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国民年金 記事一覧

社会保険庁が年金納付記録を紛失

平成18年の8月21日から12月末までの4ヶ月に、社会保険庁が年金特別相談を実施しましたが、その中で社保庁が年金納付記録を紛失したという事例が86人分も発覚しました。人数は少ないですが、重い意味を持つ86人です。

年金の支給漏れの大半は、厚生年金の一部というケースなのですが、この場合調べれば国の方に何らかのデータが残っていることが多いのです。

しかし、今回の場合は国の方に一切データが残っておらず、年金受給者側で記録を証明して認められた年金納付記録なのです。

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合算対象期間とは?

合算対象期間は、すでに年金加入期間が25年あるという方には関係ない話です。しかし、年金加入期間が25年無くて年金(老齢基礎年金=老齢年金の土台)をもらえない人にとっては、この合算対象期間によって救われる可能性もあります。

合算対象期間は、このように受給資格期間を見るときにだけでてくるもので、年金額の計算をする時の被保険者期間には算入されません。よって、合算対象期間のことをカラ期間と読ぶこともあります。

具体的には保険料納付済期間と、保険料免除期間に、さらに合算対象期間を合わして25年あれば年金をもらえるということになります。

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国民年金保険料のカード払いが可能に

厚生労働省によると、2008年をめどに、国民年金のクレジットカード払いを可能にするとのこと。

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寡婦年金とは?(国民年金)

「遺族年金」は有名ですが、「寡夫年金」というのが何なのかというのを知らない人は多いです。一種の遺族年金なのですが、ご存知でしたか?

寡婦年金は国民年金の第1号被保険者の年金期間を持つ夫が死亡した場合、要件を満たせば妻に対して年金が支給されるというものです。

寡婦年金の受給要件

  • 死亡した夫は、第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせて25年以上の年金期間があること。
  • 老齢年金や障害年金等を受給したことがないこと。

寡婦年金の妻側の要件

  • 夫婦の婚姻期間は10年以上あること。
  • 夫が死亡した時、夫によって生計を維持されていたこと。
  • 夫死亡当時65歳未満であること。
  • 遺族基礎年金を受け取る権利がないこと。

寡婦年金の支給

寡婦年金は、妻が60歳から65歳までの間支給されます。
年金額は夫が受け取れたであろう老齢基礎年金の4分の3の年金額ですが、これは第1号被保険者の分だけが対象です。

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年金の「未納」と「未加入」どう違う?

なんとなく一緒に使いがちな「未納」と「未加入」というコトバ。
その違いを説明できますか?

年金の未納は、年金の保険料を払わなければいけない人が、保険料を払っていないこと。年金の未加入は、年金の自体に加入するかどうかが任意で年金に加入していない人のことです。同じ年金保険料を払わない人でも、未納は良くないことで、未加入は悪くないことです。

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給付制限とは?(国民年金)

年金は権利を満たしたからといって必ずもらえるわけではありません。遺族年金目当てに人を死亡させたり、定められた書類を適正に提出しなかったりすると、全部または一部の年金が、差し止めまたは一時的に支給停止されてしまいます。

全面的な給付制限

  1. 故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の、その障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は支給されない。(国民年金法69条)
  2. 遺族基礎年金、寡婦年金、又は死亡一時金は、被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には支給されない。また、被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させたものについても同様に支給されない。(国民年金法71条の1項)
  3. 遺族基礎年金の受給権は、その受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。(国民年金法71条の2項)

※解説・・・1は働くのがいやになって、自分で足を落とすことなど、2は「この人を死亡させて遺族年金をもらおう」というような不純なもの、またはいずれ受給権者となるであろうものを死亡させること、3はすでに遺族年金の受給権者を死亡させるもので、「この人がいなければ自分に遺族基礎年金の権利が舞い込むだろう」というような理由が成り立つケースです。

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国民年金と税金(公課の禁止とは)

国民年金の給付には、支給事由に老齢、障害、遺族がありますが、「老齢」の年金給付には所得税法では雑所得とみなされ、課税対象となります。

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国民年金の受給権(受給権の保護とは)

国民年金の給付を受ける権利は、原則的に他人に譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることができないことになっています。

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年金の任意加入被保険者とは?

国民年金の任意加入被保険者になれる人は、次の3つの要件のいずれかを満たす人で、第2号被保険者、第3号被保険者以外の人です。(第2号被保険者と第3号被保険者は、もとより強制加入ですので任意加入という概念はありません。)

  1. 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のもので、厚生年金や共済年金など老齢年金を受給できる人、または国民年金に相当する外国の年金で一定のものを受給できる人
  2. 日本国内に住む60歳以上65歳未満の人
  3. 日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳以上の人

解説…1の人は、60歳未満であっても国民年金の第1号被保険者から除外される人たちです。ただ、もし年金額を増やしたいのならば60歳まで任意加入してもいいよ、というものです。2の人は年金の受給資格の25年が無い人と、25年の受給資格はあるけれども40年の満額まで年金加入期間を近づけたい人が任意加入できます。3は、老後は日本で住もうと考えている人で、現在海外に住んでいる人などが考えられますが、そうでなくても日本人であれば海外在住中は任意加入できます。

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国民年金の任意加入被保険者の特例とは?

国民年金の第1号被保険者は60歳まで加入が原則。任意加入被保険者も65歳まで。それでも年金の受給資格を得られない人は、任意加入被保険者の特例によって70歳まで国民年金に加入することができます。

任意加入被保険者の特例の条件

65歳からの任意加入を任意加入被保険者の特例といいますが、誰でも国民年金に任意加入できるわけではありません。

単に国民年金を満額に近づけたいという年金増額目的だけの任意加入は認められず、この任意加入被保険者の特例の趣旨は年金の受給資格を得ることですから、すでに年金の加入期間が25年ある人は被保険者にはなれません。25年でなくとも、老齢厚生年金(厚生年金)や、退職共済年金(共済年金)の受給権をすでに有している場合も同様に任意加入被保険者にはなれません。

また、生年月日が昭和40年4月1日以前生まれの人だけが任意加入被保険者の特例を利用できます。その上で次のいずれかに当てはまる場合に任意加入被保険者になることができます。

  1. 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の人
  2. 日本国籍を有する人で、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の人

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任意加入被保険者の資格取得と喪失の時期は?

国民年金の任意加入被保険者の資格の取得と喪失の時期は、次のようになります。(65歳までの任意加入被保険者)

任意加入被保険者の資格取得時期

国に任意加入の申出をした日に任意加入被保険者となります。ただし、健康保険の任意継続被保険者のように、さかのぼって被保険者になるということはできません。仮に60歳になって国民年金第1号被保険者の資格を喪失したとして、任意加入被保険者となることを考えていても、例えば手続が遅れて2ヵ月後に手続をしたのならば、2ヶ月前後年金未加入期間ができることになります。もっとも、あと2年で国民年金が満額になるような人ならば、65歳までのいつの2年間でも同じことなので、影響はありません。

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特例任意加入被保険者の資格喪失時期は?

65歳以上70歳未満の任意加入被保険者の特例の人たちの資格喪失時期は次のようになります。

【 任意加入被保険者の特例共通の資格喪失事由と時期 】

  1. 死亡した日の翌日
  2. 厚生年金や共済年金等被用者年金各法の被保険者、組合員、加入者の資格を取得した日
  3. 老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢または退職を支給事由とする年金たる給付であって、政令で定める給付の受給権を取得した日の翌日
  4. 70歳に達した日(誕生日の前日)
  5. 国に対する資格喪失の申出が受理された日

2は、すでに年金の受給権がある人は国民年金の第2号被保険者にはなれませんが、まだ年金の受給権を得ていない人は70歳までの間は国民年金の第2号被保険者になれます。たとえば会社員になれば、厚生年金の被保険者でありつつ同時に国民年金の第2号被保険者となるわけです。3は、年金の受給権を得たということなので目的達成で任意加入被保険者は資格喪失します。そもそも特例の任意加入被保険者の目的は受給権を得るためだけですので、いくら年金額の増額を願っても、任意加入被保険者ができるのは65歳までなのです。

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外国人の、国民年金の任意脱退とは?

