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年金用語集 記事一覧

合算対象期間とは?

合算対象期間は、すでに年金加入期間が25年あるという方には関係ない話です。しかし、年金加入期間が25年無くて年金(老齢基礎年金=老齢年金の土台)をもらえない人にとっては、この合算対象期間によって救われる可能性もあります。

合算対象期間は、このように受給資格期間を見るときにだけでてくるもので、年金額の計算をする時の被保険者期間には算入されません。よって、合算対象期間のことをカラ期間と読ぶこともあります。

具体的には保険料納付済期間と、保険料免除期間に、さらに合算対象期間を合わして25年あれば年金をもらえるということになります。

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寡婦年金とは?(国民年金)

「遺族年金」は有名ですが、「寡夫年金」というのが何なのかというのを知らない人は多いです。一種の遺族年金なのですが、ご存知でしたか?

寡婦年金は国民年金の第1号被保険者の年金期間を持つ夫が死亡した場合、要件を満たせば妻に対して年金が支給されるというものです。

寡婦年金の受給要件

  • 死亡した夫は、第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせて25年以上の年金期間があること。
  • 老齢年金や障害年金等を受給したことがないこと。

寡婦年金の妻側の要件

  • 夫婦の婚姻期間は10年以上あること。
  • 夫が死亡した時、夫によって生計を維持されていたこと。
  • 夫死亡当時65歳未満であること。
  • 遺族基礎年金を受け取る権利がないこと。

寡婦年金の支給

寡婦年金は、妻が60歳から65歳までの間支給されます。
年金額は夫が受け取れたであろう老齢基礎年金の4分の3の年金額ですが、これは第1号被保険者の分だけが対象です。

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年金の「未納」と「未加入」どう違う?

なんとなく一緒に使いがちな「未納」と「未加入」というコトバ。
その違いを説明できますか?

年金の未納は、年金の保険料を払わなければいけない人が、保険料を払っていないこと。年金の未加入は、年金の自体に加入するかどうかが任意で年金に加入していない人のことです。同じ年金保険料を払わない人でも、未納は良くないことで、未加入は悪くないことです。

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年金の基礎年金番号とは?

年金の基礎年金番号とは、個人個人に付された年金の背番号のようなものです。一生で一つの番号が使われることになっています。

平成9年1月からの基礎年金番号

平成9年になる前は、加入する年金制度ごとに年金番号が付され、年金記録の管理が行われてきました。これを国民年金と厚生年金、船員保険、共済年金共通で使える一つの年金番号にした、その番号を基礎年金番号と言います。基礎年金番号は年金受給者となってからも引続き使用されるため、年金証書にも10桁の基礎年金番号が記されます。

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給付制限とは?(国民年金)

年金は権利を満たしたからといって必ずもらえるわけではありません。遺族年金目当てに人を死亡させたり、定められた書類を適正に提出しなかったりすると、全部または一部の年金が、差し止めまたは一時的に支給停止されてしまいます。

全面的な給付制限

  1. 故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の、その障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は支給されない。(国民年金法69条)
  2. 遺族基礎年金、寡婦年金、又は死亡一時金は、被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には支給されない。また、被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させたものについても同様に支給されない。(国民年金法71条の1項)
  3. 遺族基礎年金の受給権は、その受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。(国民年金法71条の2項)

※解説・・・1は働くのがいやになって、自分で足を落とすことなど、2は「この人を死亡させて遺族年金をもらおう」というような不純なもの、またはいずれ受給権者となるであろうものを死亡させること、3はすでに遺族年金の受給権者を死亡させるもので、「この人がいなければ自分に遺族基礎年金の権利が舞い込むだろう」というような理由が成り立つケースです。

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保険給付の制限とは?(厚生年金)

国民年金と同じく厚生年金でも年金の給付制限の規定があります。なお、国民年金は「給付の制限」で、厚生年金は「保険給付の制限」です。

全面的な制限(故意の保険事故)

  1. 被保険者又は被保険者であつた者が、故意に、障害又はその直接の原因となつた事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は、支給しない。(厚生年金法第73条)
  2. 遺族厚生年金は次のものには支給されない。●被保険者又は被保険者であつた者を故意に死亡させた者には、支給しない。●被保険者又は被保険者であつた者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族厚生年金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様とする。●遺族厚生年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。(厚生年金法第76条)

※解説・・・1は全部又は一部ではなく、一切支給しない。2は親族を死亡させて遺族厚生年金をもらおうとするようなケース。また、遺族厚生年金を独り占めしようとするようなケース。

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年金の保険料納付済期間とは?

「保険料納付済期間は保険料を払った期間でしょ」
もしかしたらそう思われるかもしれませんが、それでは保険料を払わない第3号被保険者は?半額免除の期間は?

年金の保険料納付済期間は、第1号被保険者期間と、第2号被保険者・第3号被保険者の期間を合算したものです。

第1号被保険者としての保険料納付済期間

第1号被保険者として、規定通り保険料を納付した期間はもちろんのこと、「督促及び滞納処分」の規定によって徴収された保険料も保険料納付済期間に含まれます。また、保険料「半額免除」などの規定により、国民年金保険料の一部を納付免除された期間のうち、納付すべき部分について納付した期間も保険料納付済期間とされます。半額免除が認められたからといって、決められた半額の部分が未納ならば、保険料納付済期間とはなりません。

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国民年金と税金(公課の禁止とは)

国民年金の給付には、支給事由に老齢、障害、遺族がありますが、「老齢」の年金給付には所得税法では雑所得とみなされ、課税対象となります。

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厚生年金と税金(公課の禁止とは)

厚生年金の保険給付では、国民年金と同様に支給事由に老齢、障害、遺族があります。「老齢」の年金給付である老齢厚生年金と脱退手当金は所得税法では雑所得とみなされ、課税対象となります。

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厚生年金の受給権(受給権の保護とは)

厚生年金の保険給付を受ける権利は、原則的に他人に譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることができないことになっています。

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国民年金の受給権(受給権の保護とは)

国民年金の給付を受ける権利は、原則的に他人に譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることができないことになっています。

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年金の強制加入と任意加入

年金は支え合いということもあり、一定の要件に該当する人は強制的に加入させられるものです。国民年金の手続をしていないから自分は年金に入っていないというのは間違いで、一定の場合にのみ任意加入となるのです。

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年金の第2号被保険者とは?

年金の第2号被保険者とは、70歳未満の会社員やOL、私立学校の先生、公務員など、被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者をいいます。

65歳以上は第2号被保険者?

65歳以上で老齢年金の受給権を得ている人、つまり一般的には年金制度に25年以上加入している人は第2号被保険者とはなりません。ただし、厚生年金の加入年齢は70歳未満ですので、たとえば68歳の人は厚生年金の被保険者ではあるけれども年金制度の第2号被保険者はないということになります。

もし、65歳を過ぎても老齢厚生年金等の受給権が無い場合は、70歳まで第2号被保険者となります。この辺は、国民年金加入の人が、通常は65歳まで任意加入被保険者となれるところ、年金の受給権がない場合に70歳まで特例で任意加入被保険者となれるものと均衡をとっているのかもしれません。

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年金の第1号被保険者とは?

