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標準報酬月額とは?

【平成23年7月6日追記】

「4月、5月、6月」の報酬を元にして算出される標準報酬月額(定時決定)について、
平成23年4月から一つ新たな仕組みが導入されました。

これは、業種(例えば引越し屋、不動産屋、農業法人)や部署(例えば人事、総務、会計)の性質上、毎年「4月、5月、6月」に繁忙期を迎えて報酬が多くなる、もしくは逆のケースについて、定時決定により決定する標準報酬月額が不当なものにならないよう、「昨年7月~当年6月」の月平均の報酬から算出した標準報酬月額と比較して大きな差(原則2等級以上の差)が生じた場合に、標準報酬月額を後者のものにすることを可能にしたものです。(「被保険者の同意」を要件としており、被保険者に不利益にならないよう配慮されています。)

下記は、厚生労働省が関係機関に発したPDF資料へのリンクです。
クリックすると新たなウインドウが開きます。

健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定」の一部改定について
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110427T0020.pdf

(平成23年3月31日付け:PDF165.90KB)

「「健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて」の一部改正等に伴う事務処理等について」に関するQ&Aについて
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T20110610S0080.pdf

(平成23年6月3日付け:PDF285.80KB)

厚生年金では、納める保険料の額を決定したり保険給付の額を決定したりする時に、計算の元になるものを給料などの報酬そのものの金額ではなく、区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」というものを使用します。

給料297,120円ならば標準報酬月額300,000円、給料425,320円ならば標準報酬月額440,000円という具合です。

なお、健康保険でも標準報酬月額を使用しますが、厚生年金の標準報酬月額とは等級以外の仕組みは同じです。

厚生年金の計算で使う平均標準報酬月額とは?
http://www.office-onoduka.com/nenkinblog/2007/06/post_65.html
厚生年金保険 標準報酬月額表の変遷
厚生労働省サイト内PDFファイル。ねんきん定期便など、自分の年金記録確認の際に役に立つ、あると便利な表です。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/teikibin/pdf/standard.pdf

標準報酬月額の等級とは?

厚生年金で使用する標準報酬月額は、第1級の9万8千円から、第30級の62万円までの30等級に区分されています。
【 関連ページ:標準報酬月額の上限引き上げか(62万円→121万円?)

この区分けは便宜上分けられたもので、例えば給料が21万円以上~23万円未満の人なら、14等級の22万円に該当します。

最新の標準報酬月額の情報はコチラで確認できます
(社会保険庁ホームページ)

標準報酬月額の決定方法

標準報酬月額の決定方法は次の3つです。

資格取得時の決定

新規に被保険者の資格を取得した人の標準報酬月額は次のように決定されます。(新卒者や中途採用者が会社に入った時)

  • 1.月給・週給など一定の期間によって定められている報酬については、その報酬の額を月額に換算した額(そこから標準報酬月額を決定。以下同じ。)
  • 2.日給・時間給・出来高給・請負給などの報酬については、その事業所で前月に同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の平均額
  • 3.1または2の方法で計算することのできないときは、資格取得の月前1か月間に同じ地方で同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の額
  • 4.1または2までの2つ以上に該当する報酬を受けている場合には、それぞれの方法により算定した額の合計額

定時決定

被保険者が事業所から受ける報酬は、昇給・降給などで変動するものです。そこで、変動後の報酬に対応した標準報酬月額とするため、毎年1回、きまった時期に標準報酬月額の見直しをすることとしています。これを定時決定といいます。

定時決定は、7月1日現在の被保険者について、4・5・6月の3か月間に受けた報酬の平均額をもとに行い、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額を決定します。

ただし、6月1日から7月1日までの間に被保険者となった人、及び7月から9月までのいずれかの月に随時改定が行われる人については、定時決定は行われません。なぜなら前者も後者も翌年の8月までの標準報酬月額が決定されるために定時決定をする必要がないためです。

