隠された官の聖域 北沢栄『公益法人』の読書録

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北沢栄『公益法人』

新書:210ページ
著者:北沢栄
出版社:岩波書店
発売日:2001年(平成13年)4月20日第1刷発行

目次

はじめに

【Ⅰ】 公益法人問題とは何か
1.いわゆる「特殊法人改革」の経緯とまやかし
2.取り残された公益法人改革
3.公益法人の制度と設立状況、指導監督基準

【Ⅱ】 肥大化する「見えない政府」
1.電波行政がつくった社団法人
2.問題公益法人を類型化する
総務庁の初の実態調査所見
3.「情報公開」は形だけ
KSD事件が意味するもの
公益法人の名簿も実質「非公開」

【Ⅲ】 知られざる実態
1.奇妙な法人-休眠法人
2.幽霊法人も1200近くさまよう
3.「トンネル法人」-補助金の交付機関
人件費は補助金で賄う
4.「丸抱え法人」-補助金・委託費で収入を賄う
5.国の事務を補助・補完
「地域独占」財団
バブルの後始末財団
官業一体化財団
法的根拠なき国策財団
基地の騒音対策で設立
6.各省庁のシンクタンク
有力シンクタンクも「官」の手中
特殊法人から補助を受ける「トンネル型シンクタンク」
7.特殊法人の事務を補助・補完
「赤字の特殊法人」対「黒字の公益法人」
建設省・道路公団ファミリーの暗躍
分割された道路施設協会
特殊法人代わりの財団
8.特殊法人が設けた施設を管理・運営
特殊法人の不動産管理法人
大規模保養基地「グリーンピア」を運営
特殊法人と「負の連鎖」
9.「国家資格」の事務を実施する
「指定法人」と行政の蜜月
国家試験の実施を独占
受験手数料大幅引き上げの罪
自己増殖する「資格」「認定」
10.国の「検査」「検定」「認定」を実施する
不透明な補助金ルート
パチンコの型式試験を独占
公益法人の必要性がない競争型検査機関
11.公益法人の「資格」を国が認定
「英検」に人気集まる
文部省が「認定」を格上げ
介護サービス支援の「政府子会社」
常勤役員の4分の3が天下り
12.「特権」公益法人
国立公園の規制地域で保養事業
国の職員の互助会・共済会
保有株式をファミリー企業に分散

【Ⅳ】 設立・運営をめぐるさまざまな手法
1.法によらずに「通達」で利権
「課長通達」が唯一の根拠
改正法が仕組みを透明化
2.法によらずに「告示」で利権
公益法人の業務を下請けする公益法人
資格認定の認可法人も天下り基地
3.業界からの「寄付金」で運営
護送船団行政の破綻で没落

【Ⅴ】 根治のための処方箋
1.主務官庁制を廃止する
2.NPOと扱いを同一に

取材ノート
あとがき

以下読書録作成予定