岡本卓万『年金基金・財務担当者のための企業年金のリスク管理術』の読書録

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岡本卓万『年金基金・財務担当者のための企業年金のリスク管理術』

単行本:207ページ
著者:岡本卓万
出版社:中央経済社
発売日:2006年(平成18年)1月5日初版発行

リスク・バジェッティングによる付加価値追求の考え方
会計、制度、運用の変化が企業と年金の関わり方を変えた!
リスク管理からストラクチャーの構築まで

目次

第1章 企業年金の課題

【第1節】 企業年金を取り巻く環境変化
第1項 激動の時代
第2項 年金問題の二面性

【第2節】 市場の低迷と運用の変革
第1項 多様化する運用手段
第2項 運用の変革をもたらした市場の低迷
第3項 変革を余儀なくされる年金スポンサーの運用戦略

【第3節】 退職給付会計の影響
第1項 最悪の導入タイミング
第2項 米国での退職給付会計導入の影響
第3項 企業と年金のバランスシート一体化
第4項 新たな変化:即時認識への流れ

【第4節】 年金プランの多様化
第1項 DCプランの問題点
第2項 年金制度が従業員に与えるインセンティブ

第2章 海外先端基金のリスク管理

【第1節】 ブーツ社:年金リスクの極小化
第1項 債券100%運用への変更
第2項 英国の企業年金制度
第3項 FRS17:退職給付会計基準の変更
第4項 ブーツ社のケースからの示唆
第5項 ブーツ社のその後の動き

【第2節】 ゼネラル・モータース:年金をとりまく財務戦略
第1項 年金積立のための巨額の債券発行
第2項 債券発行による不足金解消のメリット
第3項 GMのケースからの示唆

【第3節】 ハーバード大学とイェール大学:資産運用の最先端
第1項 先端的な運用を行う米国大学基金
第2項 ハーバード大学基金の概要
第3項 政策アセットミックスの運営
第4項 積極的なアクティブ・リターン戦略
第5項 イェール大学基金の概要
第6項 イェール大学基金の投資哲学
第7項 積極的なPE投資
第8項 ハーバードとイェールの戦略比較

第3章 年金ガバナンスと組織

【第1節】 企業年金のステークホルダー
第1項 二重の受託者責任
第2項 株主と加入者等の利益相反

【第2節】 企業における年金運営組織
第1項 年金運営のための組織
第2項 基金型と規約型の違い
第3項 企業型のリスク管理組織である年金委員会
第4項 基金側の理事会・代議員会
第5項 運用担当の組織
第6項 自家運用の組織
第7項 コンサルタントなどの専門家

【第3節】 企業グループにおける年金運営
第1項 企業グループ全体の年金リスク管理
第2項 子会社の年金運営へ関与する方法

第4章 制度と選択とリスク

【第1節】 年金プランのリスク
第1項 年金プランが抱えるリスク
第2項 年金負債側のリスク
第3項 年金資産側のリスク
第4項 資産と負債のミスマッチによるリスク

【第2節】 制度と選択と年金負債リスク
第1項 制度と選択肢の増加
第2項 DCプラン導入時の留意点
第3項 CBプランによるPBOデュレーション短縮化効果
第4項 CBプラン導入時の留意点
第5項 CBプランにおける運用戦略

