第18号 年金、みんな怒っています!|リターン無し! 年金には反映されない「特別保険料」

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厚生年金・国民年金増額対策室

第18号 リターン無し! 年金には反映されない「特別保険料」

号数…第18号
発効日…【2010/4/11】
購読者数…126名
件名…リターン無し! 年金には反映されない「特別保険料」

┏━━ ●  年金、みんな怒っています!  ● 第18号

   ◎リターン無し! 年金には反映されない「特別保険料」
        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          【 平成22年4月11日版  第18号 購読者数 126名様 】


「賞与から徴収された厚生年金の保険料は、年金に反映される」

○ でしょうか × でしょうか・・・?

正解は、現在のしくみならば ○ です。
しかし、過去のしくみでは × だったのです。


具体的には『平成7年4月から平成15年3月まで』の間、
そこから徴収された厚生年金保険料を『特別保険料』と言うのですが、
その特別保険料が掛け捨てだったのです。


●賞与からの厚生年金保険料徴収(平成7年4月~平成15年3月)


厚生年金の保険料については、いまでこそ
「給与」から徴収される分と「賞与」から徴収される分がありますが、
平成7年3月までは給与からだけの徴収となっていました。

ところが、そのようなしくみの上では

月給…減らす
賞与…増やす

という方法で合法的に保険料を節約することが可能であり、
これが問題とされていました。


また、年金財政的にも保険料収入を上げていく必要性があり、
平成7年4月からの厚生年金保険料は、

・月給からの徴収(16.5%)→年金に反映する
・賞与からの徴収(1%)→年金に反映しない

という形に改められました。


しかし、なぜ特別保険料は年金給付に反映させないこととしたのでしょうか?
平成6年11月2日の参議院・厚生委員会によると・・・


参議院会議録 第131号国会 厚生委員会 第7号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/131/1210/13111021210007a.html
以下抜粋

○勝木健司君

次に、厚生年金の保険料についてお伺いいたしたいと思います。
本改正案ではボーナスから一%の特別保険料の徴収が盛り込まれておるわけで
あります。一昨日の本委員会で質問をさせていただきまして、これは暫定措置
ではなく恒久財源であるという回答を得たわけでありますが、ボーナス保険料
というのは、応能的負担あるいは同一世代間の公平、公正、あるいは月例保険
料の漸増抑制効果等の観点からは私どもも理解できるものではありますけれど
も、今回の案ではこの保険料率の軽減とかあるいは負担の公平化にほとんど寄
与していないのではないかと思うわけであります。
負担の公平化の観点からも、保険料の算定に当たっては現行の標準報酬月額制
度ではなくやはり年間総報酬ベースに移行させるべきではないのか。
そしてまた、あわせて、ボーナスからの保険料徴収によって月例保険料率も当
然引き下げる方向で検討をすべきであるというふうに考えるわけでありますが
、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
ボーナスからの保険料徴収は将来の年金の給付には反映されないものというこ
とで導入されておりますけれども、やはり私は、それこそ不公平を生むんじゃ
ないかということで負担と給付のアンバランスを助長するだけでありまして、
当然給付に反映させるべきものであるというふうに思いますが、厚生大臣の今
後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(井出正一君)

一賞与等から徴収する保険料を給付に反映させる場合には、給付設計の大幅な
見直しが必要となること等から、今回導入する特別保険料につきましては給付
には反映させないこととして、その保険料率は一%と低くしたところでござい
ます。負担する保険料に応じた給付を行うということは、年金制度の基本的な
考え方の一つであろうかと思います。
また、保険料負担のあり方としても、総報酬制の導入は十分検討する意義のあ
る問題だと考えております。
このため、総報酬制の導入につきましては、いろいろ現実的には難しい問題も
ありましょうが、次期改正に向けての重要なテーマと認識しておりまして、今
後十分検討していきたいと考えております。

(ここまで)


これを読むと、しっかりとした理念の元で年金に反映させないのではなく、
単に技術的な問題であるように思えます。


●賞与からの厚生年金保険料徴収(平成15年4月~)


平成15年4月からは『総報酬制』という新しい仕組みの導入により
給与も賞与も同じ保険料率で保険料が徴収されることとなり、
「特別保険料」は廃止されました。

これにより、同じ年収の人は同じ保険料になり、
負担の公平性が確保されました。


賞与の保険料徴収(厚生年金)を追っていくと、

・ ~平成7年3月…徴収なし
・ 平成7年4月~平成15年3月…特別保険料(1%)
・ 平成15年4月~…賞与も給与と同じ保険料率(13.58%※)
※平成15年4月当初の率

このようになります。


●『特別保険料』総計2兆4000億円

掛け捨てになった特別保険料は、
推計2,500万人分で、総計2兆4000億円。

長年の年金保険料の無駄遣いは7兆円とされていますが、
給付に結びつかない特別保険料の存在は
無駄使いに一役買ったのではないでしょうか?

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