外国人が日本に来日し、被保険者として年金に加入していたものの、受給資格期間の25年に年金期間が満たない場合は社会保険庁長官の承認を受けて被保険者の資格を喪失することができます。

任意脱退は永住意思のない外国人等を対象にしたもので、保険料の滞納期間があると任意脱退できない場合もあります。任意脱退できるかどうかは個々の状況によって変わってきます。必ず役所の方でお問い合わせください。

任意脱退できる人

それまで被保険者でなかった人が国民年金第1号被保険者になった場合、または第2号被保険者、第2号被保険者が第1号被保険者となった場合、次にあげる期間を合算した期間が25年に満たない時、いつでも社会保険庁の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができます。

  1. 被保険者の資格を取得した日、または第2号被保険者もしくは第3号被保険者が第1号被保険者となった日の属する月から60歳に達する日の属する月の前月までの期間。
  2. その者が被保険者期間を有するものである場合におけるその被保険者期間

1は、直近のことを聞いています。例えば50歳で来日して、レストランで勤務(厚生年金被保険者かつ国民年金第2号被保険者)。そして5年後に独立して、国民年金第1号被保険者となる。その場合60歳まで保険料納付済期間を25年にすることは無理ですので、任意脱退という話が出てきます。2は、直近までに被保険者期間があれば、その期間も受給資格期間の25年ねんに満たせるかどうかの計算に算入します。

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付加年金の付加保険料は400円

国民年金の第1号被保険者だけが任意では入れる付加年金。付加保険料を400円ずつ払って、65歳からは毎年96,000円(満額の場合)の年金。これってどれだけ得なのでしょうか?

数ある年金のしくみの中でもこの付加年金は特におトク感のある年金です。何しろ付加保険料400円に対して、もらうときは1ヶ月の付加保険料納付期間あたり200円の年金になります。例えば20歳から60歳までもれなく国民年金と付加年金に加入していたとしたら、40年(480月)に400円を掛けて、付加保険料合計は192,000円。これに対してもらえる付加年金は、40年(480月)に200円を掛けて、96,000円。つまり、65歳から国民年金をもらいはじめてたった2年で元が取れる計算です。

本体の国民年金は、元を取るのに約8年掛かりますので、どれだけリターン率がいいかお分かりいただけると思います。ただ、惜しいのは付加年金が1人当り400円しか付加保険料を掛けられないということ。でも、国民年金第1号被保険者なら入らない手はないと思います。

付加年金に加入できる人

付加年金に加入し、付加保険料を払える人は、次に該当しない国民年金の第1号被保険者と65歳未満の任意加入被保険者です。

  1. 65歳以上の特例の任意加入被保険者
  2. 国民年金第2号被保険者
  3. 国民年金第3号被保険者
  4. 国民年金基金の加入員

1は、もともと65歳以上の任意加入被保険者というのは、年金増額目的ではなく、受給権確保目的のためだけに認められたものであり、もらえる年金を増やしたいという付加年金の趣旨とは反するものだからです。2は、厚生年金という2階部分の年金がありますし、付加年金が国民年金独自の制度だと考えると対象外なのは当然です。3は、第3号被保険者が保険料を払わずに国民年金に加入できますので、それ以上の増額までは必要ないということでしょうか。

※第1号被保険者で農業者年金の被保険者は、もともと付加年金に強制加入です。(2007.5.16 一部訂正いたしました)

そして、第1号被保険者で国民年金の加入員の他、付加保険料を納付できない人たちは次の通りです。

  1. 国民年金の法定免除、申請免除、学生免除など、保険料を納付することを免除されている人。
  2. 半額免除等、国民年金の一部の支払いを免除されている人

1と2は、国民年金の保険料を免除しているのに400円だけ払って年金を増額させるというのが不自然なので付加年金対象外。3は、付加年金と同じく将来の年金の増額目的である国民年金基金は、同じ趣旨のものであるため二者択一で選択です。

付加年金は国民年金基金と同時に入ることはできませんので、自営業の社長などでお金に余裕があり、節税対策を考えるのなら国民年金基金を、お金にゆとりはないけれど将来の年金を少しでも増やしたいという方は付加年金に加入するということになるでしょう。

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国民年金の前納のしくみとは?

国民年金の前納(前払い)をしていた人が、途中で厚生年金に加入したら前納のお金はどうなるの?知前納のしくみについて見ていきます。

前納とは、国民年金の保険料を6ヶ月、または1年単位で前払いすることです。前納することでどれくらい保険料が割安になるかなど、最新情報は社会保険庁等の前納のページでチェックしてください。Googleでもヤフーでも、「前納 年金」と検索すればトップに出てきます。

http://www.sia.go.jp/top/zenwari_jp/index.html

前納して割安になる保険料の額

前納の最大のメリットは国民年金保険料が安くなることですが、具体的には年4分の利率のよる複利原価法によって計算して割り引いた額が、前納で納めるべき保険料の額となります。年平均では、約2.1%の割引となります。

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10年前も可!国民年金保険料の追納とは?

「国民年金の保険料を免除したのはいいけれど、将来もらえる年金額が少なくなるなあ」そこで追納制度の利用です。余裕ができた時に国民年金保険料を追納し、通常の国民年金被保険者期間とすることができるのです。

追納なら10年前まで保険料を払える

通常、国民年金を滞納していた場合、時効の関係で2年以内の保険料しか後払いすることができません。しかし、免除制度を利用していた場合の追納制度を利用すれば過去10年前までの国民年金保険料を支払うことができるのです。

追納するかどうかは任意ですが、老齢基礎年金の計算上、学生免除(学生納付特例制度)や、若年者納付猶予制度などの年金額に反映しない免除を除けば免除期間は3分の1しか年金額に反映されません。保険料半額免除期間については保険料納付済期間の3分の2です。

承認の日は、承認の日の属する月前10年以内の期間です。「10年以内」ではないので当月は入りません。国民年金保険料の追納をする場合は、第1号被保険者または第1号被保険者であった者が、国民年金保険料追納申込書に、国民年金手帳を添えて市町村等の窓口で手続をします。

なお、国民年金の保険料半額免除の場合で、その免除以外の半額について保険料を支払っていない場合は、単に滞納・未納となり追納することができません。国民年金の追納制度は、あくまで免除が前提ですので、この場合は時効の2年前までの保険料を支払うのみです。

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年金の免除はどうして月の前月から月まで?

国民年金の免除申請に行き、免除が認められると申請した月の前月から月まで免除が行われることになります。でも、どうして月の前月からなのでしょうか?

国民年金の免除申請をした月が10月20日だとします。そして、免除申請が承認されると、免除の期間は9月からとなります。これは、国民年金の納付期限が翌月末日ということと関係しています。

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国民年金の加入可能月数(年数)とは?