年金の第1号被保険者は、国民年金だけに加入している人たちです。要件に合う人たちは、強制的に第1号被保険者となります。

第1号被保険者になる人

日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であつて第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない人が第1号被保険者になります。

※社会保険庁 平成17年、平成20年「国民年金被保険者実態調査」

属性女性の第1号被保険者男性の第1号被保険者
資料年平成17年平成20年平成17年平成20年
臨時・パート30.1%32.1%19.3%19.0%
常用雇用8.2%10.3%16.2%17.0%
自営業主7.8%6.7%28.3%27.0%
家族従事者13.6%12.9%7.1%7.1%
無職36.7%34.8%25.3%25.5%
不詳3.6%3.2%3.7%4.5%

年金の本などでは「自営業が第1号被保険者で、会社員が第2号被保険者で・・・」と書かれているのですが、近年では非正規雇用者数が増大しており、雇用されつつ第1号被保険者であるという人の数も少なくないのが現状です。

むしろ、景気の悪化は中小零細企業の開業減・倒産増を加速させ、大企業でも正社員の抑制を進めるものと考えられるため、雇用される第1号被保険者の人数は今後益々増えていくものと思われます。

※常用雇用でも、働いている事業所が厚生年金に加入していなければ、厚生年金の加入者(第2号被保険者)ではなく第1号被保険者となります。(厚生年金が適用になる会社とは?

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年金の第3号被保険者とは?

年金の第3号被保険者とは、第2号被保険者の配偶者で、第2号被保険者の収入によって生計を維持する20歳以上60歳未満の人です。「配偶者」なので専業主夫でも可ですが、99%が夫第2号被保険者、妻第3号被保険者といわれていますので、説明は専業主婦が第3号被保険者ということで決め打ちします。

第3号被保険者の要件

夫が第2号被保険者(会社員、公務員、私立学校の教師等)で、その夫によって生計を維持されている20歳以上60歳未満ということで、第2号被保険者のパートの妻はどうでしょうか。これは第3号被保険者になることはできません。

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年金の任意加入被保険者とは?

国民年金の任意加入被保険者になれる人は、次の3つの要件のいずれかを満たす人で、第2号被保険者、第3号被保険者以外の人です。(第2号被保険者と第3号被保険者は、もとより強制加入ですので任意加入という概念はありません。)

  1. 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のもので、厚生年金や共済年金など老齢年金を受給できる人、または国民年金に相当する外国の年金で一定のものを受給できる人
  2. 日本国内に住む60歳以上65歳未満の人
  3. 日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳以上の人

解説…1の人は、60歳未満であっても国民年金の第1号被保険者から除外される人たちです。ただ、もし年金額を増やしたいのならば60歳まで任意加入してもいいよ、というものです。2の人は年金の受給資格の25年が無い人と、25年の受給資格はあるけれども40年の満額まで年金加入期間を近づけたい人が任意加入できます。3は、老後は日本で住もうと考えている人で、現在海外に住んでいる人などが考えられますが、そうでなくても日本人であれば海外在住中は任意加入できます。

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国民年金の任意加入被保険者の特例とは?

国民年金の第1号被保険者は60歳まで加入が原則。任意加入被保険者も65歳まで。それでも年金の受給資格を得られない人は、任意加入被保険者の特例によって70歳まで国民年金に加入することができます。

任意加入被保険者の特例の条件

65歳からの任意加入を任意加入被保険者の特例といいますが、誰でも国民年金に任意加入できるわけではありません。

単に国民年金を満額に近づけたいという年金増額目的だけの任意加入は認められず、この任意加入被保険者の特例の趣旨は年金の受給資格を得ることですから、すでに年金の加入期間が25年ある人は被保険者にはなれません。25年でなくとも、老齢厚生年金(厚生年金)や、退職共済年金(共済年金)の受給権をすでに有している場合も同様に任意加入被保険者にはなれません。

また、生年月日が昭和40年4月1日以前生まれの人だけが任意加入被保険者の特例を利用できます。その上で次のいずれかに当てはまる場合に任意加入被保険者になることができます。

  1. 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の人
  2. 日本国籍を有する人で、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の人

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外国人の、国民年金の任意脱退とは?

外国人が日本に来日し、被保険者として年金に加入していたものの、受給資格期間の25年に年金期間が満たない場合は社会保険庁長官の承認を受けて被保険者の資格を喪失することができます。

任意脱退は永住意思のない外国人等を対象にしたもので、保険料の滞納期間があると任意脱退できない場合もあります。任意脱退できるかどうかは個々の状況によって変わってきます。必ず役所の方でお問い合わせください。

任意脱退できる人

それまで被保険者でなかった人が国民年金第1号被保険者になった場合、または第2号被保険者、第2号被保険者が第1号被保険者となった場合、次にあげる期間を合算した期間が25年に満たない時、いつでも社会保険庁の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができます。

  1. 被保険者の資格を取得した日、または第2号被保険者もしくは第3号被保険者が第1号被保険者となった日の属する月から60歳に達する日の属する月の前月までの期間。
  2. その者が被保険者期間を有するものである場合におけるその被保険者期間

1は、直近のことを聞いています。例えば50歳で来日して、レストランで勤務(厚生年金被保険者かつ国民年金第2号被保険者)。そして5年後に独立して、国民年金第1号被保険者となる。その場合60歳まで保険料納付済期間を25年にすることは無理ですので、任意脱退という話が出てきます。2は、直近までに被保険者期間があれば、その期間も受給資格期間の25年ねんに満たせるかどうかの計算に算入します。

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年金の被保険者期間はいつからいつまで?

60歳になる人によく聞かれます。「年金は何月まで払えばいいの?」その答えは年金の被保険者期間の計算の仕方にあります。年金の計算で混乱するのは1日生まれの人たちです。

被保険者期間の計算は「月から前月」

年金の被保険者期間を計算する場合、月を単位とします。国民年金の人も、厚生年金の人も、共済年金の人も、被保険者の資格を取得した日の属する月から、その資格を喪失する日の属する月の前月まで、年金の被保険者期間とします。

たとえば4月1日生まれの人を例に見てみます。この人が被保険者の資格を取得するのはいつでしょうか?被保険者の資格を取得した日の属する月だから4月??

いえ、答えは3月に被保険者資格を取得します。法律では誕生日の前日に1歳年を取るということになっていますので、まず「被保険者の資格を取得した日」は3月31日になるのです。そして、その日の属する月ですから3月が正解になります。

ついで、被保険者の資格を喪失する月はいつでしょうか?「資格を喪失する日の属する月の前月まで」となっていますから、まず資格を喪失する日が3月31日というのはよいとして、その前月ですので2月ということになります。

つまり、4月1日生まれの人の年金の被保険者期間は、もしもずっと国民年金の第1号被保険者としたら20歳3月から60歳2月までということになります。ややこしいですね。

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年金の種別の変更とは?

