厚生年金・国民年金情報通厚生年金・国民年金増額対策室

メイン | 2007年05月 »

2007年04月厚生年金・国民年金情報通 一覧

年金支給漏れが、過去6年で22万人

とんでもない数字が出てきたものです。
何かといいますと、本来当然にもらえるはずの年金をもらいそびれていた、または少ない金額でもらっていたという件数が22万人なのです。

年金の支給漏れ、または年金のもらい忘れなどといいますが、2001年4月から2007年2月末までの6年間のうち、社会保険庁が年金額を訂正した数字が、正確には21万8474件。

政府野党の要求があって出したものですが、要求がなければ埋もれていたと思うと、なんと恐ろしいことでしょうか。2001年3月以前も年金の支給漏れは発生していましたが、それに関しては資料の保存期間が過ぎているので件数も支給漏れ年金総額も不明とのことです。

続きを読む 年金支給漏れが、過去6年で22万人

年金の支給漏れが起こるワケ

年金を請求するときは社会保険事務所等の窓口に行って手続をします。しかし、その年金の専門官というフィルターを通しても年金の支給漏れが起こることが、年金の難しいところです。

手続の際、社会保険事務所の担当官に年金加入歴に漏れがないかどうかを聞かれるのですが、その時に転職の多い人や、パート、アルバイト、社員、請負、派遣など多様な働き方をしてきた人は、どれが年金期間になって、どれが年金記録でないのかの判別すら難しいのが現実です。そもそも、短期の就職の場合、遠い昔のことですと、会社名すら忘れていることもあります。

続きを読む 年金の支給漏れが起こるワケ

議員年金減額直前の区議14人辞職

議員年金の話で情けないニュースがテレビや新聞をにぎわしています。
地方議員の議員年金は平成19年4月に年金の給付水準が12.5%減額になることが決まっており、その前に辞職すればこの減額規定にかからないということから、4月から5月に任期満了になる議員のうち、なんと14名もの議員が3月中に辞職していたのです。

つまり、61万円とも言われる月の報酬を1ヶ月ないし2ヶ月分をもらわなくても、年金が減らされるよりはましという考え。実際に、議員5期目ならば議員年金は22万円の差、議員9期目ならば50万円もの差になるといいます(条件によりけり)ので、一般的には辞職を選ぶのが合理的ともいえます。もちろん職責を無視した話として。

続きを読む 議員年金減額直前の区議14人辞職

腰砕け?パート労働者の厚生年金適用

パート労働者への厚生年金適用拡大について、4月13日に閣議決定されましたが、新たな基準での厚生年金適用者の増加はわずか10万人台になる模様です。

続きを読む 腰砕け?パート労働者の厚生年金適用

2010年共済年金廃止、厚生年金へ一元化

公務員や私学教職員の年金である共済年金が、2010年度に廃止になり、厚生年金へ一元化されることになりました。(4月13日政府閣議決定)

続きを読む 2010年共済年金廃止、厚生年金へ一元化

宮崎さん、ミヤサキさん、ミヤザキさん

年金の支給漏れの原因の一つに名前の間違いがあります。濁音が入る、入らないなど同じ漢字で違う読み方をする名前の方は、年金の請求の際に絶対にやっておかなければいけないことがあります。

続きを読む 宮崎さん、ミヤサキさん、ミヤザキさん

社会保険事務所の職員対応の差

「過去の厚生年金加入歴に関する質問なんて、なにもしてくれなかった」
社会保険事務所の担当官によっては。年金の支給漏れに関する意識や窓口対応そのものに差があることがあります。

良い職員さんだと、こちらが言わなくても年金支給漏れの心配をしてくれて、一つ一つ確認をとりながらパソコン上で出来る調査をしてくれます。質問をしても嫌な顔をせずに丁寧に教えてくれるので、相談者は気持ちよく、納得しながら手続をすることができるのです。
(関連:社会保険事務所年金相談窓口の50%超が非常勤職員

続きを読む 社会保険事務所の職員対応の差

社会保険庁が年金納付記録を紛失

平成18年の8月21日から12月末までの4ヶ月に、社会保険庁が年金特別相談を実施しましたが、その中で社保庁が年金納付記録を紛失したという事例が86人分も発覚しました。人数は少ないですが、重い意味を持つ86人です。

年金の支給漏れの大半は、厚生年金の一部というケースなのですが、この場合調べれば国の方に何らかのデータが残っていることが多いのです。

しかし、今回の場合は国の方に一切データが残っておらず、年金受給者側で記録を証明して認められた年金納付記録なのです。

続きを読む 社会保険庁が年金納付記録を紛失

「ねんきん定期便」とは?

平成19年3月から、一部の人を対象に「ねんきん定期便」がスタートしていたのですが、基礎年金番号の未統合記録を該当者に通知する「ねんきん特別便」が実施されることに伴い、本格始動は平成21年4月からということになりました。

「ねんきん定期便」とはなに?

ねんきん定期便は、社会保険庁から個人宛に送付される通知のことで、年金加入記録や年金見込額等が記載されます。

標準報酬月額に誤りがある可能性のある人や「ねんきん特別便」の未回答者など、年金記録が正しくない恐れがある人については『オレンジ色』の封筒となっていますので、オレンジ色の封筒が届いた人は、特に慎重に年金記録をチェックする必要があります。

※ねんきん定期便が『水色』の封筒で届いた場合、訂正の可能性は低いのですが、チェックしなくてよいというわけではありません。

続きを読む 「ねんきん定期便」とは?

合算対象期間とは?

合算対象期間は、すでに年金加入期間が25年あるという方には関係ない話です。しかし、年金加入期間が25年無くて年金(老齢基礎年金=老齢年金の土台)をもらえない人にとっては、この合算対象期間によって救われる可能性もあります。

合算対象期間は、このように受給資格期間を見るときにだけでてくるもので、年金額の計算をする時の被保険者期間には算入されません。よって、合算対象期間のことをカラ期間と読ぶこともあります。

具体的には保険料納付済期間と、保険料免除期間に、さらに合算対象期間を合わして25年あれば年金をもらえるということになります。

続きを読む 合算対象期間とは?

