厚生年金・国民年金情報通厚生年金・国民年金増額対策室

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2008年06月厚生年金・国民年金情報通 一覧

厚生年金の標準的見通しを現在の値でみると

平成19年11月21日の第6回社会保障審議会年金部会の資料4「厚生年金の標準的な年金額(夫婦2人の基礎年金額を含む)の見通し【生年度別、65歳時点】-暫定試算(厚生労働省サイトPDFファイル)」には、(生年月日ごとに)将来向かえる65歳時点の年金額と所得代替率が表に記されています。

前提は経済が好調な時期と不調な時期の2つの時期、そして出生率の高・中・低の計6通りに分けられ、表中の数字は年金をもらうのが将来になるほど年金額が大きくなるという結果になっています。これは、物価の上昇に伴う名目的な年金額の上昇ということで、生活水準という点で言えばカッコ内に記されている所得代替率の方が将来の年金のレベルを想像しやすいような気がします。

そこで、将来の見通しである所得代替率を、「将来」の現役世代の所得ではなく「現在」の所得で計算するとどうなるかをざっくり計算してみようと思います。

所得代替率

所得代替率とは、現役世代の人たちが賃金としてもらう給与・賞与の所得合計に対する年金額の割合のことを言います。

政府は、年金100年安心プランなどでは所得代替率が「50%」を超えることをアピールしていました。しかし、年金支給開始時点で50%を超える所得代替率であっても時間の経過と共に50%を下ることがあること、および現在の若い人は、将来の支給開始時点でさえも50%を上回らないことが濃厚であるために、若い人を中心に不満の声も聞かれます。

また、ここで言う年金が夫が40年間サラリーマンで平均所得を得て、その期間すべて妻がいる(専業主婦)としたときの『夫』の厚生年金+国民年金(基礎年金)+『妻』の国民年金(基礎年金)を合計したものだという、あまりにも理想的なケースを年金のモデルとしていることにも、若干の疑問が残ります。

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地域別最低賃金はいくらか

パートや派遣、嘱託など雇用形態に関係なく、その賃金は都道府県ごとに定められた最低賃金(地域別産業賃金)を下回らないように定められています。(業種によっては地域別最低賃金を上回る水準が設定されている産業別最低賃金が適用)

地域別最低賃金は毎年10月頃に改定されて適用されるものですが、参考までに平成19年10月改定の地域別最低賃金を記しておきます。

※GoogleやYahooで「地域別最低賃金」と検索すれば、厚生労働省の最新の地域別最低賃金と産業別最低賃金が一覧できます。

平成19年10月改定の地域別最低賃金(時間額)

平成19年10月(日にちは一律ではない)に改定された全国都道府県の地域別最低賃金(時間額)は次のようになっています。※次回(平成20年10月頃)改定まで効力。

  • 北海道=654円
  • 青森県=619円
  • 岩手県=619円
  • 宮城県=639円
  • 秋田県=618円
  • 山形県=620円
  • 福島県=629円
  • 茨城県=665円
  • 栃木県=671円
  • 群馬県=664円
  • 埼玉県=702円
  • 千葉県=706円
  • 東京都=739円
  • 神奈川県=736円
  • 新潟県=657円
  • 富山県=666円
  • 石川県=662円
  • 福井県=659円
  • 山梨県=665円
  • 長野県=669円
  • 岐阜県=685円
  • 静岡県=697円
  • 愛知県=714円
  • 三重県=689円
  • 滋賀県=677円
  • 京都府=700円
  • 大阪府=731円
  • 兵庫県=697円
  • 奈良県=667円
  • 和歌山県=662円
  • 鳥取県=621円
  • 島根県=621円
  • 岡山県=658円
  • 広島県=669円
  • 山口県=657円
  • 徳島県=625円
  • 香川県=640円
  • 愛媛県=623円
  • 高知県=622円
  • 福岡県=663円
  • 佐賀県=619円
  • 長崎県=619円
  • 熊本県=620円
  • 大分県=620円
  • 宮崎県=619円
  • 鹿児島県=619円
  • 沖縄県=618円

地域別最低賃金は時間額

地域別最低賃金は時間額での定めとなるため、日給で働いているような場合には、これを1時間あたりの金額に換算して比較することになります。

例えば北海道の会社で働く田中さんが、日給5,000円、1日の所定労働時間7時間30分で働いているとします。

この場合、「日給額÷1日の所定労働時間」を計算し、1時間あたりの賃金を北海道の地域別最低賃金(654円)と照らし合わせます。

5,000円÷7.5時間≒666円66銭>654円
(最低賃金を上回っている)

ところが、同じ条件でも東京の会社で働いているとすると、
東京都の地域別最低賃金は739円なので、

5,000円÷7.5時間≒666円66銭<739円
(最低賃金を下回っている)