【第3節】 予定利率と期待運用収益率
第1項 予定利率の考え方
第2項 期待運用収益率の考え方
第3項 期待運用収益率に見る日米の考え方の違い

第5章 年金ALM

【第1節】 年金ALMの再認識
第1項 年金ALMが再び注目を集める理由
第2項 サープラス・リスクを管理するバランス・シート型ALM

【第2節】 資産収益率予測
第1項 ALM実施の前提となる資産収益率予測
第2項 ビルディング・ブロック・アプローチ
第3項 その他の資産収益率予測のアプローチ

【第3節】 平均分散アプローチ
第1項 平均分散法を負債側まで拡張したアプローチ

【第4節】 モンテカルロ・シミュレーション・アプローチ
第1項 モンテカルロ・シミュレーションの仕組み
第2項 モンテカルロ・シミュレーションにおける評価項目

【第5節】 CBプランと年金ALM
第1項 CBプラン導入によるリスク・リターン改善
第2項 米国のCBプラン事情

【第6節】 年金ALMと高ベータ戦略
第1項 ベータ・エクスポージャの考え方
第2項 高ベータ戦略によるサープラス・リスクの改善

第6章 ベンチマークの設定

【第1節】 資産ベンチマークの設定
第1項 資産ベンチマークの役割
第2項 良いベンチマークの条件
第3項 各種資産のベンチマークについて

【第2節】 マネジャー・ベンチマーク
第1項 マネジャー・ベンチマーク導入の目的
第2項 スタイル・ベンチマーク使用時の留意点

【第3節】 マネジャーベンチマーク採用時のリスク管理
第1項 資産ベンチマークとマネジャー・ベンチマーク乖離の管理

第7章 実践ポートフォリオとアルファ戦略

【第1節】 政策アセットミックスから実践ポートフォリオへ
第1項 政策アセットミックスと実践ポートフォリオの違い
第2項 政策アセットミックスから実践ポートフォリオへ

【第2節】 ベータとアルファによる運用ストラクチャー
第1項 従来の運用ストラクチャーの問題点
第2項 ベータとアルファによる運用ストラクチャー

【第3節】 非伝統的資産クラスの組入れ
第1項 非伝統的資産クラス投資の活発化
第2項 非伝統的資産クラスの分類
第3項 非伝統的資産の政策アセットミックス上の位置づけ
第4項 オルタナティブ投資のリスク・リターン特性
第5項 オルタナティブ組入れの留意点

【第4節】 経済環境への対応
第1項 国内金利上昇への対応
第2項 株価下落リスクへの対応
第3項 為替リスクへの対応

【第5節】 アルファ戦略
第1項 アルファとベータのリスク分散効果
第2項 アルファ(アクティブ・リターン)への目標設定
第3項 アルファ目標と予定利率
第4項 アルファ追求の運用ストラクチャー
第5項 マネジャー分散の効果

【第6節】 最適化モデルとの付き合い方
第1項 パラメータ推定誤差に対する脆弱性
第2項 最適化では目標収益率に固執しない
第3項 ヘッジ付外債とヘッジ付外株の取扱い

【第7節】 バリュー・アット・リスクによるリスク管理
第1項 バリュー・アット・リスクの特徴
第2項 年金におけるVaRの使用
第3項 シュートフォール確率の利用
第4項 企業全体でのリスク配分

第8章 リバランス戦略

【第1節】 リバランスの意味
第1項 リバランス戦略の分類
第2項 リバランス戦略のリスク
第3項 リバランス戦略の実施

【第2節】 パッシブ・リバランス戦略の有効性
第1項 シミュレーションによる有効性の分析
第2項 シミュレーション結果とリバランス戦略の効果

第9章 リスク・バジェッティング

【第1節】 リスク・バジェッティングとは
第1項 リスク・バジェッティングの特徴
第2項 オンタリオ教職員基金の実例
第3項 リスク・バジェッティングの実践

【第2節】 リスク・バジェッティング導入のメリット
第1項 優先事項の明確化
第2項 Plan=Do=Seeサイクルの活性化
第3項 権限と責任の明確化

【第3節】 リスク・バジェッティングの実践(Plan)
第1項 モデル年金プランの想定
第2項 リスク・バジェッティングとリスク寄与度

【第4節】 リスク・バジェッティングの実践(Do See)
第1項 リスクのモニタリング(Do)
第2項 マネジャーの評価(See)

【第5節】 マネジャーのアルファ推定
第1項 アルファ推定の一般的方法
第2項 ベイズ推定の利用によるアルファの推定

【第6節】 アクティブ・リスク拒否度
第1項 アクティブ・リスク拒否度が高くなる要因
第2項 Waringによるリスク拒否度の推定
第3項 日本の投資家のリスク拒否度
第4項 アクティブ・リスク拒否度とリスク・バジェット

【第7節】 インプライド・アルファ
第1項 トライ・アンド・エラーによる最適化アプローチの必要性
第2項 インプライド・アルファ・アプローチ
第3項 まとめ:リスク・バジェッティングの実践

第10章 将来における企業年金のリスク管理

第1項 企業の立場から見た年金マネジメント
第2項 企業財務と年金の統合リスク管理
第3項 年金運用業務のプロフィット・センター化
第4項 会計基準見直しの動き
第5項 企業価値を高めるためのプラン選択

索引

以下読書録作成予定