厚生年金・国民年金増額対策室 > 年金、みんな怒っています!(バックナンバー) > 【第3号】国民年金滞納と「差し押さえ」
┏━━ ● 年金、みんな怒っています! ● 第3号 ◎国民年金滞納と、社会保険庁による「差し押さえ」… ~ 記事→ 週刊文春 平成18年12月21日号 P48~P49 がん闘病 藤原伊織が怒る 社保庁「差し押さえ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 平成19年1月22日版 第3号 購読者数 63名様 】 ------------------------------------------------------------------ 国民年金の保険料を滞納しているとどうなるか・・・ ------------------------------------------------------------------ 今回は、昨年12月に発売された雑誌、週刊文春から、 国民年金の保険料滞納に関する興味深い記事がありましたのでご紹介します。 ★概要 直木賞作家の藤原伊織さん(58)は、食道がんを発症し、 5年生存率20%と診断されました。 そして、年金のリターンを見込めなくなった現状から国民年金の保険料の 支払いを止めていたのですが、 社保庁から支払いの催促と共に差し押さえの通知が届きます。 なお、今回の引用は2ページに及びます。 それは、中途な抜粋に馴染まないと判断したためです。 全部の文脈の中で、問題点が見えてくると思います。 法的にみれば確かに・・・しかし・・・と。 ちなみに、私は20歳からの年金は、すべて納付+免除です。 ただ、資金繰りの関係上、時効である2年以内の遅れはよくあります。 結果的に支払い督促に応じて、遅れながらも支払っているのですが、 もちろんこれも滞納ですので、他人事ではありません。 -----------------------< ここから引用開始 >----------------------- ●直木賞作家・藤原伊織氏(58)の元に社会保険事務所から 「差押予告通知書」か届いた。 藤原氏は食道がんを発症し、ステージ4の前期と診断された昨年春から 国民年金の支払いをやめていた。 事務所の「脅迫めいた文面」と「お役所対応」 藤原氏が「非常な年金制度」への怒りを語る ●脅迫文が届いた。 送り主は私が住む港区の社会保険事務所。 「差押予告通知書」と題された文章には、こう記してあった。 「下記の滞納保険料を徴収するため、あなたの財産の滞納処分(差押、公売) に着手することになりましたので、予告いたします」 滞納保険料を納付する意思があるときは、この文書を持参の上、 下記日時までに当初の国民年金担当窓口に申し出てください。 窓口に直接来ることができない場合には、至急連絡ください」 ●昨年の春、食道がんを発症して、「ステージ4の前期。5年生存率20%見当」 と診断された。 以降、国民年金の支払いを辞めたのだった。 納付に対するリターンは望めなかったからである。 ●今回の滞納保険料の額は、平成17年4月からの15か月分で、合計20万4,540円。 はっきり言って安いなと思った。 会社勤めをしていた時の給与明細を確認してみたら、厚生年金として毎月給与から 4万円ほど引かれていた。ボーナスの時に20万円ほど。 しかし、金額の問題ではない。この脅迫めいた文面に頭にきた。 ●最初に伝えておきたいのは、このケースは私個人の問題というよりも、 同じ状況に置かれている人たち全体の問題として考えてほしいということだ。 例えば現在、がんには日本の全人口の2分の1がかかり、 3分の1はがんが原因で死ぬ。 他にも難病で苦しんでいる人もいる。極端な場合、あと数日の命で、 息も絶え絶えになっている人のところにも、この通知書が届く場合があるのだ。 そういう個別性をまったく勘案せずに、むしりとっていくのだ。 税金でさえ各種控除の配慮はある、というのにである。 ●そもそも、社会保険庁というのは腐敗しきった組織である。 今まで、我々の貴重な掛け金をどのように使ってきたのか。 例えば全国13箇所に建てられたグリーンピアには、我々の掛け金から、 約3,800億円が使われており、福島県の二本松市では81億円で作った施設が 3億円ほどで市に投げ売りされた。 最近では納付率上昇を装うため、加入対象者に対して本人の意思を確認しないまま、 保険料の免除や猶予の不正な手続きを行っていた。 ●通知書が届いた翌日、社会保険事務所に電話した。 最初に「差押さえするとありますが、どのような形でやるんですか」 と訊ねた。すると担当者は「銀行預金の状態を調べた上で、口座を差押さえする」 とのこと。 ●それで、当方の個人的な事情を話した。 「僕は去年3月に、第3者機関から5年生存率20パーセントという診断を受けた。なおかつ、 再発して、再再発もした。こういう個別の事情というのは勘案されないのか」と。 しかし、質問には直接答えず、 「収入が減った場合は、減額する措置を取ることはできます」 という返事しかない。 そこで「それならば、今まで社会保険庁はいったい何をやってきたのか」 と一連の問題について並べ立てた。 すると、「はい、そうですね」「はい、そうですね」 と繰り返すばかり。 