年金の第1号被保険者は、国民年金だけに加入している人たちです。要件に合う人たちは、強制的に第1号被保険者となります。
第1号被保険者になる人
日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であつて第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない人が第1号被保険者になります。
※社会保険庁 平成17年、平成20年「国民年金被保険者実態調査」
属性 | 女性の第1号被保険者 | 男性の第1号被保険者 | ||
資料年 | 平成17年 | 平成20年 | 平成17年 | 平成20年 |
臨時・パート | 30.1% | 32.1% | 19.3% | 19.0% |
常用雇用 | 8.2% | 10.3% | 16.2% | 17.0% |
自営業主 | 7.8% | 6.7% | 28.3% | 27.0% |
家族従事者 | 13.6% | 12.9% | 7.1% | 7.1% |
無職 | 36.7% | 34.8% | 25.3% | 25.5% |
不詳 | 3.6% | 3.2% | 3.7% | 4.5% |
年金の本などでは「自営業が第1号被保険者で、会社員が第2号被保険者で・・・」と書かれているのですが、近年では非正規雇用者数が増大しており、雇用されつつ第1号被保険者であるという人の数も少なくないのが現状です。
むしろ、景気の悪化は中小零細企業の開業減・倒産増を加速させ、大企業でも正社員の抑制を進めるものと考えられるため、雇用される第1号被保険者の人数は今後益々増えていくものと思われます。
※常用雇用でも、働いている事業所が厚生年金に加入していなければ、厚生年金の加入者(第2号被保険者)ではなく第1号被保険者となります。(厚生年金が適用になる会社とは?)
海外にいる人は第1号被保険者になる?
20歳以上60歳未満であっても、海外に住んでいる人は第1号被保険者にはなりません。この人たちは任意加入です(年金に加入すれば任意加入被保険者)。
20歳未満で自営業の人は?
20歳未満なので国民年金の第1号被保険者にはなりません。また、任意加入の要件としても20歳未満は対象外ですので、任意加入被保険者にもなれません。20歳未満で年金に加入したいのならば、会社員(厚生年金)または公務員(共済年金)である第2号被保険者となるしかありません。
60歳未満でも第1号被保険者にならないことも
法令によると、被用者年金各法に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるもの(被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者を除く。となっています。
被用者年金各法に基づく老齢給付
念のため「被用者年金各法に基づく老齢給付」をご説明。これは、被用者年金各法の老齢を支給事由とする給付で、老齢厚生年金(サラリーマン・OL)、退職共済年金(公務員)国会議員互助年金法による普通退職年金などがあります。