日本マクドナルドに見るサラリーマン社会の崩壊 田中幾太郎『本日より「時間外・退職金」なし』の読書録

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田中幾太郎『本日より「時間外・退職金」なし』

単行本:251ページ
著者:田中幾太郎
出版社:光文社
発売日:2007年(平成19年)2月28日初版第1刷発行

表紙

もはや会社は安住の地ではない!
「改正高年齢者雇用安定法」と
「ホワイトカラー・エグゼンプション」の本質とは?

目次

【第1章】 藤田時代の終焉
「低価格路線」は藤田のオリジナル戦略ではなかった
日本エリアの店舗を運営するオーナーに過ぎない
米本社は日本で成功するとは思っていなかった
ロイヤルティと経営指導料を巡る攻防
上場は東証1部ではなく、なんとジャスダック
株式の放出でアメリカに屈服することに・・・
既存店売上高がなんと24ヶ月連続前年割れ
藤田の後を継いだのは生え抜きの八木康之
米本社の意向で早々と1期での更迭が決まる
アメリカ本社からやって来た青い目の刺客
アメリカ人新CEOの就任と藤田の引退宣言
責任をすべて藤田に押し付け不採算店の整理
ドナヒュー・八木体制と藤田商店との対立
藤田も失意のうちに亡くなり八木も去る

【第2章】 新CEOと100円マック
もともとアルバイトの時給は安かった
フランチャイズ店のオーナーになる夢も破綻
希望退職者の募集に希望者が殺到して・・・
『藤田教』に染まった社員はアメリカには邪魔者
IT企業から新CEOをヘッドハンティング
なぜ業績のいいアップルから悪いマックへ?
アップル時代もアメリカ式の大リストラを敢行
前任者たちの大家族主義とは180度違うスタンス
幹部のほぼ全員を入れ替えるという大改革
売上は回復しても低価格路線から抜け出せない
クーポン券乱発にフランチャイズ店オーナーが悲鳴
「100円マック」の登場でどんどん下がった客単価
「メイドフォーユー」が追い討ちをかけたFC店の苦境
34億円に上る時間外未払賃金が発覚

【第3章】 ホワイトカラー・エグゼンプション
成果給の導入で、激務、激務の日々が・・・
家族との大切な時間まで奪われる
上司の暴言がきっかけで東京管理職ユニオンに駆け込む
次々に切り捨てられた日本的な福利厚生制度
店長ははたして管理監督者と言えるのか?
決め手はタイムカード打刻と重要会議出席
標準化を現場で達成する人間を管理監督者とは言えない
ひたすら裁判を引き延ばそうとする被告側
10年以上前から経済界は導入を熱望していた
年収要件だけでホワイトカラーを規定せず
2004年8月改正の米連邦公正労働基準法の中身
ロビイストの暗躍で改悪された連邦法
経団連版エグゼンプションの恐ろしい中身

【第4章】 定年制廃止の衝撃
厚生労働省でさえ驚いたマクドナルドの定年制廃止
将来的には退職金そのものもなくなる
アメリカでは「定年制は年齢差別」と考えられた
アメリカでは「任意雇用」が一般的
労働組合員は、任意雇用の適用外に
日本の終身雇用制度は単なる神話だった
エンプロイアビリティ(雇用され得る能力)とは何か?
「自立」と「自律」の違いからわかることとは?
サラリーマンという人種そのものが消滅する日

【第5章】 定年も退職金もなし
93.2%の企業が「継続雇用制度の導入」を選択
定年後に再雇用されても給料は退職時の3割程度
再雇用されても年収150万円の日本航空
継続雇用で人件費を徹底的に減らした日本IBM
定年引き上げを選択した川崎重工業の事情
自分で定年を決められる富士電機ホールディングス
次々に見直される退職一時金制度
確定拠出年金は60歳以前には引き出せない

【第6章】 一生働き続けるサラリーマン
アメリカにおける退職金、企業年金の仕組み
日本マクドナルドが目指すのはアメリカ型の「401K」
米マクドナルド年金資金の70%が自社株投資に
売上至上主義の裏で酷使される社員たち
「24時間営業の本格化」の実態とは?
フランチャイズ店オーナーたちが起こした訴訟
2008年ともなれば導入は時間の問題となる
最終報告書ができるまでに何があったのか?
人件費は抑制され労働時間が増える
使い捨てのワーカーでは人間は成長できない

おわりに
資料コラム1
主要国のホワイトカラー・エグゼンプション
資料コラム2
労働法の変遷と改正のポイント
資料コラム3
高齢法と再雇用制度のポイント
資料コラム4
裁量労働制とホワイトカラー・エグゼンプション

以下読書録作成予定