不安定就労と野宿 生田武志『ルポ最底辺』の読書録

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生田武志『ルポ最底辺』

新書:254ページ
著者:生田武志
出版社:筑摩書房
発売日:2007年(平成19年)8月10日第1刷発行

目次

はじめに 北海道・九州・東京、その野宿の現場
北海道-零下10度の野宿
北九州-家族5人の野宿
東京-「ネットカフェ難民」
フリーターが野宿になる時代

【第1章】 不安定就労の極限-80~90年代の釜ヶ崎と野宿者

釜ヶ崎の衝撃
「路上死者数百人」の街
経済成長を陰で支えた釜ヶ崎
あらゆる矛盾が露呈する「日本の縮図」
「世界最悪の感染地」
自由と混沌の街
80年代の野宿
街中に設置された監視カメラ
ヤミの「金融屋」「覚醒剤売買」
日雇労働とはどのようなものなのか
景気の安全弁
プロフェッショナルな日雇労働者
ドヤ街の生活
日雇労働者としての生活
多種多様な現場と労働者
賃金のピンハネ、労働争議
日雇労働の「危ない」話
原子力発電所、アスベスト除去の作業
バブル期の釜ヶ崎
釜ヶ崎にやってきた外国人労働者
90年釜ヶ崎暴動
暴動の拡大と収束
バブル経済の崩壊と野宿者の激増
日雇労働者の「切り捨て」

【第2章】 野宿者はどのように生活しているのか

82歳の野宿者
女性と若者の野宿の増加
90年代後半の変化
「究極の貧困」としての野宿
アルミ缶を拾って命をつなぐ
究極のワーキングプア
野宿者の寝場所はどこなのか?
野宿者の「住所」はどこなのか?
野宿者の健康状態
大都市の中の「第三世界」
医療からの疎外
「野宿者は金になる」
貧困を再生するビジネス
なぜ生活保護を受けられないのか
サラ金と福祉事務所のタッグ

【第3章】 野宿者襲撃と「ホームレスビジネス」

若者による野宿者襲撃
襲撃は夏休みに集中する
無視される襲撃事件
いじめの論理、野宿者襲撃の論理
野宿者はどのように金儲けに使われているのか

【第4章】 野宿者の社会的排除と行政の対応

野宿者は地域社会からどのように排除されているのか
市民の排他性
野宿者は行政からどのように排除されているのか
行政の「マッチポンプ」
自立支援センターの限界
日本の野宿者対策はどのような状態なのか
野宿者の多くは「仕事」を望んでいる
思い切った就労対策が必要だ

【第5章】 女性と若者が野宿者になる日-変容する野宿者問題

女性はなぜ野宿者になるのか
知的障害のあるこどもと母親の野宿
フリーターから野宿へ
日雇い派遣労働
新たな「簡易宿泊所」=ネットカフェ
400万フリーターはどこへ?

【第6章】 野宿者問題の未来へ

世界のホームレス問題
世界的に拡大する野宿者問題
野宿者問題の構造的背景を考える
いす取りゲーム
「市場・国家・家族」の三極構造
「市場・国家・家族」の失敗
「カフカの階段」
社会的起業・ワークシェアリング・ふたつの構造的貧困
「阪神・淡路大震災」という参照軸
「野宿者の生の尊厳」
ふたつの「究極の貧困」の解決へ

おわりに
参考文献

以下読書録作成予定