第14号 年金、みんな怒っています!|『議員』口利き案件の第三者委員会審査は特別扱い?

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厚生年金・国民年金増額対策室

第14号『議員』口利き案件の第三者委員会審査は特別扱い?

号数…第14号
発効日…【2008/10/24】
購読者数…104名
件名…『議員』口利き案件の第三者委員会審査は特別扱い?

┏━━ ●  年金、みんな怒っています!  ● 第14号

   ◎『議員』口利き案件の第三者委員会審査は特別扱い?
        
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          【 平成20年10月24日版  第14号 購読者数 104名様 】
     

マル「ギ」案件??


2008年10月22日TBS放映のNEWS23「年金救済委員会の実態-内部証言
(テレビ番組欄)」では、実際に第三者委員会の調査員をしていた近畿地方の
男性による衝撃的な証言が放映されていました。

国はズサンな年金管理をしていたけれど、
あれだけ騒動になって設置された第三者委員会なのだから、
最後の望みを託しても大丈夫だろう・・・

そんな私たちの希望も打ち消されかねないトンデモない話。
今のところたった一人の証言ですが・・・?


●ズサンな調査の事例

調査員の証言の前に、同時に放送された京都の71歳Aさんの事例から。

Aさんの年金記録には、以前勤めていたホテル5か月分の記録がありません。
同僚5人の名前も覚えており、第三者委員会にも申し立てましたが、
7ヶ月後に委員会から得た回答書には

「総合的に判断いたしましたが、年金記録の訂正が必要とまではいえないとの
結論に至りました。」
理由は
「当時の資料がすでに処分されているなどして事実が確認できない」
同僚5人については所在不明とのこと・・・

そして、納得できないAさんは、わずかな手がかりを求めて
自分が働いていたホテルへ行くと、ホテルには第三者委員会から書面での
簡単な問い合わせのみで、同僚の名前の確認などはなかったことが判明。

第三者委員会は、会社に残された資料、または当時一緒に働いていた同僚に
当たるなど、周辺状況も調べるのが本来の仕事のハズなのですが。


●第三者委員会の元調査員の証言「認めない方向・・・」

以下元調査員の話
『最初のころは、調査員の指摘をたくさん取り入れようという姿勢でしたが、
局長が変わったときに、なるべく認めない方向というか、前例がなければ
認めない、そういった厳しい要件に変わりました。』

話によると、調査員には1週間に申し立て1件を処理するというノルマがある。
(認定があるかどうかに関係なく1件は1件ということ)
調査については、表を作り、プラスの判断材料があるときには「積極的事情」
の箇所にその内容を書き込み、マイナスの判断材料があるときには「消極的事
情」の箇所に同じく書き込んでいき、プラスが多ければ認められ、マイナスが
多ければ非あっせん。
(もちろん数だけの問題ではないのですが、ここでは単純化して話してい
るものと思われます。)

件数があまりにも増えたため、十分な調査をせずに申し立てを認めないように
なったとのことです。


●それでも特別扱いされるマル「ギ」案件?

国会議員や県会議員による口利き案件を示すというマル「ギ」マーク。

『議員がからむ時は例外的でしたね。内部的にしかわからない印をつけ、
慎重に取り扱っておりましたね。班長が直接、時には部長が直接
取り扱っていました。』

これについて調査の公平さが欠けていたと指摘。
さらに『(第三者委員会について)救済になっていないでしょうね』とも・・・

番組の最後、中央第三者委員会・事務室のコメントとして
『議員案件については聞いたことがない。相手に関係なく平等に調査して
いる』

このコメントを信じたいのですが・・・


●第三者委員会の調査は本当に公平・公正?

以上、テレビ放映のたった1人の証言によるものですので、真実は不明ですが、
以前「第三者委員会」の発足1年のデータとして公表された、

『1位新潟県72.7%~50位の福井県9.4%』

という地域別の認定率の差異をあらためて思い返してみると、
第三者委員会に何らかの問題があると思わざるを得ません。

関連:年金「第三者委員会」地域認定率の差と県民性

新潟県では申し立てた人の7割が年金記録回復。
逆に、福井県では申し立てた人の1割しか年金記録が回復しなかったという
ことですが、これが公平・公正な調査の結果だとはとても思えません。


●ちなみに・・・第三者委員会の調査員はボランティアではありません

一般の人の中には、第三者委員会の調査員はボランティア的にわずかな報酬で
行っているものと勘違いしている方もいるかと思いますが、第三者委員会の
調査員は非常勤の国家公務員として、結構な報酬を得て活動しています。

それだけに仕事として1件1件真剣に取り組んで欲しいところです。

※具体的には『専門性及び識見の高い法曹関係者、学識経験者、年金実務に
精通した者(社会保険労務士、税理士、市町村住民行政関係者等)、
その他の有識者等』から任命されることになっており、現実問題少ない報酬
で善意で協力・・・では、おそらく人は集まりません。


●年金が命綱

ホテル勤務時代5ヶ月分の年金記録がなかったAさんが最後に
『年金が命綱ですから、命綱をカットするというのは重みがあることだから
万全を尽くしてほしい』
とおっしゃっていましたが、
年金記録回復を申し立てる人と、それを調査する人の間に、
「年金」に対するとらえ方に大きな違いがあるように思えてなりません。

調査する人は、何十件、何百件のうちのたったの1件。
見つからなくても影響なし。

申し立てる人は、一生にかかわる1件。
見つからなければ、厳しくなっている経済環境の中で生きていけなくなるかも
しれない、まさに命綱。

ただ処理件数をこなし、それを解決件数とし、
解決数アップを高らかにアピール。
そして救われるべき人が救われぬまま、
いずれ年金記録問題の幕引き・・・

そんな結末が、ぼんやり透けて見えた、今回のテレビ放映でした。

※現在~2009年初頭にかけて、1年契約の第三者委員会の委員の交代があり、
この先、他のテレビ・新聞・雑誌等でも元調査員第2第3の証言があると
思われます。マル「ギ」マークの真偽はいかに?

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