年金ビジネスを制するのは誰か? 超高齢時代の金融フロンティア 日本経済新聞社(編)『激変年金マネー』の読書録

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厚生年金・国民年金増額対策室

日本経済新聞社(編)『激変年金マネー』

単行本:214ページ
著者:日本経済新聞社(編)
出版社:日本経済新聞社
発売日:1999年(平成11年)9月3日第1版第1刷発行

目次

【第1章】 姿を現した日本版401K

1.個人型、企業型の2タイプで導入へ
2000年秋導入に向け動き出す
「個人拠出型」に優遇税制を認めることへの危惧
一時支給、上乗せ拠出も可能に
導入と運営の基本的枠組み
2.確定給付の限界-疲弊する年金制度
赤字脱出にもがく年福事業団
積み立て不足350兆円に打つ手なし?
企業の体力を奪う確定給付
3.確定拠出型導入を巡る産みの苦しみ
邦銀の「霞が関詣で」復活
税控除、一時金支給を巡り揺れる議論
「個人拠出型」を巡る自民党と大蔵省の思惑
管理コスト増に企業の不安
自民党の協力な布陣
4.401K導入を目前にした企業の思惑
自前で先行導入するパソナ
「留保」付きの大きな期待
5.先行するアメリカでは-市場と個人の二人三脚
積極的に株式投信に投資
充実した投資家教育と情報開示
福利・厚生の切り札に

【第2章】 巨大市場のねらい動き出す金融機関

1.日本版401K、手探りの出発
生保各社を刺激した新聞広告
事業化に向け提携相次ぐ
「走りながら考える」ことの難しさ
2.システム開発で巨額の負担
不透明な事業採算
三グループ中心にシステム構築進む
3.制度不透明で詰めきれない金融機関の導入準備
税制優遇がビジネスに直結
コンサル業務に労使関係の壁
アクセスの良し悪しも問われる投資教育
4.退職後の給付に標準を合わせる生保
「擬似401K」計画
年金マネーの受け皿商品のカギ
顧客の信頼を得るサービスを提供できるか
5.シルバーマネーを取り込め
眠れる宝獲得にあの手この手
専門家配置し投信販売に攻勢
積み上がる高齢者資産の行き場はどこへ

【第3章】 変身を図るビッグプレイヤーたち

1.リーダーシップを問われる厚生年金基金連合会
母体企業がないというリスク
基金の解散が財政を圧迫
既存のMPTに代わる新たな運用指針必要
<当事者に聞く1> 厚生年金基金連合会常務理事 寺田徳氏
2.曲がり角にきた共済組合の年金運用
巨額の含み損が発覚
甘い見通し・行き詰まる財政
厚生年金統合のソロバン勘定
<当事者に聞く2> 地方公務員共済組合連合会理事 柳原瑛氏
3.一般勘定離れを加速させる生保
相次ぐ保証利回りの引き下げ
一般勘定に代わる受け皿を開発
<当事者に聞く3> 第一生命保険常務 門倉宏氏
4.年福事業団は生まれ変われるか
事業団廃止は事実上の改組
運用リスクと責任の明確化必要
事業からの撤退にも苦戦
<当事者に聞く4> 年金福祉事業団理事長 森 仁美氏

【第4章】 蝕まれた企業年金:再生は可能か

1.膨らむ年金債務あらわに
新年金会計の導入迫る
深刻な積み立て不足
国際標準と同じ土俵に
2.資産運用力が問われる時代に
予想以上の高利回り
変身図れぬ適格年金
3.「5.5%の呪縛」の終焉
多様化する基金の財務戦略
オーダーメードの年金ALM必要に
4.ダウンサイジングを図る企業年金
代行部分が重荷に
企業年金廃止、給与への上乗せも選択肢に
5.退職給付会計に前倒しで対応
「隠れ債務」を前倒しで資産、開示へ
積み立て不足の処理に着手
6.潜在債務となる代行給付-不透明化する責任の所在
代行給付部分を計算から除外
自主的に開示する企業も
7.「どんぶり勘定」のツケ-不足金の泥沼に苦しむ総合型基金
「相互扶助」があだに
逆選択が起きる危険性も
8.企業年金に続々と新規参入
年金会計に広がるビジネスのフロンティア
コンサルティング能力を競う
<当事者に聞く5> 新日鉄製鉄常務 関哲夫氏
<当事者に聞く6> 厚生年金基金連合会常務理事 坪野剛司氏

【第5章】 医療・介護に広がるフロンティア:「もう一つのエイジング問題」にもメス

1.企業が抱える双子の赤字-健康保険の「隠れた病巣」
企業年金と並ぶ重荷に
米国では企業の債務として認識
老人保健への拠出急増が負担に
2.健保運営に意識改革
健保財政にメス
余資の運用、新システムの導入進める
3.民間医療保険に好機到来
生保の新成長分野に
新型保険への対応を急ぐ
4.健保関連ビジネスに膨らむ商機
コンサルタントやデータ管理ビジネスも登場
コストダウンと資産運用のノウハウで勝負
5.銀行潤す診療費バブルの甘い蜜
急拡大する医療マネー
レセプトのチェックに民間参入
6.手探りの介護ビジネス
介護ビジネスに進出する生損保
事業化をにらみ次の一手を模索
7.「貸し渋り」にあう病院
医療保険改革が病院経営を直撃
経営難に「貸し渋り」も追い打ち
診療報酬回収ビジネスも登場
8.リバースモーゲージで長生きのリスクをヘッジ
さかさ向きの資産担保融資
政府保証でリスクを軽減

【終章】 超高齢時代の金融

1.シルバーマネーを動かせ
再構築を迫られる社会保障
官民分担の時代へ
2.シルバーマネーはどこまで膨らむか
270兆円を超える可能性も
基礎年金の財源問題が大きなポイント
医療保険改革の4つの柱
3.金融機関生き残りの条件
年金マネー争奪戦は激化必至
介護・医療にも広がるビジネスチャンス
4.高齢者の立場から見たシルバーマネー
団塊の世代に近づく高齢化の波
介護保険が消費の呼び水になる可能性


関連・・・『企業年金』をテーマにしている本


以下読書録作成予定