国民年金が誕生したのは昭和36年4月1日です。その当時20歳を超えていた人は、60歳までの40年間国民年金に加入したくてもできない人たちです。そこで、60歳までの残りの年数だけ年金に加入すれば満額の老齢年金を支給しようというのが、この加入可能月数(年数)の話です。

生年月日による国民年金の加入可能月数

  • 大正15年4月2日から昭和 2年4月1日=25年(300月)
  • 昭和 2年4月2日から昭和 3年4月1日=26年(312月)
  • 昭和 3年4月2日から昭和 4年4月1日=27年(324月)
  • 昭和 4年4月2日から昭和 5年4月1日=28年(336月)
  • 昭和 5年4月2日から昭和 6年4月1日=29年(348月)
  • 昭和 6年4月2日から昭和 7年4月1日=30年(360月)
  • 昭和 7年4月2日から昭和 8年4月1日=31年(372月)
  • 昭和 8年4月2日から昭和 9年4月1日=32年(384月)
  • 昭和 9年4月2日から昭和10年4月1日=33年(396月)
  • 昭和10年4月2日から昭和11年4月1日=34年(408月)
  • 昭和11年4月2日から昭和12年4月1日=35年(420月)
  • 昭和12年4月2日から昭和13年4月1日=36年(432月)
  • 昭和13年4月2日から昭和14年4月1日=37年(444月)
  • 昭和14年4月2日から昭和15年4月1日=38年(456月)
  • 昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 =39年(468月)
  • 昭和16年4月2日以後=40年(480月)

例えば大正15年4月2日生まれの人は、国民年金が誕生した昭和36年4月1日現在の年齢が35歳です。そして、60歳まで25年しかありません。どう頑張って保険料を払っても25年ですから、25年が年金の加入可能月数となります。

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遺族基礎年金

国民年金の遺族給付は、18歳未満の子供の存在が主となる遺族基礎年金です。どんな時に遺族基礎年金が支給され、その年金額はいくらなのか、どうしたら支給停止になってしまうかなどを、ご説明いたします。

国民年金の遺族基礎年金

国民年金の遺族給付は定額制です。老齢基礎年金が年金の基礎部分として存在するのと同じように、国民年金だけの人は遺族基礎年金だけが支給され、厚生年金から遺族厚生年金が支給される人は、1階が国民年金の遺族基礎年金、2階が厚生年金の遺族厚生年金を支給というように、2階建てで遺族年金が支給されることになります。

遺族基礎年金の支給要件

国民年金の遺族基礎年金は、夫に対しては支給されません。子供のいる妻、または子供のどちらかが支給対象ですが、それには次の2つのどちらの要件も満たしていなければなりません。

【 死亡する人の要件 (次のいずれかを満たす必要あり) 】

  1. 被保険者
  2. 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満のもの。
  3. 老齢基礎年金の受給権者
  4. 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしているもの

1は、国民年金の第1号被保険者(自営業、無職等)、第2号被保険者(会社員、公務員等)、第3号被保険者(専業主婦等)いずれかであればいいということで、言い換えれば現役の人です。2は、元1の人たちで、国民年金の強制加入被保険者を抜ける60歳から年金をもらい始める65歳までの空白期間です。2の人たちは、受給資格期間の25年を満たす必要はなく、保険料納付済期間さえ満たしていれば要件を満たします。

3は、年金をもらっている人ですが、なかなか想定しづらいです。というのも、通常は65歳以上ですから、その人たちに18歳未満の子供がいるという設定だからです。4は、国民年金の受給資格期間25年を満たしている人たちで、65歳には達していない人です。海外にいても問題ありません。

【 保険料納付要件 】

ここは障害基礎年金と同じです。死亡日において被保険者(上記1番)または被保険者であった者(上記2番)は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前々月までに被保険者があるときは、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、その被保険者期間の3分の2以上を満たしていることが必要です。

「被保険者があるときは」といっていますので、被保険者になってすぐになくなった場合などは保険料納付済期間は問われません。ここを言い換えれば、3分の1を超えて滞納していてはダメですよということです。また、国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間を見る時に使用する「合算対象期間」はここでは使えません。

【 保険料納付要件(特例) 】

上記保険料納付要件を満たせない場合でも、過去1年に未納・滞納がなければ保険料納付済期間を満たすものとしてくれます。たとえば、40歳まで国民年金保険料を未納していた人が、国民年金の第1号被保険者として1年間保険料を納める、または会社員になり厚生年金保険料を1年間納める、このような場合で亡くなったとしても、過去1年間の保険料実績があるので、その他の要件が整えば遺族基礎年金が支給されます。もちろん免除期間で1年でも大丈夫です。

条文的にいえば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間(当該死亡日において被保険者でなかったものについては、当該死亡日の属する月の前々月以前における直近の被保険者期間にかかる月までの1年間)に保険料納付済期間および保険料免除期間以外の被保険者期間がない(滞納期間がない)場合は、保険料納付要件をみたしたこととされる。

わかりにくいカッコ内を解説すると、例えば国内で国民年金第1号被保険者だった人が、海外に行き任意加入被保険者にならない場合、国民年金に入っていた直近の期間を1年さかのぼって要件を見るということです。

以上、保険料納付要件の特例を見てきましたが、死亡日において65歳以上である人は、この特例は使えません。

遺族基礎年金をもらえる遺族とは?

国民年金の遺族給付、遺族基礎年金を受けることができる遺族は、被保険者または被保険者であった者(=被保険者等)の、子のある妻、または子であり、被保険者等の死亡当時、その者に生計を維持され、次の要件を満たしている必要があります。

【 子 】

子については、被保険者等(父または母)の死亡の当時18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、または20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。つまり、高校卒業前の子です。

【 妻 】

妻については、被保険者等(夫)の死亡の当時、そのものによって生計維持されていたその者(夫)の子と生計を同じくすること。ここでいう子は夫の連れ子、いわゆる継子でも遺族基礎年金は支給されます。

なお、考え方として、原則はあくまで子供に支給するのが遺族基礎年金の基本精神です。国民年金の遺族基礎年金は、子供に出すけれど保護者があるのならば保護者に出すという性質のものです。ですので、子のない妻には支給されません。

では、被保険者等(夫)の死亡の当時、胎児であった子が生まれた時はどうなるか。その時は、その子は将来に向かって、生まれたときから被保険者等の死亡当時、そのものによって生計を維持していたものとみなし、妻は、当該被保険者等の死亡の当時、その子と生計を同じくしていたものとみなされます。仮に夫死亡が3月で、5月に子供が生まれたら、妻は5月から子のある妻として扱われます。

●内縁の妻の場合は?遺族基礎年金の対象となる可能性があります。
●夫が死亡した場合の妻の連れ子(夫と養子縁組していない場合)は?遺族基礎年金を受けることのできる遺族にはなりません。●ここでいう生計維持とは?被保険者等の死亡当時、その者と生計を同じくし、かつ、年間850万円以上の収入を将来にわたって有すると認められるもの以外をいいます。

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死亡一時金とは?(国民年金)

金額は少ないながら多くの方が受け取れる可能性のある国民年金の死亡一時金。遺族補償的な意味合いよりも、掛け捨て防止的な意味合いが強い給付です。

国民年金の死亡一時金の概要

国民年金の死亡一時金は、保険料を納付した人が死亡した時に、その遺族に支給されるものですが、国民年金の第1号被保険者として掛けてきた保険料が無駄にならないようにするため、その掛けた国民年金保険料の月数に応じて、支給される死亡一時金の額が決まっております。死亡一時金の額は、12万円から32万円までとなっています。

死亡一時金の支給要件

国民年金の死亡一時金は、死亡した人の要件と、遺族の要件の両者共にすべての要件を満たしたときに支給されます。支給されるのは妻に限りません。

【 死亡した人の要件 】

  1. 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの国民年金第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が36月以上あること。
  2. 老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたことがないこと。