国民年金加入者が第1号被保険者、厚生年金が第2号被保険者、専業主婦等が第3号被保険者といいますが、この1号、2号、3号を行ったり来たりすることが、年金では「種別の変更」といいます。

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第3号保険料問題と基礎年金拠出金

国民年金の第3号被保険者は保険料を払わくとも国民年金に加入できます。では、その保険料はどこから払われているのでしょうか?カギを握る基礎年金拠出金をご説明します。

自営業(国民年金)の夫の妻は国民年金の保険料を払い、会社員(厚生年金)の夫の妻は国民年金の保険料負担なし。これについて不公平の声もありますし、誤解も多いのが現実です。

国民年金の保険料負担のない会社員の妻は「夫の給料から私の分も払っている」とおっしゃる方もおりますが、果たして本当のところはどうなのでしょうか。答えは基礎年金拠出金の中にありました。なお、ここでは共済年金は省きますが、厚生年金とあるところは共済年金も同様と読み取ってください。

基礎年金拠出金とは?

厚生年金の親玉である政府は毎年度、給付(国民年金の基礎年金)に要する費用のうち第2号被保険者と第3号被保険者の負担分を基礎年金拠出金として負担・納付しています。つまり、年金の1階部分(基礎年金)を支給する費用に充てるため、被保険者個々人に対して「あなたはいくら」「キミはいくら」といように拠出するのではなく、厚生年金をひと塊としてドカッと現金を渡すわけです。誰に??国民年金にです。これもまた親玉は政府ですので、イメージとしては、政府A(国民年金部門)に対して政府B(厚生年金部門)が基礎年金拠出金という財源費用を払うイメージです。

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付加年金の付加保険料は400円

国民年金の第1号被保険者だけが任意では入れる付加年金。付加保険料を400円ずつ払って、65歳からは毎年96,000円(満額の場合)の年金。これってどれだけ得なのでしょうか?

数ある年金のしくみの中でもこの付加年金は特におトク感のある年金です。何しろ付加保険料400円に対して、もらうときは1ヶ月の付加保険料納付期間あたり200円の年金になります。例えば20歳から60歳までもれなく国民年金と付加年金に加入していたとしたら、40年(480月)に400円を掛けて、付加保険料合計は192,000円。これに対してもらえる付加年金は、40年(480月)に200円を掛けて、96,000円。つまり、65歳から国民年金をもらいはじめてたった2年で元が取れる計算です。

本体の国民年金は、元を取るのに約8年掛かりますので、どれだけリターン率がいいかお分かりいただけると思います。ただ、惜しいのは付加年金が1人当り400円しか付加保険料を掛けられないということ。でも、国民年金第1号被保険者なら入らない手はないと思います。

付加年金に加入できる人

付加年金に加入し、付加保険料を払える人は、次に該当しない国民年金の第1号被保険者と65歳未満の任意加入被保険者です。

  1. 65歳以上の特例の任意加入被保険者
  2. 国民年金第2号被保険者
  3. 国民年金第3号被保険者
  4. 国民年金基金の加入員

1は、もともと65歳以上の任意加入被保険者というのは、年金増額目的ではなく、受給権確保目的のためだけに認められたものであり、もらえる年金を増やしたいという付加年金の趣旨とは反するものだからです。2は、厚生年金という2階部分の年金がありますし、付加年金が国民年金独自の制度だと考えると対象外なのは当然です。3は、第3号被保険者が保険料を払わずに国民年金に加入できますので、それ以上の増額までは必要ないということでしょうか。

※第1号被保険者で農業者年金の被保険者は、もともと付加年金に強制加入です。(2007.5.16 一部訂正いたしました)

そして、第1号被保険者で国民年金の加入員の他、付加保険料を納付できない人たちは次の通りです。

  1. 国民年金の法定免除、申請免除、学生免除など、保険料を納付することを免除されている人。
  2. 半額免除等、国民年金の一部の支払いを免除されている人

1と2は、国民年金の保険料を免除しているのに400円だけ払って年金を増額させるというのが不自然なので付加年金対象外。3は、付加年金と同じく将来の年金の増額目的である国民年金基金は、同じ趣旨のものであるため二者択一で選択です。

付加年金は国民年金基金と同時に入ることはできませんので、自営業の社長などでお金に余裕があり、節税対策を考えるのなら国民年金基金を、お金にゆとりはないけれど将来の年金を少しでも増やしたいという方は付加年金に加入するということになるでしょう。

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国民年金の前納のしくみとは?

国民年金の前納(前払い)をしていた人が、途中で厚生年金に加入したら前納のお金はどうなるの?知前納のしくみについて見ていきます。

前納とは、国民年金の保険料を6ヶ月、または1年単位で前払いすることです。前納することでどれくらい保険料が割安になるかなど、最新情報は社会保険庁等の前納のページでチェックしてください。Googleでもヤフーでも、「前納 年金」と検索すればトップに出てきます。

http://www.sia.go.jp/top/zenwari_jp/index.html

前納して割安になる保険料の額

前納の最大のメリットは国民年金保険料が安くなることですが、具体的には年4分の利率のよる複利原価法によって計算して割り引いた額が、前納で納めるべき保険料の額となります。年平均では、約2.1%の割引となります。

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10年前も可!国民年金保険料の追納とは?

「国民年金の保険料を免除したのはいいけれど、将来もらえる年金額が少なくなるなあ」そこで追納制度の利用です。余裕ができた時に国民年金保険料を追納し、通常の国民年金被保険者期間とすることができるのです。

追納なら10年前まで保険料を払える

通常、国民年金を滞納していた場合、時効の関係で2年以内の保険料しか後払いすることができません。しかし、免除制度を利用していた場合の追納制度を利用すれば過去10年前までの国民年金保険料を支払うことができるのです。

追納するかどうかは任意ですが、老齢基礎年金の計算上、学生免除(学生納付特例制度)や、若年者納付猶予制度などの年金額に反映しない免除を除けば免除期間は3分の1しか年金額に反映されません。保険料半額免除期間については保険料納付済期間の3分の2です。

承認の日は、承認の日の属する月前10年以内の期間です。「10年以内」ではないので当月は入りません。国民年金保険料の追納をする場合は、第1号被保険者または第1号被保険者であった者が、国民年金保険料追納申込書に、国民年金手帳を添えて市町村等の窓口で手続をします。

なお、国民年金の保険料半額免除の場合で、その免除以外の半額について保険料を支払っていない場合は、単に滞納・未納となり追納することができません。国民年金の追納制度は、あくまで免除が前提ですので、この場合は時効の2年前までの保険料を支払うのみです。

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未支給年金とは?

年金の受給権者が死亡した時に出てくるのが「未支給年金」の話です。本来、死亡した人に支払われるはずだった年金は、一定の遺族が自分の名前で請求することができます。未支給年金を受給できるのは、次の人たちです。

未支給年金を請求できる遺族

たとえば老齢年金の受給権者の人が4月に亡くなった場合、4月まで老齢年金をもらう権利を持ちつつも、死亡してしまったためにその分の年金を受け取ることができません。そこで、死亡した受給権者に変わって、次の遺族が本来死亡者に支払われるはずであった未支給年金を、自分の名前で請求することができるのです。

  1. 配偶者
  2. 子供
  3. 父母
  4. 祖父母
  5. 兄弟姉妹

未支給年金と生計の同一

全員に共通する条件は、受給権者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていたという事実が必要です。請求者と死亡者の世帯が異なるときは、未支給年金を請求する遺族が死亡者と生計を同じくしていたという証明を町内会長、事業主、家主などの第三者からとり、生計同一申立書を提出します。

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年齢だけで受給資格期間(25年)が短くなる人とは?

