戦略的年金プランマネジメント 401Kと日本経済の変革 デニスE.ローグ・ジャックS.ラダー『年金学入門』の読書録

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厚生年金・国民年金増額対策室

デニスE.ローグ・ジャックS.ラダー『年金学入門』

単行本:501ページ
著者:デニスE.ローグ・ジャックS.ラダー
出版社:金融財政事情研究会
発売日:2000年(平成12年)4月20日第1刷発行

この本は、一般の人が軽々しく読めるようなものではありません。
年金額『入門』となっていますが、かなり難しく感じました。

目次

はじめに この本の内容について

【第1章】 なぜ、年金プランをもつのか?

1.会社組織と従業員にとっての年金プラン:基本
2.年金プランに向けた動機づけ
(1)貯蓄の節税手段としての年金プラン
(2)契約の動機づけとしての年金プラン
a 報酬としての年金プラン:2つの見方
b 動機づけとしての年金プラン
(3)信頼に足る行動の促進と従業員選別の改善
a 年金と信頼するに足る行動
b 従業員選別の手助けとしての年金プラン
3.結論

【第2章】 最適な年金プランの選択

1.確定給付型プラン
(1)給付の算定方式
(2)代替率
(3)積立て
2.確定拠出型プラン
3.給付、拠出、または両方の確定
(1)プラン選択の実証的な証拠
(2)積立ておよび運用パフォーマンス
(3)従業員の流動性
(4)雇用主のためになる特有の知識
(5)プランの費用
a 管理運営費用
b 積立費用
c 確定給付型プラン内の選択の自由
(6)スポンサーのキャッシュフロー変動性
(7)基本プランの選択
4.ハイブリッド型年金の構造
(1)複合型プラン
(2)キャッシュ・バランス・プラン(現金残高プラン)
(3)ペンション・エクイティ・プラン
(4)ターゲット・ベネフィット・プラン(目標給付プラン)
5.状況に応じた年金のスキームの選択
6.年金プランの特徴の決定
(1)経営陣の役割
(2)重要な特徴
a 給付水準
b 社会保障年金との融合
c 受給権
d 資格要件の充足
e 退職支給
f 積立ての状態
g 助言サービス
7.公的政策および年金プランの魅力
8.結論

【第3章】 プルーデントな年金受託者とは:実践的視点

1.受託者責任とは
2.プルーデントな投資家
(1)ERISA
(2)プルーデント・インベスター法
3.プルーデントと金融理論
(1)理論の役割:解説
(2)プルーデンスと裁判所
4.プルーデントな投資戦略
(1)パッシブ運用はプルーデントか?
a インデックス・ファンド投資
b 正しいインデックスの選択
c インデックス・ファンドを構成する銘柄証券のモニタリング
d インデックス・ファンドと受託者責任
e インデックス・ファンドとコーポレート・ガバナンス
(2)アクティブ運用はプルーデントか?
5.デュー・デリジェンス(相当の注意)
6.排他的利益ルール
(1)債務の統合
(2)経済的目的投資
(3)社会的責任投資
(4)プランの閉鎖
(5)ディレクテッド・コミッション
7.公的年金プランの課題
(1)規制、政治、新聞
(2)プルーデントな(公的)受託者になるには
8.確定拠出型プラン
9.従業員株式取得プランとプルーデンス
10.結論

【第4章】 年金プランの投資ポリシーの決定

1.年金プランとスポンサー企業:分離すべきか、統合すべきか
(1)年金プランの管理をスポンサー企業と統合しているという証拠
(2)超過資産の所有権
2.年金債務と投資ポリシー
(1)積立ての充足度
(2)年金債務と労働契約
(3)積立てポリシーと年金債務の価値
a 確定給付型プランの債務の計算
b 例
c 財政方式と予定基礎率
d 割引率
(4)年金債務と掛金の投資ポリシー
3.投資ポリシーの戦略的パラメータ
(1)リスクとリターン
a リスク許容度
b リターン
c 年金プランに対する制約
(2)分散投資と市場リスクと変化
a 分散投資
b 市場リスク
c 変化への適応
(3)アクティブ運用かパッシブ運用か
a 投資スタイル
b 運用管理コスト
c デリバティブ
d 執行上のポリシーの問題
4.確定拠出型プランに対する投資ポリシー
(1)従業員の投資教育
(2)パフォーマンス情報
(3)投資選択
(4)運用管理コスト
5.結論

