式シフトすべき時期〕
〔株から現金へシフトする時期〕
〔ここで債券シフト〕
〔債券から株式へシフト〕

【第5章】 長期保有型の投信が定着すると

[1] 長期投資の成果はすごい
どこの国の経済も長期では右肩上がり成長している
人間の生活が集まって経済となる
人間の欲が景気変動をつくる
「何とかしなければ」の願いが景気を回復させる
経済は生活感覚で判断しよう
経済活動や投資は名目成長率の中にある
株式の平均リターンは一番上にくる
米国の実例
日本の実績はもっとすごい
[2] 長期保有型投信の運用リターンが積み上がると
本格的な長期運用ファンドのすごさ
年13%に回った投信を買っていたら
一億円できてしまうと
長期保有型投信は出し入れ自由の無期限定期みたいなもの
[3] ファイナンシャリー・インディペンデント・シチュエーション
もう財産づくりなど考えなくてよい
運用の本当の目的は
若いうちから目標ができる
[4] 金融資産の蓄積が進んだ成熟国で長期運用が定着すると
成熟国経済でも成長する
金融資産の蓄積が進んでいるからこそ
質の高い経済成長が期待できる

以下読書録作成予定