年金、財政、経済問題、これで一気に解決する 野田毅『消費税が日本を救う』の読書録

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野田毅『消費税が日本を救う』

単行本:190ページ
著者:野田毅
出版社:PHP研究所
発売日:2004年(平成16年)2月6日第1版第1刷発行

目次

序章

【第一章】 いま、政治は何をすべきなのか?
国家の先行き不安解消を
消費税論議を封じ込むな
使用限定、軽減税率にミソ
橋本内閣での反省
真の意味での「米百俵」先行投資を

【第二章】 消費税を社会保障税に
先進各国は財政赤字と戦っている
財政赤字の原因は何か
社会保障費の急膨張に対応せよ
社会保障基礎三分野を消費税で
消費税八%あればまかなえる
不思議な年金論議
国民年金、厚生年金は完全統合を
介護保険・老人医療の見直しを

【第三章】 社会保障税・五つのメリット
財政構造改革が画期的に進む
将来不安のもとを抜本的に断つ
「重保健料感」からの解放
日本経済の競争力強化につながる
消費税に対する不信感を払拭

【第四章】 消費税とともに歩いてきた
欧州視察で付加価値税と出合う
売上税の反省が消費税を生んだ
目的税の方が国民の理解を得やすい
消費税は公平だ

【第五章】 消費税以外に何をすべきか
財政政策のダイナミズムを取り戻せ
金融行政は弾力的に
為替レートの調整を
金利正常化のために必要なこと

【第六章】 失われた十年、私の分析
最大の原因は前代未聞の資産デフレ
住専処理、金融ビックバンと続く失政
自己資本比率規制の自縄自縛
ストップ・アンド・ゴー政策の失敗

【第七章】 なぜ、アメリカは再生したか
実は日本と経済冷戦を戦っていた
産業政策を国家戦略に
BIS規制で日本の銀行攻略

【第八章】 私の歩み、反省、誓い
生い立ち
野田武夫のこと
政治家への転身
政治改革への情熱
勉強になった「野党時代」
「自民党復党」で過去の経験を活かしたい

終章

衆院議員30年のキャリアを持つ政治家として、
経済、税制、金融、通商問題に一貫して取り組んできた者として、
消費税導入の際に奔走し苦闘した一人として-
国民の先行き不安を解消し、
新たな発展の道筋を示す!

たしかに政治とは、国民に恩恵と夢を与える仕事でもあります。
しかし、それが行きすぎた結果、どうなったか。
福祉支出は歓迎され、増税は忌避されるのは、世の常でしょう。
それでも政治家には、国民の耳に痛いことでも言わなければならないこと、
実現しなければならないことがあるのです。
それから逃げて、甘言ばかりを口にしているならば、
この世に政治家がいる必要はありませんから-。(本文より抜粋)

『消費税が日本を救う』の読書録

元大蔵官僚で政策通、与党野党共に経験したベテラン国会議員野田毅氏の著。
「基礎年金財源の消費税化」の是非を考えるために、偶然手にとったのが本書でした。
国会議員が、自分の人気を落とすかもしれない「消費税」を前面に打ち出し、私たちに真正面から問いかけています。

本書の中核は社会保障に特化した消費税、社会保障税の導入で、
現状分析~必要性~将来展望を消費税導入に関わった筆者の経験を踏まえて詳しく説明。 国の借金の増大、年金積立金の中身の不安など、政治家の立場では語りたくないと思われるようなことにも触れている点が好感です。

本書で賛否両論ありそうなポイントは・・・
『行革を徹底的にやって、無駄遣いを徹底的になくして、役人の数も政治家の数も、国も地方も徹底的にスリム化して、それでなおかつ財政が足りないというなら 、消費税の増税も仕方がないというのが一般的な議論です。ところが、行革論議というのは、いつまでたってもよくやったということにはなりません。 ~そういう意味で、行革の話はちょっと横においておいて、~(P20より引用)』
詳しくは本書を読んでいただけたらと思いますが、要は行革は進めていかなければならないものの、
もはや消費税の問題を遅らせていては未来がなくなってしまうということです。

増税か行革か。
2007年12月の自民党の独立行政法人改革等はいまいちだったのですが・・・
(当ページ記載:2008年5月)

関連・・・『基礎年金消費税化』等をテーマにしている本