【第5章】 アセット・アロケーションの決定

1.アセット・クラス
(1)年金プランの資産の概観
(2)主要なアセット・クラス
a 株式
b 債券
c キャッシュ
d 不動産
e 外国証券
f デリバティブ
2.アセット・アロケーションの基本
(1)リスク/リターン-効率的なポートフォリオ
(2)アロケーションの目標
3.戦略的アセット・アロケーションと時間の経過に伴うアロケーションの見直し
(1)戦略的アセット・アロケーション
(2)タクティカル・アセット・アロケーション
(3)インシュアード・アセット・アロケーション
結論

【第6章】 戦略的アセット・アロケーション

1.確定拠出型プランのための戦略的アセット・アロケーション
(1)債券・ライフサイクル・税金
a 債券
b ライフサイクル
c 税金
(2)個々人のための戦略的アセット・アロケーション
2.確定給付型年金にとっての戦略的アセット・アロケーション
(1)ファンディングに関する意思決定
(2)プランの債務、サープラス、その相互作用の影響
a サープラス・ボラティリティ
b 債務として適切なもの
c 年金資産の統合アプローチ
3.オール株式ポートフォリオとオール債券ポートフォリオからの教訓
(1)オール株式ポートフォリオの長所
a 私的プラン
b 公的プラン
c オール株式ポートフォリオのまとめ
(2)オール債券ポートフォリオの長所
a 私的プラン
b 公的プラン
c オール債券ポートフォリオのまとめ
4.年金プランの資産はどのように配分されるべきなのか(そして、どのように拠出されるべきか)
(1)実証検証からの考察
a 研究結果の解釈
(2)まとめ
戦略的アセット・アロケーション:分析的アプローチ
(1)アプローチ
(2)正しいアセット・ミックスの選択
(3)アロケーションに関するその他のポイント
6.結論

【第7章】 年金ファンド運用パフォーマンスの測定

1.運用リターン
2.リスク調整後リターン
(1)トータルの年金ポートフォリオのリスク
(2)要素ポートフォリオのリスク
(3)市場リスクとアクティブ管理
3.ベンチマーク
(1)インデックスを利用しての比較
(2)マネジャー・ユニバースを利用した比較
(3)ベンチマーク(ノーマル)ポートフォリオ
4.運用パフォーマンスの要因
(1)パフォーマンスの要因分析
(2)なぜ、パフォーマンス要因を分割するのか?
5.パフォーマンス測定分野の近年の進歩
(1)マルチインデックスモデル
(2)ポートフォリオのスタイル
(3)ベンチマークの構築
(4)パフォーマンス要因分析
結論

【第8章】 年金ファンドの運用パフォーマンス改善

1.パフォーマンス測定の活用
(1)過去と将来のパフォーマンス
(2)過去のパフォーマンスとマネジャー選択
(3)パフォーマンス評価の正しい利用法
(4)実際のパフォーマンス評価
2.実際の年金パフォーマンス
(1)確定給付型プラン
(2)確定拠出型プラン
(3)実際のファンドパフォーマンスに影響を与える要因
a マーケットタイミング
b ポートフォリオの回転とトレーディングコスト
c エージェンシー問題
d 規制のインセンティブ
e その他のパフォーマンス要因
3.結論

【第9章】 年金ファンドのリスク管理

1.リスク管理の基礎
(1)リスク管理の鳥瞰
a 一般的な観点
b 戦略に関する観点
c 管理に関する観点
d 組織に関する観点
(2)リスク間のトレードオフ
(3)リスクの定義
a 投資リスク
b サープラス・リスク
c 年金スポンサーとプランの共有リスク
d 金利リスク
e 通貨リスク
f コンセントレーション・リスク
g インフレ・リスク
(4)リスク管理戦略
a 投資リスク
b サープラス・リスク
c 年金スポンサーとプランの共有リスク
d 金利リスク
e 通貨リスク
f コンセントレーション・リスク
g インフレ・リスク
(5)非金融リスク
2.ヘッジとリターン拡大
3.リスク・エクスポージャーの評価
(1)リスク監査
(2)バリュー・アット・リスク(VaR)
4.VaRを年金ファンドのサープラスに適用した例
5.ストレス・テスト
6.結論

