年金制度と向き合う 藤本健太郎『日本の年金』の読書録

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厚生年金・国民年金増額対策室

藤本健太郎『日本の年金』

新書:184ページ
著者:藤本健太郎
出版社:日本経済新聞社
発売日:2005年(平成17年)2月15日第1版第1刷発行

目次

はじめに
序 高まる年金不信

【Ⅰ】 年金とはどんなものか

[1]公的年金の役割と特徴
収入のない退職後の生活の保障
貯金との違い-公的年金は社会保険
年金を一生受け取れる終身給付・物価スライドによる実質価値の維持
[2]どうして公的年金がつくられたのか
都市への人口集中と核家族化
薄れた「家」意識
社会全体で老後生活を支える仕組みが必要に
[3]年金にはどんな種類があるか
年金の全体像(公的年金、企業年金、個人年金)
公的年金
企業年金
厚生年金基金
確定給付企業年金
確定拠出企業年金
適格退職年金
個人年金
[4]どのような人がどの年金に加入しているのか
[5]公的年金の給付の種類
老齢年金
支給開始年齢
支給開始年齢の繰り上げ、繰り下げ
老齢年金の給付額
障害年金
遺族年金
加給年金
損得論について
[6]企業年金の仕組み
「1」厚生年金年金基金
厚生年金基金の設立条件
厚生年金基金の運営
厚生年金基金連合会
厚生年金基金の資産と代行返上
「2」確定給付企業年金
確定給付企業年金の給付の内容
受給権を保護するための仕組み
確定給付企業年金の資産運用
「3」確定拠出企業年金
確定拠出企業年金を開始するには
給付の内容
確定拠出企業年金への拠出
年金資産の運用・管理
ポータビリティ
「4」確定拠出個人年金
誰が加入できるか
給付の内容
確定拠出個人年金の掛金
年金資産の運用・管理
ポータビリティ

【Ⅱ】 日本の年金の現状と問題点

[1]日本の年金の現状
給付水準
保険料の水準
国民皆年金
年金財政の仕組み
日本の年金は賦課方式と積立方式の中間
年金の積立金
積立金の運用をめぐる経緯
[2]年金受給者は増え、保険料を払う人は減る
少子高齢化の進行と総人口の減少
少子高齢化が進むと年金財政は悪化する
少子高齢化が進むのは日本だけか
ドイツでも日本と同じように人口が減少し、少子高齢化が進む
[3]経済の低成長、低金利と年金財政の悪化
不景気がなぜ年金財政に影響するのか
ドイツ年金報告2003
低成長と年金財政悪化の負の連鎖
低金利が年金を苦しめる
厚生年金基金の代行返上がなぜ起きているか
低金利は企業年金の財政悪化を通じ、企業経営も苦しめる
401K型年金の光と影
従業員の投資教育が確定拠出年金導入の前提条件
[4]世代間の利害対立
保険料率の上昇に苦しむ現役世代
給付の維持を望む高齢世代
既得権重視からの転換
[5]女性の年金
離婚すると夫の厚生年金は受けられない
専業主婦のほうが得?-第3号被保険者問題

【Ⅲ】 年金改革にはどんな選択肢があるのか

[1]保険料の引き上げ-どこまで許容されるのか
保険料を引き上げれば年金給付は維持できるか
ドイツでは失業との関連が強く意識されている
国際競争力との関係
[2]年金給付の抑制策にはどのようなものがあるか
給付水準の引き下げとは何か、給付額のカットとの違いは
給付水準引き下げの対象に既裁定者を含めるか
給付設計の変更とスライドの抑制
支給開始年齢の引き上げ
[3]年金の財源として、保険料以外にどのようなものが考えられるか
国庫負担を増加させる
特定の税を年金収入に充てる
積立金の運用収入と取り崩し
[4]人口変動の影響を受けない積立方式の年金の活用
賦課方式と積立方式の長所と短所
積立方式の企業・個人年金を導入(ドイツ年金改革2001)
ドイツの新企業・個人年金の具体的な内容
401K型年金(確定拠出型年金)の導入
[5]年金で育児を支援
育児負担に配慮した年金補助(ドイツ年金改革2001)
年金資金を活用した次世代育成支援策の検討

【Ⅳ】 これからの年金改革の視点

[1]年金不信の解消に向けて
開かれた議論を
将来いくら年金が受け取れそうか、もっと積極的に情報提供を
公的年金の一元化
正直者が損をしないように
[2]社会保障の総合的な改革
社会保障全体の改革とは
ドイツではお年寄りも年金の受給額に応じて医療保健料を負担
特別養護老人ホームに入所した人の年金はどうすべきか
[3]個人の行動に対して中立的な年金
転職の妨げにならないように
結婚、育児、離婚によって不利にならないように
[4]年金財政と経済政策を連動させる
年金政策と経済政策は無関係ではいられない
もっと消費税の視点で経済政策と年金政策を考える
年金積立金を前向きに考える
[5]年金で少子化対策を進める
年金で出産を支援-医療保険がカバーできない部分
年金でもっと育児支援を

【Ⅴ】 付録
付録1-平成16年改革のポイント
付録2-年金用語辞典

以下読書録作成予定