年金を破壊する「競争政策」の罠 川崎二郎『このまま「アメリカ型」社会を目指して本当に幸せになれるのか?』の読書録

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川崎二郎『このまま「アメリカ型」社会を目指して本当に幸せになれるのか?』

単行本:205ページ
著者:川崎二郎
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2007年(平成19年)3月15日第1刷発行

『成長優先』『小さな政府』では
高齢社会を乗り切れない!
2055年、出生率1.4・人口1億人社会を実現するための緊急提言

目次

はじめに

【第1章】 「競争政策」でさらに人口が減少する
人口減少社会に入ったわが国の現状
このままでは経済や社会保障を破壊しかねない
少子化、人口減少の背景にあるもの
私たちは経済運営を誤ってきたのではないか
家庭や生活を犠牲にして働く日本人
50年後を見越して設計された公的年金
出生率1.4、人口1億人の社会を目指して
「一人当たりGDP」で考えることの重要性
今こそ、政策を転換すべきとき
将来のグランドデザインを明らかに

【第2章】 「アメリカ化」で本当に経済は成長したのか
ほとんど成長してきていない日本経済
「規制緩和」は日米の貿易摩擦から始まった
バブル崩壊後に始まった「競争政策」への取り組み
マイナス面が顕在化してきた「規制緩和」
爆発的に増加した不安定な派遣労働者
タクシー業界の規制緩和で賃金が低下
大店法廃止で出展規模はほとんど容認
地元商店街が衰退しシャッター街が出現
競争入札の現状は叩き合い
国民の安全な生活も危険にさらされている
規制強化でむしろ成長した面も
空前の企業利益は実は輸出が大きく貢献
過去の壮絶なリストラも企業利益を支える
利益が従業員に配分されていないのが現状
わが国は実は内需中心の産業構造
好景気なのになぜか低迷する個人消費
もはや従業員の3分の1が非正規社員
「競争政策」のマイナス面は見直すべき
「規制緩和」の弊害是正が始まっている

【第3章】 団塊の世代としての私の覚悟
団塊の世代よ、覚悟を持て!
国外ハンセン病療養所の元入居者への補償金支給
アメリカ産牛肉の輸入再開問題
医師確保問題への取り組み
「二種混合ワクチン」の不安に善処する
児童遊園の運用を市町村に委ねる
省庁を超えて放課後子どもプランを創設
三位一体改革の厳しい10日間
団塊の世代として社会保障制度改革に取り組む
「百年安心」を掲げた年金大改革
年金大改革の「合意」を求めて財界、労働界を説得
医療制度改革に向けた基本的なスタンス
団塊の世代としての覚悟が試される
最後までもつれた診療報酬の引き下げ
国全体で高齢社会を乗り切る覚悟を

【第4章】 「一人当たりGDP」を大きくする政策へ
国際的な地位低下が著しい日本経済
低金利で失った家庭の巨額の利子収入
GDPから「一人当たりGDP」へ
勤労者の所得が上がらないと内需は増えない
特殊な人口構成に支えられたアメリカ社会
競争力強化のためアメリカにならうという矛盾
「アメリカ型」が本当に目指すべき道なのか
「一人当たりGDP」が総じて高いヨーロッパ諸国
注目を集め始めたヨーロッパの福祉社会
長時間労働とは無関係なドイツの輸出力
労働ビッグバンと経済界の独りよがり
団塊ジュニアの就職難が大きな問題
増大する非正規社員の主張を聞くべき
正規雇用・少子化対策は企業にも好影響
「一人当たりGDP」は長期雇用で増大する

【第5章】 出生率1.4、人口1億人の日本社会を目指して
持続可能な少子高齢社会とは
出生率1.4なら年金は破綻しない
出生率をみるみる回復させたフランスの政策
まず、所得保障の強化から取り組む
残業規制を強化し、働きすぎを抑制する
60~64歳男性労働力率を高めて労働力人口を維持
女性のキャリア開発、職場復帰を進める
人材の育成・配置を社会全体で考える
ドイツ流のマイスター制度も魅力がある
薬学部問題は人材供給ミスマッチの典型的な例
限界集落はコンパクトシティに
企業も人口構造のマクロ像に合わせるべき

【第6章】 消費税があなたの老後を守る
日本の予算は月収40万円・支出58万円の家計と同じ
優れた社会保障制度をそう維持できるか
「高福祉・低負担」がわが国の現状
人口構成上、小さすぎる政府は非現実的
消費税分は社会保障として国民に還元
消費税の論議を避けてはいけない
消費税で国民の購買力はむしろ高まる
わが国が目指すべき社会とは

おわりに

以下読書録作成予定