厚生年金の法律 第4章福祉施設~第8章罰則

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厚生年金保険法 第4章福祉施設~第8章罰則

「厚生年金保険法」
(昭和二十九年五月十九日法律第百十五号)
最終改正年月日:平成一八年六月一四日法律第六六号

第四章 福祉施設(第七十九条)

第四章の二 積立金の運用(第七十九条の二―第七十九条の七)

第五章 費用の負担(第八十条―第八十九条)

第六章 不服申立て(第九十条―第九十一条の三)

第七章 雑則(第九十二条―第百一条)

第八章 罰則(第百二条―第百五条)


第四章 福祉施設

第七十九条
 政府は、被保険者、被保険者であつた者及び受給権者の福祉を増進するため、
 必要な施設をすることができる。

第四章の二 積立金の運用

(運用の目的)
第七十九条の二
 厚生保険特別会計の年金勘定に係る積立金(以下この章において「積立金」とい
 う。)の運用は、積立金が厚生年金保険の被保険者から徴収された保険料の一部
 であり、かつ、将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し
 、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効
 率的に行うことにより、将来にわたつて、厚生年金保険事業の運営の安定に資す
 ることを目的として行うものとする。


(積立金の運用)
第七十九条の三
 積立金の運用は、厚生労働大臣が、前条の目的に沿つた運用に基づく納付金の納
 付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託するこ
 とにより行うものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の規定にかかわらず、同項の規定に基づく寄託をするま
    での間、財政融資資金に積立金を預託することができる。


(運用職員の責務)
第七十九条の四
 積立金の運用に係る行政事務に従事する厚生労働省の職員(政令で定める者に限
 る。以下「運用職員」という。)は、積立金の運用の目的に沿つて、慎重かつ細
 心の注意を払い、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない。


(秘密保持義務)
第七十九条の五
 運用職員は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし又は盗用してはならない。


(懲戒処分)
第七十九条の六
 運用職員が前条の規定に違反したと認めるときは、厚生労働大臣は、その職員に
 対し国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に基づく懲戒処分をしなけれ
 ばならない。


(年金積立金管理運用独立行政法人法との関係)
第七十九条の七
 積立金の運用については、この法律に定めるもののほか、年金積立金管理運用
 独立行政法人法(平成十六年法律第百五号)の定めるところによる。

第五章 費用の負担

(国庫負担)
第八十条
 国庫は、毎年度、厚生年金保険の管掌者たる政府が国民年金法第九十四条の二第
 一項の規定により負担する基礎年金拠出金(以下単に「基礎年金拠出金」とい
 う。)の額の二分の一に相当する額を負担する。
2 国庫は、前項に規定する費用のほか、毎年度、予算の範囲内で、厚生年金保険
    事業の事務(基礎年金拠出金の負担に関する事務を含む。)の執行に要する
    費用を負担する。


(保険料)
第八十一条
 政府は、厚生年金保険事業に要する費用(基礎年金拠出金を含む。)に充てるた
 め、保険料を徴収する。
2 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき徴収するものとする。
3 保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じて得た額
    とする。
4 保険料率は、下欄に定める率(厚生年金基金の加入員である被保険者にあつて
    は、当該率から第八十一条の三第一項に規定する免除保険料率を控除して得た
    率)とする。
    
        平成16年10月分 ~ 平成17年8月分 139.34/1000
        平成17年 9月分 ~ 平成18年8月分 142.88/1000
        平成18年 9月分 ~ 平成19年8月分 146.42/1000
        平成19年 9月分 ~ 平成20年8月分 149.96/1000
        平成20年 9月分 ~ 平成21年8月分 153.50/1000
        平成21年 9月分 ~ 平成22年8月分 157.04/1000
        平成22年 9月分 ~ 平成23年8月分 160.58/1000
        平成23年 9月分 ~ 平成24年8月分 164.12/1000
        平成24年 9月分 ~ 平成25年8月分 167.66/1000
        平成25年 9月分 ~ 平成26年8月分 171.20/1000
        平成26年 9月分 ~ 平成27年8月分 174.74/1000
        平成27年 9月分 ~ 平成28年8月分 178.28/1000
        平成28年 9月分 ~ 平成29年8月分 181.82/1000
        平成29年 9月分 ~ 183.00/1000

(育児休業期間中の保険料の徴収の特例)
第八十一条の二
 育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令の
 定めるところにより社会保険庁長官に申出をしたときは、前条第二項の規定にか
 かわらず、当該被保険者に係る保険料であつてその育児休業等を開始した日の属
 する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係
 るものの徴収は行わない。