年金の受給資格期間は、通常25年が原則ですが、昭和5年4月1日以前に生まれた人の場合は必ずしも25年の受給資格期間がなくても年金がもらえます。

昭和5年4月1日以前生まれの特例

年金を受け取るには、最低条件として受給資格期間が25年なくてはなりません。受給資格期間は、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間とを合計して計算しますが、昭和5年4月1日以前生まれの人たちは例外として、次の受給資格期間があれば、年金の受給資格を得ることができます。

  • 大正15年4月2日から昭和2年4月1日までの間に生まれた者=21年
  • 昭和2年4月2日から昭和3年4月1日までの間に生まれた者=22年
  • 昭和3年4月2日から昭和4年4月1日までの間に生まれた者=23年
  • 昭和4年4月2日から昭和5年4月1日までの間に生まれた者=24年

なぜ受給資格期間が25年でなくていいの?

原則25年の受給資格期間なのに、この生年月日の人だけが25年なくてもいいというのは、何も知らないと不公平に感じてしまいます。そこで、その訳をご説明しますと、この年代の人たちは、生まれた時にすでにある程度の年齢になっていた人たちなのです。

国民年金が誕生したのが昭和36年4月1日ですので、昭和5年4月1日以前生まれの人は、すでに31歳以上になっています。60歳まで29年しかありませんので、その中で25年の受給資格期間を満たすというのは困難という他ありません。

そこで、受給資格期間の特例をみてもわかるように、60歳まで残されている期間に5年の猶予を持たしたものを受給資格期間としたのです。

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厚生年金の中高齢の特例とは?

厚生年金の中高齢の特例とは、厚生年金に男性40歳以降、女性35歳以降に15年~19年加入していれば、それだけで年金の受給資格を満たすこととする特例です。

厚生年金中高齢の特例対象生年月日

  • 昭和22年4月1日以前に生まれ=15年
  • 昭和22年4月1日~昭和23年4月1日生まれ=16年
  • 昭和23年4月1日~昭和24年4月1日生まれ=17年
  • 昭和24年4月1日~昭和25年4月1日生まれ=18年
  • 昭和25年4月1日~昭和26年4月1日生まれ=19年

厚生年金の中高齢の特例は、旧厚生年金法のなごりで、この経過措置を経た後は廃止されるものです。昭和61年の年金法律改正前は、厚生年金に男性40歳以降、女性35歳以降に15年入っていれば年金をもらえるというしくみだったもので、このしくみの廃止のために20年に引き上げることとしたのです。

なぜ20年かというと、20年から25年に引き上げるのは被用者年金(厚生年金や共済年金のこと)の特例において任せられるからです。被用者年金の特例は、昭和31年4月1日以前生まれの人が対象ですが、この厚生年金の中高齢の特例とあわせて昭和22年4月2日生まれから昭和31年4月1日生まれまで、16年~24年の引き上げを順々に行うことができるのです。

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加給年金が妻のものになる振替加算とは?

加給年金は、厚生年金や共済年金に20年以上加入した夫の年金にくっついてくるものです。しかし、妻が65歳になると、今度はその加給年金は振替加算と名前を変え、妻の年金として一生支給されるようになるのです。

振替加算は、元加給年金

振替加算というものは、元々は夫(一般的には)の年金にくっついている加給年金が姿を変えたものです。よって、振替加算の受給の大前提は、夫に加給年金が付くかどうかということです。

夫の厚生年金(共済年金も同じ考え)に妻を対象とした加給年金がつく条件は、老齢年金の1階部分の年金(生年月日によって特別支給の老齢厚生年金の定額部分だったり、65歳からの老齢基礎年金だったりします。)が支給されるときに、生計を維持する65歳未満の妻(大前提は)がいることです。

ただし、妻自身が厚生年金に20年以上入っている場合や、障害年金をもらえる権利がある場合には、加給年金は支給されなくなってしまいます。これは、「妻自身たくさん年金をもらえるのだから、家族扶養手当的な意味合いの加給年金は必要ないでしょ」という考えからです。

加給年金が振替加算に変わるとき

夫に支給されている加給年金は、妻が65歳になると、振替加算として妻の年金に変わります。なお、妻とは大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた人を指します。

振替加算が行われる月は、妻が65歳に達した日の属する月の翌月からです。ただし、妻が年上のケースなど、夫の加給年金が出る間もない場合は、夫の年金に1階部分が支給される時点で、いきなり振替加算が行われます。

振替加算が行われないことも

加給年金の支給条件と同じように、妻自身が20年以上の厚生年金を受け取れる、または障害年金を受け取れる場合には振替加算は行われません。ただし、加給年金と違うところとして、振替加算の場合は、妻が障害年金をもらっているケースでは、単に支給を止めておくという意味だということです。障害年金の事由が解消されるか失権した場合で老齢基礎年金に切り替えた時、振替加算が行われます。

振替加算の特殊な例

ほぼ無いケースですが、いわゆる合算対象期間という年金額に反映されない期間と、学生納付特例期間(学生免除)だけの場合、本来ならば老齢基礎年金の受給権は発生しませんが、このような場合でも振替加算の要件に該当すれば、老齢基礎年金の支給要件に該当するものとみなして振替加算相当額の老齢基礎年金が支給されることになっております。もちろん、このような実例はみたことがありません。

振替加算の額

振替加算の額は、妻の生年月日によって変わります。大正15年4月2日生まれから昭和41年4月1日生まれが振替加算の行われる条件ではありますが、これから年金をもらい始める若い人ほど振替加算の額は低額となります。参考までに平成18年度価格を記しておきます。

