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2009年06月厚生年金・国民年金情報通 一覧

年金「100年安心」発言録

『政府といたしましては「100年安心」と謳ったことはありませんが・・・』

2009年3月31日の衆議院本会議における舛添厚生労働大臣の発言で、一過性ながらも再び「100年安心」という言葉がクローズアップされました。

年金「100年安心」は、与党が2004年の年金法改正時において喧伝してきたことで、その意味は、100年後であっても現役の平均手取り収入の50%の年金給付水準を確保するというものです。

今でこそ「100年安心」と発言する与党議員はいなくなりましたが、当時の厚生労働大臣、厚生労働副大臣は確かに「100年安心」あるいはそれに準ずる発言をしていました。(あるいは慎重、否定的な発言も)

このページでは、その「100年安心」発言をピックアップし、改めて再確認してみようと思います。

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若者単身の厚生年金 実質1倍以下(平成21年財政検証)

2009年5月26日、厚生労働省は「平成21年財政検証の試算結果」
を公表しました。

平成21年財政検証関連資料(1)
-年金制度における世代間の給付と負担の関係等-(PDF:4.80MB)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0526-6e.pdf

その8ページ「試算の詳細:世代ごとの保険料負担額と年金給付額」
には、厚生年金と国民年金のそれぞれの試算結果が掲載されており、
それを見ると若い世代ほど厳しい試算結果となっていることがわかります。
(ここでは、厚生年金に絞って話を進めていきます。)

新聞等でおなじみの厚生年金試算結果の表

まず、上記資料元より、新聞等でよく見られた下記表をご覧ください。
厚生年金のみの試算結果で、10歳ごとの掲載となっています。

2010年の年齢保険料負担額年金給付額年金給付額/保険料負担額(倍)
70歳
(1940年生まれ)
900万円5,600万円6.5倍
60歳
(1950年生まれ)
1,200万円4,700万円3.9倍
50歳
(1960年生まれ)
1,800万円5,100万円2.9倍
40歳
(1970年生まれ)
2,400万円5,900万円2.5倍
30歳
(1980年生まれ)
3,000万円7,000万円2.3倍
20歳
(1990年生まれ)
3,600万円8,300万円2.3倍
10歳
(2000年生まれ)
4,200万円9,700万円2.3倍
0歳
(2010年生まれ)
4,900万円11,200万円2.3倍
保険料負担額及び年金給付額については、65歳時点の価格に換算したもので、物価上昇率で平成21年度時点の現在価値で割り引いたもの。

さて、この表ですが、新聞等を読み込まずにパッと見た場合、一見すると平均的収入の会社員1人の厚生年金の収支が書かれたものと思ってしまうかもしれませんが、実は違います。

よく登場する『50.1%』という所得代替率の話と同じように、この表でも、いわゆる「モデル世帯」における厚生年金の負担額と給付額が示されているのです。次の表をご覧ください。

負担厚生年金保険料なし
給付1.夫の厚生年金(2階部分)
2.夫の国民年金(1階部分)
3.妻の国民年金(1階部分)
4.妻の遺族厚生年金
【計算の前提(上記資料元8ページ)】
(1)加入歴
同年齢夫婦で、夫は20歳から60歳まで厚生年金に加入し、(年齢別報酬月額は平成21年財政検証での標準報酬指数より算出。平均標準報酬月額42.9万円)) 妻はその間専業主婦(昭和61年度からは20歳以上ならば第3号被保険者、それ以前は国民年金に任意加入していない)。
(2)受給期間
男女各々60歳時点の平均余命(過去分は完全生命表、将来分は日本の将来推計人口(平成18年12月推計)における将来生命表の60歳時平均余命。 国民年金は平均余命の男女平均。)まで生存、厚生年金の場合、夫婦の老齢基礎年金、夫の死後妻が受給する遺族厚生年金も含めて計算。

『負担額』は夫1人分(厚生年金保険料)だけで、妻は第3号被保険者として国民年金保険料負担なし。

一方、『給付額』には夫と妻の2人分の基礎年金(国民年金)、夫自身の厚生年金(2階部分)、さらに夫が死亡した後、妻が受給する遺族厚生年金(※)までもが含まれているのです。

※日本人の平均寿命は、女性が男性よりも7歳くらい長生きであり、60歳時点の平均余命で見ても5歳くらいの開きがあることから、夫婦同い年のモデル世帯で見ると、妻がおよそ5年分の遺族厚生年金を受給することになるのです。

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分子にだけ含まれる所得代替率の『税金・社会保険料』

『所得代替率50%確保!』

平成16年財政再計算の時も、平成21年財政検証においても、政府は「所得代替率50%」(もらい始めた時点の年金)を年金給付水準の守るべきラインとして位置づけているのですが、そもそも所得代替率とは何を意味しているのでしょうか。

【所得代替率の計算式】

所得代替率 = 名目年金給付額
(税と社会保険料を差し引く前の給付額)
可処分所得
(税と社会保険料を差し引いた後の所得)

所得代替率は、現役世代の平均手取り収入(可処分所得)に対して、高齢者が受給できる年金額(名目年金給付額)の割合を示していますが、「税金・社会保険料」に注目してみると、分子(もらえる年金)にだけ自由に使うことの出来ない「税金・社会保険料」(=支払って手元から無くなるはずの「税金・社会保険料」)が含まれていることがわかります。

つまり、もし
『所得代替率=自由に使える年金/自由に使える現役収入』
というイメージを持っていたならば、税金と社会保険料の分を取り除いて考えなければ、実態を過大評価してしまうことにもなりかねないのです。

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