となります。

【月給製の場合は?】

月給制の場合も時間に換算する考え方は同じです。

・月給12万円
・所定労働時間1日8時間
・年間所定労働日数250日
だとすると、

月給12万円×12か月/年間所定労働日数250日×1日8時間
=144万円/2000時間
=720円

これも上の例で言えば、北海道(最低賃金654円)ならセーフですが、東京(最低賃金739円)ならばアウトになります。

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企業の年金負担と雇用への影響

  • 1位 「非正規雇用、請負形態等への切替」:62.1%
  • 2位 「賃金調整を行なう」:47.7%
  • 3位 「従業員の調整を行なう」:41.2%

これは、社会保険料負担が一定程度上昇した時に企業がどのような行動をとるかというものを示したものです。(経済産業省が2004年に行なったアンケート結果の一部(中堅・中小企業の回答)から)

現役世代が、比較的収入の少ない派遣社員やパートばかりになってしまえば、社会保険を支柱がぐらつき、将来無年金・低年金の人が増えれば生活保護など社会保障費が増大する可能性もあります。

しかし、厚生年金の保険料は2017年度には18.30%になることが決まっており(2004年9月までの13.58%と比較すると4.72%の引き上げ)、原油資源等コスト高・消費冷え込みなど企業をとりまく外部環境の悪化とあいまって、特に体力のない中小企業においては雇用環境がますます悪化することは必至です。

ここでは、経済産業省「企業活動と公的負担に関する緊急調査について(平成16年10月)」(PDFファイル)の中から中堅・中小企業のアンケート結果を抜粋し、社会保険料が企業に与える影響等をみていきます。

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「国民医療費2025年推計」94年予測から2倍以上の開き

2008年6月20日の日刊ゲンダイには「『医療費将来推計』の大ウソ-14年前には141兆円の予測がいまじゃ56兆円と3分の1に」という記事が掲載されていました。

年金よりも難しいとされる国民医療費の将来予測ですが、その結果は医療費削減はもちろん、消費税増税論議の前提となるものですので、あまりに現実離れをした予測は困りものです。

過去の2025年国民医療費将来見通し

過去に公表された2025年の国民医療費の将来見通しは次のようになっています。

  • 平成6年(1994年)3月公表『141兆円』・・・「社会保障に係る給付と負担の将来見通し(試算)(21世紀福祉ビジョン)」
  • 平成9年(1997年)公表『104兆円
  • 平成12年(2000年)10月公表『81兆円』・・・「社会保障の給付と負担の見通し」
  • 平成18年(2006年)1月公表『65兆円』・・・「社会保障の給付と負担の見通し」

なお、日刊ゲンダイの文中の「最新の2006年の推計では56兆円」については、「医療制度改革を実行すると56兆円まで医療費を抑制できる」という数字を持ってきているのだと思われますが、詳細は不明です。他に「自己負担金などを除く医療給付費として見ると56兆円になる」という話もあります。

(2006年公表の「社会保障の給付と負担の見通し」の2025年医療費推計『65兆円』でも97年の141兆円とは2倍以上もの差があります。)

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保険料格安『ネット生保』誕生で広がる保険の選択肢

店舗や販売員を持たずに、ホームページを中心に保険の「申込み~審査~契約」の一連の流れを行なう新しい形の生命保険会社2社「SBIアクサ生命保険(2008年4月7日開業)」「ライフネット生命(2008年5月18日)」が誕生しました。

NHKのBS1『開業相次ぐネット生保』(2008年5月23日)や、日経新聞-SUNDAY NIKKEI『申し込み簡単、商品は単純 ネット生保本当にお得?』(2008年6月22日)など、たびたびマスコミにも取り上げられるネット生保2社ですが、日経新聞における既存生保各社との比較では、

  • 死亡保険(死亡した時に保険金を支払うもの)=安い
  • 医療保険(病気などに備えるもの)=一概に安いとは言えない

という結果になっていました。
医療保険については、過去の加入者データを蓄積している既存生保は保険料を下げやすい・・・ということです。

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市区町村別「平均寿命」と年金生活の長さ

厚生労働省の平成17年市区町村別生命表の概況「第2表 市区町村別平均寿命(上位・下位30市区町村)」)によると、平均寿命の最も長い市区町村と平均寿命の最も短い市区町村との差は、男性が8.6年(81.7歳~73.1歳)、女性が6.5年(89.3歳~82.8歳)となっています。

また、年金生活の長さを知る上で、より参考になりそうなのが平成12年市区町村別生命表の概況「表3 市区町村別65歳平均余命上位・下位30市区町村」(最下部)で、こちらには市区町村別65歳からの平均余命の上位・下位30が示されており、65歳からの平均余命の最も長い市区町村と平均寿命の最も短い市区町村との差は、男性が5.4年(20.3歳~14.9歳)、女性が7.1年(27.2歳~20.1歳)となっています。

おおむね65歳からの年金生活。
長生きするなら田舎暮らしか都会暮らしか??

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