「申し訳ございません」などという答えはなく、まるで機械のようだった。 ●民間企業では絶対に考えられない姿勢である。 その対応に頭にきたので、「僕は支払う意思はまったくありません」 と言ったとたん、「ガチャン」と電話を切られてしまった。 その後、調べたところによると、もし国民年金を滞納したまま死んだ場合、 債権は残ったままなので連帯責務が発生して、遺産を相続した遺族のもとに差押さえが 行くとのこと。ひどく愚劣なシステムという他ない。 ●ここで、私の病状を説明しておこう。 去年の2月に発症した後、抗がん剤と放射線との併用治療で一旦、治ったような状態 にはなった。 しかし、今年の3月、声がしわがれてきたことから再発が分かり、食道を取る手術をした。 最初に手術しないで、再発してから手術するというのは、珍しいケースなのだという。 去年の段階では、気管にがんが浸潤していたため、手術不可能だったのだ。 ●非常に難しい手術だが、その時お医者に「気管にこびりついているがん細胞もできるだけ 取り除くようにするが、残存する可能性は否定できない」と事前説明は受けていた。 結局その部分が今活動していることが7月くらいに分かった。 進行はかなり遅いが、火山に例えると、"活火山"であると。要するに再発したのだ。 ●1ヶ月前から新しい抗がん剤を試し始めた。 3週間に1回の通院で、2時間の点滴でいいというので、それだけで飛びついた。 その抗がん剤がどの程度効果があるか、 結果は1月下旬くらいにCTスキャンを見てみないと 分からない。あまり期待はしていないが。 ●ただ、抗がん剤を投与しないで、放っておけば余命半年から1年といわれている。 抗がん剤が効かなかったら同じ結果になるだろう。 今の抗がん剤には副作用がある。白血球が激減するのだ。 正常値の3分の1以下だから、人ごみの中に出るのさえリスクが大きい。 髪の毛が抜けるのにも閉口している。売ったら儲かるんじゃないかというくらい、 ごそっと抜ける。嚥下困難もある今は、年金を受給できるなんて それこそ毛頭も思っていない。 ●ここ数年、国民年金の未納率は4割近い。その多くは20代の若者たちだという。 彼らは将来、年金システムが破綻するであろうから払わないという発想のもとに 納付しないようだが、損得勘定以前に、私は健全な判断をしていると思う。 未来なんて不確定なものであるというのは正常な認識だ。 どんなに健康な人間でも、明日交通事故で死ぬかもしれない。 そもそも20歳過ぎの若者が、50年先に年金をもらって生活していく将来設計 を立てているなんて、気持ち悪い。 むしろ20代30代の若者達は今、どのように生きるべきかということを最優先に 考えるべきであって、平均的な収入を得て、平均的な寿命まで生きて、老後は年金で 生活するなんていう、凡庸極まる将来を思い描くような連中とは、私は絶対に 話したくない。 ●それ以上にあんな腐敗組織に自分の未来をゆだねるということ自体、 真っ当な判断能力が欠如している。 ただ、社会保険庁にも言い分がある。 「年金制度を維持するために、相互扶助の精神を持ってほしい」と。 だったら、最初から「次の世代のために寄付してください」と言えばいいだろう。 脅しめいた「差押予告通知書」など送らずに。 ●放っておいたら、年明け早々に「差押決定」の最後通牒が来るようだ。 本来なら問題提起の行政訴訟を起こしたいほどだが、残り少ない時間をそんなつまらない ことに費やすのはアホらしいので、好き勝手に抜いていってくれと思う。 ●確かに法的観点から見れば、国民の義務を果たしていないのかもしれない。 だが、そもそも立法精神運用の根拠が狂っているのだ。 安倍晋三の唱える「美しい国」の現状とは、かくのごとく醜悪なものである。 -----------------------< ここまで引用終了 >----------------------- 国民年金の免除制度。 数値化できる収入基準で段階的に免除できる、すばらしいものだと思います。 しかし、収入があっても事実上将来もらえる見込みがないものは? もはや保険料を払っていなくても障害になった時の要件は満たすでしょうし。 私は国民年金の保険料は自分のために払っています。 相互扶助の精神ももちろん大切ですが、何か心に響かないんですよね。 そういう気持ちがないわけではありませんが、それはあくまで二の次です。 やはり、払った人が、将来どうなるのかということが一番大事です。 逆に、払わないと、どういう現実が待っているのかということも、 分かりやすく示す義務が国にはあるはずなのです。 幸い社会保険労務士をしておりますので、年金のことは人一倍分かります。 その結果として、納得して保険料を支払っています。 多少支払いが遅れることはありますが、 この先可能な限り穴を作ることなく支払っていきたいと思っています。 でも、50歳代で余命わずかとなったら、それはもう支払いを止めるでしょう。 そうなった時、今回のように脅かしに近い文面で督促されたら・・・ せめて、事後的にでもそのような事情が分かった時には督促はしても、 差押さえまでは控えるということはできないものでしょうか。
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