平成18年の8月21日から12月末までの4ヶ月に、社会保険庁が年金特別相談を実施しましたが、その中で社保庁が年金納付記録を紛失したという事例が86人分も発覚しました。人数は少ないですが、重い意味を持つ86人です。
年金の支給漏れの大半は、厚生年金の一部というケースなのですが、この場合調べれば国の方に何らかのデータが残っていることが多いのです。
しかし、今回の場合は国の方に一切データが残っておらず、年金受給者側で記録を証明して認められた年金納付記録なのです。
国民年金の記録は領収書頼み
国民年金の保険料を払っていたにもかかわらず、国に年金納付記録が残されていなかった。そんなバカな事が現実に起きております。
そうした場合、さて、その分の年金記録はどうなるのでしょうか?正解は、年金受給者の側で証明しなければ将来の年金として受け取れないのです。なんと理不尽なことでしょうか。
今回86人に関しては領収書などを保管していたために年金記録として加算されることになりましたが、その他「1万7千人」もの人が自分は保険料を払っているとして申立てを行っています。
もちろん全員が全員保険料を払った人ばかりではなく、勘違いも多く含まれることは確かだと思いますが、気の毒なのは86人と同じく国民年金を払いつつ証明書類がないために未納になっている方々です。おそらく今後も証明書類のない方々については救済措置は無いでしょう。なんともやりきれません。