デフレ不況に打ち勝つサラリーマンという生き方 田中秀臣『日本型サラリーマンは復活する』の読書録

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田中秀臣『日本型サラリーマンは復活する』

単行本:247ページ
著者:田中秀臣
出版社:日本放送出版協会
発売日:2002年(平成14年)6月30日第1刷発行

デフレ不況に打ち勝つサラリーマンという生き方
●時代の半歩先を読む
NHKブックス944

目次

はじめに

【序章】 カフカの惑溺とサラリーマンの不安
カフカの不安
日本型サラリーマンの誕生
緩やかなデフレが衰退させるサラリーマン社会
サラリーマンの歴史をふりかえる
サラリーマンとは何か
本書の構成

第1部 サラリーマンはどこから来たのか?

【第1章】 サラリーマンの誕生
1.モダン都市とサラリーマン
戦間期ドイツのサラリーマン像
没落する階級か知識階級か
モボ・モガの登場
大衆消費文化の担い手としてのサラリーマン
ベストセラーの描くサラリーマンの姿
昭和モダニズムの担い手としてのサラリーマン
2.雑誌『サラリーマン』と戦前型サラリーマン
戦前型サラリーマンの生活
「サラリーマンは重役に成れるか」
サラリーマンの実感
50円サラリーマンの暮らしぶり
50円サラリーマンの悩み

【第2章】 サラリーマンの「三種の神器」
1.サバイバルゲームとしての「終身雇用」
サラリーマンの三種の神器とは
終身雇用はなくなるか
日本経済をささえる「終身雇用」
終身雇用という幻想
2.年功序列-プライドを煽る競争システム
『大学は出たけれど』
重役になる夢
諦めさせながら、煽る
「みせびらかしの消費」から考える
勤労意欲はひきだせるのか
社会資本とは
3.企業内の「声」-企業内組合の発生と衰退
恋愛か階級問題か
30年代の構造改革
日本の雇用システムの中核か
サラリーマンの発言機構
労働組合は利益をもたらさない
4.サラリード・ウーマンの冒険
女性記者の草分け
サラリーマンの究極の保険
企業社会の最弱者
ヴェブレン財の負の側面
揺れる中高年の現在

【第3章】 会社人間はなぜ生まれるのか
1.「会社人間」のメカニズム
サラリーマン・イメージの変容
どう定義されているのか
人はいかにして会社人間になるのか
会社人間の何が問題か
2.会社人間の病理を解く
会社人間を作りだす強制機構
会社人間のいびつな精神
会社本位で行動させる
三種の神器がゆがめる会社人間の心
3.協同組合企業の可能性
生産協同組合のエース
人間のための経済学の象徴
勤労意欲をひきだす組織形態
スペイン経済全体の状況から考えると

第2部 サラリーマン社会はどこへ行くのか?

【第4章】 デフレが変えたサラリーマンの「時間」
1.デフレ不況がなぜ問題か
デフレ不況の衝撃「みせびらかし」の必要経費
デフレ・スパイラルはなぜおきる
長期不況の原因としての労働時間の減少
日本人は働きすぎか
サラリーマンの労働時間を考える
2.自由な自分のための時間
「いかに生活すべきか」
大熊信行の自由時間論
一日の平均労働時間は9.2時間
気楽なサラリーマンの時間管理
3.サラリーマンの危機
もとめられるサービス残業
迫りくる過労死と過労自殺
なぜ自殺するのか

【第5章】 自立するサラリーマンという幻想
1.自立のすすめ
サラリーマンは自立すべきか
サラリーマンの処世術
2.フィクションとしてのIT革命
中間管理職は中抜きされるか
ITは組織のフラット化をすすめるか
中間管理職がなぜ必要か
二極分化する労働者
3.成果主義の落とし穴
デフレは構造問題が原因か
キャリア志向は当たり前
自己投資を強制されてきた
成果主義をどう見直すか
成果主義は悪用される
能力開発と長期雇用
日本型雇用システムを再評価する

【第6章】 構造改革論ではサラリーマンは救えない
1.構造改革の破綻
役に立たない構造改革論
なぜ構造改革ではダメなのか
小泉内閣の無謀な挑戦
なぜ暗闇への跳躍なのか
「構造改革はゆるぎない」のか
EPG政策の完全な敗北
空まわりした人びとの期待
2.雇用流動化論の失敗
なぜ景気に関係ないのか
転職に必要なこととは
530万人の雇用を創出できるか
転職行動における合理性
失業発生のメカニズム
デフレ不況の真因としてのデフレ・ギャップ
雇用の流動化論のウソ
3.雇用再教育機関の問題性-市場の失敗と政府の失敗
桂財と情報
介入と失敗
教育バウチャー制は有効か
雇用・能力開発機構は存続か否か
市場と政府

【第7章】 構造化するデフレ社会を超えて
1.根本的治療としてのマクロ経済政策
危機脱出のための処方箋
総需要の増大によるデフレ・ギャップの解消
デフレがひきあげる雇用コスト
荒廃する日本の雇用環境
年功賃金とサラリーマンのやる気
日銀の社会的任務
倒錯する「経済学者」「合成の誤謬」をどう解決するか
なぜデフレの罵に落ちこんだのか
インフレ目標はなぜ必要か
インフレ・ターゲットによる政策レジームの転換
2.自由なサラリーマン社会へ
政策の失敗がなぜつづくのか
「不況レジーム」のメカニズム
日銀はなぜ消極的なのか
不況レジームをうち破るリーダーシップを
日本経済の壮大なる失敗
岐路にたつサラリーマン社会
人的資本を再構築する
「みせびらかし」がモラル・ハザードを防止する
ボイスとエクジットをどう保証するか
市民社会の紐帯をもとめて

参考文献
あとがき

以下読書録作成予定