なんとなく一緒に使いがちな「未納」と「未加入」というコトバ。
その違いを説明できますか?
年金の未納は、年金の保険料を払わなければいけない人が、保険料を払っていないこと。年金の未加入は、年金の自体に加入するかどうかが任意で年金に加入していない人のことです。同じ年金保険料を払わない人でも、未納は良くないことで、未加入は悪くないことです。
年金の強制加入の人に「未加入」はない?
年金の強制加入の人とは、国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の人たちです。第1号被保険者は20歳60歳未満の日本在住者、第2号被保険者は会社員、公務員、第3号被保険者は会社員の妻等です。
それ以外の人、例えば第2号、第3号ではない海外在住の日本人は国民年金に任意加入ですので、もし任意加入しない場合は「未加入」となります。第2号は会社で厚生年金に入っていますし、第3号はそもそも保険料負担なく国民年金に加入していますので未加入問題は起こりえません。
(第1号被保険者は、必要な場面で加入手続きをしないままの人は未加入という扱いです。)
第2号、第3号被保険者は「未納」もない
会社員等である国民年金の第2号被保険者は厚生年金として年金に強制加入。会社から保険料を天引きされますので、原則未納問題は発生しません。第3号被保険者はもとより3号自身の保険料負担はありませんので同様です。
それに対して自営業者等の国民年金の第1号被保険者は、自らの意思で保険料を納めていくため、払わなければいけないにもかかわらず、払わない人・払えない人が一定数出てきてしまいます。支払いが厳しい人には免除制度もあることにはありますが、免除制度によっては個人個人の所得に応じた免除ではなく世帯で所得を判断することもありますので、現実支払いが困難な人で、免除をしようにもできない人もいるのです。
昔の方が年金の未加入は多かった
現行法では20歳以上60歳未満で任意加入になるケースが海外在職等限定的なため、あまり未加入というのはみられませんが、昔は会社員の妻は国民年金に任意加入であったため、年金の未加入は割と多かったのです。
一時騒がれた国会議員に関しても、昭和55年4月から61年3月までは任意加入であったために未加入の人がたくさんいたということなのです。国会議員の場合、年金額のレベルが違う議員年金がありますので、年金額の少ない国民年金なんて眼中になかったのでしょうね。