安心できる制度に向けた画期的提言 竹本善次『年金はどう変わるか』の読書録

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厚生年金・国民年金増額対策室

竹本善次『年金はどう変わるか』

新書:186ページ
著者:竹本善次
出版社:講談社
発売日:2003年(平成15年)9月20日第1刷発行

目次

はじめに

【第1章】 なぜ年金改革が必要なのか

1.公的年金はなぜ必要か
社会で高齢者を扶養する時代
公的対応と私的対応
社会保険としての年金
世代間扶養としての年金
私的年金と公的年金の違い
老後の生活費を支える3つの柱
日本の年金制度の体系と種類
2.年金改革をとりまく状況変化
年金財政再計算とは
進む少子高齢化
経済の低成長と累積する財政の赤字
3.年金改革に向けて
年金制度改革への基本的視点
公的年金制度の基本的考え方・体系
負担から給付を考える視点
社会経済の変動に対する対応
個別的な論点
2000年改正までとの論点の違い

【第2章】 <重い負担>を考える-運営と財政

1.年金制度の運営方式
年金の運営方式
国民皆年金を揺るがす国民年金の空洞化
基礎年金の税方式化の議論
税と社会保険料の違い
自由社会の理念と税・社会保険
現実の高い壁
給付制限の可能性と移行のむずかしさ
社会保険方式のもとでの解決方法はないのか
2.年金の財政方式と負担のあり方
財政方式-賦課方式と積立方式
積立方式から賦課方式へ
保険料の引き上げ計画
国庫負担率をめぐる経緯
標準報酬制から総報酬制へ
現役世代の重い負担
減少していく可処分所得
年金は付加価値の分かち合い
増大する国民負担率
選択肢の多い自由な社会を

【第3章】 給付とモデル年金の設計

1.給付の設計
国民皆年金と基礎年金の導入
二階建ての設計
基礎年金の給付設計
厚生年金・報酬比例部分の給付設計
平均標準報酬月額の出し方-賃金スライドの意味
賃金スライドの変更による給付水準の調整
2.モデル年金の設計
モデル年金の意味
延びる女性の勤続年数
共働きモデル設定の論点
3.支給開始年齢と給付設計
難題だった支給開始年齢の引き上げ
減額率の是正
支給開始年齢の引き上げと減額率による調整

【第4章】 女性と年金-専業主婦、パートタイム、離婚、遺族

1.第3号被保険者という問題
沿革から考える
呼ばれた「妻の年金権」確立
第3号被保険者制度の創設
多様な女性のライフスタイル
第3号被保険者制度に対する批判
厚生労働省が整理した4つの案
男女の就労条件の平等化
パートタイム労働者への厚生年金適用拡大
育児期間の取り扱い
2.遺族年金と離婚時の年金分割
遺族年金の存在理由と給付
遺族年金の存在意義
離婚時の年金分割
3.「年金改革の骨格に関する方向性と論点」と女性・高齢者
年金ポイント制の導入
奨学金制度の拡充
現在の受給者の給付水準抑制
変化する労働と高齢者の雇用
子育てへの経済的支援

【第5章】 安心できる年金制度へ-最終保険料固定方式と小さい賦課方式

1.保険料固定方式は安心を保障するか
年金改革の新機軸
従来方式をなぜ捨て去るのか
「保険料固定方式」とは何か
2.年金改革と小さい賦課方式
年金への不安と不信はどこから生まれているのか
新しい給付モデル
共働きモデルの設定
給付のスリム化-小さい賦課方式への移行
消費支出の内容と給付水準
3.信頼できる年金制度へ
国民年金(基礎年金)改革の方向
給付水準のミニマム-最終給付の下限設定
安心できる社会へ

あとがき
主要参考文献

以下読書録作成予定