中流こそが日本のブランド力だ! 和田秀樹『「新中流」の誕生 ポスト階層分化社会を探る』の読書録

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和田秀樹『「新中流」の誕生 ポスト階層分化社会を探る』

新書:221ページ
著者:和田秀樹
出版社:中央公論新社
発売日:2006年(平成18年)9月10日発行

中流こそが日本のブランド力だ!
フィンランド、スイス・・・
世界の勝ち組は皆「新中流」だ
日本にも、その萌芽はある

なにがなんでも「小さな政府」にしなければ国がつぶれるというような議論はそろそろやめて、
お金をかけるべきところにはきちんとかけるという発想が必要な時期に来ているのではないだろうか。
(中略)中流社会時代の良さを見直し、ポスト階層分化社会へ向けて、私たちは何を失いつつあり、
何を失ってはいけないのかを見定める必要があるだろう。(「はじめに」より)

目次

はじめに

【第1章】 経済心理学から見た格差社会
中学生の4割は学校外では勉強しない
フリーターやニートは数百万人もいる
「やる気」の実験
100点でハワイか、65点でマンガか
100点を選んだ真鍋かをりさん
動機づけの理論
格差は人をやる気にさせるのか
リストラがなくても真面目に働いてきた日本人
動機を単純化する危険性
優秀な人間は政治家よりも実業家になる
名誉というパワー
高レベルの医療を安く提供するには
お金にこだわる識者たち
国を愛するのならお金も払え
京大にノーベル賞受賞者がたくさん出る理由
変化してきた日本人のパーソナリティ
格差社会の底流にあるシゾフレ人間化
世襲が日本をダメにする

【第2章】 新学歴社会で学力は上がるか?
日本は学歴社会だという思い込み
日本は経営者と労働者の賃金格差も少ない
「学歴=お金」ではなかった
卑しい人間、卑しい会社が増えてきた
本当の学歴社会が始まっている
学歴がなければベンチャーも起こせない
深刻な地方の学力低下
高校進学が勉強の動機だった
公平ではない『新学歴社会』
21世紀は「知識社会」
知識社会はすでに始まっている
ビジネス環境と教育レベル
知識社会における教育モデル
フィンランドでは教育費はすべて無料
3流国になりつつある日本
子どもたちのやる気を引き出すには
中流崩壊が日本の教育を滅ぼす
1人の天才がいても総合力に勝てない

【第3章】 トヨタに学ぶ新中流の強さ
愛社精神が消えた!
トヨタはなぜ強いのか
「旧来型」経営の強み
少ない社員格差で培われる連帯意識
一般社員も重役も一緒に暮らす『トヨタ社員村』
終身雇用制度を続けるアメリカの有名企業
元気のいい地方は製造業が生きている
格差のある高齢社会は国を破綻させる!?
消費が落ちなければ高齢社会は怖くない
福祉には非常に大きな経済波及効果がある
福祉による失業対策
中流社会では医療費もかからない

【第4章】 アメリカ、中流崩壊の教訓
『中流』を作った実業家ヘンリー・フォード
アメリカ中流社会の崩壊
日米の購買力が逆転したホームビデオ
ITと金融で日本は本当に復活できるのか
韓国の脅威
消費者の要求水準が技術を向上させる
給料を下げた企業は自分の首を絞めている
安売り競争に参入しない賢いあり方
問題は教育
中流崩壊すると治安が悪くなる
アメリカは世界の例外

【第5章】 北欧、スイスに学ぶ新中流社会
ビジネス環境世界一位はデンマーク
中流社会はビジネス環境がいい
ヨーロッパのしたたかな戦略
貧富の差が開くとヨーロッパと中国が儲かる
上質な中流層向けの製品を作る国々
知られざるブランド王国
90年代に日本が失ったブランドイメージ
自国製品への自信とブランド力
大国でも新中流社会は可能か

【第6章】 リベラルからソシアルへ
累進課税というものの現代的意味
実体経済か時価総額か
ブランドイメージを作る豊かな国のイメージ
中流意識を壊したおいしい果実
セーフティネットでは活性化は見込めない
相続税100パーセントの提案
消費税増税の代わりに相続税を
みんながやる気になる制度設計
伝統産業や農業を継ぐ人は相続税を猶予
金持ちの子どもが勉強しない日本
すべての消費を必要経費に
たくさん納税する人には名誉を与えよう
税金の無駄遣いを許さない監視システム
拡大する地方と東京の格差
清貧の分配論の政治家が必要だ
リベラルとソシアル
地域活性化はナンバーワンよりオンリーワン
全体から個へ、個から全体へ

あとがき
参考文献

以下読書録作成予定