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第3号保険料問題と基礎年金拠出金

国民年金の第3号被保険者は保険料を払わくとも国民年金に加入できます。では、その保険料はどこから払われているのでしょうか?カギを握る基礎年金拠出金をご説明します。

自営業(国民年金)の夫の妻は国民年金の保険料を払い、会社員(厚生年金)の夫の妻は国民年金の保険料負担なし。これについて不公平の声もありますし、誤解も多いのが現実です。

国民年金の保険料負担のない会社員の妻は「夫の給料から私の分も払っている」とおっしゃる方もおりますが、果たして本当のところはどうなのでしょうか。答えは基礎年金拠出金の中にありました。なお、ここでは共済年金は省きますが、厚生年金とあるところは共済年金も同様と読み取ってください。

基礎年金拠出金とは?

厚生年金の親玉である政府は毎年度、給付(国民年金の基礎年金)に要する費用のうち第2号被保険者と第3号被保険者の負担分を基礎年金拠出金として負担・納付しています。つまり、年金の1階部分(基礎年金)を支給する費用に充てるため、被保険者個々人に対して「あなたはいくら」「キミはいくら」といように拠出するのではなく、厚生年金をひと塊としてドカッと現金を渡すわけです。誰に??国民年金にです。これもまた親玉は政府ですので、イメージとしては、政府A(国民年金部門)に対して政府B(厚生年金部門)が基礎年金拠出金という財源費用を払うイメージです。

基礎年金拠出金の額の計算は?

基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する、当該厚生年金の加入者である第2号被保険者及び、その配偶者である第3号被保険者の合計数に相当する比率を乗じて得た額とする。

被保険者数の算定方法は、第1号被保険者は保険料納付者数、第2号被保険者は20歳以上60歳未満の被保険者数、第3号被保険者についてはすべての者としています。共通なのは20歳以上60歳未満という点です。(第1号被保険者で例外はありますが、無視します)

結局20歳以上60歳未満で、国民年金は第1号被保険者の人数で計算し、厚生年金は第2号被保険者と第3号被保険者の合計数で計算し、厚生年金の分が基礎年金拠出金として国民年金に現金が渡るわけです。

基礎年金拠出金の負担は第2号被保険者全員

ここでおかしなことに気が付くと思います。普通に第2号被保険者も第3号被保険者もいかにも基礎年金拠出金を負担しているかのように説明してきましたが、厚生年金で保険料を支払っているのは第2号被保険者だけ。しかも計算する時には人数割りで公平な負担としています。

しかし、すべて第3号被保険者の妻がいる第2号被保険者の夫ばかりではありませんよね。夫も妻も第2号被保険者の人、独身のOLさんの第2号被保険者、独身のサラリーマンの第2号被保険者、夫は第2号被保険者だけど妻は高収入の第1号被保険者。

そのすべての方が平等に保険料を負担する形で基礎年金拠出金の金額が計算されています。だがら不公平という声が出てくるのです。そして、このようなしくみを知らずに、夫の給料から妻である第3号被保険者の保険料が引かれているはずという認識も半分は外れているわけです。

第3号被保険者保険料問題

年金に対して不信が増大しているいま、「安心」と「公平」という言葉がキーワードだと思います。いくらとってつけた説明をしても、第3号被保険者だけ保険料負担がないといういまの姿は納得できません。保険料負担の面で言えば、第3号被保険者を扶養する第2号被保険者と、独身の第2号被保険者の保険料には差を付けるのが公平ですし、給付で公平を目指すなら、第3号被保険者の期間は第1号被保険者や第2号被保険者の期間に比べて90%の年金額にするなど、公平性を目指す取組みも必要だと思います。もっとも既得権を守るのが年金の歴史なので簡単にはいかないでしょうけれど。

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