厚生年金・国民年金増額対策室 > 国民年金増額対策まとめ > 国民年金増額対策その6「時効の2年間」
国民年金の年金保険料の支払期限は翌月末日までとなっています。 4月分の国民年金保険料は5月31日までに納めれば未納にはなりません。 それを過ぎると納付案内ハガキが来て、現在の未納状況が通知されます。
私も何度かつい払い忘れてしまい、納付案内のはがきを頂いたことがあります。 はがきには未納月と未納総額が記載されているのですが、はじめの時は利息をとられるんじゃないかと思ったものでした。 ところが数ヶ月支払いが遅れても利息は一切なし。 結局は納付案内ハガキに記された通常納付の金額のままで、数ヶ月の未納分をまとめ払いして手続き終了です。
ただし国民年金法の条文では
「督促をしたときは~徴収金額につき年14,6%の割合で納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までの
日数によって計算した延滞金を徴収する~」とあり、
但し書きで「督促状に指定した期限までに徴収金を完納したとき」は延滞金は徴収しないと書いてあります。
督促状の前に催告状というものもありますが、この段階では過去2年分の保険料納付に対して延滞金は発生せず、 督促状が届き、その指定期限までに納めた時も、まだ延滞金は発生しません。
しかし、保険料の納付が督促状の納付期限を過ぎた場合には、「本来の納付期限」から完納、もしくは財産差し押さえの日の前日までの延滞金が発生します。 その督促状の納付期限は、法律では督促状発行日から10日以上となっていますが、2003年度は約40日間の猶予が与えられました。
「年金額を増やす」という対策としては後ろ向きかもしれませんが、自営業等は収入にも波がありますので、 いつも納期限(本来の翌月末)まで保険料を納めるというのもなかなか厳しい面もあるかと思います。(特に零細事業者やフリーターなど)
数ヶ月の一時的な未納があったとしても、過去2年間までの保険料を納めたときは、その分は通常の納付として扱われますので、 少しくらい支払が遅れてもお金があるときに納めれば・・・くらいの気持ちで保険料を納めていけばいいと、個人的には考えます。
実際に財産差し押さえまでの流れを、平成16年度着手分の国民年金保険料の強制徴収実施状況から見ていきたいと思います。
未納を続けていると催告状が度々送付されますが、その催告状が送られているうちは、まだ黄色信号です。 しかし、電話や文書、戸別訪問など度重なる催告に応じない人で、十分な所得や資産があるのに保険料を納めない人に対しては強制徴収の対象となるため、 その警告のために最終催告状が送付されます。 平成16年10月から平成17年3月までの間に送付された最終催告状は31,497件でした。
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最終催告状が送付され、保険料を納付した件数は17,418件で接触中の者は10,442件(平成17年3月現在のため)。 ここでは残りの3,637件に対して督促状が送付されました。
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督促状を送付して戸別訪問等により納付督励を行い、989件は納付。指定期限までに保険料を納めず未納を続けたのは2,648件。 財産調査を実施して財産差し押さえが相当とされた426件に対して差押予告通知が送付されました。
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最後まで未納を続け、財産差し押さえが実施された件数は110件となりました。
社会保険庁では、社会保険統計情報の調査における「国民年金の加入・納付状況」の「未納者・未加入者の動向」において、 登場する言葉「未納者」について次のように定めています。
『未納者とは、調査対象の国民年金第1号被保険者のうち過去2年間全く保険料を納めなかった者(保険料の納付を要しない者を除く。)をいう。』
一方「滞納者」もたとえば国民年金被保険者実態調査平成17年調査で1号期間滞納者について 「平成15年4月~平成17年3月の納付対象月の保険料を1月も納付していないもの(申請全額免除者・学生納付特例者を除く)」 とあるように、「未納者」を「滞納者」と置き換えても不都合はありません。
また、「未納」については社会保険庁が発送する国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)で、 「~大切な年金を受け取る権利を失わないため、また、満額の年金に近づけるために未納となっている保険料を納めてください。」としています。
個人の年金記録において、もはや時効で納められない部分も未納期間としていることから、通常の国民年金保険料の納期限である翌月末日が経過した分については、 すべて「未納」と表して間違いではありません。
「滞納」についても、言葉の使い方の違いというだけで、時効の2年以内にあるものも、時効の2年を過ぎてしまったものも「滞納」といえますが、 継続して保険料を納めていない状態のときに「滞納している」という表現を使うことが一般的です。
一般的に使われている「未納率」は、国民年金保険料に関して納付月数で計算され、「滞納率」は、不払い者の数で計算されます。
第八章|雑則
(時効)
第百二条
年金給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から五年を経過したときは、時効によつて、消滅する。
2 前項の時効は、当該年金給付がその全額につき支給を停止されている間は、進行しない。
3 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
4 保険料その他この法律の規定による徴収金についての第九十六条第一項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
5 保険料その他この法律の規定による徴収金については、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第三十二条の規定を適用しない。
関連:年金の時効は2年と5年
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