厚生年金・国民年金増額対策室 > 年金をもらう|国民年金の老齢基礎年金の受給Q&A > mkokur0602
今年も国民年金の年金額(老齢基礎年金)が下がりました。
どうして、毎年年金額が下がるのですか?
少し前は804,200円だったのに、今は794,200円です。
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物価が下がったため、年金額も下がったのです。
(一人当たりの賃金の伸びも、68歳までの年金額に反映されますが、省略します。)
物価スライドとは、
物価の上下に連動して、年金額も上下する動きのことです。
今は確かに物価が下がり続けていますので、年金額も減額されていますが、
少し前はそうではありませんでした。
平成元年には老齢基礎年金は満額600,000円でしたが、
その後全体的には物価は上昇し、
現在の80万円程度にまで年金額が増えたのです。
このように、物価が上昇している時は、それに応じて年金額も増えるのです。
マクロ経済スライドとは、
年金額の見直しのときに、
年金財政を支える現役の人数の増減、
年金を受け取る高齢者の増加、
これらの伸びを計算して年金額に反映させようというものです。
マクロ経済スライドの視点で言えば、
長生きする人が多くなれば多くなるほど、
年金額は減らされる運命にあります。
誰だって健康で長生きしたいと望んでいますし、
医療の発展で、ますます長寿国となろうとしているのに、
それがマイナスに働くなんて、少し寂しいですよね。
マクロ経済スライドでは、
年金保険料の支え手が減ることは、
払える年金の財政が厳しくなることにつながりますので、
これも年金額の減額に影響されます。
マクロ経済スライドは、実際には数値で表されます。
これをスライド調整率といいます。
2025年までのスライド調整率の見込みは0.9%です。
スライド調整率の見込み |
公的年金被保険者数(現役の人数)の減少率 → 0.6%程度 |
平均余命の伸び率(長生きの人数)を勘案した一定率 → 0.3%程度 |
物価との関係は、3パターンで表すことができます。
物価スライド率が0.9%より高い時。
たとえば1.2%としましょう。
すると、実際の年金額の改定では、
1.2%-0.9%=0.3%
となり、0.3%しか年金額が増えません。
物価スライド率が0~0.9%のとき。
たとえば0.5%としましょう。
すると、実際の年金額の改定では、
0.5%-■=0%
となります。
ここで■と表した部分は、
本来なら0.9%が入るところですが、
引いてマイナスになる時は、マイナスにはしない決まりになっています。
よって、■の部分は0.5%となります。
物価スライド率が~0%のとき。
すなわちマイナスとなるとき。
たとえば-0.3%としましょう。
すると、実際の年金額の改定では、
-0.3%-■=-0.3%
となります。
どういうことかと言いますと、
物価スライド率がマイナスの時は、
マクロ経済スライドは発動しない決まりになっています。
よって、■の部分は0%となり、
物価スライド率の-0.3%がそのまま適用され、
年金額が変更になります。
以上のように、物価が上がる時にだけ、
マクロ経済スライド(スライド調整率の適用)は登場します。
そうでないときは、賃金スライドや物価スライドが実施されることになります。
マクロ経済スライドによって物価スライドに一種の制限が生まれましたが、
それでも年金本来の意味でいう生活保障という点では、
今の年金、とても心強い存在です。
それというのも、戦後の混乱期のような、
急激な物価上昇、すなわちインフレのような状況の時には、
お年寄りの生活はどうにもならなくなるからです。
現役で働いている人は、インフレ率に応じた賃金をもらえるので、
比較的安心ですが、年金しか生活の手段のない人たちにとっては、
物価の上昇に応じて高い年金をもらえる物価スライドは、
生活水準を維持する上でとても重要な存在です。
確かに物価変動そのものの率ではないにしても、
仮に20%、30%も物価が上昇した時は、
その物価上昇分のほとんどをまかなうことができます。
公的年金ならではのことですね。
(国民年金基金は除きます。)
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