厚生年金・国民年金増額対策室 > 年金相談事例集 > 裁定請求前のおさらい(制度共通被保険者記録照会回答票より)
こんにちは。
いよいよ8合目まで来ました。
裁定請求を前に、一度改善したところや今後の方向性などおさらいさせて頂きます。
ぜひお願いします。
それにしても、最初に比べて110月(9年2ヶ月)ですか、加入期間が増えたのは。
そういうことですね。
「厚生年金被保険者証」で合算した分が71ヶ月。
何も資料がなく、最後にメモを見つけて加算されたのが39ヵ月。
両方合わせて年金に直すと36万円相当ですから、かなりのものです。
それに60歳8ヶ月目から、遡ってももらえるのでしたよね。
その分が大きいですね。遡り分だけでも160万円相当ですから、
臨時ボーナスのような感覚だと思います。
本来ならば、とっくにもらっていたはずの自分の年金なのに、なんだか得した気分です。
でも、気が付かないでもらえていなかったら時効でもらえなくなるというのはひどいものですね。
私のように、自分だけでは気が付かない人だっているでしょうに。
データによると、斉藤さまのように、年金が行方不明になっている方の数は、
65歳以上に絞っても、国民年金で590万件、厚生年金で1,754万件もあるそうです。
このデータは、社会保険業務センター調べで2006年6月16日の厚生労働審査会で出てきた数字です。
前だったら他人事だった話ですが、自分がまさに該当者でしたからね。
それくらいあるだろうな、と思いますよ。
そうですね。
結果的に斉藤さまの場合は年金での損は発生しませんでしたが、危ないところでした。
ところで、年金額の方の説明をさせていただきます。
お願いします。
「制度共通年金見込額照会回答票」を一緒に見ていただきたいのですが、
斉藤さまの場合、年金の受給権の発生は60歳8ヶ月です。
妙に半端ですね。
ここまで、厚生年金に20年を満たせなかったので仕方がないのです。
60歳8ヶ月で、やっと20年に達したということですから。
なるほど。
次は、定額部分支給開始年齢が61歳というお話ですが、これは法律で決まっておりまして、
斉藤さまのように昭和16年4月2日~昭和18年4月1日の間に生まれた方は、
どなたも61歳から2階建ての年金が支給されるのです。
それで年金額のところを見ると、
13万円から、65万円にグンと年金額がアップしているわけですね。
そうです。
そして、65歳になりますと2階建ての1階部分が老齢基礎年金になり、2階部分が厚生年金になります。
これは名称だけが変わって、金額的には変わらないものと思っていただいて結構です。
でも61歳から64歳までが65万円なのに65歳からは97万円ですよ。
それは「在職老齢年金」といって、
厚生年金のある会社で働いている方の給料と年金額のバランスで、
年金額がカットされているからなのです。
そして、そのカットのしくみが、65歳までのほうが基準が厳しいのです。
65歳以降は、かなり働かないと年金がカットされません。
斉藤さまのこの数字も、65歳以降はカット無しです。
なるほど。それと、繰下げと書いてあるところは?
これは、念のため繰下げのケースを出してみたのです。
65歳から年金をもらうと97万円ですが、
70歳から年金をもらうと112万円になるということになります。
繰下げを選ぶと、その間なにも年金がもらえないのですか?
いえいえ。厚生年金はもらいつつ国民年金を繰下げるということです。
斉藤さまの場合、63万円をもらいつつ、国民年金の部分35万円を繰下げる形です。
う~ん。どっちがトクなんだろう?
一応、累計額の上では81歳11ヶ月まで長生きすれば、
それ以降は繰下げの勝ちになります。それ以降は差が開く一方になります。
でも、それよりも早く亡くなったら。
通常通り受給した方がトクになります。
なるほどね・・・どちらがよいのやら?
あくまで私でしたらという考えですが、条件付で繰下げ派です。
どんな条件でしょう?
健康に働けて、生活していけるだけの収入があることです。
少し、怖い話になってしまいますが、
私たちの住む日本は、いまかなり危ない状況といっていいと思います。
国債がすごい金額になっている、ということですね。
犯罪とか、環境問題とか、地震の危険・・・
いろいろありますが、借金だけは確定した問題ですから一番怖いです。
そうです。主に財政面です。これによって、
消費税などの大増税、医療費アップ、介護保険、社会保険料のアップ。
これら上げていったらきりがないわけですが、
もっと恐ろしいのが、インフレです。それも超のつくインフレがやってくることです。
どういうことですか?
過去、国の借金から超のつくインフレになった国、
旧ソ連時代のロシアだとかアルゼンチン、ドイツなどはお金の価値が1000分の1だとか、
1万分の1だとか、信じられないことになったのです。
いま、というよりはこのままのペースで借金が増えると、
近い将来同じようなことがおきないとも限らないのです。
少しオーバーではないですか。
極端な例でしたが、日本国内においても昔は初任給が1万円だったとか、
そういう時代から見て物価はどんどん上昇しているわけです。
物価だけで金額が上がるわけではないのですが、いま大卒の初任給は約20万円ですからね。
でも、働ける人は物価の上昇に応じて上昇する賃金額を受取れるので、
比較的問題は大きくないわけです。
問題なのは働けない人のほうで、
年金がなく、現金しかない人はコワイですね。
ここで言う年金は公的年金のほうですが、
こちらは物価に変動して年金額も上昇するしくみをとっています。
歴史的に見ても、昭和60年当時は60万円だった年金が、今では約80万円です。
前にもお話いたしましたが、マクロ経済スライドで物価の上昇は1%ほど抑制されますが、
急激な物価上昇にこそ対応が求められますので、
一定のリスク緩和システムが働いているのは確かです。
つまり、こういうことですね。
人はいずれかならず働けなくなる時が来る。
その時に備えて、物価に対応する年金システムを生かすため、
少しでも多くの年金をもらう権利を得ておくべきだと。
もっとも様々な要因で年金が破綻しなければという条件付きですが。
まさに、それが私の考えです。
もちろん、子供の教育費や、返済すべき借金の為に早く年金がもらいたいという方は、
それに応じた選択肢があります。
正解はひとそれぞれ。
本当の正解は、私も含めてですが、その人が亡くなった後でしかわかりません。
通常通りもらうのもリスク、遅らせてもらうのもリスクですね。
ええ、そうです。あとはお任せします。
繰上げに比べると、デメリットは無いに等しいですから、
どちらを選んでも私は賛成です。
それでは、通常通りもらいたいですね。
わかりました。それでは65歳になったらハガキが来ますので、通常通りの選択をしてください。
あれ、それじゃあ、いまもらう年金は?
まったく別物です。
もう法律では65歳からしか年金をもらえないのが原則なので、
60歳から65歳までの年金はおまけ的意味合いになってしまっているのです。
ですので、繰上げも繰下げもなく、通常通りもらわないとそれだけ損をするのです。
繰り上げて貰うわけではないので心配は要りません。
ちなみに、65歳までのこの年金のことを「特別支給の老齢厚生年金」と言います。
あっ、そうでした。
繰上げや繰下げのお話をした後なので、65歳までの年金と、少し混同していました。
ということは、結論は、まだもう少しあとでもいいわけですね。
とりあえず今回の裁定請求は、今もらう年金「特別支給の老齢厚生年金」のことですね。
そうです。ご安心下さい。
それでは、具体的な裁定請求手続に入りますが、よろしいですか?
ぜひお願いします。
次は、裁定請求に必要な、住民票の代理取得についてです。
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