(免除保険料率の決定等)
第八十一条の三
 厚生労働大臣は、次項に規定する代行保険料率を基準として、政令の定めるとこ
 ろにより、厚生年金基金ごとに免除保険料率を決定する。
2 代行保険料率は、当該厚生年金基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞
    与額の総額にそれぞれ当該代行保険料率を乗じることにより算定した額(第百
    三十九条第七項又は第八項に規定する申出に係る加入員の標準報酬月額及び標
    準賞与額であつて同条第七項又は第八項に規定する期間に係るものにそれぞれ
    当該代行保険料率を乗じて得た額を控除した額とする。)の収入を代行給付費
    (当該厚生年金基金の加入員のすべてが加入員でないとして保険給付の額を計
    算した場合において増加することとなる保険給付に要する費用に相当する費用
    をいう。)に充てることとした場合において、当該代行給付費の予想額及び予
    定運用収入の額に照らし、将来にわたつて、財政の均衡を保つことができるも
    のとして、政令の定めるところにより算定するものとする。 
3 厚生年金基金は、厚生労働省令の定めるところにより、当該厚生年金基金に係
    る前項に規定する代行保険料率(次項において単に「代行保険料率」という。
    )を算定し、当該代行保険料率及びその算定の基礎となるものとして厚生労働
    省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 厚生年金基金の設立の認可の申請を行う適用事業所の事業主は、厚生労働省令
    の定めるところにより、当該申請のときに当該設立される厚生年金基金に係る
    代行保険料率を算定し、当該代行保険料率及びその算定の基礎となるものとし
    て厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
5 厚生労働大臣は、第一項の規定により免除保険料率を決定したときは、その旨
    を当該厚生年金基金に通知しなければならない。
6 厚生年金基金は、前項の通知を受けたときは、速やかに、これを当該厚生年金
    基金に係る適用事業所の事業主に通知しなければならない。
7 前項の適用事業所の事業主(当該厚生年金基金が設立された適用事業所の事業
    主に限る。)は、同項の通知を受けたときは、速やかに、これを当該通知に係
    る加入員に通知しなければならない。


(保険料の負担及び納付義務)
第八十二条
 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担する。
2 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を
    負う。
3 被保険者が同時に二以上の事業所又は船舶に使用される場合における各事業主
    の負担すべき保険料の額及び保険料の納付義務については、政令の定めるとこ
    ろによる。


(保険料の納付)
第八十三条
 毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。
2 社会保険庁長官は、納入の告知をした保険料額が当該納付義務者が納付すべき
    保険料額をこえていることを知つたとき、又は納付した保険料額が当該納付義
    務者が納付すべき保険料額をこえていることを知つたときは、そのこえている
    部分に関する納入の告知又は納付を、その納入の告知又は納付の日の翌日から
    六箇月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたもの
    とみなすことができる。
3 前項の規定によつて、納期を繰り上げて納入の告知又は納付をしたものとみな
    したときは、社会保険庁長官は、その旨を当該納付義務者に通知しなければな
    らない。


(口座振替による納付)
第八十三条の二
 社会保険庁長官は、納付義務者から、預金又は貯金の払出しとその払い出した
 金銭による保険料の納付をその預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して
 行うことを希望する旨の申出があつた場合には、その納付が確実と認められ、か
 つ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り、そ
 の申出を承認することができる。


(保険料の源泉控除)
第八十四条
 事業主は、被保険者に対して通貨をもつて報酬を支払う場合においては、被保険
 者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所又は船
 舶に使用されなくなつた場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る
 保険料)を報酬から控除することができる。
2 事業主は、被保険者に対して通貨をもつて賞与を支払う場合においては、被保
    険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除す
    ることができる。
3 事業主は、前二項の規定によつて保険料を控除したときは、保険料の控除に関
    する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。


(保険料の繰上徴収)
第八十五条
 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、すべて徴収す
 ることができる。
一 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合
  イ 国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。 
  ロ 強制執行を受けるとき。 
  ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。 
  ニ 企業担保権の実行手続の開始があつたとき。 
  ホ 競売の開始があつたとき。 
二 法人たる納付義務者が、解散をした場合
三 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合
四 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該
    船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合


(企業年金連合会の解散に伴う責任準備金相当額の徴収)
第八十五条の二
 政府は、企業年金連合会が解散したときは、その解散した日において当該企業年
 金連合会が年金たる給付の支給に関する義務を負つている者に係る政令の定める
 ところにより算出した責任準備金に相当する額を当該解散した企業年金連合会か
 ら徴収する。


