テレビなどの報道をみていると、「消えた年金記録」という言葉の使い方について、3通りの使われ方をしていることに気が付きました。どれも間違いではないのですが、事実を誤認してしまう恐れもありそうです。
私たちにとっての「消えた年金記録」
私たち国民にとっては、もらえるはずの年金がもらえないこと、または普通の手続をしてもらえなくなる恐れのある年金すべてが「消えた年金記録」です。
ですので、「消えた年金記録5000万件」という使い方をした場合には、国に年金記録自体が残っていて、照合すれば自分のものになる可能性の高いものについても「消えた年金記録」として扱います。
言葉通りの「消えた年金記録」
国にあるべき年金記録のうち、破棄・消失している部分の年金記録が、言葉通りの「消えた年金記録」です。
事実上の「消えた年金記録」
持ち主の判明していない宙に浮いた年金記録5000万件の中の、記録がミス・欠落している部分については、持ち主が照合してもなかなかみつからないのですから、いくら国にデータが残っていても、事実上消えてしまった年金記録と同じです。
生年月日や氏名、性別等のの打ち込みミス・転載ミス・記入ミス・書類の欠落、原因はいくつも挙げられますが、国もこのようなミスや間違いは存在していることを認めています。
「消えた年金記録」は法律用語ではないので
「消えた年金記録」は、厳密に言葉が定義されているわけではありませんので、どちらも間違いではありません。ただ、言葉の持つイメージ、インパクトの度合いから、政府与党は言葉通りの「消えた年金記録」を、政府野党は私たちにとっての広い意味での「消えた年金記録」を念頭に言葉を使用しているものと推察されます。(繰り返しになりますが、どちらも間違いとはいえません。)
詳しくは弊所ホームページのこちらのページにまとめております。
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