第1号被保険者と書いてあるところは、国民年金に任意加入し、任意加入被保険者として国民年金保険料を納めた期間も含まれます。1は、「前月まで」というところは国民年金の寡婦年金と同じです。また、全額免除期間は入っていません。2は、「受けたことがないこと」ということで、受給権を持つだけなら支給されます。ここは寡婦年金の場合は支給されなくなるところです。また、旧法の老齢年金、障害年金等も受けていては支給されません。

【 遺族の要件 】

  1. 遺族基礎年金を受け取ることができないこと
  2. (例外)子が遺族基礎年金の受給権者であるとき

1が大原則ですし、2の例外でも結果的に遺族基礎年金は受け取れないということを言っています。

1は、まず妻または子に遺族基礎年金が支給されるときは、死亡一時金は支給されないが、死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅した時は、死亡一時金が支給されます。たとえば夫が亡くなったときに16歳だった娘が嫁に行くことになり、遺族基礎年金の受給権は発生しつつも結果的に1月分も遺族基礎年金を受け取れない場合など、このようなときは国民年金の死亡一時金を出すということです。

また、1としてもう一つ、死亡したものの死亡日において胎児であった子が生まれ、遺族基礎年金の受給権が発生した時は、国民年金の死亡一時金は支給されないが、その胎児であった子が生まれた日の属する月に、遺族基礎年金の受給権が消滅した時は、国民年金の死亡一時金が支給されます。これも本来ならば遺族基礎年金の受給権が発生するが、子が誕生してすぐに亡くなってしまうなどの不幸によって結果的に遺族基礎年金が受けられない場合は、死亡一時金を支給するということです。

2の例外は、死亡したものの子が遺族基礎年金の受給権を取得したが、そのこと生計を同じくするその子の父または母があることによって遺族基礎年金の支給が停止される場合に、死亡したものの配偶者で、その者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていたものに死亡一時金が支給されます。代表的なケースは妻が亡くなり、子と父だけになった場合です。子が18歳未満ならば国民年金の遺族基礎年金の受給権が発生するものの、整形を同じくする父がいるために遺族基礎年金は支給停止になります。そこで、死亡したものの配偶者である夫(子にとっては父)に死亡一時金が支給されるのです。

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脱退一時金とは?(国民年金)

国内在住の人の国民年金の加入には国籍要件がないため、短期で在留する外国人は、国民年金保険料が掛け捨てになってしまう可能性があります。そこで、払った保険料を少しでも無駄にしないための制度が脱退一時金です。

国民年金の脱退一時金の概要

脱退一時金制度は厚生年金にもありますが、国民年金の脱退一時金は、純粋に国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間(半額免除期間を含む)で計算されます。そして年金制度に加入した短期在留外国人が、何も給付を受けずに帰国した場合に脱退一時金が支給されるのです。

脱退一時金の支給要件

脱退一時金の請求の日の前日において、請求日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が6月以上である日本国籍を有しない者(被保険者をやめた人)が、老齢基礎年金等の受給資格期間を満たしていないときは、脱退一時金の支給を請求することができます。ただし、次にあげるいずれかに該当するものは、脱退一時金を請求することができません。

  1. 日本国内に住所を有する時
  2. 障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがあるとき
  3. 最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していたものにあっては、同日後はじめて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過している時
  4. 国民年金法の年金給付に相当する給付を行うことを目的とする外国法令の適用を受ける者または当該外国法令の適用を受けたことがある者であって政令で定めるものであるとき。

1は、あくまで国に帰る話だからです。国民年金に任意脱退してもすぐにもらえる話ではありません。2は、掛け捨てになっていないので脱退一時金は支給されません。3は、時効みたいなものです。請求期限です。4は、年金通算協定の話です。日本からドイツ、そして日本に戻る時、またはドイツから日本、そしてドイツに帰るときなど、その他にも協定を結んだ国はあります。

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国民年金保険料の徴収対象者を69万人不在扱いに

国民年金保険料の徴収対象者のうち、住所不在の「居所未登録者(不在者)」の件数が、2006年度末のデータで69万人にのぼることを社会保険庁が明らかにしました。過去、10万人が勝手に不在者にされていただけに・・・

居所未登録者(不在者)とは?

居所未登録者(不在者)とは、本来は、引っ越して転出届を出したものが、その後3ヶ月間以上転入届を出していない場合や、居住が確認できず、市町村の判断で住民票が削除される場合を指します。

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支給漏れ年金騒動最中、国民年金徴収作業はしっかりと

6月初頭、わが家に社会保険事務所の国民年金徴収員が、保険料の催促に訪れました。私もよくないのですが、保険料をまとめて払うというスタイルのため時々徴収員が訪れます。しかし、支給漏れ年金がこれだけ問題になっているこの時期に徴収作業とは少し驚きました。

国民年金支払い、私のいけない告白

私は自営業なので国民年金に加入しています。
口座振替を勧められることもありますが、現金払いによって保険料を払う実感を確かめ続けたいとの思いから、ずっと納付書による現金払いです。

しかし、私はあまり計画性があるほうではありませんので、ちょくちょく保険料の存在を忘れ、数ヶ月保険料の支払いが滞ることがあるのです。

そのため私のところには、社会保険事務所の国民年金保険料徴収員がそのたびに催促に訪れ、数日後に現金を用意して支払いを済ませます。まるで目覚まし時計に促されているようで、後ろめたさもありますので「毎度すみません・・・」と心の中で反省しています。

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国民年金保険料の納付率の低下

年金の支給漏れの問題の影響で、国民年金の納付率がますます低下しそうだと日経新聞(2007年6月10日)が報じています。若い人かますます国民年金の保険料を納めなくなる恐れが。

最近の国民年金の納付率は?

最近の国民年金の納付率は、2005年が67.1%、2006年が64.2%ということで、国の目標とする80%には程遠いのが現実です。「義務だから」「強制だから」「罰則があるから」というやり方は反発を招くだけですし、安心して保険料を預けられるようでないと、納付率向上はかなり難しいといわざるを得ません。

いくら口先で、「年金記録は消えているわけではない」などと叫んでも、実際にあちらこちらで年金支給漏れの問題が発生している以上、納得できる説明、納得できる回答をしなければ、年金制度が「当てにできない」ものとなってしまいます。

年金受給者の背中を見て、国民年金保険料を納付しています

私のような若い世代の人にとっては、現在の高齢者の暮らしこそが将来の自分の姿です。年金について、どんなに聞こえの良い口上を並べられても、身近にいる高齢者が辛い思いをしていたら意味はありません。

今の高齢者が、もらえるはずの年金がもらえていないのであれば、「若い人たちは基礎年金番号があるから大丈夫だよ」といっても、良くない印象は消えません。そのために、何としてでも支給漏れ年金の問題は全面解決をして欲しいと思います。

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基礎年金の国庫負担「2分の1」引上げはどうなる?

国民年金(基礎年金)の支給に関しては、平成16年改正によって、「3分の1」から「2人の1」へ引き上げることが決まりました。しかし、あれやこれや財源の確保を検討・準備・一部実施をしているうちに『年金支給漏れ問題』が起こり、予定がもろくも崩れ去る勢いです。時効撤廃も計算外だったでしょうし、支給漏れ件数も想像以上・・・果たして国庫負担2分の1への道のりは険しい?

