年金や財政の真の問題点からゴマカシの仕組みを解剖する 金子勝『粉飾国家』の読書録

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金子勝『粉飾国家』

新書:196ページ
著者:金子勝
出版社:講談社
発売日:2004年(平成16年)7月20日第1刷発行

目次

はじめに

【第1章】 年金改革-本当の問題は何なのか
前提から崩れ去った「改正」…「マイナスの貯蓄」が最大の問題点
悪循環の繰り返し
いまの制度は潰れそうな会社と同じ
政府案は特殊法人の不良債権隠し
過去債務を切り離せ
年金不安の背後に眠る問題

【第2章】 巧妙な粉飾のメカニズム
粉飾国家とは何か
日本社会の同調体質
この国はなぜ行き詰ったのか
病状が悪化して経営破たんへ
金融再生には長い期間が必要
年金問題の失敗から逃げ切ろうとする官僚
民営化も粉飾国家の一部である

【第3章】 粉飾国家と財政赤字
一般会計には実体がない
金利の急上昇と国債の暴落
国債を買い続けなければならない政府と日銀
特別会計にたまる巨額の隠れ借金
膨れ上がる外為特別会計
特殊法人の債務超過はいくらになるのか
「道路公団民営化」という粉飾
国民の財産の情報開示がない

【第4章】 年金問題は「過去の失敗のツケ」である
20年間も同じ間違いを繰り返す
健全な年金財政の条件
バランスシートで見る問題の本質
捕らぬ狸の皮算用
本来発生するはずのない債務超過
甘い見通しを繰り返す人口推計
いつも同じ言い訳と実態隠し
限界ギリギリの数字
止まらない年金空洞化と収支悪化
まず債務超過額を明らかにせよ

【第5章】 年金会計がわかりにくい理由
危険な将来予測への依存
「時点間換算」という考え方
2004年の年金制度「改正」の問題点
なぜ中位の人口推計値が使われるのか
不確定な予測値に振り回されないために

【第6章】 粉飾国家の暗部・特殊法人
年金積立金の運用は極めて不調
特殊法人への貸し付けはなぜ問題か
「企業会計基準」の適用の効果
道路公団民営化に隠された問題
実際価値からかけ離れる金額
収益還元法で予測値の操作は防げるか
政策コスト投入は辻褄合わせ
融資した年金積立金が焦げ付くとき

【第7章】 新しい年金制度を提言する
改革に必要な3つの原則
拠出税方式の年金制度を作ろう
拠出税方式と「クロヨン問題」
年金一元化は人生選択を自由にする
隠れた巨額不良債権の処理が必要
世代間格差論の落とし穴
年齢とともに広がる所得格差
「上に薄く下に厚い給付」の実現を

【第8章】 年金財政を政府から切り離せ-福祉政府の創造へ
委託・受託関係と責任会計の概念
受託者=国は責任を負うべし
民間企業なら経営者の解任
政府には重い説明責任がある
年金制度を「政府」として独立させよう
粉飾国家から3つの福祉政府へ

おわりに

以下読書録作成予定