  • 大正15年4月2日 ~ 昭和 2年4月1日=227,900円
  • 昭和 2年4月2日 ~ 昭和 3年4月1日=221,700円
  • 昭和 3年4月2日 ~ 昭和 4年4月1日=215,800円
  • 昭和 4年4月2日 ~ 昭和 5年4月1日=209,700円
  • 昭和 5年4月2日 ~ 昭和 6年4月1日=203,500円
  • 昭和 6年4月2日 ~ 昭和 7年4月1日=197,600円
  • 昭和 7年4月2日 ~ 昭和 8年4月1日=191,400円
  • 昭和 8年4月2日 ~ 昭和 9年4月1日=185,300円
  • 昭和 9年4月2日 ~ 昭和10年4月1日=179,400円
  • 昭和10年4月2日 ~ 昭和11年4月1日=173,200円
  • 昭和11年4月2日 ~ 昭和12年4月1日=167,100円
  • 昭和12年4月2日 ~ 昭和13年4月1日=161,100円
  • 昭和13年4月2日 ~ 昭和14年4月1日=155,000円
  • 昭和14年4月2日 ~ 昭和15年4月1日=148,800円
  • 昭和15年4月2日 ~ 昭和16年4月1日=142,900円
  • 昭和16年4月2日 ~ 昭和17年4月1日=136,700円
  • 昭和17年4月2日 ~ 昭和18年4月1日=130,600円
  • 昭和18年4月2日 ~ 昭和19年4月1日=124,700円
  • 昭和19年4月2日 ~ 昭和20年4月1日=118,500円
  • 昭和20年4月2日 ~ 昭和21年4月1日=112,400円
  • 昭和21年4月2日 ~ 昭和22年4月1日=106,400円
  • 昭和22年4月2日 ~ 昭和23年4月1日=100,300円
  • 昭和23年4月2日 ~ 昭和24年4月1日=94,100円
  • 昭和24年4月2日 ~ 昭和25年4月1日=88,200円
  • 昭和25年4月2日 ~ 昭和26年4月1日=82,000円
  • 昭和26年4月2日 ~ 昭和27年4月1日=75,900円
  • 昭和27年4月2日 ~ 昭和28年4月1日=70,000円
  • 昭和28年4月2日 ~ 昭和29年4月1日=63,800円
  • 昭和29年4月2日 ~ 昭和30年4月1日=57,700円
  • 昭和30年4月2日 ~ 昭和31年4月1日=51,700円
  • 昭和31年4月2日 ~ 昭和32年4月1日=45,600円
  • 昭和32年4月2日 ~ 昭和33年4月1日=39,400円
  • 昭和33年4月2日 ~ 昭和34年4月1日=33,500円
  • 昭和34年4月2日 ~ 昭和35年4月1日=27,300円
  • 昭和35年4月2日 ~ 昭和36年4月1日=21,200円
  • 昭和36年4月2日 ~ 昭和37年4月1日=15,300円
  • 昭和37年4月2日 ~ 昭和38年4月1日=15,300円
  • 昭和38年4月2日 ~ 昭和39年4月1日=15,300円
  • 昭和39年4月2日 ~ 昭和40年4月1日=15,300円
  • 昭和40年4月2日 ~ 昭和41年4月1日=15,300円
  • 昭和41年4月2日 ~=0円

離婚するなら振替加算をもらってから

振替加算は妻が老齢基礎年金をもらえる65歳に行われます。ということは、65歳前に離婚した場合、振替加算は行われないまま権利を失うということになるのです。

当然夫の加給年金も失権します。ということは、振替加算の前に離婚するということは、年金の上では損だということができます。年金分割にしても、加給年金は分割できませんので。

一度振替加算が行われてしまえば、あとはずっと妻の年金として一生涯支給され続けますので、この辺のことも考えておくとよいかと思います。

【補足:離婚時の年金分割で振替加算が支給停止になることもある】

自分自身(妻)の厚生年金の被保険者期間と、離婚時の年金分割により厚生年金の被保険者期間であったとみなされた期間を含めた期間が20年以上になる場合には、振替加算は支給されなくなりますのでご注意ください。

例えば、68歳の妻が、振替加算が加算された老齢基礎年金を受給していたとしても、老齢厚生年金の計算の基礎となった自分自身の厚生年金の被保険者期間と「離婚時みなし被保険者期間」を含めた期間が20年以上になる場合には、振替加算が支給停止となります。

極端な話、自分自身の厚生年金の被保険者期間が19年11ヶ月で1か月分の分割を受けた場合でも、振替加算は支給停止になります。(老齢厚生年金は増額されるものの、その増額以上の金額の振替加算額が減額になるという理不尽も。)

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国民年金の加入可能月数(年数)とは?

国民年金が誕生したのは昭和36年4月1日です。その当時20歳を超えていた人は、60歳までの40年間国民年金に加入したくてもできない人たちです。そこで、60歳までの残りの年数だけ年金に加入すれば満額の老齢年金を支給しようというのが、この加入可能月数(年数)の話です。

生年月日による国民年金の加入可能月数

  • 大正15年4月2日から昭和 2年4月1日=25年(300月)
  • 昭和 2年4月2日から昭和 3年4月1日=26年(312月)
  • 昭和 3年4月2日から昭和 4年4月1日=27年(324月)
  • 昭和 4年4月2日から昭和 5年4月1日=28年(336月)
  • 昭和 5年4月2日から昭和 6年4月1日=29年(348月)
  • 昭和 6年4月2日から昭和 7年4月1日=30年(360月)
  • 昭和 7年4月2日から昭和 8年4月1日=31年(372月)
  • 昭和 8年4月2日から昭和 9年4月1日=32年(384月)
  • 昭和 9年4月2日から昭和10年4月1日=33年(396月)
  • 昭和10年4月2日から昭和11年4月1日=34年(408月)
  • 昭和11年4月2日から昭和12年4月1日=35年(420月)
  • 昭和12年4月2日から昭和13年4月1日=36年(432月)
  • 昭和13年4月2日から昭和14年4月1日=37年(444月)
  • 昭和14年4月2日から昭和15年4月1日=38年(456月)
  • 昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 =39年(468月)
  • 昭和16年4月2日以後=40年(480月)

例えば大正15年4月2日生まれの人は、国民年金が誕生した昭和36年4月1日現在の年齢が35歳です。そして、60歳まで25年しかありません。どう頑張って保険料を払っても25年ですから、25年が年金の加入可能月数となります。

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死亡一時金とは?(国民年金)

金額は少ないながら多くの方が受け取れる可能性のある国民年金の死亡一時金。遺族補償的な意味合いよりも、掛け捨て防止的な意味合いが強い給付です。

国民年金の死亡一時金の概要

国民年金の死亡一時金は、保険料を納付した人が死亡した時に、その遺族に支給されるものですが、国民年金の第1号被保険者として掛けてきた保険料が無駄にならないようにするため、その掛けた国民年金保険料の月数に応じて、支給される死亡一時金の額が決まっております。死亡一時金の額は、12万円から32万円までとなっています。

死亡一時金の支給要件

国民年金の死亡一時金は、死亡した人の要件と、遺族の要件の両者共にすべての要件を満たしたときに支給されます。支給されるのは妻に限りません。

【 死亡した人の要件 】

  1. 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの国民年金第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が36月以上あること。
  2. 老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたことがないこと。

第1号被保険者と書いてあるところは、国民年金に任意加入し、任意加入被保険者として国民年金保険料を納めた期間も含まれます。1は、「前月まで」というところは国民年金の寡婦年金と同じです。また、全額免除期間は入っていません。2は、「受けたことがないこと」ということで、受給権を持つだけなら支給されます。ここは寡婦年金の場合は支給されなくなるところです。また、旧法の老齢年金、障害年金等も受けていては支給されません。

【 遺族の要件 】

  1. 遺族基礎年金を受け取ることができないこと
  2. (例外)子が遺族基礎年金の受給権者であるとき

1が大原則ですし、2の例外でも結果的に遺族基礎年金は受け取れないということを言っています。

1は、まず妻または子に遺族基礎年金が支給されるときは、死亡一時金は支給されないが、死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅した時は、死亡一時金が支給されます。たとえば夫が亡くなったときに16歳だった娘が嫁に行くことになり、遺族基礎年金の受給権は発生しつつも結果的に1月分も遺族基礎年金を受け取れない場合など、このようなときは国民年金の死亡一時金を出すということです。

また、1としてもう一つ、死亡したものの死亡日において胎児であった子が生まれ、遺族基礎年金の受給権が発生した時は、国民年金の死亡一時金は支給されないが、その胎児であった子が生まれた日の属する月に、遺族基礎年金の受給権が消滅した時は、国民年金の死亡一時金が支給されます。これも本来ならば遺族基礎年金の受給権が発生するが、子が誕生してすぐに亡くなってしまうなどの不幸によって結果的に遺族基礎年金が受けられない場合は、死亡一時金を支給するということです。