平成16年年金改正と基礎年金の国庫負担引上げ

平成16年の法律改正では、基礎年金の国庫負担割合を3分の1(2003年で約5.6兆円)から2分の1に引き上げることが決まりました。

そして、具体的な方策や実施時期について法附則で、「2004(平成16)年度から年金課税の見直しによる増収分を財源として国庫負担割合の引上げに着手し、2005(平成17)年度及び2006(平成18)年度に適切な水準へ引き上げた上で、2分の1に引き上げる特定年度については、2007(平成19)年度を目途に所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、2009(平成21)年度までのいずれかの年度を定めるものとする」と定められました。

すでに行っている基礎年金の国庫負担、財源確保対策

基礎年金の国庫負担財源確保として、すでに行っているのは65歳以上の人の公的年金等控除の最低額を140万円から120万円へ引き下げたことと、65歳以上で所得金額が1,000万円以下の人の老年者控除(1人50万円)を廃止したことです。(平成18年度~)

しかし、これによる財源確保の金額は約1,600億円ということで、国庫負担を2分の1に引き上げるのに必要な分、2兆7000億円には程遠い金額となっています。

なお、この必要とする金額は消費税で言うと1%に相当する金額です。

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海外在住者の任意加入なら国民年金協会へ

最近、海外の方から2件続けて任意加入手続きのお問い合わせをいただきました。(平成19年6月現在)海外在住者の方で厚生年金に加入していない方は、年金は任意加入(3号を除く)になりますが、手続きについて国内に協力者がいない場合は『国民年金協会』が海外在住者の方の窓口となっております。

国民年金協会と海外在住者の任意加入手続き

国民年金協会

海外に住む人が国民年金の手続をする時に頼りになるのが国民年金協会です。例えば海外在住者が国民年金に任意加入したくなった場合には、基本的には国内にいる親族に手続をしてもらわなくてはなりませんが、親族が高齢などの理由で手続をすることが困難な場合には、国民年金協会が国民年金の加入手続きと保険料の納付の代行を行ってくれるのです。

代行する時の事務手数料も無料ですので、国内に親族などの協力者がいないときは、国民年金協会のホームページから相談して頂けたらと思います。

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国民年金加入40年。65歳1ヶ月で亡くなったら年金は?

もし65歳1ヶ月で亡くなったら?というお話です。条件は、自営業(国民年金)のみ40年。夫婦子供なし、または子供が18歳到達年度以上。亡くなるのは夫で、やっと老齢基礎年金をもらいはじめたところだとします。

答え:老齢基礎年金1か月分のみです

このケースでは、40年年金を納めてきて、生涯でもらえた年金は約6万円ということになります。実際には支給日前の死亡となりますので、妻が老齢基礎年金の1か月分の未支給年金を請求して終了です。

要件の軽い死亡一時金は?

国民年金加入3年以上であって年金をもらう前に死亡した時に、遺族に死亡一時金が支給されますが、この場合、1ヶ月でも老齢基礎年金をもらえているわけですから死亡一時金の受給権はありません。

死亡一時金は国民年金加入3年以上で12万円、35年以上で32万円ですが、結果的にそれよりも少ない年金しかもらえないということになります。せめて、死亡一時金の金額に満たない額しか年金を受け取っていない場合は、死亡一時金の額くらいは最低保障して欲しいところですが。

遺族基礎年金は当然支給されません

遺族基礎年金は「子供のいる妻」か「子供」にしか支給されませんので、もともと国民年金の加入期間しかない子供がいない夫婦には、遺族基礎年金の受給権は発生しません。

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65歳までの任意加入、元を取るには何年かかる?

60歳前後の人は、年金受給開始がまじかということもあって、国民年金の未納分を2年分まとめて納めたり、60歳からの任意加入に加入したり、年金に対して積極的な考えになる人が多いように感じます。そこで、65歳まで1年、2年、3年、4年、ないしは5年まるまる任意加入した時に、何年で元が取れるのかを見ていきます。

国民年金任意加入の保険料の合計額

平成18年度の国民年金保険料(1ヶ月13,860円)が65歳まで固定だとして、まずは65歳までの保険料累計額を見ていきます。

  • 60歳から61歳まで(合計12月)=166,320円
  • 61歳から62歳まで(合計24月)=332,640円
  • 62歳から63歳まで(合計36月)=498,960円
  • 63歳から64歳まで(合計48月)=665,280円
  • 64歳から65歳まで(合計60月)=831,600円

増えた年金分の受け取り合計額

  • 65歳から66歳まで=99,000円
  • 65歳から67歳まで=198,000円
  • 65歳から68歳まで=297,000円
  • 65歳から69歳まで=396,000円
  • 65歳から70歳まで=495,000円
  • 65歳から71歳まで=594,000円
  • 65歳から72歳まで=693,000円
  • 65歳から73歳まで=792,000円
  • 65歳から74歳まで=891,000円

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老齢基礎年金の繰り下げで振替加算は支給停止

65歳から国民年金の繰り下げを検討している方で、振替加算をもらえる権利がある人は、繰り下げて年金をもらわない間、振替加算ももらえないことに注意しなければなりません。

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国民年金「老齢基礎年金」裁定請求の添付書類等

国民年金「老齢基礎年金」の裁定請求において必要となる添付書類等を見てみます。

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専業主婦の第3号被保険者は昭和61年4月1日から

「ずっと会社員(夫が厚生年金加入者)の妻として専業主婦だった」と言っても、昭和61年4月1日の前と後とでは、年金の扱いが異なります。

第3号被保険者制度の始まりは昭和61年から

夫が厚生年金か共済年金に加入していた専業主婦は、昭和61年3月31日までは国民年金に任意加入でした。よって、保険料を払っていなければ国民年金の未加入者として扱われ、その間は無年金の期間となりました。

しかし、同じ立場の専業主婦でも、昭和61年4月1日からは、国民年金の第3号被保険者として、国民年金の加入者という扱いに変更。

保険料を払わないなど、状況は以前と何ら変わりがないにもかかわらず、年金の法律が変わったために、専業主婦の人たちにとってはとても有利な状況となったのです。

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国民年金基金のもらい漏れにもご注意を

国民年金基金連合会は、国民年金の第1号被保険者加入者が加入できる国民年金基金について、2007年3月末時点で8,140人合計11億2000万円の年金が未払いになっていることを明らかにしました。ここでは関係のないことながら、厚生年金基金についても似たような状況があるだけに、国民年金基金、厚生年金基金共にあらためて見落としがないか、注意をしてみる必要がありそうです。

国民年金基金の年金受給は65歳から

国民年金基金は60歳まで掛け金を支払うことができ、年金受給は65歳からとなっています。たとえ1ヶ月の加入であっても受給できますし、国民年金を繰り下げ受給選択中であっても国民年金基金は65歳から受給できます。

なお、65歳というのは国民年金基金の一般的な受給開始年齢であって、老齢年金の種類によっては60歳から受給できるものもあります。

国民年金基金も時効はあるのか?

国民年金基金の年金も、国民年金や厚生年金など公的年金と同様に、年金を請求しないまま5年が経過してしまうと、5年を経過した部分の年金は時効として受け取ることができなくなってしまいます。

国民年金基金の一般的な受給開始年齢である65歳で見てみると、70歳以降に請求した場合に時効としてもらえない部分が出てきてしまうことになります。

また、仮に60歳から国民年金本体の繰り上げ受給を選択した場合、国民年金基金は国民年金の付加年金相当額を受け取ることができるのですが、60歳から5年が経過する65歳以降に国民年金基金を請求する場合には、5年を経過した部分から時効になってしまいます。

※国民年金の繰り上げ受給が60歳の場合、国民年金基金の付加年金相当額の単価は141円になり、これに国民年金基金の納付月数を掛けた分が65歳まで国民年金基金からもらえる年金額となります。なお、この場合65歳からはこの部分を差し引いた残りの分が国民年金基金の年金として支給されます。(詳細説明省略)

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国民年金の納付記録の記号「A」や「Z」の意味は?

