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市区町村別「平均寿命」と年金生活の長さ

厚生労働省の平成17年市区町村別生命表の概況「第2表 市区町村別平均寿命(上位・下位30市区町村)」)によると、平均寿命の最も長い市区町村と平均寿命の最も短い市区町村との差は、男性が8.6年(81.7歳~73.1歳)、女性が6.5年(89.3歳~82.8歳)となっています。

また、年金生活の長さを知る上で、より参考になりそうなのが平成12年市区町村別生命表の概況「表3 市区町村別65歳平均余命上位・下位30市区町村」(最下部)で、こちらには市区町村別65歳からの平均余命の上位・下位30が示されており、65歳からの平均余命の最も長い市区町村と平均寿命の最も短い市区町村との差は、男性が5.4年(20.3歳~14.9歳)、女性が7.1年(27.2歳~20.1歳)となっています。

おおむね65歳からの年金生活。
長生きするなら田舎暮らしか都会暮らしか??

市区町村別平均寿命より

下記は厚生労働省の平成17年市区町村別生命表の概況「第2表 市区町村別平均寿命(上位・下位30市区町村)」のうち男性・女性の上位10位・下位10位の抜粋です。

【男性平均寿命:上位10位市区町村】

  • 1.神奈川県横浜市青葉区:81.7歳
  • 2.神奈川県川崎市麻生区:81.7歳
  • 3.東京都三鷹市:81.4歳
  • 4.東京都国分寺市:81.4歳
  • 5.東京都練馬区:81.2歳
  • 6.長野県上伊那郡箕輪町:81.1歳
  • 7.長野県上高井郡小布施町:81.0歳
  • 8.東京都小金井市:81.0歳
  • 9.熊本県上益城郡益城町:80.9歳
  • 10.東京都目黒区:80.9歳

上位30位圏内で出現数を見てみると、東京都が11、神奈川県が7ということで、全体のおおむね3分の2が首都圏の東京、神奈川で占める結果となっています。

【男性平均寿命:下位10位市区町村】

  • 1.大阪府大阪市西成区:73.1歳
  • 2.青森県北津軽郡板柳町:75.2歳
  • 3.青森県西津軽郡鰺ヶ沢町:75.2歳
  • 4.青森県五所川原市:75.5歳
  • 5.福岡県田川郡大任町:75.5歳
  • 6.青森県南津軽郡田舎館村:75.6歳
  • 7.青森県南津軽郡藤崎町:75.6歳
  • 8.青森県平川市:75.6歳
  • 9.青森県北津軽郡中泊町:75.6歳
  • 10.高知県室戸市:75.7歳
  • 10.青森県南津軽郡大鰐町:75.7歳
  • 10.北海道茅部郡森町:75.7歳
  • 10.福岡県田川郡川崎町:75.7歳
  • 10.青森県黒石市:75.7歳

下位30位圏内で出現数を見てみると、青森県が16、北海道が6ということで、大半が寒い地域にある青森、北海道で占める結果となっています。

※10位は、資料元では同順位ではありませんが、同じ75.7歳ということで、ここでは同順位としました。(以下同様のケースにて同じ)

【女性平均寿命:上位10位市区町村】

  • 1.沖縄県中頭郡北中城村:89.3歳
  • 2.兵庫県川辺郡猪名川町:88.7歳
  • 3.長野県下伊那郡高森町:88.5歳
  • 4.沖縄県豊見城市:88.5歳
  • 5.沖縄県南城市:88.3歳
  • 6.長野県上伊那郡宮田村:88.2歳
  • 7.神奈川県横浜市青葉区:88.0歳
  • 8.北海道有珠郡壮瞥町:88.0歳
  • 9.沖縄県中頭郡北谷町:87.8歳
  • 10.神奈川県足柄上郡開成町:87.7歳
  • 10.沖縄県国頭郡今帰仁村:87.7歳
  • 10.長野県下伊那郡豊丘村:87.7歳
  • 10.沖縄県島尻郡南風原町:87.7歳
  • 10.沖縄県中頭郡中城村:87.7歳