2の例外は、死亡したものの子が遺族基礎年金の受給権を取得したが、そのこと生計を同じくするその子の父または母があることによって遺族基礎年金の支給が停止される場合に、死亡したものの配偶者で、その者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていたものに死亡一時金が支給されます。代表的なケースは妻が亡くなり、子と父だけになった場合です。子が18歳未満ならば国民年金の遺族基礎年金の受給権が発生するものの、整形を同じくする父がいるために遺族基礎年金は支給停止になります。そこで、死亡したものの配偶者である夫(子にとっては父)に死亡一時金が支給されるのです。

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脱退一時金とは?(国民年金)

国内在住の人の国民年金の加入には国籍要件がないため、短期で在留する外国人は、国民年金保険料が掛け捨てになってしまう可能性があります。そこで、払った保険料を少しでも無駄にしないための制度が脱退一時金です。

国民年金の脱退一時金の概要

脱退一時金制度は厚生年金にもありますが、国民年金の脱退一時金は、純粋に国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間(半額免除期間を含む)で計算されます。そして年金制度に加入した短期在留外国人が、何も給付を受けずに帰国した場合に脱退一時金が支給されるのです。

脱退一時金の支給要件

脱退一時金の請求の日の前日において、請求日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が6月以上である日本国籍を有しない者(被保険者をやめた人)が、老齢基礎年金等の受給資格期間を満たしていないときは、脱退一時金の支給を請求することができます。ただし、次にあげるいずれかに該当するものは、脱退一時金を請求することができません。

  1. 日本国内に住所を有する時
  2. 障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがあるとき
  3. 最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していたものにあっては、同日後はじめて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過している時
  4. 国民年金法の年金給付に相当する給付を行うことを目的とする外国法令の適用を受ける者または当該外国法令の適用を受けたことがある者であって政令で定めるものであるとき。

1は、あくまで国に帰る話だからです。国民年金に任意脱退してもすぐにもらえる話ではありません。2は、掛け捨てになっていないので脱退一時金は支給されません。3は、時効みたいなものです。請求期限です。4は、年金通算協定の話です。日本からドイツ、そして日本に戻る時、またはドイツから日本、そしてドイツに帰るときなど、その他にも協定を結んだ国はあります。

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厚生年金の任意単独被保険者とは?

会社は厚生年金の適用ではないけれど、自分だけ厚生年金に入りたいという時に使える制度です。ただし、事業主の保険料負担が増えますし、現実的にはなかなか使えそうにありません。

厚生年金の任意単独被保険者?

国民年金にも年金制度に任意で加入する任意加入被保険者という制度があります。しかし、国民年金とは違い、厚生年金の場合には事業主の同意がなければ任意単独被保険者にはなれません。

何らかの事情で会社が厚生年金に入っていないわけですので、もともと会社が従業員を雇っても厚生年金に加入させる必要はありません。当然、厚生年金保険料の会社負担はありません。

しかし、厚生年金に任意加入させるとなると、厚生年金に加入させる人の分の保険料の半額が会社負担となりますので、任意加入には会社(事業主)の同意が条件となっています。

任意単独被保険者になる条件は、厚生年金の適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者で、事業主の同意プラス社会保険庁長官の認可です。会社自体の厚生年金適用というわけではないので、任意加入するのは単独。だから「任意単独被保険者」です。

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70歳以上も厚生年金に入れる高齢任意加入被保険者

厚生年金は70歳未満の会社員、国民年金は任意加入で頑張っても70歳未満でさようなら。しかし、厚生年金については年金の受給資格期間の足りない人に限り、70歳以上でも年金の受給権獲得まで任意で厚生年金に入ることができるのです。

2つの高齢任意加入被保険者

70歳以上も任意で厚生年金に加入できる高齢任意加入被保険者は、会社自体が厚生年金の適用事業所かどうなのかによって、手続や保険料負担に差が生じます。

いつまで高齢任意加入被保険者になれるのか

70歳以降でも厚生年金に加入できる高齢任意加入被保険者は、老齢・退職を支給事由とする年金たる給付で、「政令で定める給付」の受給権を有しないものが、受給資格期間を満たすまで任意加入することができるとされています。政令で定める給付は次の通りです。

  • 老齢厚生年金
  • 老齢基礎年金
  • 退職共済年金
  • 旧国民年金法、旧厚生年金法、旧船員保険法等による老齢年金、通算老齢年金
  • 恩給法による退職を支給事由とする年金たる給付
  • 国会議員互助年金法による普通退職年金

老齢年金等の受給権者は、高齢任意加入被保険者になることはできませんが、遺族給付や障害給付の受給権者でも、高齢任意加入被保険者になることはできます。なお、受給資格期間とは、年金をもらえる最低限の条件である、原則25年の年金加入期間をいいます。

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第4種被保険者(旧厚生年金任意加入制度)

第4種被保険者は、昭和61年に廃止になった厚生年金の任意加入制度です。厚生年金の加入記録に「第4種被保険者」があって、「これは何だったかな?」となってしまった方のために取り上げてみました。

厚生年金第4種被保険者の概要

今の厚生年金の任意加入制度は任意単独被保険者、高齢任意加入被保険者の2つですが、共に事業所で働いている人が対象です。しかし、昭和61年に廃止になった第4種被保険者は、会社等を辞めた後も厚生年金の被保険者となり続けられる制度です。

旧厚生年金保険法では、厚生年金の老齢年金の受給資格期間は原則として「厚生年金保険の被保険者期間が20年以上」でした。当時はまだ厚生年金は厚生年金として、国民年金は国民年金として別々の制度であった時代の話です。ですから、10年以上厚生年金の被保険者期間を有するものは、退職等で被保険者でなくなったときに、老齢年金の受給資格を満たすまでの間、第4種被保険者として任意で厚生年金に加入できたのです。

要件は、退職等で厚生年金の被保険者でなくなった場合に、被保険者の資格を喪失してから6月以内に社会保険庁長官に申出ることです。期間は厚生年金保険の被保険者期間が20年になるまでですが、中高齢の特例により、生年月日により男子40歳以降、女子35歳以降に15年~19年の被保険者期間を満たした場合にはそれまでの期間第4種被保険者となることができます。

昭和61年の年金改正で、国民年金も厚生年金も共済年金もすべて基礎部分が合体したために、必要なくなった制度ですが、ある程度年齢が上の人や、この第4種被保険者に期待を掛けていた人たちに対して、いきなり廃止というと支障がありますので、昭和61年以降もある一定の要件に会う人だけはこの第4種被保険者になり続けることができることとしました。

特に加給年金は、厚生年金に20年間加入しているか、中高齢の特例の厚生年金加入期間を満たすかをすれば支給されますから、期待権の保護とでもいうべき経過措置ということができるでしょう。

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厚生年金被保険者の種別とは?