国民年金の年金記録(納付記録)を調べる時にもらう『被保険者照会(国民年金納付記録)』。「AAAAA・・・」やら「ZZZZZ・・・」やらズラッと記号が並んでいるのですが・・・それだけでも頭がクラクラしそうです。ここでは、国民年金の被保険者照会に記載されている記号の内容を一覧にしました。

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年金未納問題の年金財政への影響

年金未納者問題は、本当のところ年金財政にどのような影響を与えているのでしょうか?
年金未納を「現在」という視点でとらえると、国民年金の未納者が増えることで年金収支は悪化する・・・1人当りの基礎年金拠出金の増加により、厚生年金など被用者年金制度の収支が悪化(積立金の減少)することになります。

しかし、「将来」という視点で見ると、年金未納が多いほど未納期間分の年金給付は少なくなります。

このことは、第24回経済財政諮問会議(平成19年10月25日)資料の「年金制度をめぐる課題」(PDFファイル)21ページに図示されています。

本当は・・・未納が多いと年金財政が助かる?

国民年金(老齢)について個別の生涯収支でみてみると、拠出を給付が上回るしくみとなっています。保険料がざっくり14,000円、年金もざっくりと年間80万円とすると、保険料総額が40年×14,000円=560万円。もらえる年金額は80万円×20年(65歳から85歳までとして)=1,600万円(15年で計算しても1,200万円)。多少数字を変えたところで名目上の収支(総額)がプラスになることに変わりはありません。

このように、そもそもの約束している年金額は、国庫負担がなければ維持できない水準となっているのです。さらに、保険料の負担に比べて給付が上回る要因としては、次のようなものが上げられます。

  • 物価が上昇すれば、年金額も上昇する
  • 現役世代の賃金が上昇すれば、年金額も上昇する(新規裁定者)
  • 医療の発達などで寿命が延び、年金受給期間が延びる

これらにより、名目上の保険料負担金額から約束された年金水準をはるかに上回る年金給付となる可能性さえ秘めています。(年金額の上昇を抑制させる働きを持つマクロ経済スライドの話は省略します。)

・・・ということは、未納が解消し、全員が保険料を納めるようになれば、それだけ将来の年金財政が苦しくなる・・・と言えなくもありません。特に団塊ジュニア世代(一般に1970年~1974年生まれ)の先頭が年金生活を開始する2035年には人口構成的にも大変なことになります。高齢化率は30%を超えると予想されていますし、2040年には約35%になるとされています。

収支が厳しい時には積立金を取り崩して・・・といいますが、積立金の約半分が不良債権と化している「年金のウソ―隠される積立金147兆円」といった話や、株式・債権等運用による損失も懸念されるところですので、気持ち心もとないところもあります。

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国民年金「もらい手」と「支え手」の比率推移

昭和36(1961)年度から始まった国民年金制度は、昭和61(1986)年度から全国民共通の基礎年金となり、「被保険者(支え手)」と「受給権者(もらい手)」の内訳は大きく変わることになりました。

昭和60年度までの国民年金「もらい手」と「支え手」の比率推移

昭和36(1961)年度から昭和60(1985)年度までの国民年金は、厚生年金や共済年金とは別の独立した制度として存在していました。

自営業者等は強制加入、被用者年金(厚生年金・共済年金)の被扶養配偶者(一般に専業主婦)は国民年金に任意加入ということで、国民年金制度発足当時の被保険者数は、強制加入・任意加入合わせて1824万人、基礎年金創設前の昭和60年度末は2509万人でした。

また、老齢年金は原則25年の受給資格期間が必要ですが、制度発足当時一定の年齢に達していた人は年齢に応じて資格期間を10年~24年ということにしたため、はじめて受給権者が発生するのは昭和46(1971)年度からとなり、その後順次受給権者数が増大していきました。

年度被保険者数
(1)
老齢年金受給権者数
(2)
(2)/(1)(1)/(2)
昭和36(1961)年度1,824万人---
昭和37(1962)年度1,853万人---
昭和38(1963)年度1,883万人---
昭和39(1964)年度1,932万人---
昭和40(1965)年度2,002万人---
昭和41(1966)年度2,100万人---
昭和42(1967)年度2,173万人---
昭和43(1968)年度2,231万人---
昭和44(1969)年度2,341万人---
昭和45(1970)年度2,434万人---
昭和46(1971)年度2,367万人22.9万人1.0%103.1
昭和47(1972)年度2,441万人51.8万人2.1%47.1
昭和48(1973)年度2,514万人78.9万人3.1%31.8
昭和49(1974)年度2,522万人138万人5.5%18.2
昭和50(1975)年度2,588万人273万人10.6%9.5
昭和51(1976)年度2,647万人340万人12.8%7.8
昭和52(1977)年度2,720万人392万人14.4%6.9
昭和53(1978)年度2,780万人443万人15.9%6.3
昭和54(1979)年度2,785万人491万人17.6%5.7
昭和55(1980)年度2,760万人532万人19.3%5.2
昭和56(1981)年度2,711万人567万人20.9%4.8
昭和57(1982)年度2,646万人599万人22.7%4.4
昭和58(1983)年度2,573万人631万人24.5%4.1
昭和59(1984)年度2,534万人657万人25.9%3.9
昭和60(1985)年度2,509万人685万人27.3%3.7

※平成16年財政再計算表2-2-13、および厚生労働省年金局年金財政ホームページ「国民年金被保険者数の推移」より、千人単位の人数を四捨五入して万人単位としたものです。

昭和55(1980)年度以降、働き手のサラリーマン化が進んだことから国民年金の被保険者数はじりじり低下。そして昭和60(1985)年度末には国民年金の老齢年金受給権者数/被保険者数は27.3%に上昇。このことは「国民年金の財政維持のため厚生年金・共済年金と一緒になった」という基礎年金創設時の一面を表しています。

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昭和40年代後半に多い国民年金の消えた年金記録

社会保険庁は、2008年7月4日(金曜)の年金業務・社会保険庁監視等委員会において、国民年金の消えた年金記録(領収証がある一方で国に年金記録が存在しないもの)の2007年12月時点での件数が2480件にのぼることを明らかにしました。

2006年(平成18年)8月から12月の累計『55件』で大騒ぎになった正真正銘消えた年金記録ですが、2480件はその45倍にもなります。公表されたのが北海道洞爺湖サミット直前の週末ということで注目度は低いのですが・・・。

2480件の多くは昭和40年代後半

当該消えた年金記録2480件の訂正にかかる期間で多いのは昭和40年代後半です。ちょうど団塊の世代(昭和22年~24年生まれ)が20代半ば前後・・・就職、結婚、引越しなど人生のイベントも多く、もともと年金記録にミスが起こりえる時期・・・そのあたりも影響していると思われます。

また、訂正月数は1ヶ月から102ヶ月(8年半…年金約17万円に相当)となっています。

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青森男性と沖縄女性の国民年金受給差は800万円?

