フリーターでもなく失業者でもなく 玄田有史・曲沼美恵『ニート』の読書録

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玄田有史・曲沼美恵『ニート』

単行本:271ページ
著者:玄田有史曲沼美恵
出版社:幻冬舎
発売日:2004年(平成16年)7月10日第1刷発行

2000年に17万人、2003年には40万人。
今年、さらに・・・。
「働くことにも学ぶことにも踏み出せない人」が急増している。

彼らは人生を放棄したわけではない。
立ち止まって、自立の芽を探しているのだ。-村上 龍

少子化が進む中、日本経済にも根深い影響を与えはじめた「ニート」。
この時代の危機と希望がここにある。

何をしたらいいのか、わからない・・・。
ニートは「働かない」のではない。
「働けない」のだ。
ニートは「働きたくない」のではなく、
なぜか「働くために動き出すことができない」でいるだけだ。
動き出すために、未知の誰かからの早い時点でのきっかけを必要としているのだ。
(「第6章」 誰もがニートになるかもしれない 玄田有史」より)

目次

はじめに

【第1章】 「ニート」という若者
就職も進学もしない人たち
働く希望を失った若者
6年で5倍
家事や育児のせいじゃない
「ニート」
わからない実態
日本版「ニート」の実像
中学卒・高校中退の現実
ニートの収入源
なぜ働けないのか
学生時代にはじまるニートの芽
ニートと「ひきこもり」
ニートの未来

【第2章】 ニートに会う
ヤングジョブスポット
20代の孤独
やりたいことがわからない
きれいにやめた
目標と充実感
書けない履歴書
結婚してニートに
2つの内定を断った
「やればできる」と言われて
自分はもっとできるはず
密かなあこがれ
やりたいことがみつかっても
白衣を着たカエル
出るべきときに出た
いっぱい、いっぱい
「いい子」でいたい
やり直したい

【第3章】 14歳の分岐点
増えるニートを防げるか
職場体験の理想と現実
5日間、すべての14歳
なぜ、兵庫だったのか
本当にできるのか
大人にとっての14歳
地域に返したい
システムへの理解
親でも先生でもない
トラブルを乗り越えて
一人ひとりの保険加入
自分の力が信じられる
やり直しのきっかけ
「心の教育」
顔が変わる
130万人の14歳と5パーセントの大人
拠りどころ

【第4章】 14歳と働く意味
思い出だけじゃない
病院という現場で
ボランティアでもいい
5日間でできたこと
大きな声であいさつ
大人の世界をかいま見た
『少しだけ』の大きな変化
生きるための課題
不登校の生徒も同じスタートラインに
自分から話しかけられるようになった
14歳だけじゃない
中退後、それから
生きるプライド
きっと思い出す

【第5章】 ニートからの卒業
ひきこもりからの出発
面接が怖い
人生の折れ線グラフ
フリーターになれた
働きたいんだ
安田さんの場合
やりたくないこと探し
いらない
ほんのちょっとしたこと

【第6章】 誰もがニートになるかもしれない
フリーターしかない現実
働くよろこびなんて
ニートをフリーターの二の舞にするな
自分にあいた穴
情報の洪水の前で
つながれない
ニートが増えた理由
分類することの虚しさ
やりたいことがわからない
空白を埋める
働くことはかなしい
異物との遭遇
チャンスをつかむ

おわりに

以下読書録作成予定