今は現役の人にこのような分類はありませんが、かつて厚生年金の任意継続被保険者は第4種被保険者、坑内員・船員は第3種被保険者というような分類をしておりました。今は昔の話しながらも、自分の年金を正しくもらうためには知っておいても損はありません。

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「消えた年金記録の件数」3つの考え

テレビなどの報道をみていると、「消えた年金記録」という言葉の使い方について、3通りの使われ方をしていることに気が付きました。どれも間違いではないのですが、事実を誤認してしまう恐れもありそうです。

私たちにとっての「消えた年金記録」

私たち国民にとっては、もらえるはずの年金がもらえないこと、または普通の手続をしてもらえなくなる恐れのある年金すべてが「消えた年金記録」です。

ですので、「消えた年金記録5000万件」という使い方をした場合には、国に年金記録自体が残っていて、照合すれば自分のものになる可能性の高いものについても「消えた年金記録」として扱います。

言葉通りの「消えた年金記録」

国にあるべき年金記録のうち、破棄・消失している部分の年金記録が、言葉通りの「消えた年金記録」です。

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厚生年金保険料の督促、滞納処分、延滞金の流れ

厚生年金の保険料を納めない場合の知識として、条文を追って督促、滞納処分、延滞金の流れを追っていきます。普通の人には、あまり関係のないところです。

督促(厚生年金法86条より)

厚生年金保険料その他徴収金を滞納するものがあるときは、社会保険庁長官は、期限を指定して、これを督促しなければならないとされています。

  1. 督促をしようとするときは、社会保険庁長官は、納付義務者に対して、督促状を発する。
  2. 督促状は、納付義務者が、健康保険法第11条の規定によって督促を受けるものであるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。
  3. 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。ただし、保険料の繰上徴収事由のいずれかに該当する場合は、この限りではない。

1は、社会保険庁長官の名前で督促するということです。3の繰上徴収とは、次の事由に該当したときは、国が納期前であっても保険料を徴収できるというものです。

  1. 納付義務者が1.国税・地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき。2.強制執行を受けるとき。3.破産の宣告を受けたとき。4.企業担保権の実行手続の開始があったとき。5.競売の開始があったとき。
  2. 法人たる納付義務者が、解散をした場合。
  3. 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合。
  4. 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、またはその船舶が滅失し、沈没し、若しくはまったく運航に耐えなくなるに至った場合。

つまりは、厚生年金保険料の取りっぱぐれが起きそうな事由ばかりですね。

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厚生年金の計算で使う平均標準報酬月額とは?

厚生年金の年金額を計算する時に使用する「平均標準報酬額」と「平均標準報酬月額」ですが、とくに算出がややこしいのが平均標準報酬月額の方です。これは、国が自動的に計算してくれるものなので気にしなければ問題ないのですが、賃金水準も物価水準も違う過去の給料を、どうやって計算しているのか、気になりませんか?

関連:標準報酬月額とは?

「平均標準報酬月額」の計算ルール

厚生年金の年金額を計算する時に、計算の元となるのは勤務実績に応じた給与と厚生年金加入期間です。それを時代ごとの記録を抽出して、一定の計算で現在の価格に評価しなおし、それをさらに平均して「平均標準報酬月額(平成15年3月までの厚生年金期間)」と「平均標準報酬額(平成15年4月からの厚生年金期間)」を算出します。

そして、厚生年金の年金額を出すにはさらに所定の数式で計算して、ようやく厚生年金の年金額が正しく算出されるのです。このようにつらつらと計算の流れを書いておりますが、ここでお話しする平均標準報酬月額ひとつとっても、手作業で計算するとなると本当に大変な作業となります。ですので普通は機械ではじき出された数字をそのまま信用して、最終的な計算だけ社会保険事務所の窓口で説明を受けたり、または、我々がお客様に説明したりするのです。

しかし、お客様の中には、「平均標準報酬月額の計算のどこかでごまかしがあるのではないか?」と思う方もおりまして、私も実際に電卓をたたきながら平均標準報酬月額を計算したことがあります。

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特例納付とは?

「消えた年金問題」で、国民年金の年金記録の消失事例が目立つ「年金の特例納付」。1970年~1980年の間において「無年金」を減らすことを目的として計3回行われました。その特例納付の行われた時期と、納付金額が平成19年7月2日、明らかになりました。

特例納付の時期、件数、納付額

国民年金保険料の未納分の後払い、「特例納付」が行われた時期と件数、納付額は次の通りです。

  1. 1:1970年7月~1972年6月=約219万件(約172億円)
  2. 2:1974年1月~1975年12月=約280万件(約628億円)
  3. 3:1978年7月~1980年6月=約229万件(約1675億円)

なお、特例納付保険料は、第1回目が月額450円。第2回目が月額900円。第3回目が月額4,000円となっています。(平成16年財政再計算結果資料より)

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消えた年金問題「照合」「突合」「統合」の違いとは?

消えた年金問題のニュースにおいて使われている「照合します」「突合します」「統合します」というイメージの似た言葉。年金請求者の視点から、いつの段階でどの言葉が一番フィットするのかを見ていきます。(あくまで、年金実務的での話です。)

照合とは?

年金の請求者から見て照合とは、社会保険庁のオンラインデータに存在する5000万件の宙に浮いた年金記録から、基礎年金番号に含まれていない本人の年金記録を検索において探し出す作業をいいます。

例えば次のような年金記録の持ち主がいるとします。

  • 年金手帳あり(基礎年金番号あり)
  • 厚生年金被保険者証2枚あり
  • その他勤務歴3社あり(資料残存なし。年金番号不明)

この場合、まず基礎年金番号で年金記録を確認します。そして、基礎年金番号に含まれていないものでも、厚生年金被保険者証の番号をパソコンで入力し、この厚生年金番号があるかどうかを確認するのが第1段階の照合です。

そして、年金番号がない3社分の年金記録がパソコン上にないかどうか検索します。名前、生年月日、会社名をそのまま検索したり、組合せで検索したりするのですが、これが最も「照合」という言葉にフィットしている作業です。

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年金時効特例法とは?

年金時効特例法は、支給漏れが発見されたにもかかわらず、5年間の時効により受給できなかった年金がもらえるように変更された法律です。ここでは、どんな人が年金時効特例法の対象になるのか。また、必要な手続きや添付書類はどのようなものなのかを見ていきます。(公布・施行の日は平成19年7月6日)

年金時効特例法の対象となる人

年金時効特例法の対象者は2通りに分けられます。
1つはすでに年金支給漏れが判明して年金記録を訂正したものの、5年間の時効によってそれ以前の年金をもらえなかった人たち。もう1つは支給漏れ年金の潜在的被害者で、これから年金記録が訂正される人たちです。

既に年金記録が訂正されている人

  1. 年金記録の訂正により、年金額が増えた人・・・年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)の時効消滅分が全期間遡って支給される。
  2. 年金記録の訂正により、年金の受給資格が確認され、新たに年金を受給できるようになった人(例えば、本来ならば60歳から年金がもらえたはずなのに、一部の年金記録が漏れていたために受給資格の25年に少し足りなかった場合で、67歳の時に支給漏れが発見され、遡って年金を受給するようなケース。この場合、5年以上前の62歳までの年金が時効消滅。)・・・年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)の時効消滅分が全期間遡って支給される。
  3. 上記1,2に該当する人が亡くなっている場合、その遺族が未支給の時効消滅分を受給できる。(遺族の範囲は、本人が亡くなった当時、生計を同じくされていた「配偶者、子供、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹」で、優先順位は記載順。)

今後、年金記録が訂正される人

今後、年金記録が訂正された結果、上記1~3と同じように年金額が増える人。(増額された年金や身支給年金を全額受給できる。)

続きを読む 年金時効特例法とは?

