森永卓郎 カレル・ヴァン・フオルフレン『年収300万円時代 日本人のための幸福論』の読書録

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森永卓郎 カレル・ヴァン・フオルフレン『年収300万円時代 日本人のための幸福論』

単行本:204ページ
著者:森永卓郎 ・カレル・ヴァン・フオルフレン
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2005年(平成17年)5月26日第1刷発行

「稼ぐが勝ち」で、
幸せになれるのか?
私たちの「幸せ」とは何か?
世界の中で日本が生き抜く道はあるのか?
を大激論

・幸せの三分類は、「ラク」で「満足」そして「ハッピー」
・日本こそが「アメリカの抵抗国家」と呼ぶべき存在
・増えているのは、専門技術と事務と営業
・秋葉原を歩いてみると、日本で何が起こっているのかがわかる
・日本は目を覚ますべきなのか。それとも、すでに目を覚ましているのか?

目次

はじめに

【第1章】 今の日本人にとっての「幸福」とは

今の日本人にとって、「幸福」とは何だろうか?
幸せの三分類は、「ラク」で「満足」そして「ハッピー」
「達成感から生まれる満足感」こそ、深い意味のある幸せではないか

日本人が幸せだったのは、いつの時代だったのか?
「一生懸命働けば必ず報われる」と信じていた、幸せな時代があった
従業員とは、企業にとって金儲けの道具にすぎない
昔を懐かしむ気持ちは、フランス、ドイツ、アメリカでも同じ
人為的に「希少性」をつくり出さなくてはならない状況に
「休みをください」と言ったらリストラの標的

ヨーロッパのほうが、日本より幸福なのだろうか?
中国人のほうが、日本人よりも、ずっと報われていると感じる
アメリカ人までもが、株主至上主義のダメージを受けている
日本とは別の意味で、ヨーロッパの人たちは「あきらめている」
下町のご近所づき合いは、山の手の生活よりも素晴らしい
ルイ・ヴィトンを「ただクレージーに追いかける」日本人
「私は正しいもの、ブランドをよく知っている」と見せつける裏の心理は・・・
オランダの人たちは、日本人よりも幸せなんじゃないか
地方には、仕事はないが幸せはある
本当にいい医療を受けたいのであれば、フランスへ行け!?
男性パートタイマーも多いオランダには、「そこそこの安心感」がある
アメリカでは、会社の繁栄に貢献した人でも、いらなくなれば即クビ!
バブル真っただ中から、経営者たちは早期退職やリストラをやりたがっていた
知的な人や好奇心旺盛な人にとって、オランダはつまらない国
再就職するとなると、どの年齢層でも年収は300万円程度

民主主義は失われていくのだろうか?
「失われた10年」は、失われていなかったのではないか?
物質的に恵まれていれば、民主主義が消えてしまうことを認識しない
みんなが弱っていく中で、強いリーダーを求めている
自衛隊をイラクから撤退させたら、攻撃される?
日本こそが「アメリカの抵抗国家」と呼ぶべき存在
どうせ貧乏になるのなら、戦って貧乏になったほうがいい
独立した立場をとるのであれば、日本は再び活性化するかも
このままアメリカについていけば、今の幸せは維持できるのでは・・・
道徳の問題ではなく、構造の問題だ
「お金を稼いだ人が正しい」という価値観を、マスコミが広げてしまった
世界の中でバカみたいに働いている国は、3つしかない

【第2章】 日本がアメリカ化すれば、幸せになれるのか?

日本は、どこまでアメリカに近づくか?
とにかく「お金持ちに有利になる」政策がとられている
日本の「起業家精神」は、その息の根を止められてしまう
国益にならない日本の政策は、アメリカを満足させるためのもの
「不動産の担保をとる」という仕組みは、すぐれた金融システムだった
今の状況は「デフレ」と呼んではいけない
大企業には、「利益を上げなくても、信用を得る権利」があった
日銀は、わざとバブルを起こし、わざとつぶしにいった?
地価が下がってもローンが下りない。借りられるのは官僚だけ
日本一給料が高いのは、銀行トップではなく大手マスメディアの社員

今、日本経済を支配しているのは、新興の企業である
日本銀行はカルト宗教のよう?
わざとか。それとも何をやっていたのか理解していなかったのか?
バブル期の『裏返し』が起こっているとしか答えようがない
「ゆとり教育」は、わざと頭の悪い子をつくるためのもの?

日本の「中流階級」は崩壊し、所得格差は広がる一方・・・
かつては軽べつされていたようなことをする人たちが台頭してきた
仕組みや構造の分析よりも、スキャンダルのほうが本は売れる

日本のアメリカ化は、構造改革を通してどこまで進むか?
日本社会をコントロールしているのは、アメリカ教に洗脳されてきた人たち

【第3章】 「金持ち日本人 貧乏日本人」に未来はあるのか?

日本人は、「金持ち」と「貧乏人」に二極化してしまったのか?
六本木ヒルズ住民グループと、家賃二万のアパート住民グループ
日本の中流階層は、旧権力体制が崩れるのを「ざまあ見ろ」と思っている

これからは、安定以外の新しい人生設計も必要になる
増えているのは専門技術と、事務と、営業
少子高齢化で、「死ぬまで働く」年金制度に

老後の幸せを、どうやって確保すべきなのか?
日本はすでに、労働力として移民を受け入れている
移民は企業としてはプラス。だが社会的コストは、他の人に転嫁される
デフレが止まった瞬間に、株と土地が急上昇する!?
財務省は、一生懸命やっている割には、失敗ばかりしている
中国とインドの高度に進む工業化で、日本は何をすればいいのだろうか

日中関係はどのように変化して行くのだろうか?
インドは、日本にとって油断できない相手になる
中長期的な面で見れば、中国が日本に勝つだろう

あやしくて、わくわくするもの・・・「萌え」
「パステルカラーの欲望」を満たすための新しい産業が、フィギュア
秋葉原を歩いてみると、日本で何が起こっているのかがわかる
萌えは、ある種リアリティーの追求である
「男性に襲われない」という安心感のもとで、自分がアイドルになれる
フィギュア1個に七千万円近くの値がつく。世界が変わってきている

【第4章】 日本人は「萌え」で、救われる?

デザインや品質管理という「付加価値」で、優位性を保てるか?
オタク市場は、数兆円規模?
日本人は中国で起きていることに、十分な対処ができていない
中国で技術が進んでも、「萌え」技術はマネできない
中国は、富める国の下請けになるつもりは毛頭ない
いかにして、アートをテクノロジーに進化させられるか
コミックに登場した自動車がヒットするなど、可能性を秘めている

そろそろ、「幸運」以上のものが必要になってくるのではないか?
仕組みよりも、土地の値下げを止めるほうが現実的
日本人は、やればできる。眠ったような状態から覚醒すべきだ!
何が当たるのかわからない時代。それが今の世の中の変化だと思う
日本人の感性は、これからも売りになる
みんなが幸せになれるような、思いやりを持った文化が日本のよいところ
私が日本で学んだことは、「形が中身である」ということ
「道」を求める。それは品質管理の極致でもある
日本人は目を覚ますべきなのか。それとも、すでに目を覚ましているのか?
今の日本人は、「携帯メールの奴隷」のようになってしまった
「稼ぐが勝ち」が、社会的に認められるようになってしまったのが問題
金さえあれば・・・思想が、日本の社会と産業をも破壊してしまう
やみくもに稼ぐのではなく「やりたいこと」を見つけ、達成するのが本当の幸せ

おわりに

以下読書録作成予定