国民年金基金

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国民年金増額対策その5「国民年金基金」

国民年金基金は国民年金の第1号被保険者だけが掛けられます。
国民年金の第2号、第3号の方は国民年金基金の対象外です。

また、付加年金か国民年金基金(以下"基金"と略)との選択となり、基金の場合、 「会社勤めを始めた」「他府県に引っ越した」「職業を変えた」など一定の基準以外に自分の都合では国民年金基金を脱退できません。 ただし支払いが厳しくなったときは国民年金基金の掛け金の減額や一時中断ができます。 国民年金基金の特徴を記してみると次のようになります。

1. 掛け金の支払いは20歳から60歳まで、いつでも国民年金基金に任意に加入できる。

例えばあまりに国民年金基金への加入が遅いと満足な年金額になりませんが、 国民年金基金には59歳と11ヶ月目に加入することもできます。

国民年金基金の掛け金最高限度額は原則1月68000円ですのでどんなに頑張っても 年金1万円に満たないことになりますが、いつでも入れることが分かっていただければOKです。

2.国民年金基金の掛け金は男女、年齢ごとに詳細に決まっている。

なぜ男女かというと、平均寿命が違うからです。 掛け金は若干女性の方が高くなっています。 また、年齢ごとに決まっているのは20歳近くに国民年金基金に入った人は細く長く、 60歳近くで国民年金基金に入った人は太く短く掛け、なるべく掛け金総額の均衡を図る為です。 もちろん総額でみたら細く長く掛けていた方が少なくなっています。

これは利息のような考え方と、突然亡くなったりするリスク、経済変動などに対するリスク、その他先に払う方が当然リスクが高いと考えられるからだと思われます。

3.国民年金基金の掛け金は自分で選べる。

国民年金基金の掛け金は一律ではなく、口数を選ぶことができます。 1口目は割高で2口目以降はお手頃な掛け金金額となっています。 今いくらくらい負担できるのか、将来いくらくらい欲しいのかを考慮に入れて自分で決められるのです。

4.国民年金基金の2口目以降は期間確定年金と生涯年金を選べ、組み合わせてもよい。

期間確定年金の方は65歳から10年間、15年間と2つのタイプがあり、期間限定の分加算が付きます。 また、その間に死亡したら遺族一時金が出ます。 1口目は生涯年金ですが、80歳までの死亡保障をつけるかどうかを選べ、 それによって国民年金基金の掛け金も2タイプに分かれます。

5.死亡保障期間のある年金を選択した場合、年金受給前においても国民年金基金から遺族一時金が出ます。

例えば35歳に1口目を死亡保障のある年金を選んだ場合、 45歳時の死亡で約153万円。 55歳時の死亡で約335万円。 65歳時の死亡で約475万円。

このように、国民年金基金の加入期間と掛け金金額によって遺族(①配偶者②子③父母④孫⑤祖父母または兄弟姉妹の順)に支給されます。 つまり国民年金基金の掛け捨て防止になるわけです。

6.途中で国民年金基金の掛け金の変更ができる。

長い人生の変動にも対応できるように、加入口数を増やしたり減らしたり変更できます。 厚生年金の場合のように、給料が減ってもなお変わらぬ率で天引きされるのとは違い、この点は優れているといえます。

7.国民年金基金は税制上有利な私的年金です。

国民年金と同じく国民年金基金の掛け金が社会保険料控除になり、その結果所得税や住民税の軽減につながります。 また、国民年金基金から支給される年金は、公的年金等控除の対象となります。さらに遺族が受ける遺族一時金は非課税です。 民間の私的年金ではそうはいきません。

仮に20歳の女性が60歳まで国民年金基金に加入するケースで計算してみるとします。 データは東京都の国民年金基金、平成16年4月改訂版のものを使用。 なるべく国民年金と同じ額にして比較する為に、死亡保障なしの生涯年金を選択します。 必須の1口目と、選択の2口目ともにそれを選択すると 1口目=月10,185円、2口目=月3,395円、合計月13580円になります。 年金の内訳は、1口目は3万円×12月で固定。 2口目以降は1口につき1万円×12月が加算されていきます。

年金を増やしたいときはこの2口目を増やしていけばいいわけです。 このケースで言えば、13580円を60歳まで毎月支払い、65歳からは1月につき4万円が国民年金の額に加算されます。 国民年金も満額出るとすると、この方は1月約66000円+4万円=約106000円が受け取れます。

支出は国民年金+基金で合計して月26880円ですから40年で12,902,400円 年金がこの額に達するのは約121月=約10年 75歳のときにプラスマイナス0になります。 日本の女性の平均寿命は2003年度で85,33歳ですから2人に1人は10年間多めに年金をもらえる計算になります。

年金の意義や役割は損得だけでは語れないにも関わらず、しっかりプラスになっています。 単なる損得で、何歳で元が取れるかという話で言えば国民年金より少し劣りますが、それでもしっかりと安心できる制度だと思います。 ある程度の収入があり、経済的余裕のある方でしたら国民年金基金を。 そうでない方は付加年金で年金額を増やしてみてはいかがでしょうか。