65歳から受給できる国民年金(老齢基礎年金)は、40年間保険料を支払った場合に定額で約80万円の年金額となります。

全国一律同額の保険料で年金額も同じですが、長生きすればするほど年金受給額が多くなるという公的年金の性格上、統計的には長生きの人たちの生涯年金受給額は(統計上の平均値の比較において)短命の人たちと比較すると年金の生涯受給額は多くくなります。(相対的な比較)

男女都道府県別でみた平均寿命の最長と最短

厚生労働省の「平成17年都道府県別生命表の概況」(以下同)において全国平均男女の平均寿命(0歳児の平均余命)の比較をすると、女性(85.75歳)は男性(79.89歳)よりも5.86歳も平均寿命が長くなっています。

これは、女性のほうが男性よりも5.86年分長く年金を受取れることを意味しており、国民年金(老齢基礎年金)の満額(40年保険料納付)を80万円(以下同じ)とすると、女性と男性とでは約468万(単純な掛合わせ)の国民年金生涯受給額の差となります。

そして、平均寿命を都道府県別にみてみると、男女それぞれの最大差は、男性の場合1位の長野県(79.84歳)と47位の青森県(76.27歳)との差が3.57歳(国民年金約285万円分)、女性の場合は1位の沖縄県(86.88歳)と47位の青森県(84.80歳)との差が2.08歳(国民年金約166万円分)となっています。

これを、女性の1位沖縄県(86.88歳)と男性の47位青森県(76.27歳)で比べてみると、その差は10.61歳となり、国民年金でいえば約848万円(10.61×80万円)もの差となるわけです。

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国民年金保険料の年齢階層別「納付率」の推移

年金不信に景気悪化が加わり、ますます深刻になりつつある年金の空洞化ですが、近年、国民年金の第1号被保険者が納める国民年金保険料の納付率の推移はどのようになっているのでしょうか。

※下記表は、国民年金保険料の納付率の推移を見るために、社会保険庁の社会保険統計情報『国民年金の加入・納付状況』の各年度の年齢階層別の納付率を一つの表にまとめたものです。

※2つ目の表の赤字の「実質」の箇所は、免除や納付猶予等の対象者も納付率計算の分母に含め、実質的に国民年金の保険料を納めた人の割合を示しています。(当該実質部分の数値は社会保険庁公表データで新聞で報道されたもの。)

1.平成13~15年度の年齢階層別国民年金保険料納付率の推移

年齢階層平成13年度平成14年度平成15年度
20歳~24歳54.0%47.4%48.6%
25歳~29歳56.8%49.4%50.2%
30歳~34歳61.0%52.9%54.1%
35歳~39歳67.4%56.9%57.2%
40歳~44歳76.0%65.1%65.0%
45歳~49歳77.9%68.4%69.0%
50歳~54歳80.0%72.2%72.6%
55歳~59歳85.5%79.4%79.8%
全体70.9%62.8%63.4%

平成13年度から平成15年度までの納付率の推移を見てみると、平成13年度から平成14年度にかけて大幅に数値が減少しているのがわかります。

これは、申請全額免除の基準を厳格化させたため、平成13年度の申請全額免除者数277万人が平成14年度末には144万人となり133万人も減少・・・一方で新たに半額免除が認められた人数がわずか34万人となったことで、合計100万人が免除から納付義務者となったことが納付率悪化の大きな要因となりました。 (保険料収納事務を地方(市町村)から国へ移管させたことも影響)

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2年を超え、遡って国民年金保険料を納められるとしたら

現在、国民年金の保険料は2年を経過すると納付することができなくなる仕組みになっていますが、
社会保障審議会年金部会ではその見直しが検討されています。(平成20年11月27日中間整理[年金制度の将来的な見直しに向けて]の項目4の2年の時効を超えて保険料を納めることのできる仕組みの導入を参照。)

現在でも、国民年金保険料の免除・納付猶予にかかる『追納』のしくみにおいては10年前までの遡り納付が可能ですが、考え方としてはその追納の仕組みを取り入れたもので、事後納付を認める期間に関しては次のような3つの案が浮上しています。

  • 1.10年程度・・・現行の免除期間にかかる保険料追納期間が10年であることや、国民年金の強制加入終了60歳時点から任意加入制度に最大10年加入できることとの均衡を考慮。
  • 2.5年程度・・・時代時代で支払われる高齢者への年金給付は、その時代に支払われた現役世代の保険料で賄うという賦課方式の考え方(世代間扶養)からすると、事後納付期間を長期化させることは適当ではない。また、納付額が著しく多額とならないようにするためには5年程度が相当。
  • 3.当初5年間限定で、保険料軽減支援制度(低年金・低所得者対策の新たな案)の導入と併せて事後納付の期間を10年間に拡大・・・保険料軽減支援制度が導入されれば、2の懸案の納付額が多額になる問題がある程度改善できる。

現行の追納制度における国民年金保険料の支払額

国民年金の保険料の免除や納付猶予制度を利用した場合の『追納の仕組み』は、過去2年間を過ぎた過去10年までの期間について加算が行われ、通常納付よりも多くの金額を納付する必要があります。

次の表は、平成20年度中に国民年金保険料を追納した場合に、その追納保険料額や実際の納付額がどのようになるかを一覧にしたものです。

平成20年度中に追納した場合の追納保険料額・追納加算率
免除期間(年度)保険料額(当時)追納額追納加算率(加算額)
平成10年度13,300円16,590円24.7%(3,290円)
平成11年度13,300円15,950円19.9%(2,650円)
平成12年度13,300円15,320円15.2%(2,020円)
平成13年度13,300円14,740円10.8%(1,440円)
平成14年度13,300円14,180円6.6%(880円)
平成15年度13,300円13,970円5.0%(670円)
平成16年度13,300円13,770円3.5%(470円)
平成17年度13,580円13,810円1.7%(230円)
平成18年度13.860円13.860円-
平成19年度14,100円14,100円-
追納保険料額=当時の月額+追納加算額(当時の月額×追納加算率)
追納保険料額の10円未満の端数処理:5円以上10円に切り上げ、5円未満切り捨て

この追納の加算率は、従来年金積立金の運用利回りを使っていたのですが、平成17年4月からは『10年ものの新規発行国債の表面利率』を踏まえたものに引き下げられました。

なお、表を見て混乱しそうな注意点として、平成17年度からの国民年金保険料の段階的な引き上げがあります。これは、平成17年度から毎年280円(実際には280円が年度によって前後することがある。)を引き上げつつ平成29年度に16,900円で固定させるというもので、そのため現年度(平成20年度の国民年金保険料14,410円)に支払う国民年金保険料よりも、例えば「平成16年度の追納保険料額1月分13,770円の方が安い」というような逆転現象も生じます。

続きを読む 2年を超え、遡って国民年金保険料を納められるとしたら

時効経過国民年金保険料 違法後払い問題でようやく処分

・年金保険料の納付の時効は2年間
・年金保険料を原則25年以上納めていない人は1円も年金を受け取れない

この2つは、法律で定められた年金の基本的なルールです。

年金保険料を1ヶ月しか納めていない人も、24年11ヶ月まで頑張って納めた人も同様に老後にもらえる年金はゼロ。(あくまで原則論。実際には合算対象期間や、25年が短縮される例外もある。)

いざ年金をもらえる年齢になった時になって「足りない分を納めたい」と思っても、2年を経過してしまった未納保険料は、もはや納めることはできません。

元社保庁職員のコネの力は法律をも曲げる?

平成17年3月、元大阪社会保険事務局の職員だったA氏は、地元の奈良社会保険事務所の年金窓口の説明不足により妻の年金に未納が生じたとして、B氏(下記の流れ図参照)に対し2年を過ぎた未納分を納付できるように強く抗議。

保険料納付の時効(2年)もなんのその。なんと、2年経過分の保険料納付を認めさせることに成功したのです。

【抗議の伝わり方の流れ】
(流れ…2009年5月15日TBSサタデーずばッとより)

1.B氏…大阪社会保険事務局 共済係長
(抗議を受けた人)

2.C氏…大阪社会保険事務局 総務課長

3.D氏…奈良社会保険事務局 総務課長
(納付を許した人)

裏ルートの交渉??

