過剰な貯蓄は国を滅ぼす害悪だ! 堂免信義『日本を滅ぼす経済学の錯覚』の読書録

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堂免信義『日本を滅ぼす経済学の錯覚』

単行本:264ページ
著者:堂免信義
出版社:光文社
発売日:2005年(平成17年)9月30日初版第1刷発行

目次

はじめに
経済学的思考との遭遇
カネの苦労と社長の不興
経済を自分の頭で考える
経済の原理は意外と単純
あなた自身が損をしないために

【序章】 この本の目的
誰も不思議に思わない「貯蓄はなぜ可能か」
社会の全員による貯蓄は不可能
辛抱すれば貧乏になる
180度違う常識と事実

【第1章】 事実と錯覚
貯蓄の定義とは?
自発貯蓄は不可能
自発貯蓄は経済成長に対し有害である
零和となる儲けと貯蓄(誰かが儲かれば誰かが損する)
貯蓄の源泉となる投資(貯蓄=投資)
数式を用いない『貯蓄=投資』の説明
自発貯蓄と投資の関係
生活水準を低下させる貯蓄過剰
投資以外にもある貯蓄の源泉
個人が貯蓄すれば企業の儲けが減る
脇道1:コストはすべて人件費(地球はカネを欲しがらない)
投資は地球の所得となる
『貯蓄→投資』という錯覚
『貯蓄→投資』に起因する間違い
錯覚の弊害は「不況原因を把握できないこと」
脇道2:錯覚の原因は不明
第1章に関する理屈のまとめ

【第2章】 平成不況の原因は貯蓄過剰
銀行貸出残高減少は貯蓄過剰現象である
住宅ローン返済の筋道
地価暴騰が貯蓄過剰を招く
バブル経済より痛い「消滅経済」
脇道3:銀行へ返済されたカネは消滅する
平成不況と『花見酒の経済』の警告
企業の借金を減らす方法
脇道4:カネは減らない、なくならない
預金以外の資産保有方法が必要
脇道5:完全ロボット化への対策は国民総株主化
脇道6:ドラッカーの「過剰貯蓄」否定

【第3章】 経済成長の理屈
経済成長とは生活水準の向上である
生活水準を上げれば給料が上がる
売れる新商品が所得増と経済成長をもたらす
生産性向上は、成熟商品では失業を生む
経済規模は生産力でなく需要で決まる
借金が経済を発展させる
信用創造が導く「合成の成功」
借金に依存しない経済成長もある
成長期にあった購入圧力
脇道7:皆で節約すれば節約分以上に収入が減る
高度経済成長の3条件
日本で不足する第1条件と第3条件
脇道8:新3種の神器で高度成長は望めない
経済成長に関する理屈のまとめ

【第4章】 分配に関する理屈
脇道9:ジニ係数は慎重に判断を
経済格差の許容限度
平等な分配は、経済成長に有利に作用する
経済は2輪、経済成長は3輪
「生産」に比べて本質的に困難な「分配」
所得の分配手段として「談合」が有効である
有効求人倍率が高ければ分配性がよくなる
有効求人倍率は、週間休日数の増加関数であり、生産性の減少関数である
週間休日数決定は政治行為であり、高次の談合である
所得格差の少ない社会では物価高になる
脇道10:内外価格差も貢献した「一億総中流」
分配に関する理屈のまとめ

【第5章】 税金と国債に関する理屈
税金は使用後、国民の貯蓄になる
財政赤字が国民の金融資産を増やす
金融資産は社会にとって無価値である
財政赤字は国から国民(企業含む)への贈与になる
国債も税金もカネの流れは同じ
赤字予算は持続不能である
脇道11:「景気回復」という錯覚
消費税では国債を返済できない
赤字国債は将来世代の負担にならない
1400兆円を高利で回すことはできない
税金と国債に関する理屈のまとめ

【第6章】 グローバル化に関する理屈
輸入品より高くても、国内品利用が暮らしを豊かにする
輸出入の本来の目的は「交易」
グローバル化は地域間経済格差を縮小し、地域内所得格差を拡大する
空洞化阻止には企業と国民の協力が必要
いいことづくめでない自由貿易
グローバル化時代の経済的困難
脇道12:余暇、それとも飢餓?
先進国の対抗策はあるのか?
「地産地消」は有効か
自由貿易を貿易戦争にする現代技術
グローバル化に関する理屈のまとめ

【第7章】 日本が抱える重大問題
目前に迫っている国家破産
実質破産後の日本は?
「錯覚」が錯覚を生む
「IMF管理」下で日本はどうなるか
迫りくる歴史的瞬間
原理的には簡単な日本政府の破産対策
「フリーター」という大問題
脇道13:ドイツ労働者の嘆き
効かなくなった「見えざる手」
脇道14:誤解されている「見えざる手」
フリーターを減らすための「見える手」

【第8章】 理屈から導かれる対策
平成日本の問題と対策
消滅経済からの脱出法
国家予算の均衡をはかる
相続税により国債を返還する
生涯調整としての相続税の意義
有価証券の相続税率は25%に
住宅は無税で相続させる
良質の住宅を増やす税制をつくる
所得控除の増設と所得税率の累進性復活
土地の相続税率は5%以下にする
安心感を与える年金システムをつくる
国内観光を振興する
サービス産業に週休3日制を導入
高級品の輸出に注力する
意味のある公共投資の促進
正しい経済知識の普及

【終章】 日本の選択肢
中国は発展期、日本は成熟期
脇道15:自動車台数に見る日中の成長余地の差
量的拡大が可能なアメリカ、不可能な日本
日本経済の3つの選択肢
可能性と実現性は別の次元である
2人の経済巨人の夢
脇道16:日本を理想郷にする
理想的経済社会とは?
理想的経済社会は実現可能か
自己責任か助け合いか

おわりに

理屈の一覧
付録
付録1:投資がない場合のカネの流れを表す式
付録2:『貯蓄=投資』を導く式
参考文献一覧
和英辞典

以下読書録作成予定