社保完(社会保険完備)とは?

求人誌、アルバイト雑誌を見ていると、「社保完」「社会保険完備」と書いてあるのですが、これはどのようなことを意味しているのかご存知ですか?

社保完の「社会保険」の意味するところ

社保完の「社保」は社会保険を意味しています。
そして、求人誌などで使われる「社会保険」には「雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険」の4つがあり、社保完や社会保険完備となっているところは、これら4点セットが完備されているということと意味しています。

雇用保険とは?

雇用保険は、一般的には失業保険と言われているもので、失業した時に一定の期間お金がもらえるというものです。失業手当は、「お金がもらえてよかったね」ということではなく、働く意思と能力があり、次の仕事を見つけるまでの間の支えとなるべきお金です。その後職が見つからなくても一定期間が過ぎると支給が終了となります。

会社をクビになる、会社が倒産してしまうという性質のものから、「こんな会社辞めてやる~」という自分の意思で辞めるものまで支給の対象となりますが、自分の意思で会社を辞めると失業手当は少なくなってしまいます。

労災保険とは?

労災保険は労働者災害補償保険の略で、仕事中、仕事に起因するケガや病気をしてしまった時に、国から治療費や治療している間の賃金を補償してもらえる制度です。

病気やケガの治療費全額を補償してくれるのはもちろん、障害が残った時には障害年金を、万が一死亡してしまった時には遺族に対して遺族年金が支給されます。

健康保険とは?

仕事中以外において病気やケガをしたときに、治療費の補填をしてくれる制度です。それだけではなく、病気で会社を休まなければならない時には一定期間賃金の一部を補償してくれたり、出産の時にも賃金の補償や一時金を支給するようなしくみ等も備わっています。

厚生年金保険とは?

厚生年金保険は、加入している人が高齢になったときに、国民年金に上乗せされる形で老齢年金がもらえる他、障害になった時には障害年金が、亡くなったときには遺族年金が支給される制度です。

労災保険では「仕事中」の病気やケガによる障害・死亡に対して保障されるのに対し、厚生年金保険では「仕事中」のみならず、「仕事中以外」の病気やケガに対しても障害年金・遺族年金が支給されます。

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資産を増やす時の計算「72の法則」とは?

老後の資産形成を考える時に便利なのが「72の法則」。
これは、個人年金や投資信託など金融商品を活用して老後の資産を増やす計画を立てるときに、『何年で資産が2倍になるのか』をカンタンに計算をするためのものです。

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標準報酬月額とは?

【平成23年7月6日追記】

「4月、5月、6月」の報酬を元にして算出される標準報酬月額(定時決定)について、
平成23年4月から一つ新たな仕組みが導入されました。

これは、業種(例えば引越し屋、不動産屋、農業法人)や部署(例えば人事、総務、会計)の性質上、毎年「4月、5月、6月」に繁忙期を迎えて報酬が多くなる、もしくは逆のケースについて、定時決定により決定する標準報酬月額が不当なものにならないよう、「昨年7月~当年6月」の月平均の報酬から算出した標準報酬月額と比較して大きな差(原則2等級以上の差)が生じた場合に、標準報酬月額を後者のものにすることを可能にしたものです。(「被保険者の同意」を要件としており、被保険者に不利益にならないよう配慮されています。)

下記は、厚生労働省が関係機関に発したPDF資料へのリンクです。
クリックすると新たなウインドウが開きます。

健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定」の一部改定について
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110427T0020.pdf

(平成23年3月31日付け:PDF165.90KB)

「「健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて」の一部改正等に伴う事務処理等について」に関するQ&Aについて
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T20110610S0080.pdf

(平成23年6月3日付け:PDF285.80KB)

厚生年金では、納める保険料の額を決定したり保険給付の額を決定したりする時に、計算の元になるものを給料などの報酬そのものの金額ではなく、区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」というものを使用します。

給料297,120円ならば標準報酬月額300,000円、給料425,320円ならば標準報酬月額440,000円という具合です。

なお、健康保険でも標準報酬月額を使用しますが、厚生年金の標準報酬月額とは等級以外の仕組みは同じです。

厚生年金の計算で使う平均標準報酬月額とは?
http://www.office-onoduka.com/nenkinblog/2007/06/post_65.html
厚生年金保険 標準報酬月額表の変遷
厚生労働省サイト内PDFファイル。ねんきん定期便など、自分の年金記録確認の際に役に立つ、あると便利な表です。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/teikibin/pdf/standard.pdf

続きを読む 標準報酬月額とは?

「1万円年金」「2万円年金」「5万円年金」

公的年金の歴史の中で登場する「1万円年金」「2万円年金」「5万円年金」というもの・・・1万円年金が昭和40年改正、2万円年金が昭和44年改正、5万年金が昭和48年改正で、それぞれモデル年金として設定されたものです。(それぞれ年金月額です。)

1万円年金

昭和40年の年金改正まで、厚生年金の定額部分は加入期間によらない定額制でした(加入期間20年以上)。昭和29年改正と、昭和34年改正で厚生年金の老齢年金の年金額の計算式を見てみると次のような具合になっています。

【昭和29年改正】

年金額=24,000円(定額部分)+平均標準報酬月額×5/1000×加入月数

【昭和34年改正】

年金額=24,000円(定額部分)+平均標準報酬月額×6/1000×加入月数

そして【昭和40年改正】では、これまでの定額部分の一律定額制を見直し、加入月数に比例するしくみに改めました。また、報酬比例部分の乗率を「6/1000」から「10/1000」へ引き上げ、標準的な老齢年金の月額が1万円となる年金が実現しました(1万円年金)。このときの厚生年金の老齢年金の計算式は次の通りです。

年金額=「250円×加入月数」(定額部分)+「平均標準報酬月額×10/1000×加入月数」(報酬比例部分)

なお、標準的(な年金額)とは、厚生年金に加入する標準的な収入を得る男子が、厚生年金の支給要件である制度的な加入期間である20年を加入した時の年金額です。

具体的な数字を入れると、
加入期間=20年
標準報酬月額の平均=25,000円
年金額=「250円×240月」(定額部分)+「25,000円×10/1000×240月」(報酬比例部分)=「60,000円」(定額部分)+「60,000円」(報酬比例部分)=年金額120,000円(年金月額1万円)

国民年金は2人で1万円(昭和40年改正)

国民年金は「厚生年金の定額部分」に相当するとの考えをもとに給付水準の引き上げが行なわれ、昭和34年改正時には、

年金額=「20年未満の加入年数×900円」+「20年を超える加入年数×1200円」

だったところ、昭和40年改正により、

年金額=加入年数×2400円

へと引き上げられました。
国民年金の場合、制度的な加入年数は25年ですので、
25×2400=60,000円となり、
年金月額は5,000円。
つまり、国民年金は夫婦2人で月額1万円となるように設定されたのです。

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