榊原英資『幼児化する日本社会 拝金主義と反知性主義』の読書録

厚生年金・国民年金増額対策室年金読書録(年金、年金生活、社会保障関連の本) > 榊原英資『幼児化する日本社会 拝金主義と反知性主義』の読書録

厚生年金・国民年金増額対策室

榊原英資『幼児化する日本社会 拝金主義と反知性主義』

単行本:236ページ
著者:榊原英資
出版社:東洋経済新報社
発売日:2007年(平成19年)7月19日発行

目次

はじめに

【第1章】 子どもの世界は大人の鏡
急速に強まった弱肉強食の論理
テレビの報道はいじめそのもの
社長がこんなに謝る国は珍しい
視聴率至上主義の情報操作
「味方でなければすべて敵」の二分割思考法
階層にはめ込まれる子どもたち
日本の豊かさは箱庭のようなもの
ケガをしないことが最優先課題か
中国を「理解できない」と言って叩く人々
巨大な翻訳文明の落とし穴
高校生から携帯電話を取り上げてみた
注目を浴びるためのリストカット
人間関係に気を遣う子どもたち
ルールも相対的なものだと教えられるか
違憲の違う人を重用する意味

【第2章】 家族の変質
「外で働く夫と専業主婦」は過去のものに
変わる結婚のかたち
現行の「制度」にこだわる限り、少子化は止まらない
子育てに自信のない親たち
豊かでも貧しくても家庭教育は「貧困」
個室でパソコン・携帯電話
掃除をしない優等生
子どものしつけは家庭でしかできない
欧米流の自立とは
公共サービスにはもう頼れない
海外からベビーシッターを
子育て支援の方策はいろいろ
機会の平等があるなら格差はあっていい

【第3章】 教育の混乱
「ゆとり教育」は決定的な誤り
創造力を伸ばしたいなら暗記をさせよ
勉強ができる子をもっと伸ばすには
文科省は無責任体制
父母たちの思い違い
塾を学校に
全国試験の結果を学校ごとに発表する
教員免許に必要なのは更新ではなく廃止
大学とは俗世間と隔離された知的な空間
日本の学校には企業とマスコミが立ち入り放題
自国の歴史が必修でないとは

【第4章】 企業倫理の崩壊
株主主権の実態
株主は一ステークホルダーに戻れ
子どもがビジネスのターゲットにされている
民法をどうモニターするのか
経団連は「俗悪番組のスポンサーはやめる」と宣言せよ
「政商」からの脱皮
「違法ではない」という企業の「品性」
権威が弱くなるとお金が強くなる
株価を気にして技術開発ができるのか
「職人」の地位を上げよ
能力を評価する社会は流動性が高い
教育問題の根底にも企業がある
人間の力への過信

【第5章】 マスメディアの堕落
何でも「ズバッと」斬る愚
正義の名を借りたテレビの「いじめ」
情に訴える報道番組
海外ではあり得ない素人コメンテーター
拝金主義は止まらない
テレビを『活用』した小泉政治
テレビタレント化する政治家
納豆事件でも示されたテレビの影響力
視聴者が得る情報はごく一部
視聴者の心理
メディアは最も時代遅れ
民間によるチェックはできる

【第6章】 規制緩和と地方分権の落とし穴
「規制緩和は常に善」か
コストがかかる事後規制-金融庁の「一罰百戒」の背景
地方自治体を潰す覚悟があるのか
分権が突きつける新たな問題
二分割思案では「破壊」が進むだけ
官製談合を「破壊」した後どうする
医療はもっと規制緩和できる
分権が生む教育のイノベーション
奨学金制度を拡充せよ
国の不透明なコントロールを断つ
小泉改革は日本にとってプラスだったか
「民」だけでは社会は成り立たない

【第7章】 地方の瓦解
地方の瓦解を加速させた小泉政権
地方活性化の核となるのは農林水産業
農産物のブランド化を図れ
医療と教育で地方にハブを作る
一極集中は後れて近代化した国の宿命

【第8章】 ポスト産業資本主義と新しいコミュニティー
おカネではなく知識が価値を生む
「新しい『学問のすすめ』」
年齢とともに伸びる能力もある
福祉のあり方の再考
ポスト産業資本主義のコミュニティー

付章 二分割思考は知的退行
二分割思考は脳を退化させる
記憶の検索力を高める「意味づけ」
バーチャルな世界は脳の発達を妨げる
解答は必ずしもない
カール・ポパーの批判的合理主義
「確実なものはない」と疑ってみた人々
常識を疑え
常識が通じない相手とつき合う
部分で全体を見るな
IT革命は脳を退化させかねない
知的な営みをする力の喪失
知性を失った社会の末路

以下読書録作成予定