金子勝『経済大転換-反デフレ・反バブルの政策学』の読書録

厚生年金・国民年金増額対策室年金読書録(年金、年金生活、社会保障関連の本) > 金子勝『経済大転換-反デフレ・反バブルの政策学』の読書録

厚生年金・国民年金増額対策室

金子勝『経済大転換-反デフレ・反バブルの政策学』

新書:206ページ
著者:金子勝
出版社:筑摩書房
発売日:2003年(平成15年)10月10日第1刷発行

表紙

アメリカを中心にしてバブルをつなぐ経済がいつまでもつのか。
それが最大の焦点になりつつある。やがてバブルをつなぐ経済には息切れが来る。
その時が本当の危機の時代になるだろう。

目次

【序章】 分裂の時代へ
歴史の終わり?
軍事的グローバリズム-国境なき「国防」
「際限のない戦争」の危険性
分裂のコスト

【第1章】 バブルをつなぐ経済
1.アメリカ経済の本格回復はあるのか
バブルの交替
二つのバブル崩壊が重なる危険
ブッシュ減税と「双子の赤字」
2.スローパニックと金融政策
金融政策の変質
インフレターゲットか不良債権処理か?
期待のコントロールは可能か

【第2章】 「グローバルスタンダード」がもたらすデフレ圧力
-市場と制度のフィードバック関係
1.有効性を失う経済学
支離滅裂になる経済学
「情報の経済学」の限界
2.金融ビッグバンの虚妄
信用収縮のメカニズム
税効果会計のからくり
ペイオフとtoo big to fail
3.国際会計基準がもたらすデフレ圧力
時価会計主義の導入と銀行危機
キャッシュフロー経営の負の効果
4.必要な制度改革は何なのか
「グローバルスタンダード」に対して
血管の目詰まりを通す制度改革を

【第3章】 不良債権と企業再生
1.金融システム不安は終わったのか
懲りないミニバブル願望
りそな実質国有化の問題点
2.政策的失敗の検証がない
小泉政権で成功した経済政策はない
政策の検証がないことが混乱を生む
アメリカに学べ?
「緊急性に鑑みて」という常套句
3.いかなる政策プログラムが必要なのか
何のための公的資金注入か
企業再生こそが必要
責任を問う立法が不可欠だ
タイムリミットが近づきつつある

【第4章】 財政崩壊と増税の悪循環
1.増税路線の泥沼化
財政路線の隘路
優先すべきは年金改革
2.間違った税制改革論
大衆増税路線
レーガン改革とは似て非なるもの
「薄く広く」の嘘

【第5章】 日本型インナーシティ問題と地方分権
1.なぜ地方分権が必要なのか
三位一体改革の登場
町そのものの崩壊
高齢化と地権の細分化
大都市の空洞化
2.地域デフレをくい止める
つぎに来るのは地域デフレ
国の形を変える

【終章】 反デフレ・反バブルの政策へ
歴史に学ぶとは何か
死んだ対立軸を超えて
反デフレ・反バブルという立場について
未来を担う世代のための

参考文献
あとがき

以下読書録作成予定