60歳になる人によく聞かれます。「年金は何月まで払えばいいの?」その答えは年金の被保険者期間の計算の仕方にあります。年金の計算で混乱するのは1日生まれの人たちです。
被保険者期間の計算は「月から前月」
年金の被保険者期間を計算する場合、月を単位とします。国民年金の人も、厚生年金の人も、共済年金の人も、被保険者の資格を取得した日の属する月から、その資格を喪失する日の属する月の前月まで、年金の被保険者期間とします。
たとえば4月1日生まれの人を例に見てみます。この人が被保険者の資格を取得するのはいつでしょうか?被保険者の資格を取得した日の属する月だから4月??
いえ、答えは3月に被保険者資格を取得します。法律では誕生日の前日に1歳年を取るということになっていますので、まず「被保険者の資格を取得した日」は3月31日になるのです。そして、その日の属する月ですから3月が正解になります。
ついで、被保険者の資格を喪失する月はいつでしょうか?「資格を喪失する日の属する月の前月まで」となっていますから、まず資格を喪失する日が3月31日というのはよいとして、その前月ですので2月ということになります。
つまり、4月1日生まれの人の年金の被保険者期間は、もしもずっと国民年金の第1号被保険者としたら20歳3月から60歳2月までということになります。ややこしいですね。
同月得喪の被保険者期間
被保険者がその資格を取得した日の属する月に、その資格を喪失した場合には、その月を1ヶ月として被保険者期間に算入します。ただし、その月にさらに被保険者の資格を取得した時は、後の資格取得についての期間のみをとって1ヶ月の被保険者期間として算入されます。
被保険者期間の合算
被保険者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得したものについては、前後の被保険者期間を合算します。例えば20歳から30歳までが第1号被保険者、30歳から40歳までが海外在住、40歳から60歳までが第1号被保険者の場合、30歳で資格を喪失(任意加入もできますが)、40歳で被保険者資格を取得することになります。この前後の被保険者期間を合算するということになっていますので、20歳から30歳までの10年間の第1号被保険者期間に加え、40歳から60歳までの第1号被保険者を加算しますので、この人の年金の被保険者期間は30年ということになります。