平成19年5月11日、社会保険庁より、生年月日不明の年金記録が30万件以上もあることが明らかになりました。1件や2件のミスの話ではないところに、何かしら姿勢みたいなものが見て取れます。
生年月日のない年金記録
誰のものかわからない年金記録が社会保険庁のデータには5000件あります。その大半は厚生年金で基礎年金番号に統合されていないものと推測することができますが、それらのデータを自分のものだと照合する時に、「名前」「生年月日」「会社名」をもとにするのですが、割と多いのが会社名の欠落です。
これはあなたが何社も退職している人であれば、1つや2つ、会社名が抜けていてもおかしくないくらいよくあることなのですが、それでもどうして年金記録を見つけ出すことができるかといえば、名前と生年月日で一致するデータを照合できるためです。
名前と生年月日が一致した人が世の中に複数いるということはまずないですし、しかも年金記録漏れを起こしているという絞込みを考えますと、名前と生年月日が合えば、まずもってその人のものだと判明することができますし、現実に社会保険事務所での照合調査でもそのように取り扱っています。
しかし、会社名もない、生年月日もないとなると、そうはいきません。今回の30万件という数字は、そのような不幸な重なり合いが十分に起こりえる数字です。
なぜ生年月日が年金記録から抜けたのか
一番大きな要因として考えられるのは、1980年代に行われたオンライン化の影響です。従来、年金加入記録は紙ベースで管理されておりましたが、コンピュータの導入により、一つ一つ書類上のデータをパソコンに入力する作業が行われました。
その際に、打ち間違えや見落としなど、数多く発生したと、そういわれています。また、勤務していた事業所が生年月日を届けていなかったケースや、もとになる書類事態が古くなり読み取れなくなった、紛失した、などなど年金記録が正確に把握できない原因は様々にいわれております。
だから国の年金記録データを鵜呑みにできない
これからは、今以上に年金加入記録が把握しやすくなります。しかし、そのデータというものは、そのようにズサンな管理の下で残存するデータのみ表示・通知されるのです。あなた自身が自分の自分史をつくり、その記録と年金データを照合し、あっているかどうかを判断しなければ、どこに落とし穴があるのかを見つけることはできません。お気をつけを。