社会保険庁廃止で日本年金機構へ(2010年)

2010年1月を目処に社会保険庁が廃止になり、非公務員型の公法人の名称を「日本年金機構」が新設されます。

社会保険事務所の名称は「年金事務所」と改める。

具体的には、現在社会保険庁が持っている年金業務の権限等を「日本年金機構」「民間企業」「国税庁」「厚労省」に分割するとのこと。年金給付や保険料徴収などの実務を民間企業へ外部委託、保険料滞納者への強制徴収は、国税庁に委託することなども可能になるそうです。

続きを読む 社会保険庁廃止で日本年金機構へ(2010年)

国民年金保険料のカード払いが可能に

厚生労働省によると、2008年をめどに、国民年金のクレジットカード払いを可能にするとのこと。

続きを読む 国民年金保険料のカード払いが可能に

寡婦年金とは?(国民年金)

「遺族年金」は有名ですが、「寡夫年金」というのが何なのかというのを知らない人は多いです。一種の遺族年金なのですが、ご存知でしたか?

寡婦年金は国民年金の第1号被保険者の年金期間を持つ夫が死亡した場合、要件を満たせば妻に対して年金が支給されるというものです。

寡婦年金の受給要件

  • 死亡した夫は、第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせて25年以上の年金期間があること。
  • 老齢年金や障害年金等を受給したことがないこと。

寡婦年金の妻側の要件

  • 夫婦の婚姻期間は10年以上あること。
  • 夫が死亡した時、夫によって生計を維持されていたこと。
  • 夫死亡当時65歳未満であること。
  • 遺族基礎年金を受け取る権利がないこと。

寡婦年金の支給

寡婦年金は、妻が60歳から65歳までの間支給されます。
年金額は夫が受け取れたであろう老齢基礎年金の4分の3の年金額ですが、これは第1号被保険者の分だけが対象です。

続きを読む 寡婦年金とは?(国民年金)

社会保険事務所に行ってみましょう

今どき社会保険事務所初体験という方も少ないと思いますが、「根本的にお役所が嫌い」という方も少なくありません。そういう方のために、社会保険事務所で年金相談をする時の流れをご紹介いたします。(年金の支給漏れ、年金請求の場合)

社会保険事務所はどこでもOK

今はコンピュータで全国の社会保険事務所がつながっておりますので、住所の近くの社会保険事務所でも、その他の社会保険事務所でも、年金相談に応じてもらえます。普通はご自宅に近い社会保険事務所に出向きます。

最初に受付番号札を取ります

社会保険事務所で最初にすることは受付番号札を取ることです。銀行や郵便局においてある機械と同じようなもので、番号が書かれた紙を取って順番を待ちます。場所によって待ち時間の流れが違いますが、午前ならば10時前に行けば混む事は少ないように思います。

続きを読む 社会保険事務所に行ってみましょう

年金の「未納」と「未加入」どう違う?

なんとなく一緒に使いがちな「未納」と「未加入」というコトバ。
その違いを説明できますか?

年金の未納は、年金の保険料を払わなければいけない人が、保険料を払っていないこと。年金の未加入は、年金の自体に加入するかどうかが任意で年金に加入していない人のことです。同じ年金保険料を払わない人でも、未納は良くないことで、未加入は悪くないことです。

続きを読む 年金の「未納」と「未加入」どう違う?

国会議員の年金「未納」「未加入」の違い

国会議員は一般の人とは違う年金の歴史があります。昭和55年3月までの期間は国民年金に入ることすらできず、同4月から昭和61年3月までの期間は未加入でも法的に問題があるわけではないのです。

続きを読む 国会議員の年金「未納」「未加入」の違い

年金の基礎年金番号とは?

年金の基礎年金番号とは、個人個人に付された年金の背番号のようなものです。一生で一つの番号が使われることになっています。

平成9年1月からの基礎年金番号

平成9年になる前は、加入する年金制度ごとに年金番号が付され、年金記録の管理が行われてきました。これを国民年金と厚生年金、船員保険、共済年金共通で使える一つの年金番号にした、その番号を基礎年金番号と言います。基礎年金番号は年金受給者となってからも引続き使用されるため、年金証書にも10桁の基礎年金番号が記されます。

続きを読む 年金の基礎年金番号とは?

「パート厚生年金適用拡大」企業の声は?

72.7%の企業がパート厚生年金適用拡大に反対(アンケートの数字と理由の出所:日本商工会議所の「パート労働者への厚生年金適用拡大に関する緊急アンケート」)

パートの厚生年金適用が拡大すれば、当然ながら企業の保険料負担は大きくなります。今現在の給与に加えて単純に負担が増えるだけ。しかし、パート労働者にとっては不安定になりがちな将来の安定に向けて利益面が大きいです。

パート労働者の少ない給与の中で、保険料負担が増えるのは…という声もあるかもしれませんが、厚生年金は半分が会社負担ですし、給与によっては国民年金の保険料よりも少ない負担で国民年金プラスアルファの年金がもらえるようになります。

続きを読む 「パート厚生年金適用拡大」企業の声は?

旧制度の年金を受給する人とは

年金が1階部分が基礎年金という今の形になったのは、昭和61年4月1日からです。その法改正の前に年金をもらっていた人は、旧制度の給付をもらい続けることになっています。

旧制度の給付をもらう人

昭和61年4月1日に60歳以上の人、つまり昭和15年4月1日以前に生まれた人は、旧制度の年金を受給することになっていますが、場合によってはその前から年金を受給している人たちもいます。

昭和61年3月31日以前に施行されていた旧厚生年金保険法の老齢年金、旧船員保険法の老齢年金、または共済組合が支給する退職年金(昭和61年4月1日に55歳に達しているもの)、もしくは減額退職年金(昭和61年4月1日に55歳に達しているもの)。この人たちは、旧国民年金法の老齢年金又は通算老齢年金を受けることになります。

続きを読む 旧制度の年金を受給する人とは

給付制限とは?(国民年金)

年金は権利を満たしたからといって必ずもらえるわけではありません。遺族年金目当てに人を死亡させたり、定められた書類を適正に提出しなかったりすると、全部または一部の年金が、差し止めまたは一時的に支給停止されてしまいます。

全面的な給付制限

  1. 故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の、その障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は支給されない。(国民年金法69条)
  2. 遺族基礎年金、寡婦年金、又は死亡一時金は、被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には支給されない。また、被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させたものについても同様に支給されない。(国民年金法71条の1項)
  3. 遺族基礎年金の受給権は、その受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。(国民年金法71条の2項)

※解説・・・1は働くのがいやになって、自分で足を落とすことなど、2は「この人を死亡させて遺族年金をもらおう」というような不純なもの、またはいずれ受給権者となるであろうものを死亡させること、3はすでに遺族年金の受給権者を死亡させるもので、「この人がいなければ自分に遺族基礎年金の権利が舞い込むだろう」というような理由が成り立つケースです。