【第10章】 デリバティブ証券を利用したリスク管理戦略

1.機関投資家によるデリバティブの利用
2.デリバティブの基本的なタイプ
(1)オプション
(2)先物と先渡し
3.デリバティブの長所
4.デリバティブの短所
5.デリバティブとレバレッジ
6.デリバティブを利用したリスク管理
(1)デリバティブを用いたヘッジ
(2)リスク管理におけるオプション契約
a 資産のロングポジションに対するヘッジ
b オプションを利用したリターン拡大戦略
(3)先物を利用したリスク管理
a 先物を用いた株式エクスポージャーの変更
b 先物を利用した債券(金利)戦略
c 先物を利用した資産、負債の金利管理
d デュレーションに基づいた戦略
(4)デュレーションによる戦略の問題点
7.オプション、先物、先渡し取引の代替としてのスワップ
(1)金利スワップ
(2)スワップのリスクに関して
(3)資産・負債スワップの一例
(4)他のスワップ
8.デリバティブの特殊な利用方法
9.第二世代のデリバティブ
(1)バリア・オプション
(2)複合オプション
(3)スワップオプション
10.さまざまな取引のなかからの選択
11.結論

【第11章】 マネジャーと投資コストの管理

1.年金資産をだれが運用するべきか
(1)内部運用か外部運用か
a 内部マネジャーを利用する場合
b 外部マネジャーの選定
(2)マネジャーのモニタリングと管理
a 管理の明文化
b マネジャーのモニタリング
c 監査委員会
(3)外部投資マネジャーへの報酬
a インセンティブ報酬とリスク
(4)全体資産の管理
(5)マネジャーの交代
a マネジャーの交代とその後の再投資にかかる問題点
2.取引コストの管理
(1)売買執行にかかる費用
a マーケットインパクト・コスト
b マーケットインパクトの計測
c 売買手数料とトータルの費用
(2)取引コストの削減
(3)ソフトダラーの影響
(4)取引コスト議論の意義
3.結論

【第12章】 意思決定と年金会計

1.会計処理の基礎
2.会計ルール
(1)定義
a 累積給付債務(ABO)
b 予測給付債務(PBO)
c 年金資産の公正価値
d 期間年金費用
e 年金数理割引率
f 給付計算用予定昇給率
g 予定名目昇給率
h 年金資産の期待収益
i 年金資産の実際収益
3.年金費用の計算
(1)例示
4.経済的実態と会計のその他の相違
(1)実際収益と期待収益
(2)給付の増額改訂
(3)FAS87適用時の損益
5.経済的実態と会計の調整
(1)年金プランのサープラス
(2)年金費用とキャッシュフロー
(3)年金会計の説明:例示
(4)基礎率、計数値と数字上のゲーム
(5)投資と管理手法
(6)会計数値の平準化
a デディテッド債券ポートフォリオ
b ポートフォリオ・インシュアランス
(7)数値のゲーム(操作)
a ウィンドウ・ドレッシング
b 意思決定の偽装
6.結論

【第13章】 株主としての年金プラン

1.コーポレート・ガバナンス
2.行動する株主
(1)行動する株主の実例
(2)株主の行動主義は問題か
(3)積極的な株主行動の問題点
a 判断の誤り
b 構造的な禁止事項
3.株主としての行動に積極的な年金ファンドにとっての現実的な問題
4.年金ファンドのさらに積極的な役割に向けて
5.結論

【第14章】 より良い年金プラン管理への道

1.年金プランの目標と構造
2.投資ポリシー
3.プルーデントな行動
4.投資
5.管理
6.リスク管理
7.年金プラン管理を成功させる要因

Appendix
A 従業員株式取得プラン
B 複数雇用主ハイブリッド型年金プランの例
C 年金ファンドにとってのグローバル投資
D リターンの測定
E リスクの調整
F 株式スワップによるヘッジ取引の例
G マネジャーの選定
H 複数国にまたがった年金債務をもっている会社が抱える問題
I プルーデントな受託者のためのガイド

References
索引


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