(保険料等の督促及び滞納処分)
第八十六条
 保険料その他この法律(第九章を除く。以下この章、次章及び第七章において同
 じ。)の規定による徴収金を滞納する者があるときは、社会保険庁長官は、期限
 を指定して、これを督促しなければならない。ただし、第八十五条の規定により
 保険料を徴収するときは、この限りでない。
2 前項の規定によつて督促をしようとするときは、社会保険庁長官は、納付義務
    者に対して、督促状を発する。
3 前項の規定による督促状は、納付義務者が、健康保険法第百八十条の規定によ
    つて督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、
    発することができる。
4 第二項の督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して十日以
    上を経過した日でなければならない。ただし、第八十五条各号の一に該当する
    場合は、この限りでない。
5 社会保険庁長官は、納付義務者が次の各号の一に該当する場合においては、
    国税滞納処分の例によつてこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはそ
    の者の財産所在地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二
    年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区と
    する。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができる。
一 第二項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この
    法律の規定による徴収金を納付しないとき。
二 第八十五条各号の一に該当したことにより納期を繰り上げて保険料納入の告知
    を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。
6 市町村は、前項の規定による処分の請求を受けたときは、市町村税の例によつ
    てこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収
    金の百分の四に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。


(延滞金)
第八十七条
 前条第二項の規定によつて督促をしたときは、社会保険庁長官は、保険料額につ
 き年十四・六パーセントの割合で、納期限の翌日から、保険料完納又は財産差押
 の日の前日までの日数によつて計算した延滞金を徴収する。但し、左の各号の一
 に該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、こ
 の限りでない。
一 保険料額が千円未満であるとき。
二 納期を繰り上げて徴収するとき。
三 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がと
    もに明らかでないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
2 前項の場合において、保険料額の一部につき納付があつたときは、その納付の
    日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる保険料は、その納付のあつた保
    険料額を控除した金額による。
3 延滞金を計算するにあたり、保険料額に千円未満の端数があるときは、その端
    数は、切り捨てる。
4 督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は前三項の規定によつ
    て計算した金額が百円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。
5 延滞金の金額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
6 第四十条の二及び第八十五条の二の規定による徴収金は、前各項の規定の適用
    については、保険料とみなす。


(先取特権の順位)
第八十八条
 保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税
 に次ぐものとする。


(徴収に関する通則)
第八十九条
 保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の規定があるもの
 を除き、国税徴収の例により徴収する。

第六章 不服申立て

(審査請求及び再審査請求)
第九十条
 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保
 険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に
 対して再審査請求をすることができる。
2 審査請求をした日から六十日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保
    険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して
    再審査請求をすることができる。
3 第一項の審査請求及び前二項の再審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上
    の請求とみなす。
4 被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分につい
    ての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とす
    ることができない。


第九十一条
 保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は第八十
 六条の規定による処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をす
 ることができる。


(行政不服審査法の適用関係)
第九十一条の二
 前二条の審査請求及び再審査請求については、行政不服審査法(昭和三十七年法
 律第百六十号)第二章第一節、第二節(第十八条及び第十九条を除く。)及び第
 五節の規定を適用しない。


(不服申立てと訴訟との関係)
第九十一条の三
 第九十条第一項又は第九十一条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分につ
 いての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなけれ
 ば、提起することができない。

第七章 雑則

(時効)
第九十二条
 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利
 は、二年を経過したとき、保険給付を受ける権利は、五年を経過したときは、時
 効によつて、消滅する。
2 年金たる保険給付を受ける権利の時効は、当該年金たる保険給付がその全額に
    つき支給を停止されている間は、進行しない。
3 保険料その他この法律の規定による徴収金の納入の告知又は第八十六条第一項
    の規定による督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規
    定にかかわらず、時効中断の効力を有する。


(期間の計算)
第九十三条
 この法律又はこの法律に基く命令に規定する期間の計算については、この法律
 に別段の規定がある場合を除くほか、民法の期間に関する規定を準用する。


第九十四条
 削除


(戸籍事項の無料証明)
第九十五条
 市町村長は、社会保険庁長官、地方社会保険事務局長、社会保険事務所長又は受
 給権者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、被保険者、被保険者
 であつた者又は受給権者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。


(受給権者に関する調査)
第九十六条
 社会保険庁長官は、必要があると認めるときは、年金たる保険給付の受給権者に
 対して、その者の身分関係、障害の状態その他受給権の消滅、年金額の改定若し
 くは支給の停止に係る事項に関する書類その他の物件の提出を命じ、又は当該職
 員をしてこれらの事項に関し受給権者に質問させることができる。
2 前項の規定によつて質問を行なう当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、
    かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。


(診断)
第九十七条
 社会保険庁長官は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害
 の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は第四十四条第
 一項の規定によりその者について加算が行われている子に対して、その指定する
 医師の診断を受けるべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの者の障害の状
 態を診断させることができる。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による当該職員の診断について準用する。