続きを読む 給付制限とは?(国民年金)

保険給付の制限とは?(厚生年金)

国民年金と同じく厚生年金でも年金の給付制限の規定があります。なお、国民年金は「給付の制限」で、厚生年金は「保険給付の制限」です。

全面的な制限(故意の保険事故)

  1. 被保険者又は被保険者であつた者が、故意に、障害又はその直接の原因となつた事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は、支給しない。(厚生年金法第73条)
  2. 遺族厚生年金は次のものには支給されない。●被保険者又は被保険者であつた者を故意に死亡させた者には、支給しない。●被保険者又は被保険者であつた者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族厚生年金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様とする。●遺族厚生年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。(厚生年金法第76条)

※解説・・・1は全部又は一部ではなく、一切支給しない。2は親族を死亡させて遺族厚生年金をもらおうとするようなケース。また、遺族厚生年金を独り占めしようとするようなケース。

続きを読む 保険給付の制限とは?(厚生年金)

年金の保険料納付済期間とは?

「保険料納付済期間は保険料を払った期間でしょ」
もしかしたらそう思われるかもしれませんが、それでは保険料を払わない第3号被保険者は?半額免除の期間は?

年金の保険料納付済期間は、第1号被保険者期間と、第2号被保険者・第3号被保険者の期間を合算したものです。

第1号被保険者としての保険料納付済期間

第1号被保険者として、規定通り保険料を納付した期間はもちろんのこと、「督促及び滞納処分」の規定によって徴収された保険料も保険料納付済期間に含まれます。また、保険料「半額免除」などの規定により、国民年金保険料の一部を納付免除された期間のうち、納付すべき部分について納付した期間も保険料納付済期間とされます。半額免除が認められたからといって、決められた半額の部分が未納ならば、保険料納付済期間とはなりません。

続きを読む 年金の保険料納付済期間とは?

国民年金と税金(公課の禁止とは)

国民年金の給付には、支給事由に老齢、障害、遺族がありますが、「老齢」の年金給付には所得税法では雑所得とみなされ、課税対象となります。

続きを読む 国民年金と税金(公課の禁止とは)

厚生年金と税金(公課の禁止とは)

厚生年金の保険給付では、国民年金と同様に支給事由に老齢、障害、遺族があります。「老齢」の年金給付である老齢厚生年金と脱退手当金は所得税法では雑所得とみなされ、課税対象となります。

続きを読む 厚生年金と税金(公課の禁止とは)

厚生年金の受給権(受給権の保護とは)

厚生年金の保険給付を受ける権利は、原則的に他人に譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることができないことになっています。

続きを読む 厚生年金の受給権(受給権の保護とは)

国民年金の受給権(受給権の保護とは)

国民年金の給付を受ける権利は、原則的に他人に譲り渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることができないことになっています。

続きを読む 国民年金の受給権(受給権の保護とは)

年金を担保にお金を借りるには?

原則的に年金を担保としてお金を借りることはできませんが、独立行政法人福祉医療機構または独立行政法人福祉医療機構の代理店の金融機関でならば、年金を担保にお金を借りることができるのです。

これは具体的には独立行政法人福祉医療機構の「年金担保貸付事業」を利用するもので、厚生年金保険、船員保険、国民年金の支払を受けているかたに、生業、住居、冠婚葬祭、医療などに必要な資金を融資しています。なお労災の年金給付に関しても同様ですが、労災の説明は省略します。

年金を担保に融資を受けられる対象

次に上げる証書を持つ人で、年金を受給している人たちです。

  1. 厚生年金保険年金証書
  2. 国民年金・厚生年金保険年金証書
  3. 船員保険年金証書・第二種特別支給金決定証書
  4. 国民年金証書
  5. 労働者災害補償保険年金証書

2については、厚生年金基金および厚生年金基金連合会から支払われるものは対象とならず、4については無拠出制の老齢福祉年金は対象となりません。

続きを読む 年金を担保にお金を借りるには?

年金の強制加入と任意加入

年金は支え合いということもあり、一定の要件に該当する人は強制的に加入させられるものです。国民年金の手続をしていないから自分は年金に入っていないというのは間違いで、一定の場合にのみ任意加入となるのです。

続きを読む 年金の強制加入と任意加入

年金の第2号被保険者とは?

年金の第2号被保険者とは、70歳未満の会社員やOL、私立学校の先生、公務員など、被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者をいいます。

65歳以上は第2号被保険者?

65歳以上で老齢年金の受給権を得ている人、つまり一般的には年金制度に25年以上加入している人は第2号被保険者とはなりません。ただし、厚生年金の加入年齢は70歳未満ですので、たとえば68歳の人は厚生年金の被保険者ではあるけれども年金制度の第2号被保険者はないということになります。

もし、65歳を過ぎても老齢厚生年金等の受給権が無い場合は、70歳まで第2号被保険者となります。この辺は、国民年金加入の人が、通常は65歳まで任意加入被保険者となれるところ、年金の受給権がない場合に70歳まで特例で任意加入被保険者となれるものと均衡をとっているのかもしれません。

続きを読む 年金の第2号被保険者とは?

年金の第1号被保険者とは?

年金の第1号被保険者は、国民年金だけに加入している人たちです。要件に合う人たちは、強制的に第1号被保険者となります。

第1号被保険者になる人

日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であつて第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない人が第1号被保険者になります。

※社会保険庁 平成17年、平成20年「国民年金被保険者実態調査」

属性女性の第1号被保険者男性の第1号被保険者
資料年平成17年平成20年平成17年平成20年
臨時・パート30.1%32.1%19.3%19.0%
常用雇用8.2%10.3%16.2%17.0%
自営業主7.8%6.7%28.3%27.0%
家族従事者13.6%12.9%7.1%7.1%
無職36.7%34.8%25.3%25.5%
不詳3.6%3.2%3.7%4.5%

年金の本などでは「自営業が第1号被保険者で、会社員が第2号被保険者で・・・」と書かれているのですが、近年では非正規雇用者数が増大しており、雇用されつつ第1号被保険者であるという人の数も少なくないのが現状です。

むしろ、景気の悪化は中小零細企業の開業減・倒産増を加速させ、大企業でも正社員の抑制を進めるものと考えられるため、雇用される第1号被保険者の人数は今後益々増えていくものと思われます。

※常用雇用でも、働いている事業所が厚生年金に加入していなければ、厚生年金の加入者(第2号被保険者)ではなく第1号被保険者となります。(厚生年金が適用になる会社とは?

