この時代に生まれて損をした!? 香山リカ『貧乏クジ世代』の読書録

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香山リカ『貧乏クジ世代』

新書:185ページ
著者:香山リカ
出版社:PHP研究所
発売日:2006年(平成18年)1月9日第1版第1刷発行

目次

【第1章】 哀しき「団塊ジュニア」、70年代生まれの現在

1.「これまでよかったから、もういいことはない」-未来志向になれない人びと
楽しいことはすべて終わってしまった
消費欲を失った30代
日本人が陥りやすい「ポスト・フェストゥム」的感覚
華やかで浮ついていた「あの時」
苦悩はないが未来に希望もない
2.「心の内を相手に伝えないこと」を「やさしさ」と考える男がふえている
他人の気持ちを考えてもしかたがない?
男の言い分は「余計な心配をかけたくない」
黙っている男に女性は愛を感じていない
対話ができなくなった若いカップル
3.この時代に生まれて「いちばん割を食った」と思っているのはだれか?
おじさんは40代から、おばさんは30代から
バブル景気に間に合わなかった第2次ベビーブーマー
知らないはずの大阪万博をイメージできる70年代生まれ
「なんとなくなつかしい」擬似記憶
見たはずなのに実感がない『バブル』の狂乱
4.『カラダだけの30歳』と『ココロは30歳』-団塊の世代と団塊ジュニア
自分たちは『不幸な世代』、彼らは『ズルい世代』
世間から冷たい視線を浴びる『団塊の世代』
じつは正反対な『第1次』と『第2次』ベビーブーマー
理想主義や熱さからも学ぶべきことはある!?

【第2章】 「貧乏クジ世代」の法則

5.『幻想の自分』と『現実の自分』-悩んでいるのはその落差?
劣等感や敗北感に苛まれ屈折していた30歳前後
嫉妬の心を吹き飛ばす社会的大事件や世界的戦争
『等身大』のマニュアル本や自己啓発系の本ばかり
6.世の中に向けられるべき視線がなぜ『オカルト』に向かうのか?
なぜ「血液型性格判断」に貧乏クジ世代は群がるのか
『内向き志向』とともにもつ『超越志向』の思考パターン
不運の原因ばかり求めたがる
7.「ケータイ以前」と「ケータイ以後」、どちらも知っているがゆえの葛藤
物心ついたときにはまだなかった携帯電話
『メールの顔』と『リアルな顔』のどちらが本物の自分なのか?
「メールはしょせんメール」だと割りきれない
8.「どうせはずれクジだろう」となぜ最初から悲観するのか?
挫折した経験がないのに将来に悩むエリートたち
「これまで運よく成功したから次こそは・・・」
「否定的予言」の魔力にとりつかれてはいないか
9.「頑張っているとき以外は不安」-こんな状態から抜け出すには?
この頑張りをやめたら自信も消えるのでは?
「天使の顔をした自分」と「悪魔の顔の自分」とが・・・
『ちゃんづけ』などせず自分の名前を唱えよう
10.失敗や欠点ばかり探しても、『ありのままの自分』を好きになれるはずはない
「見つめにくい過去」と向き合うための方法
過去をふりかえるときの3つのポイント
まんざら悪くない自分との出会い
他人に映る『あるべき自分探し』をやめる
プレッシャーにならない未来の成功イメージ
11.『自分らしさ』を追うべきか、現実路線の『ホリエモン流』でいくべきか
自己認識を誤って目標もズレてしまう
頑張ることは得意だが、自分を見つめるのは苦手
自分と向き合わなかったそのツケはいずれ訪れる?
12.自分を見つめるか見つめないか、彼らはなぜ二極化するのか?
この時代に生まれたのはラッキーかアンラッキーか
「自分探し」にとらわれずに実力主義でステップアップ
「楽観の道」と「悲観の道」-両者の差はほんのわずか

【第3章】 「幸運格差社会」にしないための処方箋

13.「アンラッキーな世代」だとみずから宣言するのはやめよう
『希望格差社会』に続いて『幸運格差社会』はくるのか
自分の環境を恨まなかった成功者たち
「アンラッキー」と嘆く人に転職や退職はすすめない
14.「ナンバーワンよりオンリーワン」を仕事に求める潜在的な転職志願
大卒新人の早期退職増加がもたらした意外な影響
新人のご機嫌うかがいをさせられるのは・・・
「天職への転職」にこだわる貧乏クジ世代
「キミにしかエヴァンゲリオンは操縦できない」といわれたい
15.はじめは食い違いが生じても、がっかりせずに会話を続けよう
何を話すべきかわからずスキルに群がる若者たち
「どんな人間か」よりも「何をどういうか」が問題
他人にわかってもらえなくて当たり前
16.仲よし家族を続けるより『言葉の戦い』に踏み出そう
若貴世代には見られないエディプス・コンプレックス
親との葛藤が乏しいから感情表現が稚拙になる
「父子の葛藤と和解」こそが『スター・ウォーズ』のテーマ
17.『恵まれている』はずの60年代生まれの働く女性たち、「負け犬」の本心
男女平等社会の申し子たち
呼び名は変われど実態は変わらず
両親の期待に応えられなかった罪悪感
「負け犬」ブームは結婚しないという選択肢を消去した!?
褒められていないと不安な人生
18.80年代生まれ、「静かな貧乏くじ世代」が選ぶ超・安定志向
若者が共通してもつ「上の世代の尻拭い」
貯金しまくる十代女性
『あっさりしたあきらめ』はいつまでもつか?
19.「不満足感」でなく「信頼感」からコミュニケーションは始まる
私の「好き嫌い」よりも周りの「好き嫌い」を優先
表情、文体、絵文字で腹を探り合う時代
ガッチリとでなくていい、それとなく「自分」を信頼してみる
20.これからの日本を支える「貧乏クジ世代」がやる気を取り戻すためには
「日本は甘え社会」といわれて安心していた時代
「自分さえよければいい」という『コドモの残酷さ』
日本を救えるのは貧乏クジ世代

あとがき

以下読書録作成予定