第30号 年金、みんな怒っています!|日本年金機構の役員報酬(2013~2009年度)-アニュアルレポートより

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第30号 年金、みんな怒!|日本年金機構の役員報酬(2013~2009年度)-アニュアルレポートより

号数…第30号
発効日…【2015/6/14】
件名…日本年金機構の役員報酬(2013~2009年度)-アニュアルレポートより
┏━━ ●  年金、みんな怒っています!  ● 第30号

 ◎ 日本年金機構の役員報酬(2013~2009年度)-アニュアルレポートより

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          【 平成27年6月14日版  第30号 】


125万件の個人情報流出問題で批判高まる日本年金機構。

そろそろ役員報酬カットや自主返納などの話が出てもおかしくないタイミング
ですので、今回は、日本年金機構の役員報酬がどの程度なのかということを、
過去に遡り見ていこうと思います。


●2013年度の役員報酬額

日本年金機構の役員報酬額は、日本年金機構が毎年度作成している年次報告書
である「アニュアルレポート」(※)に掲載されています。

現時点で入手できる最新版が2013年度版ですので、ここではその45ページから
2013年度(平成25年度)のデータを転載します。

※アニュアルレポートは、通常時であればサイト上で誰でも閲覧できるもの
です。

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【2013年度アニュアルレポート45ページより】

左から役職・氏名・平成25年度における報酬等の総額

[理事長] 水島 藤一郎 1641万円
[副理事長] 薄井 康紀 1464万円
[理事] 木谷 豊(平成26年1月1日就任) 268万円
[理事] 朝浦 幸男(平成26年1月1日就任) 267万円
[理事] 深田 修 1406万円
[理事] 徳武 康雄(平成26年1月1日就任) 268万円
[理事] 大澤 範恭 1412万円
[理事] 村田 恒子(平成26年1月1日就任) 248万円
[理事] 芦田 豊(平成25年4月1日就任) 1206万円
[理事(非常勤)] 大宅 映子(平成26年1月1日就任) 3万円
[理事(非常勤)] 小幡 尚孝(平成25年4月1日就任) 25万円
[理事(非常勤)] 川端 和治(平成25年4月1日就任) 26万円
[理事(非常勤)] 三木 雄信 245万円
[監事] 寺沢 徹(平成26年1月1日就任) 226万円
[監事(非常勤)] 澤本 和男(平成25年12月までは常勤) 1047万円
[理事] 坂巻 謙一(平成25年12月31日退職) 1160万円
[理事] 矢崎 剛(平成25年12月30日退職) 1153万円
[理事] 喜入 博(平成25年12月31日退職) 1240万円
[理事] 松田 將(平成25年12月30日退職) 1126万円
[理事(非常勤)] 磯村 元史(平成25年12月31日退職) 235万円
[監事(非常勤)] 水嶋 利夫(平成25年12月31日退職) 107万円

※報酬等の総額には、報酬(給与)・その他を含む
※役員報酬は、日本年金機構役員報酬規程に基づき決められている。

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役員の構成は、監事を除くと
[理事長] 民間出身
[副理事長] 厚生労働省出身
[理事] 11名体制。そのうち民間4名。
となっています。


●2012年度~2009年度の役員報酬額

次いで、2012年度~2009年度のアニュアルレポートより、理事長、副理事長、
および年度の途中での就任・退職のない理事に絞り役員報酬を見てみると、
次のようになります。
なお、監事は除いています。

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【2012年度アニュアルレポート109ページより】

[理事長] 紀陸 孝(平成25年1月17日退職) 1441万円
[理事長] 水島 藤一郎(平成25年1月18日就任) 264万円
[副理事長] 薄井 康紀 1448万円
[理事] 坂巻 謙一 1378万円
[理事] 矢崎 剛 1410万円
[理事] 喜入 博 1516万円
[理事] 松田 將 1407万円

【2011年度アニュアルレポート129ページより】

[理事長] 紀陸 孝 1810万円
[副理事長] 薄井 康紀 1540万円
[理事] 坂巻 謙一 1477万円
[理事] 矢崎 剛 1479万円
[理事] 喜入 博 1616万円
[理事] 中野 寛 1470万円
[理事] 十菱 龍 1469万円
[理事] 藤田 厚 1460万円

【2010年度アニュアルレポート123ページより】

[理事長] 紀陸 孝 1735万円
[副理事長] 薄井 康紀 1504万円
[理事] 坂巻 謙一 1452万円
[理事] 矢崎 剛 1429万円
[理事] 石塚 栄 1472万円
[理事] 喜入 博 1597万円
[理事] 中野 寛 1481万円
[理事] 十菱 龍 1473万円
[理事] 藤田 厚 1445万円