続きを読む 年金の第1号被保険者とは?

年金の第3号被保険者とは?

年金の第3号被保険者とは、第2号被保険者の配偶者で、第2号被保険者の収入によって生計を維持する20歳以上60歳未満の人です。「配偶者」なので専業主夫でも可ですが、99%が夫第2号被保険者、妻第3号被保険者といわれていますので、説明は専業主婦が第3号被保険者ということで決め打ちします。

第3号被保険者の要件

夫が第2号被保険者(会社員、公務員、私立学校の教師等)で、その夫によって生計を維持されている20歳以上60歳未満ということで、第2号被保険者のパートの妻はどうでしょうか。これは第3号被保険者になることはできません。

続きを読む 年金の第3号被保険者とは?

年金の任意加入被保険者とは?

国民年金の任意加入被保険者になれる人は、次の3つの要件のいずれかを満たす人で、第2号被保険者、第3号被保険者以外の人です。(第2号被保険者と第3号被保険者は、もとより強制加入ですので任意加入という概念はありません。)

  1. 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のもので、厚生年金や共済年金など老齢年金を受給できる人、または国民年金に相当する外国の年金で一定のものを受給できる人
  2. 日本国内に住む60歳以上65歳未満の人
  3. 日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳以上の人

解説…1の人は、60歳未満であっても国民年金の第1号被保険者から除外される人たちです。ただ、もし年金額を増やしたいのならば60歳まで任意加入してもいいよ、というものです。2の人は年金の受給資格の25年が無い人と、25年の受給資格はあるけれども40年の満額まで年金加入期間を近づけたい人が任意加入できます。3は、老後は日本で住もうと考えている人で、現在海外に住んでいる人などが考えられますが、そうでなくても日本人であれば海外在住中は任意加入できます。

続きを読む 年金の任意加入被保険者とは?

国民年金の任意加入被保険者の特例とは?

国民年金の第1号被保険者は60歳まで加入が原則。任意加入被保険者も65歳まで。それでも年金の受給資格を得られない人は、任意加入被保険者の特例によって70歳まで国民年金に加入することができます。

任意加入被保険者の特例の条件

65歳からの任意加入を任意加入被保険者の特例といいますが、誰でも国民年金に任意加入できるわけではありません。

単に国民年金を満額に近づけたいという年金増額目的だけの任意加入は認められず、この任意加入被保険者の特例の趣旨は年金の受給資格を得ることですから、すでに年金の加入期間が25年ある人は被保険者にはなれません。25年でなくとも、老齢厚生年金(厚生年金)や、退職共済年金(共済年金)の受給権をすでに有している場合も同様に任意加入被保険者にはなれません。

また、生年月日が昭和40年4月1日以前生まれの人だけが任意加入被保険者の特例を利用できます。その上で次のいずれかに当てはまる場合に任意加入被保険者になることができます。

  1. 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の人
  2. 日本国籍を有する人で、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の人

続きを読む 国民年金の任意加入被保険者の特例とは?

年金の被保険者資格取得時期はいつ?

国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者のそれぞれの資格取得時期は、次のようになっています。

第1号被保険者の資格取得時期

  1. 20歳に達した日(誕生日の前日)
  2. 日本国内に住所を有するに至った日
  3. 被用者年金各法にもとずく老齢給付等を受けることができるものでなくなった日

1は、4月1日生まれの人が20歳になったときは、3月31日に国民年金第1号被保険者の資格を取得します。2は海外に住んでいれば任意加入ですので、日本に住所を有するようになった時に第1号被保険者として国民年金に強制加入することになります。(第2号被保険者、第3号被保険者に該当するときを除く)3はあまり例はありませんが、国会議員互助年金法による普通退職年金が、60歳未満であれば死亡一時金外にも失権事由があるため、そのような時は任意加入から強制加入になります。

ちなみに、被用者とは雇われるもので、会社員や公務員を指しますので、被用者年金各法にもとずく老齢給付とは老齢厚生年金や退職共済年金を意味します。

続きを読む 年金の被保険者資格取得時期はいつ?

年金の被保険者資格喪失時期はいつ?

国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者のそれぞれの資格喪失時期は、次のようになっています。

第1号被保険者の資格喪失時期

  1. 死亡した日の翌日
  2. 日本国内に住所を有しなくなった日の翌日(ただし、日本国内に住所を有しなくなった日にさらに第2号被保険者、または第3号被保険者に該当するに至った時はその日。)
  3. 60歳に達した日(誕生日の前日)
  4. 60歳までの間に厚生年金や共済年金等の老齢給付または退職年金等を受けることができる者となった日

2に関して、例えば日本国内に住む24歳の花嫁修業中の独身女性。海外に行って海外に住む商社マンに嫁いだ場合、国内にいる間は第1号被保険者です。ここで、婚姻せず単純に海外に在住することとなった場合は海外に移り住んだ日の「翌日」に国民年金第1号被保険者の資格を喪失します。しかし、海外に嫁いだのですから、海外に移住した「その日」に国民年金第1号被保険者の資格を喪失し、その日に国民年金第3号被保険者の資格を取得します。つまり、海外に移り住んだ日は第3号被保険者となるわけです。

4は、国民年金の第1号被保険者からは外れるけれど、任意加入したかったら国民年金に任意加入して任意加入被保険者になることもできます。つまり、「すでに年金をもらう資格を持っていて、厚生年金や共済年金等の年金がもらえるのならば、もう国民年金に強制加入させる必要はないね」ということです。

続きを読む 年金の被保険者資格喪失時期はいつ?

任意加入被保険者の資格取得と喪失の時期は?

国民年金の任意加入被保険者の資格の取得と喪失の時期は、次のようになります。(65歳までの任意加入被保険者)

任意加入被保険者の資格取得時期

国に任意加入の申出をした日に任意加入被保険者となります。ただし、健康保険の任意継続被保険者のように、さかのぼって被保険者になるということはできません。仮に60歳になって国民年金第1号被保険者の資格を喪失したとして、任意加入被保険者となることを考えていても、例えば手続が遅れて2ヵ月後に手続をしたのならば、2ヶ月前後年金未加入期間ができることになります。もっとも、あと2年で国民年金が満額になるような人ならば、65歳までのいつの2年間でも同じことなので、影響はありません。

続きを読む 任意加入被保険者の資格取得と喪失の時期は?

