ねんきん特別便とは、「国が調べた宙に浮いた年金の中で、あなたの年金である可能性が高いものが見つかりましたよ」という注意喚起のための通知です。(平成19年12月から3月までのねんきん特別便のこと。)4月~10月までのねんきん特別便は「該当しそうな宙に浮いた年金はありませんでしたが、念のため確認して下さいね」という意味合いのものです。
「ねんきん特別便」は誰に送られるもの?
「ねんきん特別便」は、すでに年金を受給している人と、年金の現役加入者すべての人に、1人1回に限り送付される通知物です。宙に浮いた年金記録5000万件のうち基礎年金番号と結びつく可能性が高い人に対しても、そうでない人に対しても「ねんきん特別便」が送付されることにっています。
「ねんきん特別便」は、いつ送られてくるの?
ねんきん特別便の送付時期は、「1.基礎年金番号に統合される可能性の高い年金記録がみつかったかどうか」「2.あなたが年金受給者か年金の現役加入者か」という違いによって、次のようになっています。
「1」の方のねんきん特別便
国の調査において、基礎年金番号に統合される可能性の高い年金記録がみつかった場合における当該対象者へ送付されるねんきん特別便は、2007年(平成19年)12月から2008年(平成20年)3月のいずれかの時期に送付されることになっています。
送付される順番は、まず宙に浮いたオンライン上にある「5000万件」の年金記録の中から「氏名・性別・生年月日」の3件で検索(1次名寄せ)して、完全一致もしくはほぼ完全一致した年金記録の対象者に対してねんきん特別便の送付を行います。
そして、条件を広げて検索(2次名寄せ)した、比較的精度の下がる年金記録の対象者に対してして順次ねんきん特別便の送付するとされています。
「2」の方のねんきん特別便
【すでに年金受給している人】
2008年(平成20年)4月から5月までにねんきん特別便が送付されることになっています。
【年金の現役加入者】
2008年(平成20年)6月から10月までにねんきん特別便が送付されることになっています。
「ねんきん特別便」はどんな中身なの?
ねんきん特別便の内容物は次の通りです。
- 年金記録のお知らせ
- 「年金加入記録照会票」「確認ハガキ」
- 返信用封筒
- パンフレット
「年金記録のお知らせ」に書かれている年金加入記録のうち、太枠で囲まれた各項目は次の通りです。
- 2.番号
- 3.加入制度
- 4.お勤め先の名称または共済組合名等
- 5.資格取得年月日
- 6.資格喪失年月日
- 7.加入月数
なお、記載される年金記録は、すでに基礎年金番号に統合されているものであり、新たに見つかった基礎年金番号に結びつく可能性のある具体的データが通知されるわけではないことに注意を要します。
「ねんきん特別便」の実際の資料は?
社会保険庁のホームページに「ねんきん特別便」の下記のようなPDF資料があります。案の段階のものですが参考としては十分です。
ねんきん特別便が届いたらどうすればいいの?
年金記録が結びつくと思われる場合
国の調査によって年金記録が基礎年金番号に結びつく可能性のある人に送付されるねんきん特別便(2007年12月~2008年3月を予定)には、「確認はがき」「年金加入記録照会票」が同封されます。
加入記録に訂正がない場合には、「確認はがき」を社会保険業務センターに返送し、加入記録に訂正がある人は「年金加入記録照会票」に事業所名・加入期間・年金手帳の記号番号等を記入の上、社会保険業務センターに返送します。
また、その前には2007年12月に設置される「ねんきん特別便専用ダイヤル」に電話して相談することもできます。
年金記録が結びつかないと思われる場合
国が調べた5000万件の宙に浮いた年金記録の中に該当する年金記録が無く、基礎年金番号に結びつくであろう年金記録が無い場合における対象者への送付物には、「確認はがき」「年金加入記録照会票」は同封されません。(※)
(※平成19年9月5日「第5回社会保障審議会年金部会」資料の「年金記録適正化実施工程表(平成19年8月厚生労働省)のポイント」の中の『記録が結びつくと思われる方には「確認はがき」「年金加入記録照会票」をあわせて送付』というところから判断)
とはいえ、年金加入記録を確認して合点のいかない点があれば「ねんきん特別便専用ダイヤル」(「ねんきんあんしんダイヤル」も可能)に電話して相談することや、社会保険事務所・年金相談センター・巡回相談を活用するなどの対応は必要です。
なぜ「ねんきん特別便」には未統合の年金記録が記載されないの?
先述の通り、ねんきん特別便には、どの部分が基礎年金番号に結びつく可能性のある年金記録なのかという情報は記されていません。
これは、「1.コンピュータから検索した抽出結果が別人である可能性もあり、その場合なりすましも可能となる」「2.個人情報の漏えいになりかねない」等の理由があるためです。
ただ、社会保険事務所で照会すれば『頭文字「あ」の付く会社』『東京都の会社』『期間』といった情報を示してもらえます。ねんきん特別便はあくまで「注意喚起のためのお知らせ」・・・ですね。
ねんきん特別便の問題点・注意点
まず、ねんきん特別便の問題点としては「厚生年金の標準報酬月額」が表示されていないことが上げられます。つまり、過去のお給料の記録です。
年金記録の訂正においては、単に年金記録が統合できるかどうかという問題だけではなく、その年金記録が正しく管理されているかということも重要な問題です。
厚生年金に加入して働いていた年金記録が、本来30万円で働いていて、それに見合う保険料を支払ってきていたのに、実際には10万円で登録されていた・・・というようなことも実際に起きています。
これは、過去に勤めていた時の標準報酬月額を社会保険事務所で出してもらう必要があります。(「被保険者記録照会回答票(資格画面)」にて確認)
そして、何もねんきん特別便に限らない話ですが、注意点としては「年金記録の統合により年金が減る場合がある」ということも知っておく必要があります。
- 新たな厚生年金加入期間の追加により、加給年金または振替加算が支給停止になる。
- 元々間違えていた資格取得・資格喪失記録だったものが、正しく訂正されることにより年金が減額となる。
- 他人の年金記録が入り込んでいたものが正しい年金記録に訂正され、年金が減額となる。
- 給料の低い時代の年金記録が統合されたことにより、遺族厚生年金・障害厚生年金等において平均標準報酬月額が低下して年金額が低下する。
ねんきん特別便とは?
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