上位30位圏内で出現数を見てみると、暖かい沖縄県が12で、あとは長野県が5、神奈川県が4と続く結果となっています。

【女性平均寿命:下位10位市区町村】

  • 1.東京都西多摩郡奥多摩町:82.8歳
  • 2.青森県南津軽郡大鰐町:83.1歳
  • 3.東京都西多摩郡日の出町:83.3歳
  • 4.大阪府大阪市西成区:83.3歳
  • 5.北海道浦河郡浦河町:83.5歳
  • 6.大阪府大阪市大正区:83.5歳
  • 7.愛知県海部郡甚目寺町:83.7歳
  • 8.北海道松前郡福島町:83.7歳
  • 9.宮城県本吉郡本吉町:83.8歳
  • 9.千葉県旭市:83.8歳
  • 9.埼玉県北埼玉郡大利根町:83.8歳
  • 9.北海道幌泉郡えりも町:83.8歳
  • 9.宮崎県東臼杵郡諸塚村:83.8歳

下位30位圏内で出現数を見てみると、とくに地域に固まることなく分散した結果となっています。

※83.9歳が年齢的な次順位となっています。

市区町村別平均余命より

下記は厚生労働省の平成12年市区町村別生命表の概況「表3 市区町村別65歳平均余命上位・下位30市区町村」のうち男性・女性の上位10位・下位10位の抜粋です。

【男性平均余命(65歳):上位10位市区町村】

  • 1.沖縄県大里村:20.3歳
  • 2.群馬県川場村:19.8歳
  • 3.沖縄県北中城村:19.7歳
  • 4.岐阜県和良村:19.7歳
  • 5.熊本県清和村:19.6歳
  • 6.北海道大滝村:19.6歳
  • 7.沖縄県南風原町:19.6歳
  • 8.東京都三鷹市:19.5歳
  • 9.長野県下條村:19.5歳
  • 10.山梨県増穂町:19.4歳
  • 10.沖縄県中城村:19.4歳
  • 10.長野県高遠町:19.4歳
  • 10.沖縄県北谷町:19.4歳

上位30位圏内で出現数を見てみると、沖縄県が8と多くなっているものの、その他は比較的分散した結果となっています。

【男性平均余命(65歳):下位10位市区町村】

  • 1.大阪府西成区:14.9歳
  • 2.東京都奥多摩町:15.0歳
  • 3.大阪府港区:15.8歳
  • 4.青森県板柳町:15.8歳
  • 5.青森県大間町:15.8歳
  • 6.北海道松前町:15.9歳
  • 7.青森県中里町:15.9歳
  • 8.青森県浪岡町:16.0歳
  • 8.福島県河東町:16.0歳
  • 8.北海道泊村:16.0歳
  • 8.福島県磐梯町:16.0歳
  • 8.青森県岩木町:16.0歳
  • 8.青森県藤崎町:16.0歳
  • 8.青森県柏村:16.0歳
  • 8.長崎県平戸市:16.0歳
  • 8.青森県大鰐町:16.0歳
  • 8.青森県小泊村:16.0歳
  • 8.青森県下田町:16.0歳
  • 8.大阪府平野区:16.0歳
  • 8.福島県塩川町:16.0歳

下位30位圏内で出現数を見てみると、青森県が12と断然多く、その他は比較的分散した結果となっています。

※16.1歳が年齢的な次順位となっています。

【女性平均余命(65歳):上位10位市区町村】

  • 1.沖縄県北中城村:27.2歳
  • 2.沖縄県豊見城村:26.9歳
  • 3.北海道壮瞥町:26.3歳
  • 4.兵庫県猪名川町:26.1歳
  • 5.北海道大滝村:25.7歳
  • 6.山口県平生町:25.6歳
  • 7.佐賀県嬉野町:25.4歳
  • 8.沖縄県今帰仁村:25.2歳
  • 9.山口県由宇町:25.1歳
  • 10.沖縄県本部町:25.1歳

上位30位圏内で出現数を見てみると、男性と同じく沖縄県が14と断然多く、その他は比較的分散した結果となっています。

【女性平均余命(65歳):下位10位市区町村】

  • 1.東京都奥多摩町:20.1歳
  • 2.茨城県神栖町:20.2歳
  • 3.奈良県上牧町:20.3歳
  • 4.茨城県鹿嶋市:20.5歳
  • 5.大阪府西成区:20.6歳
  • 6.愛知県佐織町:20.6歳
  • 7.千葉県銚子市:20.6歳
  • 8.宮城県鹿島台町:20.7歳
  • 9.岐阜県羽島市:20.7歳
  • 10.東京都日の出町:20.8歳
  • 10.埼玉県横瀬町:20.8歳
  • 10.愛知県清洲町:20.8歳
  • 10.埼玉県美里町:20.8歳