特例任意加入被保険者の資格喪失時期は?

65歳以上70歳未満の任意加入被保険者の特例の人たちの資格喪失時期は次のようになります。

【 任意加入被保険者の特例共通の資格喪失事由と時期 】

  1. 死亡した日の翌日
  2. 厚生年金や共済年金等被用者年金各法の被保険者、組合員、加入者の資格を取得した日
  3. 老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢または退職を支給事由とする年金たる給付であって、政令で定める給付の受給権を取得した日の翌日
  4. 70歳に達した日(誕生日の前日)
  5. 国に対する資格喪失の申出が受理された日

2は、すでに年金の受給権がある人は国民年金の第2号被保険者にはなれませんが、まだ年金の受給権を得ていない人は70歳までの間は国民年金の第2号被保険者になれます。たとえば会社員になれば、厚生年金の被保険者でありつつ同時に国民年金の第2号被保険者となるわけです。3は、年金の受給権を得たということなので目的達成で任意加入被保険者は資格喪失します。そもそも特例の任意加入被保険者の目的は受給権を得るためだけですので、いくら年金額の増額を願っても、任意加入被保険者ができるのは65歳までなのです。

続きを読む 特例任意加入被保険者の資格喪失時期は?

外国人の、国民年金の任意脱退とは?

外国人が日本に来日し、被保険者として年金に加入していたものの、受給資格期間の25年に年金期間が満たない場合は社会保険庁長官の承認を受けて被保険者の資格を喪失することができます。

任意脱退は永住意思のない外国人等を対象にしたもので、保険料の滞納期間があると任意脱退できない場合もあります。任意脱退できるかどうかは個々の状況によって変わってきます。必ず役所の方でお問い合わせください。

任意脱退できる人

それまで被保険者でなかった人が国民年金第1号被保険者になった場合、または第2号被保険者、第2号被保険者が第1号被保険者となった場合、次にあげる期間を合算した期間が25年に満たない時、いつでも社会保険庁の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができます。

  1. 被保険者の資格を取得した日、または第2号被保険者もしくは第3号被保険者が第1号被保険者となった日の属する月から60歳に達する日の属する月の前月までの期間。
  2. その者が被保険者期間を有するものである場合におけるその被保険者期間

1は、直近のことを聞いています。例えば50歳で来日して、レストランで勤務(厚生年金被保険者かつ国民年金第2号被保険者)。そして5年後に独立して、国民年金第1号被保険者となる。その場合60歳まで保険料納付済期間を25年にすることは無理ですので、任意脱退という話が出てきます。2は、直近までに被保険者期間があれば、その期間も受給資格期間の25年ねんに満たせるかどうかの計算に算入します。

続きを読む 外国人の、国民年金の任意脱退とは?

年金の被保険者期間はいつからいつまで?

60歳になる人によく聞かれます。「年金は何月まで払えばいいの?」その答えは年金の被保険者期間の計算の仕方にあります。年金の計算で混乱するのは1日生まれの人たちです。

被保険者期間の計算は「月から前月」

年金の被保険者期間を計算する場合、月を単位とします。国民年金の人も、厚生年金の人も、共済年金の人も、被保険者の資格を取得した日の属する月から、その資格を喪失する日の属する月の前月まで、年金の被保険者期間とします。

たとえば4月1日生まれの人を例に見てみます。この人が被保険者の資格を取得するのはいつでしょうか?被保険者の資格を取得した日の属する月だから4月??

いえ、答えは3月に被保険者資格を取得します。法律では誕生日の前日に1歳年を取るということになっていますので、まず「被保険者の資格を取得した日」は3月31日になるのです。そして、その日の属する月ですから3月が正解になります。

ついで、被保険者の資格を喪失する月はいつでしょうか?「資格を喪失する日の属する月の前月まで」となっていますから、まず資格を喪失する日が3月31日というのはよいとして、その前月ですので2月ということになります。

つまり、4月1日生まれの人の年金の被保険者期間は、もしもずっと国民年金の第1号被保険者としたら20歳3月から60歳2月までということになります。ややこしいですね。

続きを読む 年金の被保険者期間はいつからいつまで?

年金の種別の変更とは?

国民年金加入者が第1号被保険者、厚生年金が第2号被保険者、専業主婦等が第3号被保険者といいますが、この1号、2号、3号を行ったり来たりすることが、年金では「種別の変更」といいます。

続きを読む 年金の種別の変更とは?

第3号保険料問題と基礎年金拠出金

国民年金の第3号被保険者は保険料を払わくとも国民年金に加入できます。では、その保険料はどこから払われているのでしょうか?カギを握る基礎年金拠出金をご説明します。

自営業(国民年金)の夫の妻は国民年金の保険料を払い、会社員(厚生年金)の夫の妻は国民年金の保険料負担なし。これについて不公平の声もありますし、誤解も多いのが現実です。

国民年金の保険料負担のない会社員の妻は「夫の給料から私の分も払っている」とおっしゃる方もおりますが、果たして本当のところはどうなのでしょうか。答えは基礎年金拠出金の中にありました。なお、ここでは共済年金は省きますが、厚生年金とあるところは共済年金も同様と読み取ってください。

基礎年金拠出金とは?

厚生年金の親玉である政府は毎年度、給付(国民年金の基礎年金)に要する費用のうち第2号被保険者と第3号被保険者の負担分を基礎年金拠出金として負担・納付しています。つまり、年金の1階部分(基礎年金)を支給する費用に充てるため、被保険者個々人に対して「あなたはいくら」「キミはいくら」といように拠出するのではなく、厚生年金をひと塊としてドカッと現金を渡すわけです。誰に??国民年金にです。これもまた親玉は政府ですので、イメージとしては、政府A(国民年金部門)に対して政府B(厚生年金部門)が基礎年金拠出金という財源費用を払うイメージです。

続きを読む 第3号保険料問題と基礎年金拠出金

付加年金の付加保険料は400円

国民年金の第1号被保険者だけが任意では入れる付加年金。付加保険料を400円ずつ払って、65歳からは毎年96,000円(満額の場合)の年金。これってどれだけ得なのでしょうか?

