年金保険料を払う|厚生年金の保険料Q&A>60歳定年後再雇用。給与半減でも厚生年金保険料は高いまま?→『同日得喪』で標準報酬月額はすぐに改定。

厚生年金・国民年金増額対策室年金保険料をはらう|厚生年金の保険料Q&A > hkouh1001

厚生年金・国民年金増額対策室

60歳定年後再雇用。給与半減でも厚生年金保険料は高いまま?

私は現在59歳。間もなく60歳定年です。
定年後は嘱託社員として再雇用されますが、
勤務条件の変更と併せて60万円あった月給は20万円になります。

・誕生日=11月3日
・定年退職日=11月20日(給与締め日にあたる)
・再雇用=11月21日

この場合、従前の高い給与をもとにした厚生年金保険料は、いつから低下するのでしょうか?
それとも、しばらくは高いまま??

定年退職再雇用の場合にだけ認められている社会保険の『同日得喪』

※平成22年9月1日より、60歳~64歳の年金受給権を有する者の退職後継続再雇用ならば、
退職事由が「定年以外の事由」でも標準報酬月額が給与の下落に即対応するよう改められました。

会社を退職をして1日の空白もなく同じ会社に再雇用される場合、
事実上会社と従業員の使用関係が継続していることから、
通常、厚生年金(健康保険も)被保険者資格は継続します。

その場合、給与の大幅なダウンがあったとしても、
標準報酬月額が改定されるのは「被保険者報酬月額変更届」(随時改定)によるところとなり、
その改定は、給与が下がって4ヶ月目からということになってしまいます。
(給与ダウン後3ヶ月の平均をもとに改定)

ところが、これを定年退職-再雇用にまであてはめてしまうと、
高年齢者の雇用の継続という観点からは不都合が生じてしまうことから、
定年退職時の再雇用に限り、事実上の継続雇用でも使用関係が中断したものとみなされるのです。
(平成8年4月8日保文発第269号、庁文発1431号)

そして、手続き的には就業規則の写し等と併せて被保険者資格の喪失届と取得届を同時に提出し、
同日(定年退職日の翌日)に被保険者資格の喪失・取得を行うことから、
これを社会保険の『同日得喪(どうじつとくそう)』と呼んでいます。

同日得喪できる人

同日得喪できる人は次の2点を満たす人です。

同日得喪の効果…保険料への反映

同日得喪を行うと、資格取得月から新しい標準報酬月額による厚生年金保険料となります。
上記の例で言えば、定年退職日が11月20日で資格喪失日は11月21日。
資格取得月が11月ですので、11月分の給与から新しい保険料となります。

これがもし、月末である11月30日が定年退職日であった場合はどうなるのでしょうか?
資格取得日は退職日の翌日の12月1日となり、資格取得月は12月。
12月分の給与から新しい厚生年金保険料となります。

資格喪失月の賞与の保険料は…資格喪失月であり資格取得日前の賞与の保険料支払は不要

社会保険料(健保・厚年)は、資格喪失月の前月までの報酬に対して保険料が徴収されます。
月末退社の場合、例えば11月30日退社ならば、資格喪失日が12月1日となり、
資格喪失月(12月)の前月の11月分までの社会保険料(会社・本人負担分)が徴収されます。

一方、例のように退社日が月の途中である場合、例えば11月20日退社ならば資格喪失日が11月21日となり
資格喪失月(11月)の前月である10月分までの社会保険料が徴収されます。

そして、この場合は、11月1日~11月20日が資格喪失月でありながら資格取得日の前であるため、
この間に支給された賞与からは保険料は徴収されません。
(当然ながら、11月21日以降の資格取得後に支給した賞与からは、保険料が徴収されます。)

「もらう」面でも影響が大きい同日得喪

ここまでは、同日得喪が保険料の支払いに与える影響について触れてきましたが、
同日得喪は在職老齢年金の支給停止にかかる部分についても大きな影響を及ぼします。
また、退職日が月末なのか月の途中なのかということについても損得が生じてきます。
定年再雇用(同日得喪)の場合、退職日は月の途中の方が在職老齢年金で有利?
→給与大幅ダウンの予定ならば、支給停止の計算上有利です。

厚生年金増額対策まとめ

厚生年金繰り下げ受給加給年金中高齢の特例60歳台前半の特例定時決定育児休業
退職改定任意単独被保険者高齢任意加入被保険者在職老齢年金3歳未満の養育特例

国民年金増額対策まとめ

任意加入被保険者国民年金繰り下げ受給保険料免除制度国民年金基金時効の2年間
前払制度(保険料前納)会社員(厚生年金加入)付加年金第3号被保険者

年金Q&A

公的年金制度と年金問題老後の年金生活の実態よくある年金の勘違い年金と税金
年金、ここが損得の分れ目国民年金の保険料国民年金保険料の免除厚生年金の保険料
年金の受給全般老齢基礎年金の受給老齢厚生年金の受給加給年金の受給寡婦年金
厚生年金保険への加入国民年金への加入年金の任意加入離婚時の年金分割
遺族厚生年金 遺族基礎年金中高齢寡婦加算在職老齢年金QA国民年金基金QA

国民年金・厚生年金情報通

厚生年金厚生年金と国民年金国民年金年金生活消えた年金問題

年金の手続きその他

年金受給者の手続き裁定請求書の書き方と留意点年金相談事例厚生年金の受給開始年齢
年金読書録(年金、年金生活、社会保障関連の本)消えた年金記録とは?プライバシーポリシー