随時改定

被保険者の標準報酬月額は、原則として次回の定時決定が行われるまでは変更しませんが、報酬の額が著しく変動すると、被保険者が実際に受け取る報酬の額と標準報酬月額がかけ離れた額になることがあります。

このため、被保険者が実際に受けている報酬の額に著しい変動が生じ保険者が必要と認めた場合には、標準報酬月額の改定を行うことができるようになっています。これを標準報酬月額の「随時改定」といいます。

具体的には、ベースアップの他、基本給など固定的な賃金の変動によって、その後の継続した3か月の報酬の平均月額を標準報酬月額にあてはめ、現在の等級と比べて2等級以上の差が生じたときに、4か月目から改定が行われます。仮に10月に昇給して2等級以上の差が生じたとすると、10月~12月まで継続して2等級以上の差が生じた状態であれば1月から改定が行われます。

残業のみによって2等級以上の差が生じたとしても、それは随時改定の対象にはなりませんのでご注意ください。随時改定によって決められた標準報酬月額は、次の定時決定までの標準報酬月額となります。

標準賞与額

厚生年金の保険料は、月々の給料の他、賞与からも徴収されます。
給料が標準報酬月額として管理されるように、賞与は1000円未満を切り捨てた額である標準賞与額で管理され、それに保険料率を掛けて賞与に対する保険料額が決定されることになるわけです。

なお、賞与は年3月を超える期間ごとで計算され支払われるものをいい、標準賞与額の上限は1回あたり(同月内に2回以上支給される場合は合算・・・すなわち1ヶ月あたり)150万円です。また、標準報酬月額とは違い保険料表はありません。

厚生年金の標準報酬月額月額の平均の推移

厚生年金の標準報酬月額月額の平均額は次のようになっています。
データは「平成16年財政再計算」(資料:社会保険庁「事業年報」、平成15年度は社会保険庁調べ)に加え、平成16年度以降は社会保険庁のホームページの統計資料の中の「社会保険事業の概況」から用いております。

年度合計男子女子
昭和30(1955)11,884円13,391円7,530円
昭和35(1960)16,690円19,660円9,516円
昭和40(1965)29,342円34,670円18,178円
昭和45(1970)54,806円64,823円34,306円
昭和48(1973)89,439円105,747円55,439円
昭和50(1975)122,552円141,376円81,166円
昭和55(1980)188,263円220,444円119,082円
昭和56(1981)197,986円231,680円126,036円
昭和57(1982)206,904円241,861円132,549円
昭和58(1983)212,666円248,448円137,149円
昭和59(1984)219,956円256,872円142,162円
昭和60(1985)231,161円270,435円148,177円
昭和61(1986)237,022円276,333円153,580円
昭和62(1987)241,299円280,533円158,168円
昭和63(1988)248,667円289,120円163,789円
平成元(1989)261,839円305,200円172,036円
平成2(1990)273,684円318,682円181,493円
平成3(1991)284,362円330,566円190,914円
平成4(1992)291,145円337,142円198,458円
平成5(1993)295,125円340,798円203,125円
平成6(1994)303,611円351,140円207,696円
平成7(1995)307,530円355,607円210,526円
平成8(1996)311,344円359,836円213,720円
平成9(1997)316,881円365,532円217,624円
平成10(1998)316,186円363,777円218,915円
平成11(1999)315,353円361,901円220,278円
平成12(2000)318,688円365,917円222,587円
平成13(2001)318,679円365,143円224,311円
平成14(2002)314,489円359,249円224,292円
平成15(2003)313,893円358,875円224,394円
平成16(2004)313,679円358,651円225,663円
平成17(2005)313,204円358,155円226,582円
平成18(2006)312,703円357,590円227,439円
  • 数値は年度末の平均値です
  • 昭和50年以前の合計については任意継続被保険者を除いた平均となっています
  • 「合計」は坑内員・船員を含んでいますが、「一般男子」「女子」の区分においては坑内員・船員を除いたものとなっています。
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