数ある年金のしくみの中でもこの付加年金は特におトク感のある年金です。何しろ付加保険料400円に対して、もらうときは1ヶ月の付加保険料納付期間あたり200円の年金になります。例えば20歳から60歳までもれなく国民年金と付加年金に加入していたとしたら、40年(480月)に400円を掛けて、付加保険料合計は192,000円。これに対してもらえる付加年金は、40年(480月)に200円を掛けて、96,000円。つまり、65歳から国民年金をもらいはじめてたった2年で元が取れる計算です。

本体の国民年金は、元を取るのに約8年掛かりますので、どれだけリターン率がいいかお分かりいただけると思います。ただ、惜しいのは付加年金が1人当り400円しか付加保険料を掛けられないということ。でも、国民年金第1号被保険者なら入らない手はないと思います。

付加年金に加入できる人

付加年金に加入し、付加保険料を払える人は、次に該当しない国民年金の第1号被保険者と65歳未満の任意加入被保険者です。

  1. 65歳以上の特例の任意加入被保険者
  2. 国民年金第2号被保険者
  3. 国民年金第3号被保険者
  4. 国民年金基金の加入員

1は、もともと65歳以上の任意加入被保険者というのは、年金増額目的ではなく、受給権確保目的のためだけに認められたものであり、もらえる年金を増やしたいという付加年金の趣旨とは反するものだからです。2は、厚生年金という2階部分の年金がありますし、付加年金が国民年金独自の制度だと考えると対象外なのは当然です。3は、第3号被保険者が保険料を払わずに国民年金に加入できますので、それ以上の増額までは必要ないということでしょうか。

※第1号被保険者で農業者年金の被保険者は、もともと付加年金に強制加入です。(2007.5.16 一部訂正いたしました)

そして、第1号被保険者で国民年金の加入員の他、付加保険料を納付できない人たちは次の通りです。

  1. 国民年金の法定免除、申請免除、学生免除など、保険料を納付することを免除されている人。
  2. 半額免除等、国民年金の一部の支払いを免除されている人

1と2は、国民年金の保険料を免除しているのに400円だけ払って年金を増額させるというのが不自然なので付加年金対象外。3は、付加年金と同じく将来の年金の増額目的である国民年金基金は、同じ趣旨のものであるため二者択一で選択です。

付加年金は国民年金基金と同時に入ることはできませんので、自営業の社長などでお金に余裕があり、節税対策を考えるのなら国民年金基金を、お金にゆとりはないけれど将来の年金を少しでも増やしたいという方は付加年金に加入するということになるでしょう。

続きを読む 付加年金の付加保険料は400円

国民年金の前納のしくみとは?

国民年金の前納(前払い)をしていた人が、途中で厚生年金に加入したら前納のお金はどうなるの?知前納のしくみについて見ていきます。

前納とは、国民年金の保険料を6ヶ月、または1年単位で前払いすることです。前納することでどれくらい保険料が割安になるかなど、最新情報は社会保険庁等の前納のページでチェックしてください。Googleでもヤフーでも、「前納 年金」と検索すればトップに出てきます。

http://www.sia.go.jp/top/zenwari_jp/index.html

前納して割安になる保険料の額

前納の最大のメリットは国民年金保険料が安くなることですが、具体的には年4分の利率のよる複利原価法によって計算して割り引いた額が、前納で納めるべき保険料の額となります。年平均では、約2.1%の割引となります。

続きを読む 国民年金の前納のしくみとは?

10年前も可!国民年金保険料の追納とは?

「国民年金の保険料を免除したのはいいけれど、将来もらえる年金額が少なくなるなあ」そこで追納制度の利用です。余裕ができた時に国民年金保険料を追納し、通常の国民年金被保険者期間とすることができるのです。

追納なら10年前まで保険料を払える

通常、国民年金を滞納していた場合、時効の関係で2年以内の保険料しか後払いすることができません。しかし、免除制度を利用していた場合の追納制度を利用すれば過去10年前までの国民年金保険料を支払うことができるのです。

追納するかどうかは任意ですが、老齢基礎年金の計算上、学生免除(学生納付特例制度)や、若年者納付猶予制度などの年金額に反映しない免除を除けば免除期間は3分の1しか年金額に反映されません。保険料半額免除期間については保険料納付済期間の3分の2です。

承認の日は、承認の日の属する月前10年以内の期間です。「10年以内」ではないので当月は入りません。国民年金保険料の追納をする場合は、第1号被保険者または第1号被保険者であった者が、国民年金保険料追納申込書に、国民年金手帳を添えて市町村等の窓口で手続をします。

なお、国民年金の保険料半額免除の場合で、その免除以外の半額について保険料を支払っていない場合は、単に滞納・未納となり追納することができません。国民年金の追納制度は、あくまで免除が前提ですので、この場合は時効の2年前までの保険料を支払うのみです。

続きを読む 10年前も可!国民年金保険料の追納とは?

年金の端数処理はどうやるの?

年金の端数処理の方法は、時系列に3つに分けられます。1つ目が計算過程の端数処理、2つ目が年金額確定時点の端数処理、そして3つ目が毎支払期に支払う年金額の端数処理です。

年金の端数処理その1「計算過程の端数処理」

年金給付の額を計算する過程において、50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げることができる。ただし、この規定を適用した場合と、しない場合で計算した年金給付の額に100円を超える差額が生じる場合はこの規定は適用されない。

つまり、計算過程では、1円未満は四捨五入ということです。たとえば厚生年金をもらえる人は次のように計算します。

まず、定額部分と報酬比例部分の計算をしたところ、次のような結果となったとします。

定額部分 712.382円44銭
報酬比例部分 1.342.378円62銭

そこで、両方共に四捨五入しますので、
定額部分が 712.382円
報酬比例部分 1.342.379円
とします。
そして合計 2.054.761円となります。
ここで、ひとまず次の端数処理の説明です。

続きを読む 年金の端数処理はどうやるの?

確定拠出年金の加入が65歳まで可能に

いままで60歳までしか加入できなかった確定拠出年金の加入が、最高で65歳まで延長することが可能になりました。(施行予定は2009年4月)

これは、企業の定年、継続雇用が65歳まで伸びているのに伴う考えです。60歳を過ぎても働き続ける人には確定拠出年金の掛け金を払い続けられるようにしようとするものです。60歳から65歳までのいつまで確定拠出年金に加入し続けるかは任意になる模様です。

続きを読む 確定拠出年金の加入が65歳まで可能に

年金記録の訂正が24万人分も

最近は年金の支給漏れ関連のニュースが多いわけですが、今回のニュースは年金の納付記録の訂正です。これは、これから年金をもらう人も、すでにもらっている人も、かなり多くの方が行わなければならない手続きです。

2006年(平成18年)8月からの半年間。全国の社会保険事務所で年金記録にからむ相談をした180万人中、なんと24万人に基礎年金番号に統一されていない年金記録があったことが判明しました。

しかし、これは氷山の一角。社会保険庁には持ち主の分からない年金記録が5000万件あることがすでにわかっており、団塊世代の方の年金受給に伴い、同様の納付記録の訂正はますます増えてくると思います。

続きを読む 年金記録の訂正が24万人分も

年金の支給期間はややこしい!月or翌月?