(届出等)
第九十八条
 事業主は、厚生労働省令の定めるところにより、第二十七条に規定する事項を除
 くほか厚生労働省令の定める事項を社会保険庁長官に届け出なければならない。
2 被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働省令の定める事項
    を社会保険庁長官に届け出、又は事業主に申し出なければならない。
3 受給権者は、厚生労働省令の定めるところにより、社会保険庁長官に対し、
    厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他
    の物件を提出しなければならない。
4 受給権者が死亡したときは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規
    定による死亡の届出義務者は、十日以内に、その旨を社会保険庁長官に届け出
    なければならない。


(事業主の事務)
第九十九条
 厚生年金保険の施行に必要な事務は、厚生労働省令の定めるところにより、
 その一部を事業主に行わせることができる。


(立入検査等)
第百条
 社会保険庁長官は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する
 決定に関し、必要があると認めるときは、事業主に対して、文書その他の物件を
 提出すべきことを命じ、又は当該職員をして事業所に立ち入つて関係者に質問
 し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 第九十六条第二項の規定は前項の規定による質問及び検査について準用する。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはな
    らない。


(資料の提供)
第百条の二
 社会保険庁長官は、被保険者の資格に関し必要があると認めるときは、官公署に
 対し、法人の事業所の名称、所在地その他必要な資料の提供を求めることができ
 る。
2 社会保険庁長官は、年金たる保険給付に関する処分に関し必要があると認める
    ときは、受給権者に対する他の被用者年金各法による年金たる給付又はその
    配偶者に対する第四十六条第六項に規定する政令で定める給付の支給状況につ
    き、国民年金法第三条第二項に規定する共済組合等又は第四十六条第六項に
    規定する政令で定める給付に係る制度の管掌機関に対し、必要な資料の提供を
    求めることができる。


(報告)
第百条の三
 年金保険者たる共済組合等(国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連
 合会及び日本私立学校振興・共済事業団をいう。以下同じ。)は、厚生労働省令
 で定めるところにより、当該年金保険者たる共済組合等を所管する大臣を経由し
 て、第四十三条の二第一項第二号イに規定する標準報酬額等平均額の算定のため
 に必要な事項として厚生労働省令で定める事項について厚生労働大臣に報告を行
 うものとする。
2 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、前項に規定する標準報
    酬額等平均額その他これに関連する事項で厚生労働省令で定めるものについ
    て、年金保険者たる共済組合等を所管する大臣に報告を行うものとする。


(経過措置)
第百条の四
 この法律に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令で、その制
 定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を
 定めることができる。


(実施規定)
第百一条
 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その
 他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。

第八章 罰則

第百二条
 事業主が、正当な理由がなくて次の各号の一に該当するときは、六月以下の懲役
 又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十七条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第二十九条第二項(第三十条第二項において準用する場合を含む。)の規定に
    違反して、通知をしないとき。
三 第八十一条の三第七項の規定に違反して、通知をしないとき。
四 第八十二条第二項の規定に違反して、督促状に指定する期限までに保険料を納
    付しないとき。
五 第百条第一項の規定に違反して、文書その他の物件を提出せず、又は当該職員
    の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは検査を拒み
    、妨げ、若しくは忌避したとき。
2 解散した企業年金連合会が、正当な理由がなくて、第八十五条の二の規定によ
    り負担すべき徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないときも、前項と
    同様とする。


第百二条の二
 第八十一条の三第三項又は第四項の規定に違反して、同条第三項又は第四項に規
 定する厚生労働省令で定める事項につき、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 第八十一条の三第六項の規定に違反して、通知をしなかつた者も前項と同様と
    する。


第百三条
 事業主以外の者が、第百条第一項の規定に違反して、当該職員の質問に対して答
 弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したと
 きは、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。


第百三条の二
 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第八十九条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法(昭和三十四年
    法律第百四十七号)第百四十一条の規定による徴収職員の質問に対して答弁を
    せず、又は偽りの陳述をした者
二 第八十九条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の
    規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は当該検査に関し偽りの記
    載若しくは記録をした帳簿書類を提示した者


第百四条
 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この
 条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。
 )の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人
 、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、第百二条
 から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に
 対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合においては、その代表
    者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、
    法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。


第百五条
 左の各号に掲げる場合には、十万円以下の過料に処する。
一 第九十八条第一項の規定に違反して、事業主が届出をせず、又は虚偽の届出を
    したとき。
二 第九十八条第二項の規定に違反して、被保険者が届出をせず、若しくは虚偽の
    届出をし、又は申出をせず、若しくは虚偽の申出をしたとき。
三 第九十八条第四項の規定に違反して、戸籍法の規定による死亡の届出義務者
    が、届出をしないとき。