下位30位圏内で出現数を見てみると、特に偏ることなく比較的分散した結果となっています。青森県も男性の12に対して女性は4となっています。

人生を通した長生きと、65歳からの長生き

男性は平均寿命が長い市区町村が東京、神奈川で多く、同平均余命は沖縄という結果となっています。

※以下、あくまで個人的な仮説です。

これは、おそらく高齢期には沖縄での暮らしが適していると思われるものの、幼少期~現役時代については、所得水準や医療環境などに優位性がある東京や神奈川の方が生きやすく、その分0歳児からの平均余命(=一般で言う平均寿命)では東京・神奈川が高く、65歳時点からの平均余命では沖縄に分があるということではないかと思われます。

女性については平均寿命も平均余命も沖縄が優位に立っています。これは、女性が男性に比べて仕事よりも家庭を優先し、東京などにおける職業環境や医療水準の高さ(女性は男性よりも生命力がある)が、女性に対してはそれほどプラスに働くものではないために、女性にとっては現役時代はどこに住もうが大した違いはなく、高齢期の過ごしやすさが全体に影響を与えているものと思われます。

なお、、女性のワーストが特定の地域に偏っていない一方で、男性のワーストは、平均寿命も平均余命も寒冷の青森県で断然多くなっています。このことからも、男性と女性の生命力の差を感じさせます。(経済要因ならば、男女共にワーストが多くなるはず・・・)

男性長寿日本一「横浜市青葉区」のなぞ

日刊ゲンダイ2008年6月24日号には、『田舎暮らしで長生きはウソ? 男長寿日本一「横浜市青葉区」の謎に迫る!?』と題して、なぜ横浜市青葉区が長寿日本一になったのかを考察しています。

要因として取り上げられているのは「世帯年収の高さ」や「近所付き合い」、「離婚率の低さ」など。

横浜市青葉区の2人以上世帯の世帯年収)は、1042万円(2004年)で全国平均692万円を大きく上回り、横浜市平均758万円と比べても相当高いのです。(全国消費者実態調査)

また、横浜市青葉区住民の消費支出は月額41万6306円で全国平均よりも10万円以上も高く、経済的に恵まれた暮らしをしていることが長生きを支えている・・・と推測できます。

さらに、離婚男性の寿命は平均よりも10歳も低くなる(国立社会保障・人口問題研究所2005年調べ)と言われる中で、横浜市青葉区は1000人当りの離婚率は1.7と全国平均の2.05よりも低いのです。この辺は、世帯に一定の所得があり、青葉区では全体的に同じような世帯が多い・・・近所付き合いも気兼ねなく行なえ、夫婦仲も良い・・・背景として、やはり収入の要因が大きそうです。

※日刊ゲンダイにおいては、ここで離婚率1位の沖縄県男性の寿命が県別25位の78.64歳、離婚率2位の北海道が県別33位の78.30歳だとして共に短命だとしています。ただし、これは平均寿命の話ですので、上記のような平均寿命と65歳からの平均余命の違いは考慮する必要がありそうです。

男性ワースト上位を占める青森県

男性平均寿命ワースト30中16、男性平均余命ワースト30中12という青森県ですが、日刊ゲンダイでは青森県の短命に関連しそうないくつかのランキングを上げています。

  • アルコール全体の摂取量全国6位
  • ウイスキー&ブランデー2位
  • 焼酎6位
  • その他雑酒4位
  • 缶コーヒー1位(砂糖が多く使われている)
  • 児童の肥満率1位
  • 医師数44位

寒い地域に欠かせないアルコール、乏しい医療環境、じょっぱり精神(じょっぱり:強情、意地っ張り、頑固者。正しいことを通そうとするような意味でも使われるようです。)がゆえの病気の我慢・・・このあたりが遠因または懸念されるとしています。

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