ややこしい年金の支払期間や支払い期月。年金の支給期間(支給停止期間も含む)は月の翌月から月までです。ちなみに被保険者期間は月から月の前月まで。保険料免除期間は月の前月から月までです。

年金の支給期間(開始)

「年金をもらえるのはいつからか?年金をもらえるとしになったけれど、何月からもらえるのか。」いざ年金をもらう時になると、最初の年金受給が楽しみになります。いったい年金の支給期間はいつからいつまでなのでしょうか。

国民年金法18条(厚生年金36条と同様)の条文を見てみますと、年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終わるものとする。と書いてあります。

つまり、月の翌月から月までということで、例えば国民年金の老齢基礎年金をもらえる人が65歳の誕生日が5月5日とすると、「5月の翌月」である6月から年金の支給が開始されます。そして、実際に年金を手にできるのは、8月15日(数日前後することもあり)ということになります。なぜなら年金は、偶数月の2月・4月・6月・8月・10月・12月の15日に支給されるのが原則で、それぞれ前2か月分が支払いの対象だからです。8月15日に振り込まれる年金は、6月と7月の分が対象ということです。

ただし・・・
これは、65歳までの年金(特別支給の老齢厚生年金)をもらっている人が、65歳前に裁定請求書(はがき)を出して65歳から国民年金(+65歳以降の厚生年金)をもらうときの話。

年金をもらうのが初めてという場合には、裁定請求(裁定請求書の受付は誕生日の前日以降可)に2~3ヶ月ほど時間が掛かるため、その分実際の支払い(振込)が遅れることになります。(初回の支払い月は奇数月になる場合もある。遅れた分もらえる年金額が少なくなるということはない。)

関連:65歳からの年金は何月からもらえる?

年金の支給期間(終了)

年金給付の支給は「月の翌月から月」までということですから、老齢年金の場合死亡した時に老齢基礎年金の受給権を喪失します。例えば80歳の8月5日に死亡してしまった場合は、8月分まで年金が支払われることになります。「本人が亡くなっているのに亡くなった月の分はどうなるの?」と思われるかもしれませんが、これは未支給の年金として、亡くなった人の遺族が受け取ることができます。

続きを読む 年金の支給期間はややこしい!月or翌月?

年金の免除はどうして月の前月から月まで?

国民年金の免除申請に行き、免除が認められると申請した月の前月から月まで免除が行われることになります。でも、どうして月の前月からなのでしょうか?

国民年金の免除申請をした月が10月20日だとします。そして、免除申請が承認されると、免除の期間は9月からとなります。これは、国民年金の納付期限が翌月末日ということと関係しています。

続きを読む 年金の免除はどうして月の前月から月まで?

年金支給月はどうなっているの?

年金支給は、年に6回偶数月です。年金支給月は毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月で、前2月分が支払われますが、年金の請求が遅れた時や支給停止のときは、次のようになっています。

前支払期月に支払うべきであった年金は

65歳をとっくに過ぎているのに年金の請求をしていなかった時、または障害年金の最低請求の手続が遅れ、受給権は3月だったのに11月に裁定された場合などの時は、裁定後の直近の年金支払月を待たずに、裁定前に経過してしまっていた分の年金を裁定が済み次第支払われます。

例えば10月に裁定されたときは、本来ならば12月15日に現実の年金支払いが始まりますが、11月に経過分の年金が支給されることもあるということです。

続きを読む 年金支給月はどうなっているの?

未支給年金とは?

年金の受給権者が死亡した時に出てくるのが「未支給年金」の話です。本来、死亡した人に支払われるはずだった年金は、一定の遺族が自分の名前で請求することができます。未支給年金を受給できるのは、次の人たちです。

未支給年金を請求できる遺族

たとえば老齢年金の受給権者の人が4月に亡くなった場合、4月まで老齢年金をもらう権利を持ちつつも、死亡してしまったためにその分の年金を受け取ることができません。そこで、死亡した受給権者に変わって、次の遺族が本来死亡者に支払われるはずであった未支給年金を、自分の名前で請求することができるのです。

  1. 配偶者
  2. 子供
  3. 父母
  4. 祖父母
  5. 兄弟姉妹

未支給年金と生計の同一

全員に共通する条件は、受給権者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていたという事実が必要です。請求者と死亡者の世帯が異なるときは、未支給年金を請求する遺族が死亡者と生計を同じくしていたという証明を町内会長、事業主、家主などの第三者からとり、生計同一申立書を提出します。

続きを読む 未支給年金とは?

年齢だけで受給資格期間(25年)が短くなる人とは?

年金の受給資格期間は、通常25年が原則ですが、昭和5年4月1日以前に生まれた人の場合は必ずしも25年の受給資格期間がなくても年金がもらえます。

昭和5年4月1日以前生まれの特例

年金を受け取るには、最低条件として受給資格期間が25年なくてはなりません。受給資格期間は、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間とを合計して計算しますが、昭和5年4月1日以前生まれの人たちは例外として、次の受給資格期間があれば、年金の受給資格を得ることができます。

  • 大正15年4月2日から昭和2年4月1日までの間に生まれた者=21年
  • 昭和2年4月2日から昭和3年4月1日までの間に生まれた者=22年
  • 昭和3年4月2日から昭和4年4月1日までの間に生まれた者=23年
  • 昭和4年4月2日から昭和5年4月1日までの間に生まれた者=24年

なぜ受給資格期間が25年でなくていいの?

原則25年の受給資格期間なのに、この生年月日の人だけが25年なくてもいいというのは、何も知らないと不公平に感じてしまいます。そこで、その訳をご説明しますと、この年代の人たちは、生まれた時にすでにある程度の年齢になっていた人たちなのです。

国民年金が誕生したのが昭和36年4月1日ですので、昭和5年4月1日以前生まれの人は、すでに31歳以上になっています。60歳まで29年しかありませんので、その中で25年の受給資格期間を満たすというのは困難という他ありません。

そこで、受給資格期間の特例をみてもわかるように、60歳まで残されている期間に5年の猶予を持たしたものを受給資格期間としたのです。

続きを読む 年齢だけで受給資格期間(25年)が短くなる人とは?

