第16号 年金、みんな怒っています!|「脳トレ」川島教授を失望させた官僚の利権体質

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厚生年金・国民年金増額対策室

第16号 「脳トレ」川島教授を失望させた官僚の利権体質

号数…第16号
発効日…【2009/6/11】
購読者数…114名
件名…「脳トレ」川島教授を失望させた官僚の利権体質
┏━━ ●  年金、みんな怒っています!  ● 第16号

   ◎「脳トレ」川島教授を失望させた官僚の利権体質
        
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          【 平成21年6月11日版  第16号 購読者数 114名様 】


今号は、年金とは少し離れますが、
年金生活と密接なつながりを持つ介護保険に絡む話です。

BSテレビで「僕ら、世の中に失望して・・・」と語る「脳トレ」川島教授。

『政治・官僚・学者(財界・報道)』という利権を分け合うつながりの中で、
今回のような個別具体的な話が、まさかテレビで飛び出すとは・・・

川島教授が語る、あまりに生々しい官僚とのやり取り。
「国民の利益」は二の次でした。


まずは一つの新聞記事から

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2009年5月8日河北新報社
【 川島流脳トレ、世界へ“輸出” 国際普及図る 】

『東北大加齢医学研究所は7日、米国の定年退職者ら4000万人が加入する世
界最大の高齢者NPO「AARP」(旧・全米退職者協会)と学術協定を締結し
たと発表した。加齢研の川島隆太教授が開発した認知症予防の「学習療法」を
NPO会員らに実践し、療法の国際的な普及を図る。

協定は学習療法に関する(1)米国での実証(2)介護費用削減効果の検証
(3)国際的な商品化―が狙い。期間は4月から2014年3月までの5年間。

加齢研は療法の教材を英語圏の人が活用できるよう編集し直す。今年秋から
約半年間、米国の高齢者100人に試験的に取り組んでもらう。成果の検証と
ともに教材の改良を進め、来年以降、米国内での商品化を目指す。

学習療法は薬を使わず、読み・書き・計算の反復練習を継続することで脳機能の
改善を促す。
日本国内では既に高齢者1万5000人以上で効果が実証されている。

国外での実施は初めてで、川島教授は「先進諸国では高齢化が急激に進んでい
る。療法の国際的な汎用性を高めたい」と話している。
 AARPは米政府に介護保険の制度改革を積極的に提言するなどの活動を
している。加齢研との連携の成果を政策立案に活用する方針だという。   』

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今回取り上げる話は、この新聞記事から18日後の2009年5月26日のテレビ番組、
夜22時から放送されているBS11『INsideOUT「脳の謎に迫る」』
ゲスト、国立大学法人東北大学 川島隆太教授の一コマです。

この番組は、その日ごとに決められたテーマ(ほぼ政治・経済)において、
ゲストが司会者の質問に答えるだけという、地味な構成ながら内容重視の番組
です。


●脳機能のスマートエイジング法(学習療法)で平成21年度文部科学大臣賞

国立大学法人東北大学 加齢医学研究所 川島隆太教授の『学習療法』は、
平成21年度の科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞。

学習療法とは、簡単な計算や、文字を読んだり書いたりすることで脳を働かせ、
その結果として前頭前野の働きが向上、脳機能の改善につながるというもの
です。


●福岡県の介護施設での検証・・・認知症の方に驚くべき効果が見られた

この学習療法は、最初は福岡県の高齢者介護施設の全面協力のもとで実施。

・専用のドリルを使用
・最長でも1回15分
・週に3~5回
・体調の良い時にしかやらない

以上のように行ったところ、

☆ 顔が能面のようだった高齢者の方が、笑顔が出るようになった。
☆ 話をするようになって、自分の要望が口に出るようになった。
☆ 今までオムツ着用だった方が、トイレに行きたいと訴えられるようになり、
   トイレ介助を繰り返すうちにオムツが取れる方も出てきた。

このように、今までの介護の現場で見られないことが起きたのです。


●認知症の方の脳機能改善・・・薬でできない結果が見られた

検証の結果、2ヶ月くらいで劇的な効果が見られ、
6ヶ月のトライアル期間の結果では、検証を実施したグループと実施しない
グループとで脳の測定を行ったところ、実施したグループの脳は良くなったこと
が判明。

