超高齢社会の「勝者」と「敗者」 格付投資情報センター「年金情報」編集部(編)『企業年金の真実』の読書録

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厚生年金・国民年金増額対策室

格付投資情報センター「年金情報」編集部(編)『企業年金の真実』

単行本:231ページ
著者:格付投資情報センター「年金情報」編集部(編)
出版社:格付投資情報センター
発売日:2003年(平成15年)6月9日第1版第1刷発行

目次

【第1章】 企業年金は大丈夫か

1.アンダーファンディング
「安心」を失った企業年金
リスクに脅える日々
人生の大半を企業が支える
退職金は企業年金制度の「箱」が払う
サラリーマンの過半数が加入
長期運営のジレンマ
露呈した構造の盲点
2.今そこにある危機
年金の財源は枯渇している?
公的資金注入論
解散命令の発動
世界の年金危機から抜け出せるか
3.変貌するサラリーマンの「聖域」
人件費改革の最終章
一大改革の扉が開く
連なる関門
「費用対効果」の追求
第一ステージを終えた先発組
4.個人が体験する未知の領域
総投資家時代は到来するか
押し寄せるリスクとコストの大波

【第2章】 企業年金の栄光と蹉跌(さてつ)

1.企業年金の仕組みと戦略
超高齢化社会を税制優遇で支援
年金額を決める2つのカラクリ
今も残る退職金信仰
国家プロジェクト
企業年金は打ち出の小槌か
2.ハイリスク運用の憂鬱
くじ引き採用の古き良き時代
保証なき資産運用
機関投資家の「正統派」へ
3.多発する地殻変動
高齢化の十字架
顕在化する経営環境とのギャップ
4.市場の見えざる圧力
会計が制度を変える
市場の短期志向vs年金制度の長期志向
企業年金の大競争時代

【第3章】 胎動するプロジェクト

1.企業年金改革の号砲
二法制定で堰を切る
適格年金が消滅する
中小企業に向けられた「あいくち」
負担軽減の「即効薬」代行返上に道
確定給付年金の器にハイブリッド型年金を注ぐ
2.逆転の年金運営「日本版401K」
財界と金融界の悲願
足かせを付けられた大型新人
混在するメリットとデメリット
成果主義で掛け金に格差
中小企業への浸透
株を好むサラリーマン
リスクが消えてコストが増す?
投資教育で生活設計から資産運用まで
焦点は将来の「使い勝手」
個人型というもう一つの道
[事例解剖1]
グループ各社で確定拠出年金と前払いの選択性(三越)
確定拠出年金と前払い退職金を併用、従来制度を一気に全廃(日商岩井)
厚年基金から確定拠出年金に移行、独自の退職年金も(サンデン)
「ユニクロ型401K」、従業員が拠出額選択(ファーストリテイリング)
3.「激変緩和」の産物 ハイブリッド
金利が上がれば年金が増える
年金額は定年後も確定しない
運用リスクを労使で分担
2つの死角
給付削減とのセットで?
従業員は金利の指標に注意が必要
[事例解剖2]
厚年基金にハイブリッド型年金を上乗せ(松下電器産業)
厚年基金と適格年金を統合してハイブリッド型年金に(日本新薬)
4.ベストミックス
主流は複数制度の再編成
代行返上の副産物
給付カットの第2の波
企業事情による多様な制度ミックス
確定給付年金存続のソフトランディング
移行か、それとも廃止か
確定拠出年金のあらゆるところに「前払い」あり
退職金制度は生き残るか
総額カットのタブーなき時代
[事例解剖3]
代行返上後、低リスクの確定拠出年金をプラス(トヨタ自動車)
確定拠出年金とハイブリッド型、退職一時金に再編(日立製作所)
確定拠出年金とハイブリッド型に集約、長期スパンの改革へ(セコム)

【第4章】 塗り換わる年金地図

1.年金マネーラッシュ
崩れた3業態の牙城
新規参入組みの仁義なき戦い(大手銀行、証券会社、損害保険会社、
地方銀行、郵政公社・JA、信託銀行、生命保険会社)
2.曲がり角の資産運用業界
代行返上の痛手
運用市場の変質がもたらすもの
3.約束のない公的年金
国も認めた制度崩壊の危機
誤算と失敗の連続
4.年金政策の転向
年金の自動抑制システム
受給中の公的年金もカットするのか
「公私の年金で老後収入を」

【第5章】 パラダイムの転換

1.「受託者」の重圧と責任
年金訴訟時代
天災か人災か
本音と建前
プロ組織への険しい道
舵を切り替えた年金行政
2.企業年金を支配する者
バランスを欠く年金統治
労使合意の本質
日本の常識は世界の非常識か
3.サラリーマンは自立できるか
投資家への飛躍と当惑
元本割れの船出
成果が問われるとき
4.広がる年金格差
企業年金を持つ中小企業が減る
ミスマッチの拡大
5.企業年金 復活の条件
改革は終わらない
企業年金の主役交代
移り変わる労使関係
モデルなき時代の「勝者」と「敗者」


[インサイド]
団塊世代は本当に「逃げ切り世代」か-給付削減と世代間の対立
岐路に立つ積極運用-制度改革に続く資産運用改革
確定給付年金と確定拠出年金、費用が安いのはどちらか?
[コラム]
企業会計の呪縛-積み立て不足はこうして発生する
[リスク]の誤解-失敗もあれば成功もある
揺らぐノーベル賞の投資理論-分散投資の効果を唱えるけれど・・・
急浮上したスウェーデン方式-税方式からの脱却

[参考資料]


関連・・・『企業年金』をテーマにしている本


以下読書録作成予定