厚生年金20年加入で年金受給の特例とは?

昭和31年4月1日以前にまれの人は、厚生年金や共済年金、またはその加入合計が20年~24年で、年金の受給資格を満たしたものとみなされます。(通常は25年の受給資格期間が必要です)

厚生年金など20年(~24年)に加算されるもの

  1. 厚生年金保険の被保険者期間(会社員)
  2. 共済年金の組合員期間(公務員)
  3. 私立学校教職員共済法の加入者期間

上記の期間または、それを合算した期間が、生年月日に応じて次の受給資格期間の特例の期間にあてはまれば、老齢年金を受給することができるようになります。

厚生年金等期間のみの受給資格の特例の期間

  • 昭和27年4月1日以前生まれ=20年
  • 昭和27年4月2日~昭和28年4月1日生まれ=21年
  • 昭和28年4月2日~昭和29年4月1日生まれ=22年
  • 昭和29年4月2日~昭和30年4月1日生まれ=23年
  • 昭和30年4月2日~昭和31年4月1日生まれ=24年

続きを読む 厚生年金20年加入で年金受給の特例とは?

厚生年金の中高齢の特例とは?

厚生年金の中高齢の特例とは、厚生年金に男性40歳以降、女性35歳以降に15年~19年加入していれば、それだけで年金の受給資格を満たすこととする特例です。

厚生年金中高齢の特例対象生年月日

  • 昭和22年4月1日以前に生まれ=15年
  • 昭和22年4月1日~昭和23年4月1日生まれ=16年
  • 昭和23年4月1日~昭和24年4月1日生まれ=17年
  • 昭和24年4月1日~昭和25年4月1日生まれ=18年
  • 昭和25年4月1日~昭和26年4月1日生まれ=19年

厚生年金の中高齢の特例は、旧厚生年金法のなごりで、この経過措置を経た後は廃止されるものです。昭和61年の年金法律改正前は、厚生年金に男性40歳以降、女性35歳以降に15年入っていれば年金をもらえるというしくみだったもので、このしくみの廃止のために20年に引き上げることとしたのです。

なぜ20年かというと、20年から25年に引き上げるのは被用者年金(厚生年金や共済年金のこと)の特例において任せられるからです。被用者年金の特例は、昭和31年4月1日以前生まれの人が対象ですが、この厚生年金の中高齢の特例とあわせて昭和22年4月2日生まれから昭和31年4月1日生まれまで、16年~24年の引き上げを順々に行うことができるのです。

続きを読む 厚生年金の中高齢の特例とは?

船員・坑内員の受給資格期間の特例とは?

船員や坑内員だった人の年金は、一定の要件によって、年金の受給資格期間が25年なくても年金の受給資格を得られることになっています。また、受給資格期間を見る際の被保険者期間にも割り増しの特例があります。

船員・坑内員の受給資格期間の特例

35歳に達した月以降の船員や坑内員で働いた期間のうち、旧厚生年金の第3種被保険者であった期間と、船員任意継続被保険者としての厚生年金保険の被保険者期間が、生年月日に応じて定める次の期間であれば、年金の受給資格を満たしたものとみなされます。

ただし、10年以上は船員任意継続被保険者としての厚生年金保険の被保険者期間以外の被保険者期間でなければなりません。

  • 昭和22年4月1日以前に生まれた者=15年
  • 昭和22年4月1日から昭和23年4月1日までの間に生まれた者=16年
  • 昭和23年4月1日から昭和24年4月1日までの間に生まれた者=17年
  • 昭和24年4月1日から昭和25年4月1日までの間に生まれた者=18年
  • 昭和25年4月1日から昭和26年4月1日までの間に生まれた者=19年

あくまで厚生年金の船員・坑内員です

この特例は、あくまで厚生年金の第3種被保険者としての船員・坑内員期間が対象です。表は厚生年金の中高齢の特例と同じです。

旧厚生年金保険法では、35歳以上の第3種被保険者(厚生年金の船員・坑内員)期間が15年以上ならば老齢年金が支給されるとされていたわけですが、これは、船員・坑内員という仕事が50歳でリタイアすることを想定していたものとされています。確かに労働環境は厳しいですよね。

続きを読む 船員・坑内員の受給資格期間の特例とは?

元軍属等の「旧令共済組合の特例」とは?

旧令共済組合の特例は、原則25年の年金の受給資格がない人が、戦時中の陸軍軍属など「旧令共済組合」の期間を受給資格期間に合算できるというものです。

「旧令共済組合の特例」の該当条件

旧令共済組合の特例は、国民年金第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が1年以上であり、かつ、旧陸軍共済組合等旧令共済組合の組合員であった期間を合算した期間が25年(昭和5年4月1日以前生まれの24年~21年の特例あり)以上である者が、65歳に達した時は、老齢年金が支給される。

この老齢年金の額は、第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間および保険料免除期間について計算した額とする。

続きを読む 元軍属等の「旧令共済組合の特例」とは?

厚生年金増額対策まとめ厚生年金繰り下げ受給加給年金中高齢の特例60歳台前半の特例定時決定育児休業
退職改定任意単独被保険者高齢任意加入被保険者在職老齢年金3歳未満の養育特例
国民年金増額対策まとめ任意加入被保険者国民年金繰り下げ受給保険料免除制度国民年金基金時効の2年間
前払制度(保険料前納)会社員(厚生年金加入)付加年金第3号被保険者
年金Q&A公的年金制度と年金問題老後の年金生活の実態よくある年金の勘違い年金と税金
年金、ここが損得の分れ目国民年金の保険料国民年金保険料の免除厚生年金の保険料
年金の受給全般老齢基礎年金の受給老齢厚生年金の受給加給年金の受給寡婦年金
厚生年金保険への加入国民年金への加入年金の任意加入離婚時の年金分割
遺族厚生年金 遺族基礎年金中高齢寡婦加算在職老齢年金QA国民年金基金QA
年金の手続きその他年金受給者の手続き裁定請求書の書き方と留意点年金相談事例厚生年金の受給開始年齢
年金読書録(年金、年金生活、社会保障関連の本)消えた年金記録とは?プライバシーポリシー