【2009年度アニュアルレポート93ページより】

※役員すべて日本年金機構設立日である2010年(平成22年)1月1日に就任。

[理事長] 紀陸 孝 339万円
[副理事長] 薄井 康紀 291万円
[理事] 坂巻 謙一 278万円
[理事] 矢崎 剛 276万円
[理事] 石塚 栄 276万円
[理事] 喜入 博 298万円
[理事] 中野 寛 271万円
[理事] 十菱 龍 278万円
[理事] 藤田 厚 278万円

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民間人以外の理事は、ほぼ厚生労働省系の出身者です。

厚生労働省からの出向している2015年度現在副理事長の薄井康紀氏は、役員の中
でも唯一の設立メンバーでもあり、絶大な権力を有していることは想像に難く
ありません。

もしも役員報酬をカットするのならば、理事長と事実上のトップであると言える
副理事長は同等のカットが妥当でしょう。


●役員が将来受け取る年金額…かなり気になるものの実態不明

毎年度のアニュアルレポートにて、同ページ欄外に「参考」として、
役員の年金見込み額についての一文が記されています。

2013年度のものを例にとると、

『役員が将来に受け取る年金の見込額は、一定の仮定により試算したところ、
理事長(民間出身)は約295万円(年額)、副理事長(厚生労働省出身)は
約283万円(年額)となっています。』

2012年度版以前のものも含め、数字の部分だけ抽出すると次の通りです。

[理事長]
2013年度版 約295万円
2012年度版 約280万円
2011年度版 約292万円
2010年度版 約287万円
2009年度版 約288万円

[副理事長]
2013年度版 約283万円
2012年度版 約275万円
2011年度版 約275万円
2010年度版 約276万円
2009年度版 約277万円

「将来」とは、2010年度版には65歳時との記載がありましたので、
おそらく退職時に65歳以上であるか、退職後に65歳以上になるかで年金の支給
が開始されると読み取れますが、この金額がどのような計算でなされているのか
は不明です。

まさか、理事長や副理事長を数年勤めただけで、個人としての年金とは別に
これほど多額の年金が支給されることはないとは思いますが、2代目理事長
になってからも試算の水準が変わっていないところが気になるところです。


●日本年金機構の職員の退職手当の支給額

最後に、役員報酬と同ページに記載されている職員の退職手当についても
興味深い点がありましたので、ついでに触れておきます。

2010年度版までの記載方法と、2011年度版以降の記載方法に変化が見られるの
ですが、どうも退職手当の額を低く見せようとする意図を感じるのです。

2010年度版と2011年度版で比較してみます。
注釈も含め、ほぼそのままの転載です。

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【2010年度版】

■定年退職時の退職手当支給額(モデルケース)
[勤続年数38年(22歳から60歳まで勤務)とした場合の試算額]

日本年金機構 2438万円
国家公務員 2451万円
民間企業平均 2712万円

※日本年金機構の退職手当額は標準者モデル(年金事務所管理職(副所長)
クラスで定年を迎える職員)についての試算額。
※国家公務員の退職手当額は、標準的な退職手当モデル(定年時5級)について
の試算額。
※民間企業平均は「民間の企業年金・退職金等の調査結果(平成18年11月人事院
作成資料)」より引用している。

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【2011年度版】

■退職手当の平均支給額
退職手当額 2259万円

※平成23年度に日本年金機構が支給した退職手当額、1人あたりの平均額(勤続
20年以上)です。

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まず、2010年度版をもって平均の比較をやめています。

比較対象としている「民間企業平均2712万円」ですが、
あまりに都合の良い数字ですので、苦情でもあったのでしょうか。

また、勤続年数で、38年でのモデルケースから20年以上の平均へと改められ、
これにより、実態は変わらなくとも、表に出す退職手当の金額は引き下げられ
ました。

ちなみに、2013年度の職員の退職手当額は、平均2172万円です。
(勤続20年以上)

正規職員の給与は、
平均年齢42.5歳 平均560万円(賞与・その他を含む)
です。

日本年金機構の職員の多くが、旧社会保険庁からの移籍組で、個人情報流出の件
に限らず、日本年金機構になってからも続く年金支給の過払い未払い、
保険料徴収の過徴収未徴収、その他さまざまな事務処理ミスの多さを考えると、
役員報酬、職員報酬ともに見直しが必要かもしれません。


●最後に…アニュアルレポートの参照元URLについて

6月6日以降、日本年金機構のホームページが脆弱性改善のために閉鎖されて
います。

アニュアルレポートは、日本年金機構のサイト内にあるために現時点での閲覧は
できず、そのため、今回参照元URLは記載しませんでした。

サイト復帰の時期は不明ですが、当該アニュアルレポートを探すための検索語は

「 日本年金機構 アニュアルレポート 」

です。

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