年金の支給漏れの問題の影響で、国民年金の納付率がますます低下しそうだと日経新聞(2007年6月10日)が報じています。若い人かますます国民年金の保険料を納めなくなる恐れが。
最近の国民年金の納付率は?
最近の国民年金の納付率は、2005年が67.1%、2006年が64.2%ということで、国の目標とする80%には程遠いのが現実です。「義務だから」「強制だから」「罰則があるから」というやり方は反発を招くだけですし、安心して保険料を預けられるようでないと、納付率向上はかなり難しいといわざるを得ません。
いくら口先で、「年金記録は消えているわけではない」などと叫んでも、実際にあちらこちらで年金支給漏れの問題が発生している以上、納得できる説明、納得できる回答をしなければ、年金制度が「当てにできない」ものとなってしまいます。
年金受給者の背中を見て、国民年金保険料を納付しています
私のような若い世代の人にとっては、現在の高齢者の暮らしこそが将来の自分の姿です。年金について、どんなに聞こえの良い口上を並べられても、身近にいる高齢者が辛い思いをしていたら意味はありません。
今の高齢者が、もらえるはずの年金がもらえていないのであれば、「若い人たちは基礎年金番号があるから大丈夫だよ」といっても、良くない印象は消えません。そのために、何としてでも支給漏れ年金の問題は全面解決をして欲しいと思います。
高利回りのすばらしい金融商品
年金の良さを言い表す為にあえて言うのならば、国民年金は(厚生年金も)、民間のどこの商品も真似することのできない高利回りの金融商品ということができます。また、給付の一部においては私たちの税金が使われているということから、もらわなければ損ということも十分なアピールポイントです。
しかし、払ったはずのお金が消えていたとしたら、被害にあった方にとっては詐欺にあったも同然。自分も詐欺に合わないために、国民年金の保険料を払うのをやめよう発想に行き着くことも、否定できるものではありません。
繰り返しになりましたが、あくまで信頼回復が先で、徴収作業が後という順番で、ものごとを取り組んでいって欲しいと思います。
「受給資格期間25年」撤廃できないのでしょうか
年金制度に25年入っていないと年金自体がもらえないしくみはみなさんご存知ですが、このしくみにより、若い人にとっては「年金に入るなら最後まで入るけど、途中で辞める位なら、最初から保険料を払わないほうがいいや。掛け捨てになるのはゴメンだし。」というような気持ちになる人も少なくないのではないでしょうか。
また、支給漏れ問題においても「記録漏れのために年金自体もらえていない」という方がおりますので、この際年金加入期間に応じた年金支給ということも、考える時ではないかと思います。もしくは年金受給資格の年数を10年とするなど・・・