通常、認知症の方の脳は、2年間観察すると元々あった能力の3分の1に減り、
アルツハイマーの方は、基本的に薬を飲んでいても症状が悪化していくという
のが今までの常識・・・しかし、ドリルをやってみたら良くなったのです。

普通の高齢者の方でも5年くらい経過すると、前後比で脳機能が下がるもの。
しかし、トライアル9年目の現在、認知症の中には脳機能が下がらない人もいる
ということで、薬を使ってもできないことができたのです。

2008年1年間で1万人の認知症の方に使用してもらったが、
まだまだ口コミでゆっくり広がっているとのこと。

その裏には・・・ここからが本題です。


●官僚に相手にされない理由・・・「お金が掛からない」から??

この学習療法を介護保険等で認定してもらえればどうなるのか。

川島教授は、介護保険のしくみで計算すると、学習療法をやると出ていくはずの
10万円がセーブでき、逆に支出面では教材費とシステム運営で年間2万円しか
掛からないということなので、2万円の投資で10万円出ていくのを防げると試算。

そして、厚生労働省に情報を流したときの、
官僚に相手にしてもらえなかった体験談を話します。
(以下書き起こし)

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川島教授)厚生労働省の方は特におっしゃらなかったんですけれども、
ある財務省の方とはお話をしていく中で、僕たちが作ったものはお金が
掛からない。それが一番のネックだ、と言われました。

司会者)なるほど、お金が掛からない。

川島教授)だからこれを動かすことによって、誰のふところも潤わないと。
で、そういうシステムというのは、国が先導してワーッと広めるということは
なかなかありませんと。

で、介護の世界で一番有名なのは、あの筋トレの装置ですよね。
最初数千万しましたけど、高い装置が全国の施設にワーッと入りました。

ああいうことをすると、いろんな人のポケットにお金が入るんですね。
あれは施策になるんです。

で、誰かがお金持ちになるようなシステムじゃないと、国からそういう
ワーッと動くことはありませんと財務省の方に言われて、
僕ら世の中に失望してですね・・・

(略)

司会者)天下り先ができるかどうかみたいな所が基準になっていたりするという
ことなのかな?と思うと、ちょっとさみしいですね。

川島教授)さみしいですね・・・

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川島教授は、東北大学は国立大学法人になったとはいえ研究費も私たちの給料も
元のお金は税金なので、95%は研究をさせてもらうが、5%は「脳トレ」
のように、世の中に成果を還元していきたい。
そして、本当は高齢者の方よりも幼児教育に学習療法を取り入れて、
能力豊かな人の育成に寄与していきたいと語っていました。

(学習療法は、計算や文字の読み書きだけではなく、コミュニケーション能力
、記憶力、集中力、創造力・・・生きていく上で必要な力の向上が期待できる)


学習療法が介護保険等で認定され、その効果が出て自立な高齢者の方が増えれば
介護費用が低下し、私たちが払う介護保険料も安くなります。
少子高齢化が進み、介護、医療、年金その他社会保障費用を支えきれなく日が
早晩来るかもしれないという今こそ、ソフトの力によって給付削減を図る時
なのではないでしょうか。

上記新聞記事。
どうして、「アメリカ」の欄が「日本」でないのでしょう。
元は日本発なのですが。


●最後に・・・

以上、普通は「大義名分」のウラでの利権・ムダ遣いという話ばかりの中、
珍しく「利権」が前面に出た話しをお届けしました。
(相手が国立大学教授だから、つい本音で語ってしまったのでしょうか?)

しかし、官僚全てがこうだとは思いません。

例えば過去最大15兆円の補正予算に関連して。

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2009年5月29日
日刊ゲンダイ『霞が関の掟-若手官僚がバラマキ補正を本気で心配-』より

『悪評しきりの補正予算。
14.7兆円の大盤振る舞いで、霞が関はバブル状態だ。
官僚たちは小躍りしているかと思いきや、

「族議員や省益を優先した無駄な投資ばかりです。
国費を浪費したツケは、いつか我々に返ってくる」

と、むしろ深刻な声が若手には渦巻いている。   』

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また、
「官僚の手の内を知り尽くした人間だからこそ、国民のためにできることが
ある!」という『脱藩官僚の会』のような新しい動きも期待大です。

さて、本年、来年と選挙があるわけですが、
国民受けする可能性が高い学習療法…政治的に利用されるということは!?

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