そして抗議の翌日、
D氏からC氏、C氏からB氏、そしてB氏からA氏に納付可能の旨と納付金額が伝言され、最終的にA氏はE氏(奈良社会保険事務所 国民年金課長)に対して2年を超えた妻の国民年金未納分を納付することとなりました。

時効経過分は19ヶ月の国民年金保険料。
年金にして3万800円の増加です。
(厚生労働委員会会議録より)

厚生労働委員会での追及

この国民年金保険料の違法後払い問題については平成18年6月16日の厚生労働委員会、3年後の平成21年4月15日ならびに平成21年4月17日の厚生労働委員会において、民主党長妻昭議員が追及しています。

その該当箇所を厚生労働委員会会議録から抜粋します。

1.平成18年6月16日厚生労働委員会

衆議院会議録情報 第164回国会 厚生労働委員会 第32号 平成18年6月16日http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/164/0097/16406160097032a.html

○長妻委員 
そしてもう一つ、一ページでございますけれども、これも非常におかしな話でございますが、大阪社会保険事務局でAさんという方がいらっしゃる。このAさんという方は、社会保険庁の職員であられる方で、平成十七年三月三十一日定年退職されました、医療職、医師でございます。この職員の奥様が、いろいろ支払いをめぐって問題があるという指摘を受けまして調査いたしましたら、この一ページ目の調査報告書が出てきましたけれども、これはどこが問題ですか。

○村瀬政府参考人
苦情の申し立てを、これは大阪社会保険事務局並びに奈良の社会保険事務所に対しまして、御本人からあったわけでございます。時効によりまして徴収権が消滅しました期間に保険料をお納めいただくというのは、法律上、納付できないことになっておりますので、そういう点で法律に反する事務処理だというふうに考えております。

○長妻委員
これは、うがった見方をすると、職員であると、奥様が未納だと。普通の人は、二年より以前はさかのぼれないわけですね。ところが、書類にもありますけれども、強い抗議をしたと、この職員OBの方が。職員の方ですね。強い抗議をすると、いとも簡単に、さかのぼれる時効は二年前までのはずなのに、その前もさかのぼれてしまう。こんなコンピューター処理、ばんばんできるんですか。

非常に身内に甘いというか、普通の厚生年金や国民年金の方で、未納があって、例えば、二十五年ルールというのがありますけれども、延べ二十五年払っていないと、年金の受給資格がない上、保険料も没収される。では、そういう方が、いや、あと一年足りないからさかのぼって払わせてくれと言っても、ノーですよ。もちろん払えない。しかし、こういうコネがある方は、しかも住所地は奈良ですよ。大阪がこういうふうに便宜を図るというのはあり得るんですか、一般的に。

○村瀬政府参考人
大阪の事務局から奈良へ連絡をとって手続をとっていただいた、こういう形で確認をしております。したがいまして、本来はこの権限はすべて奈良の事務所長が持っているわけでございまして、その部分について、奈良の事務所長が大阪から確認したことによってそれを認めたということは、極めて遺憾な行為だろうというふうに思っております。

○長妻委員
懲戒処分ですか、これは。

○村瀬政府参考人
処分裁定につきましては、全体のものを見た上で決めさせていただきたいというふうに思っております。

○長妻委員
何らかの処分は出るということですね。

○村瀬政府参考人
当然、処分は出るというふうにお約束します。

○長妻委員
この方は、十九カ月不正に納入した、不正に社会保険庁が受け取ったということですけれども、十九カ月多く納入したことによって、この方は幾ら給付金額がふえましたか。

○村瀬政府参考人
現段階、まだそこの細かなデータを確認しておりませんので、後ほど御回答申し上げたいと思います。失礼しました、納付済み期間が十九カ月ふえることによりまして、年金額が約三万八百円増加するということでございます。

○長妻委員
これは年間だと思いますけれども。基本的に、これは氷山の一角だと私は思うんですよ。いろいろな御指摘で、職員とか職員のOB、職員の関係者は、強く言えばさかのぼれるんだ、こういう驚くべき内部告発をいただいています、本当かどうかわかりませんけれども。ですから、これも念のために全国調査をするとお約束ください。

○村瀬政府参考人 はい、おっしゃるように、私自身もこういう事務処理が行われていることはびっくりしている次第でございまして、しっかり調査をさせていただきます。

この時は事件が明らかになったばかりということで、類似案件の件数など詳細は明らかとなっていません。注目すべきは村瀬社会保険庁長官(当時)の『法律に反する事務処理だというふうに考えております。』『当然、処分は出るというふうにお約束します。』という言葉です。果たして3年後、その約束は守られたのでしょうか?

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「40年」を超えても発生する任意加入の未納(国民年金)

今回は、国民年金の納付実績が40年あるのに未納が発生するという、国民年金の「任意加入制度」の欠陥を取り上げます。

これは、専門家でも知らない人が多そうな気がします。

国民年金の強制加入と任意加入

国民年金の強制加入と任意加入の間略図

国民年金は、20歳から60歳までの40年間の強制加入期間に、漏れなく保険料を納めることができれば満額の年金を受給できます。

そして、強制加入期間中に未納等による空白期間がある場合でも、60歳から65歳になるまで利用できる「任意加入制度」を利用すれば、保険料納付実績が合計40年になるまで最大5年間分の空白期間を穴埋めすることができ、通常65歳から受給できる国民年金を増額させることができます。

保険料の納付方法は、原則として口座振替によって行い、任意加入によって65歳までに国民年金保険料の納付実績が合計「40年」に達する人については、支払い停止の手続きをすることなく自動的に口座引き落としが停止する仕組みとなっています。

ここがポイントです!

支払いをやめる時に、手続きは必要ない。

これはあくまで65歳までに「40年」に到達する人の話ですが、この自動停止の仕組みが利点であると同時に問題を生んでいるのです。

3年の未納がある人の例

それでは具体的に説明します。

例えば、60歳までの国民年金保険料の未納期間が3年あり、60歳からの任意加入3年間で「40年」に到達するというケースを想定します。

3年の未納があるために国民年金に任意加入する人の例図

国民年金の任意加入は、60歳を過ぎてからでも加入できますが、ここでは60歳ちょうどから3年間任意加入するものとします。

すると、63歳の時点で国民年金の納付済み期間が「40年」に到達しますが、問題はその後の期間です。

保険料の納付が自動停止して「やれやれ」と思うのもつかの間、そのまま何もしないでいると、65歳までの期間で未納が発生し続けることになるのです。

任意加入期間の拡大図

その未納は何なのかと言えば、年金事務所の説明では「任意加入の未納記録」だということなのです。

国民年金の任意加入は、加入手続きをすると法律的には「任意加入被保険者」になりますので、任意加入期間中に何らかの事情で保険料が納められなかった場合に、その期間が未納記録となることについては理解できます。

しかし、保険料納付「40年」到達で口座引き落としが自動停止したということは、国もその事実を把握しているわけですし、それを超えた納付する必要性のない期間の未納部分については、その存在理由がわかりません。

未納発生の原因

なぜこのようなことになっているのか。

その理由は、口座引き落としが自動停止した場合でも任意加入は継続したままになっているからです。

年金事務所の説明では、国民年金の任意加入をした場合には、65歳の任意加入期間が終了するか、任意加入の脱退手続きするか、そのいずれかに該当しない限りは、保険料の納付が無い期間については「未納記録」として扱われるというのです。

しかもその未納記録。

納付実績が「40年」を超えるために年金額に反映しない未納であるとしても、2013年2月現在の年金事務システムにおいては、仕組み上、振込み請求させるようになっているのです。

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